PRTIMES転載にめっちゃ喜んでた事件

長谷川智之氏(以下、長谷川):1年目の事件をいくつか紹介したいと思います。ちなみに1年目の話が一番長くて、あとはシュッと巻くのでちょっと協力してください(笑)。

最初はこれですね。「PRTIMES転載にめっちゃ喜んでた事件」です。最初はぜんぜんわからないので、PRTIMESに載せるじゃないですか。そしたら新聞とかにバーッとすごく転載がかかって。すごく露出がとれたとなって、「うわ、最強じゃん」という。

「うちけっこう認知あったわ、注目されてた」と思って、「見て見て、これ。朝日載ってるよ」とか、社内でめっちゃ共有したんですけど、あれはプレスリリース原稿が自動的に「転載」されていて、「記事」ではないんですね。みなさんご存じだと思うんですけど(笑)。

それに気づいた瞬間に「うわ、まじか。なんだこれ、意味あるのか?」とか思ってたんですけど。学びとして言うと、実は今でもPRTIMESはやっていて、意味あるなと思ってるんですよ。

メディアさんに情報を届けるという意味では、そんなに価値はないと思っているんですけど、単純にもうちょっとデジタルマーケ的なメディアミックスで考えたときに、キーワードとうちの会社名が載っているものがWeb上にデータとして出るので、SEOや検索のときに引っかかりが取りやすくなるのはけっこう価値があるなと思っています。

あと僕らの会社は、サービスの導入リリースで、「ある会社さんに後払い入りました」というのをよく打つんですけど。導入先の企業の競合の方々って、その会社のキーワードとかでけっこう情報のクローリングをかけていたりするんですよね。なので、転載が多いと、競合の企業さんのRSS登録にうちが引っかかって、資料請求が来ることもけっこうあるので。

Web上に情報がたくさん出るのも、ピンポイントでは意味ないけど、マスマーケティングという意味では一定の価値があるなと思って。それで、別にあの値段なら続けてもいいかと思って続けているところはあります。

代表の思想が強すぎて固定のキーワードに落とし切るのに時間がかかりまくる事件

2個目はこれですね。「代表の思想が強すぎて固定のキーワードに落とし切るのに時間がかかりまくる事件」ですね。これはさっきの話の続きなんですけど、経営を巻き込んだ企画相談は、本当に2ヶ月くらいかかったんですよ。

課題感としてはやっぱりこれで、「後払いがニッチ過ぎるんだよ。あとビジョンが抽象的過ぎるんだよ」みたいな話なんですけど。社長からすると、「いや、この事業最強だから。この具体性で刺さらないわけがない」。ビジョンも「いや、うちのビジョン最強だから。こんなに幅広くなんでも取り組むビジョンないじゃん」という。「いや、だからダメなんだよ」みたいな話で。

それをちょうどいい塩梅の具体度かつ抽象度の言葉に落とすときに、Credit techと言っても、「いや、でも信用創造という概念だけがうちのコアバリューじゃないしな」とか言い出して、序盤は本当ににっちもさっちも合意がとりづらくて、「どうすんだ、これ」ということがありました。

ほぼ創業社長なので、自分で作ってきた事業・会社がかわいいし、変な見られ方をするのがやっぱり嫌なんですよね。その気持はわかります。そういうこともあって、けっこうここに時間かかると。だけど、最終的に「PRってほぼメディア向けのマーケティングです」ということを代表と合意形成したんですよ。

つまりメディアというセグメントターゲットに対して、どう情報を伝えたら一番刺さるかを考えて、その側面だけ切り出して見せればいいんですよ、と。だから別に僕らもそれがすべてだとは思っていないし、今の時期に刺さるこの言葉を、一旦2~3年くらい走るためのワードとして制定しましょうよ、というスコープを切ったんですね。

そしたら社長も、「マーケティングとして考えればそうだよね」と腹落ちしてくれて、メディア向けには「Credit techのパイオニア」という言葉で2~3年走ろうかという合意が取れました。

時間がかかった一方で、ここの合意がめちゃくちゃちゃんと取れたのはけっこうでかかったなと思っています。そのあとどんな施策を打っても上からの反発や「あれどうなってんの?」ということがなくて。そのあとも、広報活動がけっこう自由にスムーズにできました。序盤に経営陣と合意形成することはかなり大事だなぁという意味で、思い出深い事件ですね。

媒体の人めっちゃ恐れてた事件

最後に、共感いただける方がいるかどうかわからないんですけど。僕は最初は媒体の人がめっちゃ怖かったんですよ。ずっと営業だけやってきて、営業は相手がシンプルなんですよ。「それで売上上がるの?」「運用が楽になるの?」しか言われないんですね。「そのミッションに対してこういう提案ができます、コンサルできます」でオッケーだったんですけど。

媒体の人がどんなミッションを持って、どんなニーズでどうやって動いているのかがぜんぜんわからなかったので、どんな話をしたら役立てるのかもわからなくて、めっちゃ怖かったんですね。本当の本当の序盤ですけど。

ただ徐々に慣れてきて、キャラバンしていくと、ぜんぜん怖くないなというか、めっちゃ普通の真っ当な人たちだなというのが正直な感想です(笑)。どの媒体の人もそうですけど、やっぱり彼らは、読者のことをめっちゃ考えてる人たちだなという感じですね。

どんな興味を持って、彼らの媒体を見に来てくれる読者がいるのか。その読者に対して、僕らがどんな情報を出したら価値になるのかを考えて拾いに来ている方々だとわかってからは、すごくシンプルになって。

ちゃんと媒体の研究をして、この媒体はこういうメッセージを発信している媒体だし、この記者さんは過去にこういう記事を書いている人だから、きっとこういうことが言いたいんだろう。それに則して、こういうふうに自社を見せたらきっとお互いのためになるし、うちの露出になるなと考えて接することができるようになりました。

媒体によっても、特集班の人なのかストレートニュース系の人なのかによっても、考えていることがけっこう違うかもしれないんですけど、やっぱり基本的には読者のことを考えているという意味では同じかなと思っています。

広報立ち上げ2年目のミッションと“新たな事件”

このへんからサクサクいきますね。立ち上げの2年目は、会社としてはわりと広報PRがうまくいってきたという所感があったようで、注力事業の認知拡大に注力してくれと言われて。1年目よりも、サービスグロースをより強く要望されました。リードの獲得など、数字につながるほうを強く要望されました。

それに合わせて、事業部やほかのマーケの機能、デジマやセールスとの接続を強化して各事業部の戦力に寄り添った動きができるように、広報チームを少し柔軟にしていった時期です。あとは、社内をより巻き込めるようにするための動きを実施した期でもあります。広報機能がより動きやすいようにトライした感じですね。

1年経って起きたのが、認知というすごくバクッとした課題感の問題が、全部PRチームに相談が来るようになっちゃったんですね。「認知形成したい。じゃあPRだね!」みたいな。ほかにも手段あるけど、なんかPRチームに全部話が来るみたいな。

これはやっぱり、すごい狭いスコープだと、PRが「認知拡大の武器」という捉え方をされていて、しかも広告と違って無料らしいと。「記者会見とか勉強会もやってて、なんかすごくうまくいってるし、あそこに依頼したらうまくいっちゃうんじゃない、しかも予算使わずに」みたいなことを、けっこう社内的に思われはじめちゃったんですね。

もちろん相談いただけることはうれしいんですけど、「これはまずいな」という感じになりまして。PRという概念に対する、社内的な理解がちょっと不十分だったのかなと思っています。僕らも自分のスキルの向上で手いっぱいすぎて、あまり社内的な発信ができていなかったことをちょっと反省しました。

現場に広報・PRを理解してもらうための草の根運動

なので、この課題解決に対して、こんなことをしました。経営とはよく握ってはいたんですけれども、現場にも広報・PRの目的や意味をちゃんと理解してもらって、妥当な協力や妥当な期待値を持ってもらう草の根運動をしました。

やったことは大きく2つあります。1つ目が、現場向けの広報・PRのレクチャーをしました。こういう広報・PRの専門の方々にするようなレクチャーを、本当にゼロからしたという感じですね。

実際に情報開発してみましょうというワークをやってみたり。メディアは「社会性・新規性・独自性」という3つのキーワードで情報をほしがってますよ、とか。広報・PRはあくまでマーケの一手段であって、広告やほかの手段と組み合わせることで初めてシナジーや成果を最大化できるという話をしました。

一口に認知獲得と言っても、本当にマーケティングファネルの上流のこの部分だけなので。PRだけじゃなくていろんな手法があるんだということを、事業部やシステム部署の方にも理解してもらうように努めました。

そしたら「こういうケースだとPRという手法が活きるよね」「最近こういう認証マークを取得したんだけど、こういうのってPRで発信できるよね」とか。そういう相談がちゃんと入ってくるようになって、「とりあえず導入したらリリース出そうよ」という、雑な相談が減りました。

加えて、(現場が)PR視点を持つと「この開発は機能的な開発の優先順位を上げたほうがよくない?」ということが、システム部署から来るようになって。これってけっこうすごくないですか? 事業部などからそういう話が来るようになって、すごくやりやすくなったなというのがあります。

全社一丸で広報を推進していくメリット

あとは、これはもうやられている方が多いと思うんですけど、社内向けの広報成果の情報発信を強化しました。前までは「こんなプレスを打ちました」「勉強会やりました」「発表会を実施して、これだけメディアさん来ました」という、定量的な結果報告しかしていなかったんですけれども。

それだけじゃなくて、「これってなぜやったんだろう」「どんな効果を狙ってやったのか」「いろんな手段がある中で、なぜ今回発表会という手段をとったのか」とか。「社内からどんな協力を得られたから、今回スムーズにできたんですよ」というのを、そこに至るまでのプロセスも含めて、全部細かくシェアしたんですね。

そしたらやっぱり「なるほど、PRチームをうまく活用するにはこう関わればいいんだな」という啓蒙につながったようで、社内からもじわじわと、こっちから拾いに行かなくてもいろいろ声掛けをしてもらえたり、ネタをくれることも増えました。あとは本当に、的を射た依頼が増えたと思います。

なので本当に、経営だけじゃなくて現場まで一丸となって、広報が何をしているかを理解して推進できると、ハブになっている僕ら広報チームも動きやすいですし。たぶん全社としても、世の中とよりよい関係を築けるというか、発信できる情報の量や質が上がってくるんじゃないかな、と思っています。

「世の中の旬」に情報発信のタイミングを合わせる重要性

これは2年目のフェーズの話で、社内的な体制の話だったんですけど。この頃にやったサービスPRの成功ケースは、前の年に発表会をやってローンチしたatoneというサービスです。それまではECしか使えなかったんですけど、このときに実店舗に対応できるようになったんですね。

QRコードで実店舗に対応することが決まっていて、この年の8月に機能としてローンチする予定だったんですよ。なので、8月にぼちぼち発表会でもやりますか、という感じで4月ぐらいに話してたんです。

今はもう本当に群雄割拠な感じになってますけど、この2018年4月ぐらいから、QR決済などがにわかにガッと増えだして。4月の時点で、もうこのぐらいプレイヤーがいたんですよ。今はもうこの4倍ぐらいになってるんですけど。なので、実はメディアからものすごく注目が集まりつつあった時期だったんですね。

それをちょっと横目で見ていて、「あれ? うちも8月に出すけど、そのタイミングでいいんだっけ」ということはすごく思ってですね。けっこう盛り上がって、かなり「まとめ」とかでも取り上げられている今の時期に出しておかないと。例えば「7月とか6月ぐらいのまとめ記事に載らないよね」ということも含めて、これはちょっと早めに発表したほうがいいと思いまして。

機能自体は8月ローンチだったんですけど、外向けに公表するのはもう5月にやっちゃおうと決めて、無理やり前倒してやったんですね。このときの調整がけっこう大変で、「機能リリースが8月なのに、5月に出しちゃっていいの? ダメじゃない?」「実際8月にローンチできるかわかんないから、まだそんな外向けに発表できないよ」と、開発や事業部からもいろいろ言われつつ。

「いや、でも今出すことにめちゃくちゃ価値あるし、ここで出しておかないと、そのあとの成長戦略がだいぶ変わりますよ」と、事業部と滔々と話して。社長も入れて話して、合意形成して、「わかった、そこまで言うなら5月にやってみよう」というので、広報から発信して、無理やり発表会を前倒した経緯があります。

やっぱり、結果的に旬のタイミングを逃さなかったこともあって、このときやった発表会では30媒体ぐらい集めることに成功して、当社で初めてのテレビ放送も3媒体とれました。

実際8月にやっていたらどうなっていたかはわからないとは言いつつも、このあといろんなまとめ記事にも毎回ちゃんとお声がかかるようになりましたし。ちゃんと旬のタイミングの観点を持って見ていることは、やっぱり僕ら広報担当の役割だと思います。そこを逃さずに、会社にある情報をいつ発信するかを見定めることが、本当に大切だなと思いました。

ネタがないときもメディア露出が狙える「アンケート活用術」

あとは立ち上げ2年目の成功事例としてもう1個お伝えします。Credit techも継続的に情報を開示して発表していました。このときやったのは、アンケートを作って発表したというものです。

何についてのアンケートかというと、J.ScoreやLINE Scoreがだんだん出始めてきて、信用スコアというものがだいぶ取りざたされていました。そこで、「信用スコアって、消費者から今どう受け止められてるんだろうね」というのを、うちが調査して出しました。

実際に当社としては、別に信用スコア事業をやっているわけでもないし、事業は後払い一本槍という中で、スコアリングをやっているという実態が何もないんですよね。でも、こういうアンケートを作ると、もうそれ自体が事実としてネタになるので。これを作ってリリースとして発表することで、いくつかの露出がとれたという感じになります。

最近はすごく簡単にアンケートをとれるツールがあって。10万円ぐらいで、1,000サンプルに10問ほどの調査ができます。

長谷川:「アンとケイト」(※現在は「サーベロイド」に改称)という、すごく簡易的にアンケートがとれるサービスがあるので。マクロミルなどに頼まなくても、お安く情報開発できちゃうという意味で、アンケート手法はけっこう重宝しています。

これ以外にも、弊社でもいくつかアンケートのリリースは出していますし、マネーフォワードさんなどのPRが上手な会社さんは、アンケートをうまく活用している印象があります。これに加えて、なにもネタがないときに情報開示するにあたっては、弊社ではカオスマップなどのまとめコンテンツを作っている感じです。

採用・育成コストが少なく、立ち上げも早いチームづくりのコツ

2年目にほかにやっていたことは、マーケティングミックスのはしりとして、デジタルマーケと連携してプレスリリースを作ったりしていました。プレスリリースは「発信して終わりだし、メディアさんしか見ないからそれでいいでしょ」と思われがちなんですけど、意外と事業者さんの流入も多かったりすることが見えていたので。

プレスリリースのCTAとして、先にサービスのLPがちゃんとあるようにして、そこに流すように「続きはこちら」というプレスリリースを作ったり。Webはそうして、紙で送る版は普通のプレスリリースにしたりしていました。

あとは行動量も大事だと思っていたので、「プレスリリースを月に4本以上出す」と決めて、無理やりネタを拾ってきて出したり。リリースを出していると生存報告になりますし、実働自体はインターン生を含めてかなりテンプレ化して、みんなで分散してやっていたので、そんなに苦になりませんでした。

あと、これはめちゃくちゃ重かったんですけど、サクッと書いてます。事業だけじゃなくて、組織側でも「Credit tech」みたいなキーメッセージを作って普及を開始した年でもあります。ここはちょっと重いので全部割愛するんですけど、ティール型組織が流行っていたので、そこに紐づけてうちの会社を発信できるように情報設計した感じですね。

このへんからWantedlyの運用も始めて、そこからの引き合いで採用が2~3人決まったりして、採用上でもかなりROI(費用対効果)が出ている状況になっています。

あとはインターン生も使えるということがわかったので採用人数を増やして、どんどん組織化しました。プレスリリースの書き方とか、記者発表会はこうやってやるんだとか、勉強会はこれが必要とか、そういう手段や考え方のナレッジをインターン生に教えて書かせて、蓄積してもらいました。新任の方が来ても、それを読めばすぐに一定の知識がつく状態。

あとは前任のインターン生が、次のインターン生を育成するサイクルが作れる状態にしていくことで、新任でもかなり立ち上がりが早く、採用・育成のコストが少ない状態で標準的な成果が出せる体制を組んでいきました。

広報3年目のミッションは、情報を発信するためのコンテンツづくり

最後に、立ち上げの3年目の今はこんな状態です。体制はけっこう整ってきたなと思っていて、基本の広報対応は標準化していったと思っています。業界紙や僕らが載せたい媒体とのリレーションもだいたい完了して、単発施策のROIもだいぶ上がってきたなと思います。

「発表会やりまーす」と案内状をさくっとまくだけでも、すぐに15媒体ぐらい集まるような状態ですし、そこからがんばれば30媒体ぐらい、毎回ちゃんといくような感じになっているので、けっこううまく回ってきてるかなと思っています。

フェーズとしては、社内のネタもかなり拾えるので多いんですけど、一方でありもののネタだけじゃなくて、発信する情報がない時期に、アンケートなどを含めて、いかに攻めの情報開発に継続的に取り組めるか。そこを増やしていくフェーズかなと思っています。

あとはやっぱり広報単体で思考しても、それは手段でしかないので、マーケティングファネル全体を見渡して、広報からほかの各マーケ機能との接続やマーケティング活動全体のROIの底上げ(を考える)。ROIがね、やっとわかるようになったんですよ(笑)。

(会場笑)

その結果、アクションを行う素地ができつつあるフェーズかなと考えています。

具体的にほかの機能との連携としてやっていることは、各社さんやってらっしゃるかもしれないんで、釈迦に説法かもしれないんですが。デジマとかセールスとはけっこう連携するようにしています。

めちゃくちゃシンプルに言うと、PRがやっていることは情報開発なので、発信するためのコンテンツづくりだと思っているんですよね。なので、そのコンテンツをどの流通チャネルに乗せるかは、広報の手段に閉じなくていいと思っています。ほかの媒体、つまりサービスガイドやサービス説明資料、Webサイトやナーチャリングメールに、ぜんぜん転用できるなと思っています。

だからこそ、セールスやデジマとの連携はかなり重要だと思っています。デジマ連携であれば、例えば「プレスリリース打つよ」というときに、そのプレスリリースに入っているキーワードで重視したいものの刈り取りを強めるように事前連携して、出稿を強めてもらったり。

そこに対して、ちゃんとタグを埋め込んで流入検知したり、プレスリリースの内容自体をHTMLメール化して、ナーチャリングメールで送って、保有リーダーに対してのリテンションをかけたりしています。

広報・PRが開発した情報コンテンツを営業資料にも活用

セールスのほうも、プレスリリースのタイミングで、そのプレスリリースの内容に関係のあるクライアントやアライアンスに対して、それをニュースとしてちゃんとメールベースで配信していたり。

あとは、そもそも営業資料にも使う前提でアンケートを作って、マーケットリサーチして、プレスリリースにも営業資料にも使うという、二度おいしいかたちでやったり。営業と連携しながら、そういうことをやっています。

なので、広報・PRというチームで開発した情報コンテンツが、マーケ上のほかのファネルでも有意義に活用できる状態を作ろうとしているのが、今やっていることですね。

あと、もうちょっとチーム的な話で言うと、今年からかなり中長期な話をする時間を増やしました。今は、攻めの情報開発や、中長期の戦略の立案を行うミーティングを隔週で2.5時間やっています。

インターン生の活用を含めて、業務の標準化や効率化がかなり進んできたこともあって、標準的なベースの広報の動きは、そんなにリソースを使わなくてもできる状態になっています。なので、チーム全体として、短期ではなくて中長期の動きに投下する時間を増加させた。そのぶんもちゃんと、こういう中長期の動きに投下しています。

ここでさらに短期の動きを増やすこともできるんですけど、そこよりはむしろ中長期に投下しているのが今の状況ですね。

一石四鳥の効果が期待できる「サービス導入」

あと2分で終わります。最後はTipsなんですけど。とくにB to Bの企業さんで、絵が撮りづらいとか、サービスに絵がない会社さんにはアリだと思っています。うちも決済なので正直、絵がまったくないんですよね。そういうときに例えば、とくにテレビなどにどうやって映るかというと……。

やっぱりクライアントさんのニュースバリューに乗ったらいいよ、という話で。(うちは)決済なんですけど、導入先の企業さんには絵も社会性もあったりするんですよ。この前入れてもらったところだと、「よりそう(旧社名:みんれび)」さんという会社が、お坊さんを派遣するECの「お坊さん便」というのをやっているんです。

それはニュースバリューがすごくて、そこが「後払いをやります」というときに、導入会見とか、そこがなぜやるかという話を発表するタイミングで一緒に行って、一緒に発表させてもらって。うちも乗っかって露出をとったりしていました。

なので、今のトレンドや世の中の興味があるテーマに沿った企業を導入事例として、メディアさんにも取材してもらってコバンザメするのが、B to Bで絵がない企業の最適解なんじゃないかなと(笑)。

しかもこれをやって、先方の事業の認知が高まって(売上が)伸びたら、決済(サービス)なのでトランザクションフィーをもらっているんで、そのままうちの事業の売上も上がる。プラス、セールストーク上もPRのナレッジを持っているから「じゃあ一緒にやりませんか」という提案に使えたりして、それ自体が営業や加盟店フォローのツールにもなる良さがあります。

あとは導入事例を取材いただけるので、自社のサイトからそのままリンクを貼れば、導入事例としてシンプルにリードの獲得につなげられたり。かなり一石四鳥ぐらいの価値があるなと思っています。

協力してくれるクライアントさんを見つけるまでが難しくはあるんですけど、そこまでいって「じゃあメディアさん呼び込みますね」と言って取材をとっちゃえば、意外とその流れでやれることはいろいろあるなと思っています。導入事例PRはけっこうおすすめです。

広報に必要なのは、時流に乗れる「アドリブ力」

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