お祝い花の代替サービスとしての認知を得たい

河上:じゃあ未来の話も少し聞きたいなと思うんだけど。まさに立ち上げたばかり、生まれたばかりのこの会社があって、直近の1年ぐらいの間に、なにか話せる範囲でいいんですけど予定しているもの、またはリリースする予定があれば。展開しようとしていることがあったら、そのへんからまず聞いてみたいんですけど。

中島:まだ本当に始めたばかりで、まずは「こんなサービス、ラインナップを用意していきます」というのはお伝えしたんですけど。それをやるにしても、バルーンってけっこういろんな用途があって、喜んでもらえることもいっぱいあるので、まずはちゃんとサービスとして作り上げていくところをやっていきます。

その中でも1個、すごく好評いただいているのは、お祝い花の代わりとして使ってもらうことで。

河上:お祝い花か。置型の風船ね、花じゃなくて。

中島:インスタを見ていただければ何個か載せていますけど、それをいろんな企業さんの上場祝いだとか移転祝いとかに持っていくと、女子は当然は「すごい、なにこれ!」って喜んでくれる。

河上:そうだよね。そうだと思う。

中島:女子だけじゃなくて、けっこう40〜50代のおじさまたちも、設置してる間にみんな写メ撮ってくれたりだとか。「これいいですね!」って、すごく喜んでくれるんですよ。

磯村:(河上氏を見て)気に入ってるね。

河上:うん、すごい欲しい。

中島:(笑)。

磯村:おじさんです。

中島:「上場しました」とか「移転しました」って書かれたお祝い用の風船を上げてると、一番いいところに飾ってくださったりとかしてて。こんなに喜んでくれてうれしいなっていう。ほかのもそうなんですけど、お祝い花の代わりは非常に好評いただいていて。これをまず広めていきたいなと思っていて、ちょっとがんばっていきたいですね。

仕事から離れてはじめて、社会との接点の必要性を感じる

河上:なるほどね。そんな中島さんなんだけど、もうちょっと長い話でいくとさ、もう40代でしょ? ミドル世代に入ったよね。

中島:そうですね。

河上:10年後のありたい姿みたいな話をちょっと聞きたいなと思うんだけどさ。10年後、どんなふうになっていたい?

中島:そうですね、10年という単位かどうかはさておき、そとあそびを退任して、のらりくらりやるというのもあったんですけど、やっぱり……。

河上:大量のお金があるからね。

中島:いやいや、そうじゃないんですけど(笑)。

河上:うん。大量にお金があるからね。

磯村:(笑)。

中島:そんなことはないんですけど。多少のらりくらりできることはあったんですけど、やっぱり社会との接点だとか。仲間と話していても、自分でやってる仕事がないと、なかなか……。

河上:世捨て人みたいになっちゃうよね。

中島:そうなんですよ。ぜんぜんおもしろくないなと思って、人生で初めてうつになりそうになったんですよ。「ああ、俺、何のために生きてるんだろうな」みたいな。

河上:ああ。

中島:やっぱり仕事が社会との接点が一番あると思っているので。仕事を始めて「すごい楽しいな。居場所があるな」って感じるんですね。

河上:なるほどね。

中島:これ、いま40歳で経験できてよかったってすごい思って。

河上:早いよね。ある意味では早いのかもしれないね。

ITと真逆のビジネスなれど、オンリーワンの立ち位置には違いない

中島:これが60歳、70歳、定年ですってなったときに「あれ、俺やっぱ仕事好きだった」ってなって、そこから始めている方もいらっしゃると思うんですけど。

今このサービス自体がすごくいいなと思っているので、こういったみんなが喜んでくれるサービスをちゃんと広めていきつつ、自分として10年後、そのあともずっと仕事をして、何か喜んでもらえるサービスを続けていくという状態をちゃんとつくっていきたいなと。

河上:なるほどね、そうかぁ。でも俺、けっこうこのサービスって、究極の集大成だなと思っていて。

中島:おっ。

河上:お祝い事で最大の思い出をつくってあげる会社って、なんか就活する企業みたいな位置づけとはちょっと違う、究極の立ち位置のサービスだなと思っていて。ある意味でうらやましいってことね。こういうことを本当に仕事としてやっていける人がいるんだと。これはすごくうらやましいと思う。

俺は大道芸人にはちょっとなれないし、なりたいとはあんまり思わないけど、こういうみんながいつも笑顔で盛り上がってるところに携わっていたいタイプだから。こういうかたちの事業とかサービスのかたちを、こういうふうに表現されると、もう脱帽だね。

目のつけどころがシャープだなと思います。中島さんはNECだけど。

中島:そうですね、ありがとうございます(笑)。

河上:ちょっと悔しい。今日話していてね、最初は「なんでこういうジャンルにしたんだろう?」って不思議だったんだけど、聞いているうちにオンリーワンっぽい立ち位置なんだなって。中島さんはもともとIT出身だから、やり方の切り方もちょっと特殊なんだと思うし。

それがこういうベーシックなさ、なんかベタな世界観で勝負してみると。こういう中島さんみたいなキャラでね。たぶん集まってくるメンバーも、みんな楽しいことが好きなことが集まって応援してくるだろうから、盛り上がりそうだなって気がすごくしてきてさ。

中島:ありがとうございます。

河上:3,000円、投資しようかな。

中島:あっ、ありがとうございます。

磯村:なんで3,000円なの?

中島:じゃあ、バルーン1個差し上げます。

(一同笑)

「すみません」を「ありがとう」に変えていきたい

中島:さっきうつになりそうだったっていう話をちょっとしたんですけど、やっぱり幸せは人とのコミュニティの中にあるなと思います。やっぱり1人では生きていけないですし、ほかの人とも関わり合いながら、みんなが笑顔になってくれるって幸せだなって、すごい感じるんです。

お祝いごとって、誰かに感謝を伝える場だったりするので。なかなか言いづらいじゃないですか。昔、勝屋久さんって人が……。

河上:いた。

中島:まぁ、今もいるんですけど(笑)。アカツキの社外取締役をやっている勝屋さんの話を、10年ぐらい前なんですけど聞いて、今でも覚えていて。日本人は感謝を伝えるのがすごく下手だと言っていたんですね。

例えばプレゼントをもらっても、プレゼントをあげるほうって喜んでもらいたくて渡すじゃないですか。でも「こんなものをすみません。申し訳ない」みたいに言ってしまう。でも「申し訳ない」と言ってもらうより、「えーっ、いいの!? ありがとう!!」って言ってもらうほうがうれしいじゃないですか。

この循環がもっと生まれたらいいなと思うんですけど、そもそもそういうお祝いごとの場とかで「お誕生日おめでとう!」とか言うのって、僕もあんまり得意じゃないほうなんですよ。相手に感謝を伝えるっていうのもそうだし、それを喜ぶというのも、またちょっと1個勇気がいるというか。

でも、その勝屋さんの話を聞いてからは、「すみません」じゃなくて「ありがとう!」って、ちゃんと素直に気持ちを伝えるようにしているんです。やっぱりそれがお互いの幸せにすごくつながるなと思っていて。

せっかく感謝を伝えるお祝いごとの場だから、そういう場がより「あっ、お祝いしてもらえた」「お祝いして喜んでもらえた」って思えるような場になっていたら、人生がもっとみんな豊かになっていくし、ハッピーになるんじゃないかなという。やっぱり人とのつながりがすごく大切だなと思っていて、そういう意味で本質的だなと思ってるんですよね。

感情を素直に表現することの恥ずかしさを乗り越えるために

中島:バルーンとかじゃなくて手紙でもいいと思うんですけど、ちゃんと周りにいる人たちに感謝を伝えられて、お祝いの気持ちを伝えられるとか。

それが周年祭でも「みんなで仕事をやってくれて今日がある、だからありがとう」だし、入社式もやっぱり「入社してくれてありがとう」、向こうも「よろしくね」だし。そういったお祝いごとの場は、全部誰かに何かを伝える場なので。そういう場で、心がより伝わりやすくなっていったらいいなぁ、すてきだなぁって思います。

河上:いいよ、いいよ。

中島:40歳にもなって青臭いですか?(笑)。

河上:大丈夫。50歳になってストームトルーパー着てるやつもいるから大丈夫。

中島:確かに。勇気をもらいました(笑)。

河上:今聞いてて、そういうのをみんな「日本人ってそういう人種だからさ」って簡単に片付けてしまうんだけどさ、それだとあまりにもつまらないのよね。何か1つ、こういう外観のサービスと、もう1つ大事なのはさ、扉を開けてあげるきっかけづくりみたいなのもサービスにもなりえるだろうし。それが必要なのよね、日本人はとくに。

中島:そうかもしれないです。

河上:俺もだから別に、今はこんなになってるけど、もともとこういうタイプだったから切り替わりやすかったけど。やっぱりそれなりに勇気は必要で。

中島:必要だったんですね?

河上:必要よ!

中島:(笑)。

河上:恥ずかしがらないことだったり、感情を素直に表現するみたいなのって、けっこう大変だったりするじゃない?

中島:そうですね。思春期の男の子たちはできないですもんね。

河上:できないでしょ。嫌なやつに囲まれて仕事してると、どんどん萎縮するし。社内政治ばっかり考えてると、もうすごい頭がつらいじゃない? そういうのを含めて、トリガーを引かせてあげるというか。きっかけを作ってトリガーを引かせてあげるようなきっかけづくりも、ぜひOryzaeで考えていったらいいしさ。

中島:そうですね。

コンタクトはインスタグラムのアカウント「Oryzae」からどうぞ

河上:たぶんこういうパーティ会場とかもさ、慣れてるやつは思いっきり楽しもうと思うし楽しんでいくし、お祝いも思いっきり拍手して、結婚式のときも我が物のように行くけど、大半の人はそうでもなかったり。

冷めてる人のほうがかっこいいわけでもないんだけど、そういう人たちもいてさ。でも、それってもったいないなって個人的には思うじゃない? それはやっぱり、トリガーを引かせてあげるようなきっかけづくりをしてあげることも、サービスだと思うからね。

中島:確かにそうですね。

河上:だから、そこまでぜひ考えてやってもらったらうれしいな。その中で俺1人、そういう黒子役というのも向いてるかもしれない。「はい、みんな拍手!」みたいなさ、「ここはみんなで喜ぼう!」みたいなさ。そして「あっ、喜んだな」みたいな。

磯村:黒子ではいられないよ(笑)。

河上:そうか。

中島:(笑)。でも、やっぱりこういうふうにちゃんと盛り上げてくれる人がいると、まわりも助かります。

磯村:オレンジの服着て出てきます。

中島:確かに。

磯村:黒子じゃない。一番目立つ黒子。

河上:なんかいい話だったよ。

磯村:うん、いいこと言った。えらい。

河上:うん。あとは、もうこの風船をどう持って帰るかだけだよ。

中島:そうですね。全部なんとか。

河上:そうだね。今みんなに見てもらいましたよ、いろいろとね。でも、本当にまだ準備はこれからって感じだからさ。まだホームページがないし。まず今日見ている人に「じゃあ何か興味ある人は連絡を」と言うにはどうしたらいいの? インスタグラムのOryzaeのページをフォローしてもらって、そこから問い合わせ連絡をしてくださいっていうのが一番早いかな。

中島:そうですね。それが嬉しいです。

河上:一番いい?

中島:はい。

河上:じゃあ、そうしてください。Oryzae、O・r・y・z・a・e。ちょっと難しいんですよ。じゃあ、宴もたけなわだけども、今日はこのへんで。

磯村:今日はあんまり飲まなかったですね。

河上:そうそう。いや、話がおもしろくて。

中島:ありがとうございます。

磯村:話がおもしろい? ほかの人が怒るよ。

河上:違う違う、そういうことじゃないんだ(笑)。じゃあ、今日はこのへんで切りたいと思います。今日のゲストはOryzae株式会社代表取締役社長の中島裕さんでした。どうもありがとうございました。

中島:ありがとうございました。

(一同拍手)