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SmartHRが社内報を「note」で公開している理由 自由な社風を表現するために広報が取り組んでいること

2019年8月27日、株式会社クリーク・アンド・リバー社 イベントホールにて、人事・広報担当者向けのイベント「社員発信の社内施策から学ぶ!~従業員エンゲージメントを高める方法~」が開催されました。最近になってよく目にするようになった「従業員エンゲージメント」というキーワードですが、社員が“やらされ感”を抱くことなくモチベーションを上げるにはどうすればいいか、悩んでいる企業も方も多いのではないでしょうか。このイベントでは株式会社SmartHR、ライフネット生命株式会社、株式会社LIFULLの担当者が登壇し、「社員発信によって取り組んでいる施策」をテーマに取り組んでいる事例を発表。本記事では、株式会社SmartHRのインハウスエディター たけべともこ氏による講演の模様をお送りします。

成長過程のCAMPFIREで経験した広報のノウハウ

たけべともこ氏(以下、たけべ):初めまして、たけべと申します。突然ですがこの中で「SmartHR、知っているよ」という方どのぐらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

思ったより多い。その中で「使っているよ」という方どのぐらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

ありがとうございます。私はSmartHRでインハウスエディターをしています、たけべと申します。まず自己紹介なんですけれども、あまり綺麗な経歴じゃなくて申し訳ないんですが。新卒で小売企業に勤務して2年くらい働き、その後は47都道府県を旅したりとか、あとはフリーランスをしていました。

2016年にクラウドファンディングで恋人を募集したら、そのプロジェクトが思ったより話題になって。海外の新聞とかが「日本にクレイジーな女性がいる」みたいな記事を載せてくれて、それがきっかけでクラウドファンディングのCAMPFIREという会社に入社しました。

そこで広報を経験したので、今日登壇する三者の中で、私は一番規模が小さい会社を経験してます。ベンチャーで10人ぐらいのところから、130人に成長する過程を広報として経験してきたので、そのあたりのお話をできればなと思っています。

現在はSmartHRという人事労務のサービスの会社に勤めております。

お昼寝を推奨、たばこを吸わない人には別途手当あり

たけべ:ここからは「SmartHR、一体それはなんぞや」というご紹介ができればと思います。

SmartHRは人事と労務の業務をラクラクにするサービスです。例えば、入社の手続きの書類は、今までみなさん紙で書いて、あとは判子押して、それを人事の方が集めてまた役所に持っていくというのをされてたと思うんですけど、それが全部Web上で完結するよという、人事労務の業務が楽になるサービスを運営しています。

スマホから年末調整ができたり、給与明細もWebで見れたりするので、紙に印刷して配布するという作業がいらなくなります。どのぐらい実績があるのかというと、26,000社に導入していただいていて、継続利用率99.5パーセント、ほとんど解約がない状態です。もしかしたらお使いの会社の方がいらっしゃるかもしれないんですけど、ホテル業界からIT企業まで、さまざまな業界でご利用いただいてます。

SmartHRがどんな会社なのかというところも、ご紹介できればと思います。

(スライドを指して)これが弊社の福利厚生なんですけど、ちょっと長いのでこの中で特徴的なものを3つご紹介します。まず、たばこを吸わない手当。たばこを吸わない社員には月に5,000円手当が支払われます。「たばこを吸っちゃだめだよ」ということではないんですけど、業務中にたばこを吸いに出る社員がいると、吸わない人と若干の不公平感があるんですね。なので、吸わない人には5,000円毎月出そうというのだったり。

あと、お昼寝を推奨しています。またフリーアルコールとしてオフィスにいつもお酒があるので、それでもコミュニケーションを推進したりしています。そういったカルチャーの会社なんですが、本日の本題ですね。どんな社内施策をやっているのかというということです。

オープンな社風を活かした「オープン社内報」

たけべ:まず社内報ですけど、この中で「社内報出しているよ」という会社さんはどのぐらいありますか?

(会場挙手)

意外と少ないのかな? なるほど、ありがとうございます。SmartHRは先ほどもご紹介したんですけど、とにかくすごくオープンなんですね。(スライドを指して)これは弊社の代表のツイートなんですけど、SmartHR社が面接で使っている資料を、先ほどお見せしたのも込みで全部公開しています。資料自体は650,000閲覧かな......もっとだったかもしれないです。そのぐらい閲覧されてます。

なので、昇給実績とか、去年はどれぐらいお給料が上がった人がいるよ、というようなものも全部公開している状態です。そんなオープンな社風に合う社内報ってなんだろうと考えた結果、これは弊社の社員が出したアイディアなんですが、「社内報もオープンにしちゃおうよ」という。社内報なのにオープンという......どっちなんだという感じなんですけど。実際にこれはみなさんにもご覧いただけます。

メディア名は「SmartHRオープン社内報」。コンセプトでは「誰でも読める社内報」としています。入社前から「オープン社内報見ました」と言ってもらえることとか、社員が読んでくれること、うちの社内報っていいよねと思ってもらえること、やってみてマッチしなかったら止めてもいいよね、という考えのもと、オープン社内報を運営しています。

(スライドを指して)実際にあがっている記事は、最近だとこういう記事がありますね。カスタマーサクセス専属担当になった人が自分自身で社内報を書いたりとか、あとは半休制度の紹介。弊社は半休制度の新しい取り組みを4月に始めたものの、実際に活用している人がぜんぜんいないと。じゃあ社内報で書いちゃおうよ、みたいな記事を載せています。

社員数130人の会社に部活が52個!

たけべ:もう1つ、社内報に続いて個性的なのが部活動ですね。部活動は導入されている会社さんもけっこうあるかと思いますが、(スライドを指して)左側ディズニー部ですね。会社の人とディズニーランド行く人ってあまりいないかと思いますが、弊社ではあります。

あとは右下がキャンプ部です。これはSAP部ですね。こんな感じに休日集まって出かけるということもわりとあります。

これはSmartHRの部活のルールなんですが、長いのでこの中で1つだけご紹介すると、部活を立ち上げる時に必要なのは、2部署以上またいでいること、かつ4名以上であること。それであれば、1人当たり月に1,500円を支給しています。会社として設定しているのはここまでですね。

これを部活ルールとして設けた結果どうなったかというと、これも弊社代表のツイートなんですが、部活が52個、社員数130人ぐらいで52個。活動が182回、参加した人が1,164人、全体の86.5パーセントの社員が参加するという結果になっています。

部活という入口の部分は会社が作ったんですけど、あとは社員たちが「こんな部活があったらおもしろいんじゃない!」というのを自分たちで提案して作っている状態です。

CAMPFIRE時代に学んだ「業界の把握」と「歴史の記録」

たけべ:ざーっと喋っちゃいましたけど、いくつか事前に質問をいただいているのでQAをご紹介したいと思います。

まずは「10人規模の事業会社広報がやるべきことは?」という質問にお答えしたいと思います。私は前職のCAMPFIREで、社員が20人ぐらいの時に広報になったんですが、当時の自分に言いたいのは「業界の把握」と「歴史の記録」、この2つは絶対にやっておけよ、ということです。

私がクラウドファンディング業界の広報になったころって、クラウドファンディングって今より認知度が低かったんですね。カタカナ用語というだけで敬遠されちゃうみたいなところがあったので、競合のことをとにかく調べました。

記者さんから「クラウドファンディング業界は、いま全体でどんな感じなんですか?」と聞かれたら「今話題になっているプロジェクトはこれとこれとこれ。業界として今これが話題になってます、その中で弊社の立ち位置はこれです」と全体を話せるようにすると、すごい喜ばれました。

1社の取材とかじゃなくて、「クラウドファンディングについてわからなければ、とりあえずCAMPFIREのたけべさんに聞けば教えてくれるわ」みたいになって、「今度はこういう企画の記事を書こうと思うので、御社にインタビューしたいと思います」と言ってもらえたので、業界の把握はおすすめです。

あとは数年以内に創業期の写真を求められるので、写真をたくさん撮り溜めしておくというのもおすすめです。会社が大きくなればなるほど、「5人ぐらいの時の写真ないですかね?」みたいに、「創業当初がわかる写真をください」と言われるので、写真の撮り溜めも本当におすすめです。

社内報は会社や広報の目線ではなく「社員の目線」で作る

たけべ:もう1つ「社内報はどういうことに気をつけて書くといいか? 良かったものとと良くなかったものをを教えてください」という質問があったので、こちらにもお答えしたいなと思います。

私は前職で社内報の立ち上げをして、今はSmartHRで社内報の副編集長をしているので、それをふまえてお答えすると、「伝えたいこと」ではなくて「知りたいこと」からテーマを選ぶのがおすすめです。

これ、けっこう陥りやすいと思うんですけど。特に広報さんは「社員のみんなにこれ知ってほしいから」という情報をやりがちなんですけど、そうじゃなくて自分が社員として何を知りたいか。

例えば、会社が急成長すると「このまま会社が変わっちゃうんじゃないかな」と不安になる社員が多いと思うので、それに答える人のインタビューを載せるとか。社内報は会社目線、広報目線じゃなくて、社員側の目線で、「社員が今知りたいこと」を伝えるというのは特に意識しています。

長々と喋っちゃいましたけど、メモとかも取っていただいて……たいした話もしてなくて申し訳ないですけど、こんな感じでトップバッターは去りたいと思います。藤澤さん助けてもらっていいですか? 

藤澤恵太氏(以下、藤澤):ありがとうございました。

(会場拍手)

ありがとうございます。クラウドファンディングでね、恋人とか......すごいパワフルなワードが、すごい刺さってきた。

たけべ:みなさん引いてるなと思って、申し訳ないなと思って。

藤澤:引いてないと思います。びっくりされたんだと思います。トップバッターということで、1つだけ、もしあれば質疑応答とか感想とか。

たけべ:手を挙げづらくないですかね……。

藤澤:1個だけ、もしあればということで。......あ、ありそうですね。

たけべ:質問してください。ありがとうございます。

質問者:話の中にあった部活の話でおうかがいしたいんですけど、あれは1人がいくつも部活に入ったりしてもいいんですか? 

たけべ:はい。部活はいくつでも入って大丈夫です。私も10個ぐらい入ってます。うどん部とかスパイス探究部とか、囲碁部、将棋部など。

質問者:各々の部活で月に1,500円というのは、部活ごとに入っていくんですか? 10個入ってたら、1人だけど10個の部活に1人分の1,500円というのが......?

たけべ:そうです。ただ、部活の活動報告をあげる必要があるので、実際に活動したという結果がないとだめです。10個入っているから自動的に1,500円×10の手当が支払われるわけではなく、部活の活動に合わせて1,500円が支払われるという状態です。

質問者:ありがとうございます。

たけべ:ありがとうございます。

藤澤:ありがとうございました。マイク回収をお願いします。この後もトークセッションもございますので、一旦登壇の方は以上ということで、たけべさんありがとうございました。

(会場拍手)

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