トップセールスも“史上最低の新卒”と言われた時代があった

松澤真太郎氏(以下、松澤):素朴な疑問なんですけど、そんなトップセールスの御三方も売れなかったこととか、苦しい思いをしたことって、ここに至るまでに当然たくさんあったのかなと思うんですけど。

星野さんはいかがですか? 楽天に入られて、経歴上は売れなかったときなんてないように見えるんですけど、あったんですか?

星野貴之氏(以下、星野):1年目の半年は売れなくて。いや、売っていたんですけど、売っていると周りに思われなくて。口だけ達者なので、“史上最低の新卒”とずっと言われていて。

松澤:へ~!

星野:お客さんは「いいね~」と言ってくれるんですけれど、組織の中で潰れてしまって。「自分はなんでこれをやっているんだろう」という、そもそもの仕事全体で潰れちゃって。がんばって何の意味があるのかというところで、トータルで病んでしまった部分があるので。

売れないときは売れないですけれども、売れるときは売れるじゃないですか。もちろん売れないときのほうが多いんですけど。でも、そこでたどり着いたのは、本当に大事なときは、僕は手紙を書くんですよ。

松澤:お客様にですか?

星野:お客様に手紙を書きます。汚い字で一生懸命書いて。基本的に社長は年齢層が高いので、メールがよく来ると思うんですけど、手紙ってやっぱりあんまり来ないので。すごくビジョナリーな手紙を、大義名分の込もった手紙を書いて、その返信をもらって「自分は間違ってない」「自分は大丈夫だ」と思いながらやってましたね。

松澤:なるほど。僕も昔手紙を書いていて。これは僕の個人的なTipsなんですけど、社長の方ってけっこう細かいところを見ているんですよ。僕が訪問に行ったあとは必ず、その近くの喫茶店で手紙を書いて、そのままポストに投函するんですね。そうすると消印が出るじゃないですか。その消印を社長は見ていて、「あのあとすぐに書いてくれたんだね」と言われたりすることが何回かありました。

これだけツールが発達していて、簡単にコミュニケーションが取れるような世の中になっていますけれど、やっぱり、まだまだアナログな部分も大切にされているトップセールスの方がいらっしゃるのはすごく嬉しいですね。

苦しい時期は「得意淡然、失意泰然」を意識する

松澤:大澤さんはいかがですか? (営業職に)未経験で入られているというお話をうかがいましたが、実際、大澤さんにも売れなかった時期はあったんですか?

大澤篤志氏(以下、大澤):すみません、なかったです。

松澤:ちょっとむかつきますね(笑)。

(会場笑)

大澤:すみません(笑)。売れ続けてしまっているんですけど。ただ重要なのはやっぱり、売れなかったときにどう工夫して立ち直るかだと思っているんですよね。失敗しないための仕組みや再現性を作る。もう何をしていても達成するというレールを作って、そこに乗ってしまうことのほうが重要だと思っています。

やっぱり、立ち上がるよりもずっと売れ続けることのほうが難しい。みなさんも失敗したくて失敗しているわけではないので。そうであれば失敗しない仕組みをちゃんと作ってあげるほうが重要かなと思っていますし。

とはいえ苦しい時期もやっぱりあるんですけど。そのときは僕は「得意淡然、失意泰然」という言葉を常に意識しています。「うまくいってるときこそ謙虚に。うまくいってないときこそ明るくどっしりと」というような言葉を意識していますね。

毎日勝ち続ければ、結果的に年間で勝てる

松澤:そんな大澤さんが仕組みを作っていく中で、例えばここでみなさんに共有いただけるようなご自分なりのルーティンや仕組みの1つで、なにか教えていただけるものがあったりしませんか?

大澤:我々はSalesforceという仕組みを使って、商談のパイプライン管理を徹底しているんですけれども。例えば今月ですと、10月1日を迎えたときに確度50パーセント以上の商談が10件と期待収益、これくらいに着地しそうなものが月のクオーターの3倍以上というような目標値を自分で立てています。

それに必要な商談の発掘数とアクションを全部週次に落とし込んで、自分の場合はそれを週次ではなくて、デイリーでトラッキングしていくという。なので、日で負けないという意識をしています。

年で負けないためにはクオーターで負けなければいいし、月で負けなければいいし、週で負けなければいい。最終的に落とし込むと、毎日毎日勝ち続ければ、結果的に年で勝つということになるので。それを私は意識しています。

松澤:そういう意識や行動って、例えば同期の方とか先輩の方、ライバルの方がたくさんいらっしゃったりするじゃないですか。大澤さんは、それを周りに共有したり、シェアしたりすることって、けっこう積極的にやられるんですか?

大澤:はい、します。2つあるんですけど、1つは共有される文化が弊社では良いとされているということ。トップパフォーマーほどシェアを行うというもの。2つ目は、自分のナレッジをあえてシェアすると、それをみんなが真似するわけじゃないですか。そうするとまた自分も新たなものを作らないと追いつかれるんですよ。そういうプレッシャーを常に自分にかけています。

売れない時期は、瞬間最大風速で遊び倒す

松澤:なるほど。出すから入れるみたいな感じですね。ありがとうございます。安田さん、売れなかったときはありますか?

安田錦之助氏(以下、安田):いや、もう僕は年の半分くらい売れていなかったので。

松澤:あ~そんな気がします。……すみません、冗談です(笑)。

(会場笑)

安田:売れない時期はとにかく遊び倒すというのを徹底していましたね。なぜかと言うと、とくに起業してそれが身に滲みたんですけど、メンタルをやられたらもう終わりなので。

本当に辛いときは……「辛いときこそがんばれ」っていうのが、たぶん部活とかで習ってきた教えだと思うんですけど。これは社会へ出たら逆だなと。なぜなら、普通に部活とかで浴びていたプレッシャーのレベルと、ビジネスマンとして浴びるプレッシャーのレベルって桁が違うので、それを受け止めようとすると即死するんですね。なので、サラッと遊びに行ったほうがいいっていうのが僕の持論です。

ただ、ダラダラ遊ばずに瞬間最大風速でバッと遊んで、お金も全部なくなって、「あ、これ仕事から逃げても仕事の悩みは仕事でしか解決できないな。戦うしかないな」という状態に、次の日の朝までに早くもっていく。これを高速で繰り返していたら、売れたり売れなかったりという大きな波が順調に来る流れです。

松澤:中途半端にならないっていうんですかね。

安田:そうですね。いいこと言いますね。

松澤:ありがとうございます。そういう仕事なんで(笑)。今日はそういう立ち回りなんです(笑)。

(会場笑)

そういうことですね。ありがとうございます。ここはぜひ、少し時間を使って深掘っていきたいなと思います。みなさまが営業という仕事を選ばれた経緯や背景も少し織り交ぜていただきながら。みなさまにとって、営業の仕事って何ですか? というオープンクエスチョンを最後に投げてみたいなぁと思っています。安田さん、どうでしょう?

営業は人を喜ばせたり感動させるためにいる

安田:「営業とは」で言うと、やっぱり人を喜ばせることに尽きると思いますね。

松澤:人を喜ばせる。

安田:営業って人を喜ばせるためにいると思っているので。極論、別に営業ってなくてもいいじゃないですか。それでも、やっぱりあったほうがいい。なぜかと言うと、今は仕事も近代化してきましたけど、やっぱり人と人が対面してやる以上、コンピュータがやるよりも感動がないといけないと思っていて。

「出会えてよかった」だったり、「普通にコンピュータで買うよりも楽しかったよ」という、楽しさとか感動に尽きると思っているので。やっぱり営業は楽しんで、相手を喜ばせて、「自分も楽しかった、ありがとう」というのでやるのがいいかなと思っています。

松澤:めっちゃ楽しそうですもんね。ありがとうございます。星野さんはいかがですか? 星野にとって営業とは何ですか、と聞かれたらどんな回答に?