意思決定者でない人がどのように組織改革を進めていけるのか

司会者:そろそろ質問が始まったようです。

青野慶久氏(以下、青野):はい、すみません。そろそろ(感想の共有タイムを)終わりにしていただけると、ラルーさんへの質問が始められますので、よろしくお願いします。たくさん質問をいただきまして、ありがとうございました。

みなさんがすごく心を動かされていることが伝わってきます。今から15分ほどお時間をいただきまして、ラルーさんと上田さんと一緒にこのご質問を拾って回答していきたいと思います。

フレデリック・ラルー氏(以下、ラルー):お二人でどうぞ。

青野:これ、本当にプレッシャーですよ?

(会場笑)

たぶん、これは多くの人が感じていると思うので、1つ目の質問はこれを選びたいんですが。では、「組織のトップではない、意思決定者ではない人が、どのようにその組織改革を進めていけるのか。それは困難なことなのか」。これはおそらく多くの方がお感じになっていることだと思うので、ぜひお聞きしたいと思います。

上田祐司氏(以下、上田):僕もぜひラルーさんに聞きたいんですが。僕はよく聞かれるんですけど、「討ち死に覚悟で行っていただいて、骨は拾う」という。

(会場笑)

そういった感じで(笑)。どうなのかはぜひ聞いてみたいです。

ままならない状況の中でも、できることはある

ラルー:自分が中間管理職にいたり、会社では階層的に下の立場にいる。そして、トップはティール組織のような考え方は理解しないだろう。でも、自分にはティール組織に可能性を感じている……権力構造の中で自分のやりたい姿が伝わらないだろうと感じると、非常に不満が溜まると思います。

ままならない状況でも、自分のレベルで、自分の周りで、できることがあると思います。例えば青野さんが先ほど言われたように、実際に現場の人のところに話にいって、質問をして、語りかけて聞いてみることができると思うんです。そして自分としても、もう裃も脱いで、仮面も脱いで、自分も傷つきやすく、こんなことに困っているんだということをさらけ出すこともできると思います。

または自分がチームを持っているとしたら、その範囲内で「これからは今までと違う意思決定の方法をとります。助言プロセスを使ってやりましょう」と提案することができるかもしれません。そうした実践をやっている人をたくさん知っています。

上の人が理解してくれないから、会社の中でレーダーに探知されないようなかたちで、隠れてやる。それを組織の中でやっている人が、あるイベントでこんなふうに語っていました。

「自分がやっているのは、糞を受け止める傘をみんなの上に広げてあげていることなんです。上からたくさん、ゴミや糞が降ってくるから、それがみんなにかからないように、自分が受け止めてやっているんです」。

(会場笑)

ちゃんと「shit(糞)」のところを訳しましたか(笑)。

実際のところ、実験するのは非常に壊れやすいものなんですね。大きなシステムの中の小さい空間で、自分は一生懸命に実験をやっている。でも、システムの抗体の方がはるかに強いので、あなたがそのシステムから離れると、あなたが作ったその空間も、そのシステム自体の抗体の免疫反応によって潰されてしまうでしょう。

それでも、いろんな意味において、それで構わないわけです。実験をやっている間は、あなたもよい人生を送れたかもしれないし、他の人たちも、違った体験をすることができた。

その実験を通して参加した人の中から、自分の見方の視点が変わったという人も出てくるかもしれません。そのような組織の中で、あっちこっちでそうした実験がちょこちょこちょこちょこ行われているというのは、大きなアリ塚にすこしずつ穴を穿っているようなもので、そうやってちょこちょこやっていくうちに、ガラガラッと崩れていく。

今感じている不満は、別の生き方をしたいという思いの現われ

ラルー:昨日の講演でも言ったことですが、自らに尋ねておくべき大切な質問は、「自分はどのくらいのリスクを冒してもいいだろうか、または冒す用意があるだろうか」。そして、どの程度のリスクを冒せるかどうかは、自分がプランBを持っているか持っていないかによって左右されると思うんです。

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