「0秒で動く」にはイシューアナリシスが大切である

伊藤羊一氏(以下、伊藤):これは一気に話すとちょっと忘れてしまうので、尾原さんにぜひ。

尾原和啓氏(以下、尾原):ここから?

伊藤:まず、どんな頭の使い方をしているか、みたいなところを。

尾原:やっぱり世の中に出ているコンサルの誤解というものがあって、割とコンサルは「0秒で動け」なんです。

伊藤:そうなんですね!

尾原:はい。さっきのロジックツリーとかピラミッドストラクチャーと呼ばれるものなんですけれども、これは結論が出たあとに説明を作るためのプレゼンを作るための技法なんです。

伊藤:そうなんですか!?

尾原:はい。

(会場笑)

伊藤:本当に?

尾原:だから「1分で話せ」ですね、それは。

伊藤:こっちから、じゃあ上から下にいっている感じなんですか?

尾原:はい。

伊藤:なるほど。

尾原:正確に言うとピラミッドストラクチャーとロジックツリーは違うし、もっと言うと、人が「0秒で動け」みたいな行動をつくるときは、イシューアナリシスが一番大事なんです。

伊藤:なるほど。

尾原:このイシューアナリシスの権化という男が

伊藤:安宅(和人)。

尾原:安宅さんなんですけれども。こういうものを人に説明するときは、いきなりその人にとってまったく聞いたことのない結論を言われてもわからないから、「じゃあこの結論をわかるかたちに分解してご説明しましょう」というのが、ピラミッドストラクチャーなんです。

ロジックツリーは患部を特定するもの

尾原:ロジックツリーというのは、全体を診断するときなんかに、ぜんぶをいきなり診断はできないので、人間ドックと一緒なんですね。

伊藤:分けていくと。

尾原:人間の体を健康診断するときに、まず血液を見てみましょう、体重を見てみましょうと。胃を見てみましょう、肺を見てみましょうと小分けにしていくことによって、悪いところを特定するのがロジックツリーなんですが、それはあくまで診断なんですね。

伊藤:そうですね。

尾原:本当は、ビジネスにおいて悪いところを直すよりも、新しいことを始めることだったり、いいことを増やすときには、「僕たちはなんの課題に取り組むのか」というイシュー設定がある。そのイシュー設定というのはロジックを飛ばすことがけっこう多いんです。

伊藤:そうですね。

尾原:そのロジックを飛んで、どこのイシューにタップリングするのかというところのイシューアナリシスが、実はコンサルの神髄で。実はわりとこれに近い話なんですよね。

伊藤:そうなんですね。僕は先入観なしに整理していくようなところに、コンサルの真骨頂があるのかなと思っていて。

「直感は経験の圧縮である」

尾原:そうなんです。ただ僕たちは……僕たちと言っちゃいましたけれども、25年前は僕自身がコンサルだったんですよ。一応マッキンゼーという、世界で一番ブラックな会社にいて。

(会場笑)

ありがたいことに、9時から5時までの会社だったんですよ。朝9時から(翌日の)朝5時まで。

(会場笑)

時給を計算すると、620円くらいなんです。

(会場笑)

なんだけど、世界でこんなに働かせてくれるマクドナルドは存在しないので、働くの大好きな僕にはすごく便利な会社だったんですけれども。

ふだんみなさんは自分の人生を歩んでいるじゃないですか。自分で仕事を歩んでいるじゃないですか。自分の人生を歩んでいる人、自分の仕事を歩んでいる人というのは、人生の中で圧縮してずっとイシューアナリシスをやっているわけですよ。

なんかこれに違和感を感じるなと。「直感は経験の圧縮である」という言葉があって、やはり人間の直感は、別にひらめきがあるかどうかみたいな、(頭上を指して)ここに電球マークがついている人がひらめけるんじゃないんです。人間の脳みそは、いわゆるディープラーニングと一緒で、複数の神経と神経がつながっている。

ふだん仕事をしていると、いろんなものにつながりができている中で、普通だったら論理を5段階にいかないといかないところ、いわゆる「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな言葉があるじゃないですか。

風が吹くと埃が舞って、埃が舞うと目が見えない人が増えて、目が見えない人が増えると三味線弾きになって、そうすると三味線の原料の猫がいなくなって、猫がいなくなるとネズミが増えて、ネズミが増えると桶がかじられるので桶屋が儲かる。これが「風が吹けば桶屋が儲かる」の論理構成なんです。

今言った話で7段論理ができているわけですよ。ふだんずっとこういう論理を考えているから、風が吹いた瞬間に「風が吹くと桶屋が~」と論理がつながるという話なんですけど、コンサルはふだんからこういうことを考えてはいないから、いきなりお客さまのところに行って。

伊藤:ゼロから立ち上げて。

尾原:立ち上げなきゃいけないから。

伊藤:ここの部分をあえてやるんだ。

0秒で動くための技法

尾原:1週間でこれを作るための技法としてロジックツリーとかを使うんですよ。それで「たぶんこの辺にもやもやが多いんだろうな」「たぶんこことここは、つながりがあるんじゃないかな」ということを思って。

伊藤:なるほど。

尾原:コンサルタントセブンデイズとか、最近だと新しいCEOが会社を革命しますと。そういうのはファーストワンハンドレッドデイズと言うんですが、やっぱり最初の100日間や、コンサルの最初の1週間に、どうやって0秒で動ける体になるか。それを装着するための技法があって、それがロジックツリーなんです。

伊藤:なるほどね。

尾原:そのイシューにジャンプしてやっていく部分は、やっぱり「0秒で動け」に近いですね。

伊藤:なるほど。コンサルタントの方々も、まったくゼロのところからいきなりやるんじゃなくて、ふだんいろいろ考えている中から答えを出しているんですね。これはもう結論ありきで、直感と言われていることにしたがってやればいいんじゃないかということで、基本は同じだと。

尾原:同じです。

伊藤:そういうことなんですね。なるほどですね。

流れ星が見えた瞬間に願い事が言える人の共通項

尾原:あとは、こういうことがより大事になっている時代という話があって、同じようにコンサルの言葉に「クロージングウィンドウ」というものがあるんですね。要は昔話でいうところの「チャンスの女神には前髪しかない」という言葉で。

それはどういうことかというと、チャンスが来た瞬間には前からつかまないといけないんです。通り過ぎたあとに後ろからつかもうとしても、後ろ髪がないからつかむことができない。そのくらい、チャンスというものは瞬間で消えてなくなる。

とくにインターネットではみんながつながっているから、自分がアイディアを思いついた瞬間にはたぶん100万人ぐらい世の中で同じアイディアを思いついているんです。だから最初に前髪をつかんだやつが勝つんですね。

そうすると、このウィンドウのシャッターが高速で下りる中で、いかにしてその窓をくぐり抜けて向こう側に行けるかは、技法としてものすごく大事だと言われていて。だから僕らがコンサルのときに言われたことがあって、よく流れ星を見たときに3回願いごとが言えれば、それが叶うと言うじゃないですか。

流れ星は(消えるまで)普通1秒もないんですよ、しかもいつ落ちるかわからない。そのいつ落ちるかわからない流れ星を見た瞬間に、3回自分の願いごとが言えるぐらい、自分がなにをやりたいかという仮説が自分の頭の中にある。そうしないと、見た瞬間にチャンスがつかめないという話なんですね。

伊藤:なるほどですね。ここにいることがあっていろんな思いを持つんだけど、そこを常に考えて「こうだ」と、それを年がら年中考えろと。

尾原:はい。

伊藤:だから流れ星のときも3回言えるのだという。

黒と白、どちらのチームが多くパス回しをしているか?

尾原:逆の話もあって、実はおもしろい実験の動画があるので、Facebookのメッセンジャーで送ったんですけど、YouTubeは流せますか? そこは難しい? こっちにもらったほうがいいかな? とはいえさ、みんな目の前にいっぱい情報を見ているわけじゃないですか。

伊藤:これね。

尾原:とくに伊藤さん。知っているでしょ? 

伊藤:知ってる。

尾原:これ、答えを知っている人は絶対に言っちゃだめだからね。

伊藤:知っている人はもうわかるわけだ。知らない人はわからない。

尾原:画像来てる? 来ないね。

スタッフ:来ました。

尾原:OK、さっき言ったように、流れ星をつかむクイズです。流れ星をつかむためには自分が願ったことをどれだけ真剣に見られるかという話なので、(動画を指して)ここに白いチームと黒いチームがいます。これが、パス回しをするんですよ。そのときに白いチームが何回ボールのパスを回せたかを数えてください。あとで答え合わせをします。

伊藤:見えます? 大丈夫ですか?

尾原:もうちょっと明るくしたほうがいいかな?

伊藤:大丈夫そうですね。

尾原:はい。じゃあはじめますよ。いいですか? 黒いチームではなくて、白いチームがパスを回した数を見てください。じゃあいきます。はい、はじまりました。

(動画を流す)

はい、何回ですか? えっ、これで終わるの!?

(会場笑)

ちょっと待って。答え合わせまで出るはずなんだけど……。

(会場笑)

じゃあ7回だと思った人?

(会場挙手)

8回?

(会場挙手)

9回?

(会場挙手)

10回?

(会場挙手)

11回?

(会場挙手)

はい。ですが、正解としては、動画の中でなにか変なことが起こったんですけど、答えを知らなかった人で気づいた人はいますか? 

(会場挙手)

はい。

参加者:白から黒に……。

ゴリラがドラミングしながら通り過ぎていた

尾原:白から黒にボールを渡しているときもあるんですけど、もっとすごい変化が起こっています。実は途中で黒いゴリラが現れて、画面の真ん中でこうやってドラミングしているんですよ。

(会場笑)

こんな感じのゴリラが現れて、ウホウホやっています。

伊藤:もうなにを言っているかわからないでしょう。

尾原:もう1回見てみましょう。

伊藤:画面全体を見てみてください。

尾原:今度は黒いゴリラ。見てくださいね。

参加者:お!

参加者:へ〜!

参加者:びっくりした。

尾原:はい。そういうことなんです。つまりこれは、逆もしかりなんですよ。僕たちは流れ星を見たときに、自分の思いを言おうと思っているときはこれくらいこり固まっていて、だからチャンスが現れたときにそれをつかめるんだけど、その一方で、もしかしたらUFOが現れたときに気がつけないかもしれない。

こういうのを、脳生理学の言葉ではスコトーマと言います。実は人間の脳みそはふだん省力していて、低いエネルギーで動くために目の前に見ているものの2、3割しか見ていないんですよ。残りは省力発電するために、実は見ないようにしていたりする。

もっと言うと、日々歩いている道なんて、だいたい7割くらいの情報を脳の中の記憶で再生しているだけで、実際には見ていないんです。

実は見ているようで見てない。これは今までみたいに正解がわかっていて、その正解をひたすら解くことだけがいいような時代では、問題のことだけを考えて1つの問題を解ければ勝ちだったんだけど、今は昨日まで正解だったことが今日正解じゃなくなる時代なんですよ。

つまり、自分の考えたものに対して、前からずっと考えていたことを見ることよりも、やはり変化に早く気づけることが大事なんです。その変化に合わせて、自分のマインドでなにを見る・見ないかのスイッチャーをコントロールする能力が、すごく大事になってくるんですね。

変なことが起きていると気付けないと、問い自体が出てこない

伊藤:今のYouTubeだと、「白いチームが何回パス回しをしたか?」という問いが正しいかどうかがまずあるんですね。その問いに答えるには白だけ見ていればいいんだけど、そうじゃなくてこの動画自体を見たときに「変なことが起きている」と気づくか気づかないかは、その問い自体をつぶさないと出てこない。

尾原:はい。

伊藤:人間は見たいものしか見えていないんだと、そこをちゃんと認識しておくということでしょうか?

尾原:そうなんです。先ほど言ったように、昨日の正解は今日の正解じゃなくなるということと、(不正解でも)明日は正解になる問いというのが、たくさん現れる時代なんですね。

伊藤:なるほどね。

尾原:ゴリラに気づけるようになることです。僕はいち早く伊藤羊一というゴリラにタッピングしたんですよ。キングダム時代に「このゴリラおもしろい!」と思って。

自分が見ないニュースを人に送るのが習慣に

伊藤:そうなんです。ここでちょっとエピソードをお話ししておきたいなと思ったんですけど、尾原さんと出会って、こうすることが大事だというのに気づいたのが2年前ぐらいなんですよ。尾原さんってなにかあるとメッセをくれるんですけど、メッセで「伊藤さん、こういうの好きなんじゃない?」と。

だいたい僕は24時間メッセンジャーを開けているので、すぐ答えるわけですよ。「そうなんですよ」「実はこんなのもあって」と雑談がはじまって。いろんなテーマについて雑談をしてくれるんですけど、それを僕にだけやっていただいているのかなと思ったら、そうじゃなくていろんな人に「この人にはこのパス」とやっていて。

尾原:そんなことないですよ、伊藤羊一さんだけですよ。

(会場笑)

ごめんなさい。1日だいたい平均50人ぐらいにメッセージを送っていて。

伊藤:そうなんですか。

尾原:習慣的に、意図的に自分が見ないニュースを人にメールするって決めています。

伊藤:ということは、僕はこういうことに興味を常に持っている、または興味を持ちそうだなと、常に考えていらっしゃるわけですよね。その上で投げて、投げると返ってくるじゃないですか。ということはおそらく投げている尾原さんも「あっそうなのね」と、いろいろしゃべっているうちに出てくるんだと思うんです。

ふいに質問をされたときでも答えられるスキル

伊藤:「尾原さんはこんなことをくり返しているのか!」とびっくりして、僕もなるべくそういう情報の捉え方をしようと意識しはじめたんです。ここは人それぞれやり方がいろいろあると思うんですけど、そういったミキサーでかき回すようなことをするといいかなと思います。僕実は1回ね、量子コンピュータについてIBMと日本経済新聞から依頼されて……。

尾原:やってたね! 

伊藤:話さなきゃいけないというので。

尾原:「誰が、なんで伊藤羊一さんに頼んだのか?」と思う。すごく不思議な案件。

伊藤:それで僕は尾原さんに「尾原さんすみません、量子コンピュータについてちょっと話さなきゃいけなくなって」と相談して。「大丈夫か!?」みたいな第一声だったんですけど、ものすごく親切にいろいろ教えてもらって。聴衆が350人くらいいたんですけど、ひとまず大喝采みたいな感じになって。

尾原:ね。

伊藤:要するに、ふだんから「量子コンピュータ」「AI」「韓国」「あおり運転」とか、いろんなテーマにいろんなことをかき混ぜておくと、バっと聞かれたときでも答えられるのかなと思った次第です

これがスキルのことで、あとからちょっと戻れればなと思います。実際に『0秒で動け』の題名から感じる、「その瞬間に動け」みたいなところは、もうこれはTips的に、やれることはぜんぶやれということに尽きるのかなと思っていて、本にも書いてあるんですけど、まずはコミットしちゃうとかね。

それで「いやいや、俺なんか大したことないですけど」とか言いながらやるとか。でもそればっかりやっていると、「あいつすぐ期待値コントロールするからいまいちだよね」と言われちゃうので、徐々になくしていったほうがいいんですけど、最初にそうやって心の準備をすると。

集中力を研ぎ澄ますために、控え室の魔裟斗になりきる

伊藤:それから実際にやる瞬間には、仲間の力を借りるとかね。やっぱり1人で人前に出られないようだったら、「尾原さん、ちょっと一緒に出てください」みたいな感じで、頼ればいいわけです。心のリミッターを外すために自己暗示をかけるというのは本にも書いてあるんですけど、僕がよくやっていたのは、ヨットパーカーのフードを頭にかぶって座って、こう体を揺らすんです。これはなにをやっているかというと、控え室の魔裟斗のイメージなんですよ。

(会場笑)

尾原:先生、まず体重が……。.

伊藤:相撲取りじゃないかみたいなね。要するに、控え室の魔裟斗選手の話を聞いていて、K1の選手はだいたいそうやって自分で入っていくじゃないですか。あの感じで集中するんですよ。今日はそこまでじゃないですけど、やっぱり本番の前は僕、けっこう機嫌悪いんですよ。集中しているから。

だからあんまり声かけられたくないみたいな感じのルーティーンをもう決めているんですけど、そういうことを僕もやっているんですね。1年に297回人前に出ている人間でもそうやって、集中度を上げるみたいなことやっているので、みんなもそういう考えたことを1個1個やっていったらどうでしょうかと。

あとね、これは「みんなそうじゃないの?」とけっこうびっくりされたんですけど、最初のフィードバックを受けないと。最初はですよ。慣れていけばフィードバックをどんどん受けないと成長しないんですけど、最初はフィードバックを受けない。

だって一生懸命がんばったのに、「あそこはこうやったほうがもっとよくなる」とか言われると心が折れちゃうんですよ。なので最初は無視です。Amazonのレビューとか見ない。

(会場笑)

普通の人だったら心が折れないで済むところでも僕は折れちゃうので、フィードバックは受けないとかね。それからヒーローになる妄想も24時間しているんですよ。

尾原氏の赤マフラー=正義の味方

尾原:僕も赤マフラーしていますからね。

伊藤:そうですね、それは印象づけているんですか? 

尾原:ヒーロー。自分ですね。

伊藤:自分の中に。

参加者:なるほど。

伊藤:そうなんですね!

尾原:常に正義の味方です。インターネットのために生きているんです。

伊藤:という、自分に対する暗示なんですね。尾原さんもそういうことをしています。僕も常に頭の中にあるのは、日経新聞の私の履歴書なんですよ。私の履歴書の第何回みたいなこと常に考えていて。

尾原:(笑)。刻々と履歴書が綴られてきているんだ。「あのとき伊藤羊一は……」。

伊藤:苦境に陥ったときも、「苦境だよこれ、ドラマになるわ」みたいな。

(会場笑)

尾原:「これでいい1日書けるわ」みたいな。

自分を盛り上げるアホな妄想

伊藤:そうそう。あと僕はグロービスに生徒として通っていたんですけど、常にケースの主人公であることをイメージしながら行動していたんですよ。「だから伊藤は悩んで天井を眺めた。最後、伊藤は『よし』と言って部屋を出て行った」みたいなことを常にイメージしながらやっているという。

そんなことを妄想しているんですね。これはつまり、一個一個やりましょうよということではなくて、これは僕のアホな行動なんですけど、みなさんも自分を盛り上げるためにやれることはぜんぶやろうよという話です。

例えば1つのプレゼンで……僕が最初に孫さんの前でプレゼンしたとき、実は300回練習したんですよ。

それを言うとみんなに「すごいですね!」と言われるんですけど、人前でプレゼンしようとしたときに、練習したといっても「2回ぐらいちょっとやりました」ではね、それは緊張するわと。やれることはぜんぶやろうよと。ちなみに「300回じゃなくても、100回くらいやれば変わるよ」と言っても、やっぱりやらなかったりするんですよね。

努力を恥ずかしいと思わず、やれることは全部やる

伊藤:そういう努力なり、恥ずかしいと思わないで、やれることはぜんぶやろう。赤マフラーで正義の味方というのも、文脈もまったく関係なしに聞いたら「なにをおっしゃっているんですか?」みたいな話になるじゃないですか。

尾原:そうですね。なんなら頭おかしいやつですからね。

伊藤:そこだけで切り取ったらね。僕もそうですよ。「控え室の魔裟斗です」「なに言っちゃってるの?」みたいな。

(会場笑)

その文脈を考えると、要するに自分の心の中で壁を取り外すためにやれることはぜんぶやるという、これが大事です。それに尽きるかなと思っています。