2024.11.25
「能動的サイバー防御」時代の幕開け 重要インフラ企業が知るべき法的課題と脅威インテリジェンス活用戦略
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河上純二氏(以下、河上):株式会社そとあそびは何年やってたんですか?
中島裕氏(以下、中島):4年ぐらいですかね。
河上:4年ぐらい。それをたった4年で急成長させて。
中島:まぁ、急成長までいくかどうかわからないですけど。そうですね、当時よりかは。
河上:急急急成長させて。
中島:いやいや(笑)。当時よりかは多少大きくなって。
河上:売却されましたね。
中島:そうですね。アカツキの傘下にいま入ってますね。
河上:すごいよね。会社もけっこう大きくなってきて、創業者の山本さんという方もまだいらっしゃって。
中島:はい、今もいます。
河上:2人で話し合って売却という。どういう流れで売却の意思につながっていたんですかね。
中島:ちょっと長くなっても大丈夫ですか?
河上:大丈夫。朝までじゃなければ。
中島:わかりました。最初は山本自体の「アウトドアのすごくいいサービスがあって、現地でも好きでみんなガイドをやってて。でも、うまくマーケティングできてないから人に届いていない。お客さんもハッピーだし、ガイドさんもお客さん来てくれたらハッピーだけど、、うまくマッチングできていない。これを世の中にもっと広めていきたい。日本に広めていきたいんだ」という思いでスタートしてたんですけど。
そのあとはけっこう平行線で。これをどうやったら日本のみんなが「今日はディズニーランドに行く? それともアウトドアに行く?」ぐらいに……なんていうんですか、まず選択肢入る状態になれるかっていう。
河上:選択肢に入るってことね。うんうん。
中島:はい、そうなるのかと。まだぜんぜんそこまでいってないという思いがあって、僕もそとあそびに入って始めたわけですよ。
中島:そのあとB Dash Venturesさんに2億円の支援をいただきました。
河上:調達したんですよね。
中島:はい、調達して、それでスタートしてたので。そのタイミングでお金を使って成長の仕掛けを作らせていただいて、さらにもう一段階お金を調達して、事業を伸ばしていかないといけないよねって話を社内でしてたんですよ。
そういった調達の話をしていく中で、たまたまアカツキさんもいろいろ新規事業を考えていて。「じゃあ調達じゃなくて、うちのグループに入って一緒にやらないか」というご提案をいただいたんですね。どういうのがいいかなという話をいろいろと社内でしました。
サービスを伸ばす上で、アカツキのビジョンもすてきだし、すごい目線感があってて、彼らも本気だと。じゃあどっちでやるかという中で、結果アカツキグループに入って一緒やりましょうということになりました。
山本の純粋な思いはこのサービスをどうやって世の中に知ってもらうかということなので、その中で「このオプションがベストだよね」って話になって、比較的というか、めちゃめちゃスムーズに「じゃあそれでやりましょうか」という話になっていきました。
河上:なるほどね。ここでちょっと、さっき裏で話してて質問してたところをさ。聞きたいことあるでしょ?
磯村尚美氏(以下、磯村):そうですね。
河上:俺もそれ聞いてみたかったからさ、ぜひ聞いてみようよ。経営の話。
磯村:そう。経営がうまくいく方法って何ですか?
中島:それはまぁ、引き続き勉強中なので。わからないですけれども……(笑)。
河上:直接的すぎだよ。もうちょっと哲学的にさ。
中島:哲学的に?
河上:中島さんにとって経営とは何ですか?
中島:いやいや、難しすぎるでしょ(笑)。
及川:難易度が上がりましたね(笑)。
中島:いやいや、怖い怖い。あと5杯ぐらい飲みましょう(笑)。
河上:飲んで飲んで。いったんブレークしながらね。そうそう。
中島:でも、経営がうんぬんというよりかは、事業が伸びていく上で必要なことは何なんだというので、基本的にそとあそび以降はとりわけ自分が信じているサービスなので。これが広まったら僕はうれしいし、そう思ってくれる人も多いに違いないという、すごい独りよがりな思想から始まってるんですよ。
磯村:信じ込んだと。
中島:もちろん世の中の全員じゃないと思うんですけど、そう思ってくれる人はいっぱいいるはずだと。このサービスを伸ばしていく上で今どんなことをしなきゃいけないのか。それを数年後を考えたり、直近を考えたりしながら、純粋にずっとそれをやってきたという。
磯村:具体的に直近でやられたことは何だったんですか?
中島:そとあそび時代ですか?
磯村:うん。伸ばさなきゃというところで悩んでいて、(アカツキの方に)お会いになって、入られてから伸びたという話だったので。そこで何を具体的にされたんですか?
中島:最初はもう、本当に山本1人だったんですよ。システムも外注でサイトも改善されていなかったので。
磯村:あ、じゃあ1人社長だったんですか?
中島:そうなんです。バイトすら雇っていないという……。
磯村:それで10年。
中島:そうなんです。逆にすごいな、みたいな(笑)。
磯村:(笑)。
河上:個人事業主みたいなものだよね。でも、そういう人っているじゃない?
中島:そこにシステムがちゃんとわかる人間を入れて、サイトも全部リニューアルして、スマホサイトもなかったので作って、みたいな。めちゃくちゃ当たり前に、やるべきことをやっていました。
磯村:じゃあ宣伝も広告をやったり?
中島:そうですね。やるべきことっていっぱいあるじゃないですか? それに優先順位をつけて、「まずこれからでしょ」みたいなのからやっていってたという感じですね。
磯村:じゃあ運転資金との兼ね合いで調達をしながら、必要な経費を集めてやるという決断を、ずっと繰り返して進められてた?
中島:そうですね。本当は調達するつもりじゃなかったんですけど。
磯村:2億円ってさっき言ってましたね。
中島:はい。もともと始めたときに僕らが話してた理想は、信じ合える仲間数十人で庭つきの大きな一軒家を借りて、そこでみんなで仕事をして、ランチはみんなでバーベキューとかしながら、「そとあそび」というサービスを楽しくする。「僕らもこのサービスやってて楽しいね」と。
使ってくれてる人たちもすごく喜んでくれていて、アウトドアのガイドさんたちも、そとあそびがあるから集客できてうれしいという。そういうコミュニティの中で、みんなで和気あいあいやりましょう、っていう思いでスタートしていて。
いまだにそうだったらいいなと思ってるんですけど。でも「資本を入れてがっつりいくぞ!」みたいな競合が現れたりだとか、いろんなことが考えられるなかで、僕らもうちょっとスピード上げてやらなきゃいけないなという状況でB Dashさんにご支援いただいて。その資金調達も、けっこう我々的には当初思い描いていた感じと違くなるので(笑)。
河上:まぁ、それはそうだね。それはそうだよ。
中島:まぁまぁ葛藤があったんですけど。でも、そもそもいいサービスだから広めたいというのがベースで、理想はそういう一軒家でバーベキューとかしながら広められたら、なおいいなと。でも、その優先順位はもう一段低いので。
河上:「広めたい」が先だった。
中島:そうです。そのために涙を飲んで、もうちょっとがんばって走る道を選んだというような感じです。
河上:でも、大きな枠を調達されましたよね。
中島:はい。おかげさまでB Dashさんがご支援くださったので、はい。
磯村:もう丸々2億円そのまま。
河上:そうです。
河上:だから、この間はB Dashにいたの? いま急に紐づいてきた。
中島:そうです、そうです。だからB Dashのイベントには基本的に行くようにしてて。
河上:そうなんだ。だからか。
中島:はい、恩義があるので。
河上:言ってなかったけど、俺はB Dashで中島さんと仲よくなったの。
中島:そうですね。
磯村:B Dashがわからない人もいるから。
河上:B Dash Venturesというベンチャーキャピタルがあって、そこが主催の「B Dash Camp」という年2回の集まりがあって。この間は北海道だったんだけど、その北海道で盛り上がった。一緒にね。
中島:はい。
河上:そうそう。だから毎回行ってるんだ。あのピッチ。
中島:そうですね。
河上:なるほどね。そういう会社の起業から経営までのところについて、もう少し聞きたんだけど。ガイアックスのときは、ある意味大企業レベルの大きさだよね。経営側にいたときの話で言うと、一番大変だったのは何? まぁ、人の話もいろいろとあると思うけど。思い出話も含めてね。
中島:そうですね、一番大変だなと思ったのは……もともと入ったときは35人ぐらいだったのかな。
河上:そこから8年で700人になったの?
中島:そうですね。
河上:すごいね。それは急成長だ、本当に。
中島:サービスの内容的に人が増えるものだったので。一番大変だったのは、上場した直後に入ったんですけど、そこから半年ぐらいして事業の内容が大変だという話になっていって、このままだとキャッシュがあと……。
河上:さっき言ってたね。
中島:はい。半年〜1年の間に尽きて、倒産だと。
河上:バーンが早すぎるでしょ、それ(笑)。
中島:そうなんです。
磯村:それって入ってすぐのことですか?
中島:入って半年後ぐらいですね。
河上:そのときは最初はどういうポジションで入ったの? はじめは副社長で入ってたの?
中島:そうです。それもおかしな話なんですけど、もともと「代取副社長で戻ってきなよ」という話をいただいて。
河上:あ、そうかそうか。
中島:僕はずっとNECで普通に働いていて。NECのメンバーもいい人が多いので。
河上:良さそうだよね。
中島:はい。なので、「やっていってもいいかな」ぐらいだったんですけど。一緒にがんばってきたメンバーからそういうふうに声をかけてもらって、みんなもいろいろ困ったこともあったりだとか。「じゃあこのメンバーでもう一度いろいろがんばれたら楽しいかな」というので「じゃあ戻ります」って戻って、すぐ代取副社長という。
河上:なるほどね。
中島:そこで半年ぐらいして、新しい事業を作って、上場直後で成長させていかなきゃいけないというなかで、けっこうアクセル踏んでたんですよ。その事業がうまくいってなかったってことですよね。
売上が思うようについてこないから、このままだと半年から1年したら倒産すると。今のキャッシュ状況だと。どうするんだと。経営始めて1年ぐらいでそんな状況になっているというので。
河上:そうね。そうだね。それまでは携わってない。そこが初めてに近いもんね。
中島:そうですね。はい。じゃあここからどうするんだと。そこからの1〜2年は、夢でもうなされながら(笑)。
河上:そうなんだ。何に一番注力したの?
中島:結局、既存の事業がSIで、継続的に受注をいただけるようなものじゃなかったので。じゃあ、ストック型のビジネスで、今の自分たちの強みは何だと。その強みを活かせてストック型ビジネスの新サービスをいろいろと作ろうというので、5個ぐらい同時に始めてたんですよ。
河上:新しいサービスを?
中島:うん。その中の1個が先ほどおっしゃっていた、メールサポートとか監視サポートとか。ソーシャル系のコミュニティサービスをやっていたので、ソーシャルの中からメールサポートとか投稿の監視だとか、そういった自社のサービス内でやっていたのを、ほかのサービスがSNSとかが流行りだしてて、いろいろ出てきたので、「そこの部分をアウトソースできますよ」ということで始めたんですね。
河上:なるほど。でも、そこがある意味で基幹になっていったでしょ?
中島:そうですね、はい。そういうのが年間数億円単位の売上に、徐々に数年かけてなっていったっていう。
河上:なるほど。
磯村:プロモーションはどうされたんですか? 新しい製品ってやっぱり売りづらいじゃないですか。
中島:ああ、そうですね。自社でやっていたので「今までやったことないんです。新しいの始めたんですけど、どうですか?」というよりかは「自社でやってたものを他社にも開放します」なので。そういう意味で言うと、地道に普通に営業活動しました(笑)。
磯村:そうなんですね。飛び込みもやられた感じ?
中島:飛び込みはさすがにしてないですね。
河上:でも、わりかし本当に、競合が……名前忘れちゃったんだけど、同じレベルで競合がけっこういたから。その中でどう差別化していったりしてたんですか?
中島:そうですね。やっぱり手仕事でやる作業じゃないですか。そこの効率性とミスをなくすというのをやりながら、あとはそのツールを開発してたんですよ。これはツールをちゃんと開発しようと。お客さんも理解しやすく、かつ、自分たちも作業がしやすい、投稿の監視がしやすいツール。今までその時はなかったんですよ。
例えば、ふだんって管理画面で1投稿ごとに表示されて、それが合ってるかどうかを見て「これはいい投稿だ。じゃあ次の投稿をみよう」といって、またリロードが入って「これはダメ」とかってやるんですけど。監視だけを考えると、ズラーって全投稿が並んでたほうが見やすいんですよ。それはそうですよね。
当時はフィード投稿みたいのもなかったので。Twitterが出る前というか、そういうフィードのやつは出てくる前だったので、一覧でバーって全投稿が並んで見られるようにするだけで、リロードの時間とかがめちゃくちゃ長いので。もう圧倒的な速さで見えるようになるんですよ。今までの10分の1ぐらいの時間で見れるようになるので、そういったツールをつくったり。
クライアント企業の、お客さんのサービス部分を作りたいけど、管理画面なんて売上にもユーザーの伸びにも寄与しないのでそんな力を入れて作らないので。我々のじゃあツールを入れると管理画面にもなるし監視もしやすいしというところで、APIでつなぎこんでくれればいいですよというのを作って。
そうすると「それ楽だし、自分たちも助かるし、いいね。しかも、監視とかメールサポートのコストも安くなるんだったら、それはぜひ導入したい」というので、システムを導入していただいて。プラスアルファで監視とかメールサポートを受けるというようなモデルにしてみました。
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