中古事業の難しさは固定費や在庫リスクの重さ

河上純二氏(以下、河上):今後、百貨店のその場所(買取ご相談窓口)は、またもうちょっと増えていく流れはあるの?

青木康時氏(以下、青木):そうです、そうです。もちろんそういう計画もしていますし。ただ、闇雲に店舗を広げて、結局固定費が重くなって、そのコストを吸収するために買い叩かなきゃいけないとなると、これもまた本末転倒なので。

河上:そうか。

青木:だから結局、中古事業で難しいのが、固定費が重いとか、あとは在庫リスクが重いとか。それによって、本は10円でしか買えないというようなことが起こりがちなんですよね。これは別に暴利を貪っているわけじゃなくて、そうせざるを得ないので。なので、そこにお金をかけないで運営する方法を見つけないといけないんですよね。

河上:なるほど。

青木:効率的な場所というのは、どんどん広げていくべきだし。

河上:今は新宿の伊勢丹と、あと三越はどこに?

青木:銀座。

河上:銀座。一番フラッグシップ的な店に入っていると言えるよね。

青木:そうです。

河上:どうですか? まず(百貨店に)入ってみて。ここ数ヶ月。

青木:いや、でもまだ1ヶ月前です。

河上:まだ1ヶ月。

百貨店に実店舗を出したことで、いいお客さんとの出会いが増えた

青木:でも、すごくいいのが、結局僕らはネットのサービスじゃないですか。そうすると、スマホに触れる人やPCに触れる人がお客さんなので。20代半ばから、ラグジュアリーだと55歳ぐらいまでがユーザーの層になりがちです。でも、本当にこのバブル期からずっと物を買っていらっしゃった方とか、百貨店のお客さんとか、外商の方でいうと、もっとそのアッパーの層はいらっしゃるんですよね。ここはネットでは触れないわけですよ。

そういうところに、実店舗だと、ようやく「2年前からやってたの? 知らなかったわ」ということで、知っていただけたりするので。そこですごくいいお客さんに出会えるというのは発見ですね。

河上:RECLO的には、フラッグシップみたいな意味合いも強いよね。また、ふだん届いていないところへのPR。

青木:そうです、そうです。

河上:役割ですよね。

青木:そうやって新しい場面を作っていくと、結局、生活動線の中で要らないものってあんまり意識しないはずなんですよ。要らないということに気づいてないので、捨てていないということだと思うんです。ただ、ついでに行ったところで(買取が)できるとか、いつも使っているサイトでできるとか、そういう場面が増えていったほうが、やはり物の循環は滑らかになってくるんじゃないかなと思っています。

河上:なるほどね。

青木:そこの起点になりたいというのがすごくありますね。

ユーザーの男女比は3対7で女性が多い

河上:なるほどね。ちょっとユーザーの話をするんだけど、やっぱり女性が大半?

青木:そうです。女性の方が7割ぐらい。

河上:7割くらい。それで男性が3割? やっぱり高級品が多いから、年代的には30歳から40歳くらい?

青木:おっしゃるとおり。

河上:あ〜やっぱりそうか。

青木:20代半ばから、30代、40代がやっぱり一番高い山ですね。

河上:なるほど。都心に寄っているの?

青木:いやそれがですね、意外ともう人口分布図そのまんまで。

河上:そういう感じなんだ。

青木:やっぱり地方の方でもなんとなく……僕は岐阜の出身ですけど、名古屋へ出かけて、名古屋の百貨店で物を買うようなことに、高校生とかでも憧れるわけじゃないですか。

河上:なるほど、なるほど。

青木:だから、そういった意味では意外と(要らなくなった売りたいものを)持っていらっしゃるし。そういう人のほうが、たぶん生活の中にそういう買取をしてくれる場面がないので。そうすると、けっこうネットを利用される方が多いですね。

河上:なるほどね。俺の家にあるものでも売れるものあるのかな〜?

青木:あるんじゃないですか?

磯村:テディベア?

河上:テディベア? 

青木:テディベア(笑)?

河上:ブランド品じゃないじゃない。

(一同笑)

ブラックボックスだった売値と手数料をオープンにする利点

河上:モンクレーのダウンとかあったんだけどね。初期のモンクレー。

青木:すごい売れますよ。モンクレー。

河上:売れる? フリーマーケットで1,500円で売っちゃったよ。

(一同笑)

及川真一朗氏(以下、及川):1,500円は安いんじゃないですか?

河上:でも、初期の初期だからね〜。どういう価値基準なのか、そのリサイクル業界はわからないけど、こういうものがあることもよくわからなかったし。

青木:結局、僕らは、お客さんの物の売値も伝えるんですよ。通常は買取屋さんって、買値しか言わないじゃないですか。

河上:そうだね。

青木:粗利がばれたくないので。でも、「これは20,000円で売れるから、あなたには13,000円払えます」というコミュニケーションにするので、そうすると、なんだかちょっとクリーンでヘルシーじゃないですか。

河上:めちゃめちゃ優しいね。

青木:「そのうち手数料がこれで」というものがちゃんと明示されるから、何となく信頼関係として。

河上:すごいいいね〜!

青木:嘘つかないというのが何となく見えてるので。

河上:あら〜。人柄?

青木:たぶん、そう。

(一同笑)

そんなことないです。

河上:だってめちゃくちゃ良心的じゃない、それって。

青木:もうスマホの時代なので。

河上:そうか。

青木:例えば、メルカリもそうですし、いろんなサービスで、もう売れる値段ってみなさんも知っていらっしゃるじゃないですか。つまり、自分で調べればわかるんですよね。

河上:そっか、隠してももう。

青木:隠せないので、そこをブラックボックスにしようとしても、もはやなかなか難しいんじゃないかなと最初に思ったんです。それだったら、もうあけすけに全部見せながらやったほうが、なんとなく「それでダメだったら仕方ないわ」という感じになりやすいかなと。

5年ほど前までは中古品が大嫌いだった中国

河上:なるほどね。ちょっとグローバルの話とか、中国の話を聞きたいんだけれど。中国も同じようなかたちでやってるの? 今、中国ってどういうふうにやっているの?

青木:日本のお客さんから預かった物を、中国にも越境ECというかたちで(販売しています)。1年半ぐらい前からやりはじめたんですけれど。ちょうど半年とか、10ヶ月前ぐらいから急に、一気に越境ECで売れはじめまして。今は、会社の売上のうちのもう40パーセントぐらいが海外の売上げです。

河上:ウソっ! ええ〜!

青木:ほぼ中国になっています。

河上:マジで!?

青木:はい。これはけっこうもうバク伸びしているような(笑)、感じです。

河上:それはなぜ? 中国人がブランド好きで、中国で手に入りにくいから?

青木:もちろん、もともと富裕層も多いですし、10年ぐらい前から豊かになっているので、物はいっぱい買っているんですけど、彼らは中古品自体は5年前まで大嫌いだったんですよ、たぶん。中古車すら5年前までは売れていないんですね。

河上:なるほどね。

青木:なぜなら、「新品じゃないと恥ずかしい」とかいうことがあったので。メンツの国じゃないですか。そういうところがあったんですけれども、急にシェアサイクルとか、いろんなかたちで合理的な概念が入ってきて。そもそも自分で使うものだったら、こっちの方がいいやというものがあったし。あとは、上流層が育ってくると中間の層が育つじゃないですか。ベンツに乗りたいけど、400万円ぐらいで手に入れたいみたいな。

河上:そういうニーズが出てきた。