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2025.02.18
「売上をスケールする」AIの使い道とは アルペンが挑む、kintone×生成AIの接客データ活用法
実験:コンテンツ提供による実名リード獲得とシナリオ展開(全1記事)
提供:SATORI株式会社
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高畑欽哉氏:株式会社エクストの高畑と申します。お手元に資料がありますが、何を血迷ったのか、20分のプレゼンなのに70枚もスライドを用意するというおかしなことをやっているんですけど。これすべて見ていると終わらないので、また振り返り用で見ていただけたらと思います。
まず弊社のご紹介をさせていただきますと、先ほどご案内があったように、「ITのチカラで働く人を幸せにする」というのをテーマに事業を行っている会社です。
具体的には、いわゆるWebサイトの構築のコンサルティング、あるいはマーケティングオートメーションツール「SATORI」の導入支援サービスなどを提供しています。
特徴としては、基本的には集客・創客を目指しているんですけれども、デザイン性を非常に重視しています。デザイン性の高いサイトに、「SATORI」を組み合わせたWebマーケティングの仕組みをコンサルティングしています。
もう1つが自社開発の社内コミュニケーションツールを提供しています。この「SONR.(ソナー)」というツール、こちらの販売の過程を、今日はご紹介したいと思っております。
今日は大きく3つのテーマで少しお話しするんですけれども、ご想像の通りすごくスピーディーに進んでいきますので、よろしくお願いしたいと思います。
まず、我々が自社サービスを作って販売するにあたって取り組んだことは、“プロダクト・マーケット・フィット”という考え方です。これは、お客様の課題を見つけたら、それをどのように解決するかを考えて商品化するという考え方です。
その商品は、売り出したときにはお客様のニーズをうまく叶えていないことも多いので、「少しずつ改良を加えながら、『これなら欲しい』と言っていただくところまでは、大きくしてはいけない」という鉄則があるんですけれども、そちらのとおりに進めてきたわけです。
要は、イノベーターとか、アーリーアダプターとか初期購入顧客にターゲットを絞って、その方々に寄り添うことで一緒に商品を作り上げていくということを、約5年近く取り組んでまいりました。
現在、890社くらいまで導入が進んでいるんですけれども、そもそも開発した当初の課題としてあったのは、我々、Web制作をしておりますと、いろんなお客様から日々並列で細かい仕事がどんどんやってくるわけですね。
これを時系列のツールを使ってマネジメントしようと思うと相当苦労しまして。「うまくいかない」ということで、自分たちで作ったわけです。
おそらく、みなさまもチャット系のツールとか使っておられる方はこういうことを体験していると思うんですけれども。
Aのことをディスカッションしていると、Bのトラブルが始まって話題がBに切り替わってしまって、言っている間にCが出てきて、Aに戻ってBが出てきて「なんのこっちゃ」という状態に、宿命的になるんですね。
これを細かい作業が並行して走る現場で使ってしまうと、とんでもないということなんですね。要は、タスクが入り混じって未完了のディスカッションがどんどん流れてしまう。そして見ていない書き込みがはるか彼方に行ってしまうという。
これらの課題をどうにか解決したいということで、自分たちで作ったものが「SONR.」というサービスになります。
このサービスは、自分に関わりのある書き込みがブロックで流れてきます。そのブロックを確認したら、了解ボタンを押して「見ましたよ」と、必要があればコメントを返答するという。「○○発注お願いします」「○○商店に発注しました。月曜日届きます」「無事に届きました」「ありがとうございます」。
こういう小さなタスクを、ブロックごとに展開してこなしていきます。
完了すると、オレンジのボタンを押すことでこの書き込みが消えていきます。そのことで、人に頼んで終わっていないことと、人から頼まれてやらないといけないことだけが見える化していくという、ちょっと変わった仕様のコミュニケーションツールなんですね。
また、コミュニケーションツールでありながら、カレンダーを同じように提供していまして、これらを連携して活用することができるというのが、この商品の特徴です。
作ったはいいものの、こんな得体の知れないものをほとんどの企業は導入しないわけで。
そこで取り組んだのが、プロダクト・マーケット・フィットという考え方です。我々が最初にやったことは、適切なフィードバックをいただけそうな業種の異なる4社にのみ導入をしたということです。
言い方を変えれば、5社目に売りにいかなかったということをしました。美容室、物流、製造業、飲食という4つの業種に展開をしました。1社ずつ「どうですか。使えていますか? どこか問題ないですか?」というようなことを聞きながら、それをダイレクトに商品の改良に活かしていきました。
例えば、ポムの樹というオムライスチェーンがあるんですけれども、そちらでは、「これがないと仕事が回らなくなったよ」とか。
(他の企業では)「ヒヤリハット活動が活性化したよ」とか、あるいは、「ITツールへのなじみがあまりない人も使えるようになりました」とか、「社員90人がすぐ利用できましたよ」みたいな。
こういう声を聞いて、「この商品はちゃんとお客さんに役立っているな」ということを確認してから5社目に売りに行ったという、そういうことなんですね。
とにかく足を使って、お客様にアプローチをして、そしてその人たちの声を1つずつ商品に反映していったというのが当初のスタートだったわけです。
「ちょっとボタンを大きくして欲しい」とか、あるいは「電話メモがほしい」とか「カレンダー付けてくれ」とか。あるいは「アプリで日曜日とか業務時間外に通知が来ないように設定できる機能をつけてほしい」とか、いろんな声を聞いたものを商品に反映してきたということになります。
こういう活動を繰り返しますと、「何かいいって聞いたんやけど?」という口コミが、約1年半くらいしてからようやく発生しだしまして、そこから第2次層にアプローチしていくわけです。
そちらでも結局のところ足を使って、とにかくお客様のところに訪問して要望を聞きながら導入をして、改善の要望があればそれを商品に反映させていくと。
収益に関わらず、使い方がうまくいくように社員さん向けの勉強会とかも、わざわざ訪問して行ったりというようなことで。とにかく、商品をうまく活用していただけるような仕組みに投資をしてきたということです。
お客さんの声をどんどん集めて、いわゆるコンテンツとして提案しているわけなんですが、これがあとから「SATORI」を活用したときに効いてくるわけです。
まず、スケール(Scale)の前、つまり大きくなる前に大事なことは、「顧客に密着して強烈なファンを作ること」。
そして「たくさんの人を少し喜ばせることよりも、少しの人を猛烈に喜ばせる」ことに取り組みました。そのためには「作り込まないこと」。
こちらが想像して「役立つだろう」と思うことは、ほとんど役に立たない。もっとシンプルな些細なことにお客さんの要望があることが、運用しながらわかってきました。
それらを元に、いつまでもアナログでやっているわけにはいきませんので、このアナログセールスとデジタルを融合させた動きをしていこうということが、我々の「SATORI」導入のスタートになりました。
そして、スケール(Scale)して良い条件とは、一体どういう段階にくれば商品をどんどん売り込んでいいステージになるんだろう、ということでいろいろ研究すると、平たく言えば「プロダクト・マーケット・フィットに達すること」ですよと。
「達したらどうなるんや」ということなんですけれども、プロダクト・マーケット・フィットに達すると、「開発やセールス、サポートが追いつかないくらい売れだす」ということらしいですね。
もう手に負えないくらい商品がどんどん売れていく、ということなんですね。「えらい簡単に言うてくれるやないか」ということです。実際には、新しい商品を世の中に広めるのって相当大変で、そんなに簡単に売れないんですね。
でもこれ、「どうやったら売れて売れてしょうがない状態になるんだろう?」ということで考えたわけなんですけれども、ふと、原点に戻ったら、忘れていたことがあったんです。
何かというと、うちはそもそもWebマーケティングの会社なんですよ。
お客様のお客様を増やすために提案したり、マーケティングの施策を提案していたわけなんですけど、我が社の商品を売るときには、あえてWebマーケティングを一切せずに、広告費ゼロで売り込んでいったわけですね。
これはなぜかというと、Webマーケティングで売れる商品と売れない商品があるということなんですね。
我が社の商品のステージでは、おそらく広告をいくら出しても成果が上がらないだろうというところからやっていたんですけれども、「いよいよWebマーケティングしようじゃないの」という段階に入ってきたわけです。そこで「SATORI」を活用することを考えました。
大きく4つ取り組みましたので、順番にご紹介したいと思います。
まず1つは、「販売フローの再構築」を行いました。見込み客が出てきてから、今までは真っ先にセールスに走って提案してきたわけなんですけれども、ここの間に「MAによる顧客育成」というものを取り込んでいきました。
そこから、インサイド、フィールド、クロージング、カスタマーサクセスと行くわけなんですけれども、この流れの中にいわゆるリサイクルというのを取り入れたわけです。
成約に至らなかった、あるいは反応がなかった顧客をリサイクルという属性を付けて、そのリサイクル客に向けたシナリオを展開するというようなことに取り組んだわけです。
2つ目に、「コンテンツマーケティング」ということで、自社のノウハウをどんどんアピールしようということに取り組んでいます。
今、お客様は、なかなか我々の前に姿を現してくれない時代になりましたので、顧客の選択に役立つコンテンツというものが非常に重要視されているのは、みなさまご存知のとおりだと思うんですけれども、そうしたコンテンツをいろいろ作るわけです。
コンテンツとひと言にいうと、なにかWeb系のブログだったりそういったものを想像しがちなんですけれども、我々のコンテンツというのはもう少し広義なんですね。
まず1つずついきますけれども、1つは、先ほどのプレゼンの中にもありましたけれども、お客様の温度に応じた情報提供というのを心がけています。
例えば、弊社がWebサイトのコンサルティングを行うときには、先ほどもありましたように、「そのうち客」「もうすぐ客」「今すぐ客」という温度ごとに必要とする情報って異なるでしょうと。「その人たちが欲しい情報ってどうなんだろう?」という観点からコンテンツの企画を行って導線設計をします。
もうひとつのコンテンツは、我が社の強みの1つであるセミナーですね。先日はSATORIさんと合同でイベントを行ったわけなんですけれども、だいたい3部作くらいで、3時間から4時間くらいでセミナーを組みます。その中で、だいたい90分くらいのセミナーになるとスライドが250枚から300枚くらいわざわざ作るんですね。
「どうぞ、この資料すべて差し上げます」みたいにすると、みなさんがQRコードをカシャカシャと読み込んでSATORIに誘導されていくという、こういうかたちなんです。そうすると、そこで実名リードを獲得することができる。
実際、先月行ったセミナーの成果をみると、申し込みが71名。実際に来られた方が60名いらっしゃってアンケートに答えた方が56名。そのうち、「SONR.」の商談に進んだ方が4社。成約が2社。「SATORI」の商談に進んだのが3社ありまして、2社が成約しました。
1社が今、商談中でもうすぐ決まると思うんですけれども、こんなことを繰り返し、今年1年だけでSATORIさんでも10数社ですかね。導入をしているんですけれども、そんな感じで、実はアナログのコンテンツをWebに引き込んできて成果につなげることに取り組んできました。
加えて、ダウンロードコンテンツを提供しています。例えば、「そのうち客」には自社のサービスが解決する課題に関連する分野ですね。商品とは少し遠いけれども、関連する分野の情報。
例えば、「生産性を高める5つのヒント」みたいなテーマで、「こういうロスコストがあるよ」とか、あるいは「ロスを見極める10の合言葉があるんです」という、うんちくみたいな資料を用意したり。
「もうすぐ客」には検討に必要な情報ですね。「時系列ツールはこうなんですよ」とか。あるいは「プライベートと仕事を切り分けるようなツールが今、求められています」とか、そんな情報。
そして、「いますぐ客」には、今すぐ商品を検討したい人のための我社の商品の押しの部分とか、あるいは、「けっこうお求めやすい価格ですよ」という情報を提供しています。
コンテンツの4つ目はブログですね。量より質ということで取り組んでおります。おそらくこのへんはみなさんご存知だと思います。
コンテンツの5つ目が先ほど言った「活用インタビュー」で、実際のところ、これが非常に効きまして、数を溜めていくとその後のシナリオ展開のときに相当活きます。
今、コンサルティングをさせていただく中で一番の課題は、各企業さんがお客様に提供するようなコンテンツをあまりお持ちでないことが非常に多くて、非常に悩むんですけれども、こういうことを少しずつ積み上げていくことが重要かなと思います。
「コンテンツマーケティング」についてまとめますと、だいたいセミナーは100名前後のセミナー、年間10回くらいやりますけれども、1回辺り4~50名の実名リードを獲得できます。
そして、ダウンロードコンテンツの提供。また、ブログやメルマガということでサイトへのアクセス流入が、実際この取り組みを始める前に比べてだいたい2倍くらいまで増えました。
スケールに向けての3つ目の取り組みは「シナリオ」です。シナリオをうまく活用するとお客様への接点を自動化できるということなんですけど、これがなかなかみなさん苦労するわけですね。
弊社は先ほど言ったみたいに、セミナー終了したら「どうぞ」ということで資料をダウンロードしていただくんですけれども、それをわざわざ5つに分けて送信しています。
5つに分ける意図は、「順番にうちの資料が届きますよ」と習慣づけをするために、わざわざ分割して2日とか3日おきに送っています。そうすると、自分が請求した資料に対してのメールが次々に来ますので拒否できないんですよね。
1通受け取って全部ダウンロードしてもらったら、次の2通目ってなかなか受け取ってくれないんですけど、これは2通、3通と繋がっていきますので。「次の来た。次の来た」ということで見てくれるわけですね。
そんなふうにして、「うちからメールが来ます」と意識付けをします。それが終わったらしれっと今度、「生産性を上げるための情報です」とかなんとか言いながら、ちょっとずつちょっとずつ細かく分類して、自社の商品の情報に少しずつウエイトを移していくという。こんな感じでお客様に情報を提供しています。
これでもう反響が起こらないお客様は、「リサイクル顧客」ということで、ちょっと遠い情報に切り替えて定期的にお客様にアポイント取ると、1年くらいたって消えそうになってたお客様から再び熱くなって成約につながるというのが何社かございました。
そして「カスタマーサクセス」ということで、実際に導入いただいたお客様にも「こういう使い方が便利です」というようなサポートメールとしての活用をしています。
まとめますと、お客様に役立つコンテンツをしっかり導入して認知度の向上を図って、さらに追客を自動化してセールスを効率化する。来たるべきスケールに備えて仕組み作りをやっているということになります。
総まとめです。我が社、こんなふうにWeb系から発したんですけれども、まず「SONR.」を販売するために「SATORI」を現在活用しております。加えて、既存のお客様にも「SATORI」を導入することで既存市場にもインパクトを与えています。
この活動をやっている中で、今までリーチできなかった顧客層へ、今、少しずつ広がりが出てきているという状態になっています。
実際、数字的なところでいくと、うちは8月からが新年度(ですが)、8、9、10月の3ヶ月で、前年度比の売上がだいたい160パーセント超くらいに伸びています。
これやっていなかったらたぶんいってないなと思うんですけれども、要は、SATORIさんとお付き合いさせていただくことで、かなりうちのサービスは全体的にバージョンアップできたかなと思います。
「あなたのマーケティング活動を一歩先へ」というのがSATORIさんのミッションだとおうかがいしているんですけれども、我が社の求めていくビジョンと非常に近しい感覚があって、それでいろんなサービスの中から選ばせていただいたわけです。
弊社としては、こういった取り組みをうまく噛み合わせていきながら、お客様の価値を最大化させていくというのが、我々の1つの大きなミッションということになりますので。
そうしたかたちでお互いにブラッシュアップをしながら、発展していけるようなことを目指して、これからも取り組んでいきたいなというふうに思っています。
ということで、無事に71枚のスライドが終わりましたので、「良かったな」と胸をなでおろしております。以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
SATORI株式会社
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