2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
提供:サイボウズ株式会社
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大槻幸夫氏(以下、大槻):先ほどの講演でもありましたけれども、給与交渉をやると、やっぱり話すきっかけが生まれる感じですよね。給料を自己申告するというお話にもありましたけど、日本企業は給与について話さないことが多いじゃないですか。「もう決まったよ」という話だけで。どちらかというと、そういうふうに(お互いに給料について)話していくことがすごく大事なんですかね。
青野慶久氏(以下、青野):そうですね。給与もそうですけれども、「こういうルールだからあなたはいくらね」と言われたら、もう「はい」と言うしかない。転勤も同じですよね。「あなたは来月からここに転勤ですね」と言われたら、「はい」と言うしかない。これが今の日本の働く人たちの置かれた環境ですよ。
それはまったく対等じゃないですよね。まさにこの会社というモンスター。まぁ、実際には会社はなくて、上司がそうやって一方的に会社というモンスターの毛皮を着てやっているわけですよね。でも、これはお互い人間同士なんだからね。「もうちょっと話し合おうよ」という。ぜひそこに行けたらと思いますね。
大槻:なるほど。ありがとうございます。
山田理氏(以下、山田):まだこの話題をしゃべってていいの?
大槻:ぜんぜん大丈夫です。
山田:あかんようになったら、「質問いっぱいあるんですから」と言ってちょっと止めてな。
大槻・青野:(笑)。
山田:お給料の話もそうなんですけれども、会社をモンスター化させないために一番大事なことは、やっぱり本当に「誰」なんだと思うんですよ。お給料を上げてほしいと言ったのは誰なのか。その「誰が・いくら・なぜ上げてほしいと言ったのか?」ということがすごく大事で、そうじゃないと基本的には「みんな」という話になるんですよ。今の若い子たちの、エンジニアたちのお給料を上げてほしいという会話になるんですよ。
この(給料を)上げてほしいという会話になると、本当に会社がモンスター化して、誰としゃべっているのかわからなくなって。そうすると人事・経営側は何を考えるかといったら、「みんなのお給料を一気に上げたりすると、何パーセントお給料が上がるから、そんなに簡単には上げられない」という会話になったりするんですよね。
「そうじゃなくて、上げてほしいのは1人やん?」みたいな。極端に言うとね。でも、その子がいくら上げてほしいかって、別に全員が300万円上げてほしいと言っているわけでもなんでもなくて、1人は別に10万円かもしれない。1人は別に今のままでいいと言っているかもしれない。
誰がなんて言っているかという事実を、本当に一人ひとり見ていくことが、まさに会社をモンスター化させないために大切です。「手間がかかるなぁ」とみんな思うかもしれないですけれども、意外とそんなにかからないですから。
青野:少なくとも、手間がかかった以上のリターンはありますね。なんかよくわからないけど辞めちゃったということを防げるだけでも、相当リターンが大きいと思います。
大槻:なるほど。わかりました。
山田:そう。まだしゃべっていいの?
大槻:大丈夫です。
山田:気を遣うわ。
大槻・青野:(笑)。
山田:それで、100人、まぁ50人でもいいですわ。「50人も部下がいて、一人ひとりの話なんてなかなか聞けないですよ。自分も忙しいし」とか言うじゃないですか。でも今は、実際には10年来会ったことのない高校の同級生の昨日の昼ご飯を知ってるんですよ、みなさん。インスタに上がっていたりとか。ぜんぜん関係ないのに、「あいつ結婚したんや」「子どもできたんや」というような。
でも、自分の部下が何をしているかは知らないんですよ。ツールの使い方が間違ってますから。そういう会社では、1対1ではなかなか一斉にコミュニケーションなんかできないものだと決めつけていて、今までの一方通行の昭和のコミュニケーションのやり方をしているから、その部下が何を考えているのか、何が欲しいか、何をやっているかを知らない。
もしくは(知ることが)できるにもかかわらず、知ろうとしてないんですよね。外に向けて一生懸命自分を発信していたり、なにかほかの情報を得たりしている。もっともっと内側に向けてそのテクノロジーを使えばもっといいのに、と思ったりはしますよね。このへんは、ツールはあるのに、まだまだ制度というか風土や人がついていっていない感じがするんですよね。
大槻:まさにアフターインターネットという。
山田:アフターインターネットについていってない。
大槻:ありがとうございます。では、次の質問にいきたいと思います。ちょっと飛ばしちゃうんですけれども、「働き方の過程で、方針についていけず、あるいは合わず、去っていった方もいるのでしょうか。そのあたりの割り切り、配慮にはどのようなものがありましたか?」というご質問ですね。
青野:そうですね。ありましたね。これはもう本当に私の不徳の致すところなんですけれど、今朝のセッションでお話ししましたように、グループウェア事業があまり成長しなくなっちゃったもんですから、規模拡大するためにM&Aをいっぱいやりました。
グループウェア事業以外にもハードウェアだったりコンサルティングだったり通信だったり、いろいろな会社を1年半で9社も買収して、もう本当に何の会社かわからなくなっちゃった。それで業績のほうも傾いてしまいまして、そこで私はいろいろ考えて、グループウェア事業にもう1回集中するという意思決定をしました。
そのときにけっこう人が辞めました。「せっかく青野さんがどんどん拡大するというから僕は入ってきたのに、グループウェアしかやらないんですか?」という話があったり。やはり会社の方針を変える中で、合わない人は去っていく。これはありました。
これが良いか悪いかという話になると、私は悪くはなかったんだろうと思います。なぜならば、その方針があるのであれば、それに合う人が集まってきたほうが幸せだから。「これから甲子園を目指して野球部やろう」と言っているのに「えっ、ラグビーやらないんですか?」って言われると、「それはラグビー部に入ったほうがええんちゃうか?」ということですよね。
だから、無理やりラグビーのほうが好きな人を囲っているほうが、お互い不幸になってしまう。ある意味、方針を決めて、それをしっかり表明していくことも大事かなと思いますね。
山田:本当に、青野さんが社長になったばっかりの時は、めっちゃ悩んでた。
青野:(笑)。
山田:やっぱり1つのすごく大きな覚悟でしたよね。だって、あの時、社員トータルで連結でいったら、どれくらいだろう。今ぐらい?
青野:今ぐらいの規模だったね。
山田:ねえ。今ぐらいの規模ですよ。もう10何年前ですよね。
青野:そうですね。10数年……はい。
山田:10数年前にグループウェア事業と言い切って、そこからダーッて。よく考えたら離職率28パーセントって言うけど、グループで言ったら、売却したりいろんなことしたから、あの時の離職率ってすごいことになっていますね。
青野:そうですね。
山田:だって、1,000人が400人とか300人。
青野:そうですね。7割減ぐらいじゃないですか。
山田:離職率70パーセント以上ですからね。
青野:連結の売上が3分の1になりましたからね。それぐらい人が抜けたということですよね。
山田:だから、やっぱりそこまで覚悟を決めてやって、じっと耐えて、理想を明確にしたというところがあって、そこから今があるんですよね。
青野:逆に言うと、その「グループウェア事業しかもうやりません。チームワークを支援する会社に特化していきます」と宣言したあとに入社してくれた人は、ある意味、チームワーク好きばっかりなんですよ。
もうそのチームワークの理念に共感して入ってきている人なので、そのあともまた人が増えていきましたけれども、やっぱり一体感は以前よりもぜんぜん高いんですよね。規模が大きいのに一体感が高まったということを経験しましたね。
大槻:逆に言うと、採用のところでそのビジョンに共感しているかどうかにこだわっている感じですよね。
山田:難しいところですけど、まさにそれはそうなんだけど。「100パーセント共感しているか、何パーセント共感しているか」というところは、やっぱり人によってグラデーションがあって。その距離感はあるんですけれども、「0はあかんで」と。0やったらサイボウズにいる意味がないから。それは1パーセントでも10パーセントでも、そこに対して(共感して)いるんだったら、10パーセント分の役割があるんだったら、ぜひ協力してくださいというものがあったりするんですけど。
青野:だから、今進んでいるこの働き方の多様化ね。短時間勤務とか場所とか時間を選ばないとか、複業できるとか。日本の労働環境はそちらに向かっていますけれど、それはイコールこの理念を試されていると思うんですよ。理念のない会社はそのままバラバラになってしまいます。もう顔も合わせないで働く人がいて、お互いに信頼もできずにバラバラになってしまう。
そこでもう1回理念を作り直して、私たちは何のために集まっているんだと。「これに共感するのであれば、時間・場所・複業も自由にいけるよ」というふうにしないと、バラバラになる。この柱をもう1回作り直す。やっぱり、これがこれからの経営者の仕事だと思いますね。
山田:まさにね。全員に辞めてほしくないというか辞めないようにしようという、全方位外交的にやっていくと、全員が不幸になるというような。まぁ全員とは言わないけれども、たいていの人、多くの人が……。
青野:ほぼ不幸になるという。無理ですよね。
山田:だから、やっぱり1回は会社の方針を決めて、社員にもそれに「共感する・しない」を自分で選択してもらわないといけないところだったりします。そして、僕はそれを経験して、2014年にアメリカに行ったんですよ。今は43人ぐらいになってるんですけれど、2017年の離職率が57パーセントで、日本で僕が作った記録の28パーセントの倍みたいな(笑)。
大槻・青野:(笑)。
山田:それでも、去年の2018年は10パーセントぐらいまで下がりました。(日本もアメリカも)同じなんですよね。いろいろな環境に適応しないといけない、立ち上げないといけないところはあったんですけれども、僕の中では「そうやったらこう収まる」というのはわかっていたので。自分たちがやりたい・作りたいチームは、アメリカに行こうが日本に行こうがベトナムに行こうが中国に行こうが変わらない。そう思ってやっていると、やっぱりそこ(会社の方針)に収れんしてくる。
そこにいたアメリカのネイティブの人がいて共感してくれると、アメリカ人やシリコンバレーにとっては、サイボウズなんて言ったって、みんなまったく知らないんですよ。でも、日本の知らない会社の子会社がそこ(アメリカ)にあって、1人が共感してくれたら、その人が「この会社、お前らは知らんかもしれへんねんけど、実はめっちゃおもしろい会社やねん」と言ってくれるんですよ。
そこから去る人ももちろんいるんだけれども、入ってくる人は、そういう「これがいい」という会社の人の話を聞いて残ってくれるので、いい循環になってだんだん安定してきたり、そこでカルチャーができてくる。僕は1回目の日本での経験を活かしてやっていて、それは2回目のアメリカでも同じだなと実感しているところなんですけどね。
大槻:なるほど。先ほど会場で名刺交換させていただいた方が「社長がサラリーマン社長で、3年ごとに社長が変わるんですけど」と。そういう会社って、ビジョンだったり「こっちに行くぞ」というものが見えにくかったりするんですけれども、そういう会社にいらっしゃる方はどうしたらいいかというのはアドバイスとしてありますか?
青野:難しいですね。
大槻:会社としてビジョンを指し示してくれないので、自分で判断できない。示してくれれば自分に合うかどうかを判断できるというお話だと思うんですけれども、会社がビジョンを示してくれなかったらどうしたらいいんですかね。
青野:それで楽しくやれていたらいいんですけどね。いろんな組織のかたちが世の中にあってぜんぜんいいと思いますから。ワンマン経営でも、それが好きな人が集まって楽しくやってたらなんにも問題ないと思うんですけど、もしそれで違和感を感じたり、モヤモヤして充実感が得られないようなことがあれば、やっぱりそれは場所を移すのも1つの選択かなと思います。
やっぱり先ほどの野球部とラグビー部があって、自分にはどっちが向くかなというような。それは考えながら。幸いにも今は転職がしやすい雇用環境でありますから、ある意味チャンスかなという。転職のススメみたいな感じになってしまいましたけれど、そう思ったりします。
山田:あと、その人自身がやれることでいうと、発信していくことなのかなと思いますよね。どう思うかとか。(背景としては)2つあると思います。経営者の方は本当にビジョンがないのか、あるんだけれどもちゃんとそれを表現できていないのか。だって商売は絶対にあるはずだから、ずっとお客さんがいて、自分がやっている事業というものはあるはずなので、そこが必ずコアコンピタンスになっていると思うんですけれどね。
それを表現する、絞るという覚悟が経営者の方にないんだったら、「それでいいじゃないですか。僕はそれについていきたいからそれでやりましょうよ」ということだけでも。「みんな辞めてもいいじゃないですか。僕は残りますから」と言ったら「お前が辞めてくれ」みたいな。
青野:(笑)。
山田:まぁ、そうならないようにしたいです。
大槻:(笑)。
山田:でも、そういうことをちゃんと自分が発信していくことはすごく大事だと思いますよね。
青野:大事ですね。
大槻:確かに。
山田:うちの中でも、説明責任というものと質問責任というものがあって。決める側には説明責任があるんですけれども、それで決められた側と言ったらあれなんですけど、決める権限がなかった人たちにはやっぱり質問責任というものがあって、「どうしてこれを決めてくれないんですか?」「どうしてこうやって決まったんですか?」ということをちゃんと質問する。
それを密室で一人ひとりにするんじゃなくて、その上司にするんじゃなくて、オープンなところで質問をする。みんなが見ているところでする。それはすごく大事かなと思います。
大槻:すごいですね。質問責任。社長に確認してみるということですよね。本当にビジョンがないのか聞きにいってみる。
山田:そう。いや本当。意外と待ってるかもしれない。
大槻:「誰か来てくれないかな」と。
青野:うん。
大槻:なるほど。ありがとうございます。では、続いての質問にいきたいと思います。今まで離職率・売上が反比例してきたのが、この10年のサイボウズでした。「これからの10年、なにか作り出したいグラフは?」と書いてあるのですが、この先の10年というところで、青野さん・理さんの中で考えられているところがあればお聞かせください。
青野:まず、よく聞かれる質問としては、今のサイボウズの離職率は4〜5パーセントぐらいでだいたい毎年安定しています。「これ、もっと下げたいんですか? ちょっと下がりすぎだと思ってるんですか?」とよく聞かれるんですけど、正直なんとも思ってなくて。参考値として見ているんですけれども、とくに目標はありません。
なぜかというと、その数字を見始めると、まさに数字というモンスターにだんだん支配される。例えば、今年は10人辞めました。離職率は3パーセントでした。数字で見ると「3パーセントだからいいじゃん」となっちゃいますよね。でも、この10人は実はすごく不幸なかたちで辞めてしまったと。一方で、20人が辞めたけれども、みんなが夢を持って辞めていった。これはぜんぜんOKじゃん、と。
本当に見ないといけないのは数字ではなくて一人ひとり。モンスターへの挑戦状は、このモヤモヤした、なんとなく大まかに捉えてしまっている人間の考え方や顔をちゃんと見ようということなんですよね。私、偉そうにこんなことを言っていますけれど、これを山田から長年ずっと説教食らって。
山田:(笑)。
青野:やっぱり人が増えてくると、数字で管理したくなるんですよね。「じゃあ従業員満足度を測ろう」ってね。一人ひとりに聞いていくとなかなか大変だから、アンケートを取って測ろうというふうにやってしまいがちなんですけれども、それをやった瞬間に数字を見始めるわけですよ。本当に一人ひとりの顔や心の内を見ようとしなくなってしまう。
やっぱり本当に大事なのは一人ひとり。すごく定性的ですけれども、そうだと思います。なので、結論としては、数字はとくに意識せずに、その瞬間瞬間でね。
大槻:なるほど。
青野:結果としての数字を見ていく感じだと思います。
大槻:理さんはいかがですか?
山田:経営の指標という意味でいうと、サイボウズの製品を使ってチームワークが良くなった人たちがたくさん増えているという数字。どちらかといったら、売上よりはそっち側の数字が伸びていくのが僕らがやりたいことではあるんですけど。
一方で組織というところだと、中期計画は作ってないけど、この前も「中期でなんとなくこんなイメージで伸びていく指標をいくつか選びましょう」と言ったときに、従業員の数があって。「従業員の数を増やすなんてやめましょうよ」と(笑)。
青野:(笑)。
山田:従業員の数って、結局支配される側になっているというカウントじゃないですか。社員か社員じゃないかって、複業している人は従業員じゃないのか。外で一緒にサイボウズの理想に共感してパートナーさんとして、自分たちの会社としてサイボウズの製品を一生懸命売ってくださっている方たちはどうなんだ。数、数えへんのか? そういう話になっていくと、なんとなく僕、今風じゃないなって。社員の数を数えて「大きいやろ?」と言うのって、これからじゃないなと思って。
もしも自分たちが目指したいビジョンに共感してくれる人たちの数を数えられるのであれば、それは株主の方も含めてだと思うんですけど、なにかの関係者。サイボウズファンクラブでもいいんですけどね(笑)。そんな数が増えていくといいなと思ったりしてますよね。
青野:最近、株主を社員化しようとしていますよね。
山田:それは青野さんや(笑)。
青野:(笑)。
山田:なんか「うち1万2,000人も株主いるなぁ」みたいな。「この人たちに1枚ずつビラ配ってもろうたら、1万2,000人ビラ配れるやん」みたいな感じですよね。
青野:そうそう。今って、経営者と株主が株主総会で対峙する感じになりますよね。あれがイマイチだなという話をしていて。だって、本当は同じビジョンに共感できるパートナーとして、一緒の仲間としてステージに上がれるぐらいの感じがいいよねということで、株主総会にひな壇を作って株主の人に上がってもらえるようにして。(前列に座っておられる)伊藤さんが上がってくれて(笑)。
山田:上がってくださいましたよね。
青野:こんなことを始めましてね。また、本当に「株式会社はこうあらねばならない」という思い込みから抜け出して、社内・社外に関係なく、もっと多くの人を巻き込めるような組織になるとおもしろいなと思いますね。
山田:いや、本当に一番モンスターを作り出しているのは株主というか資本主義というか。基本的には経営者も、株主というお金を持っている人がいて、その人から選ばれた人が役員や執行役員になって。そこにはヒエラルキーがあったり統制されていて、どんどん利益や株価を上げていくために資本主義のピラミッドがあったり。
アメリカはそれで大成功している国なんですけれど、本当にそれがいいのか。本当にそれで一人ひとりの人が幸せになっているかと言ったら、そうじゃないような感じがして。だったら、株主の方にも「うち、そういう会社じゃないので」と伝えていく。
山田:株主総会って、もうまさにこうなんですよ。僕がひな壇に上がるじゃないですか。そっちにこういう感じで株主の方が座ってね。それで「質問ありますか?」と言ったら「配当をもっと上げてください」「利益をもっと出してください」「株価上げろ」とか、わーっと言われて。株主を集めて、いかに僕らが株価を上げるように努力しているふりをするかという説明を、毎年茶番のようにしないといけないんですよ。
でも、「何やってんのやろう?」と思って。(株主たちが)腕組みしながら「(こっちは)金を出してるんだから、お前がやれよ」とかじゃなくて、「別に僕も株価を上げたいし、もっと(利益や配当を)増やしたいから、一緒にやりましょうよ。僕もがんばるから、みなさんも何かできません?」というノリで、今年からけっこうやり始めました。そうしたら株主の方も、「自分のサークルみたいなところでビラ配りますよ」とか、ほかの株主総会に行って「なんでサイボウズを使わないんですか?」と質問します、とか。
(会場笑)
それ、宣伝になってるのかな(笑)。
青野:迷惑行為みたいやね(笑)。
山田:でも、そんな感じでけっこう株主の方も一緒に入ってきたら、まさに僕らは一体となってモンスターがいなくなる感じ。本当に一緒にやっている感じがして、すごくおもしろい。自分たちで言うのもなんだけれども、すごくおもしろいチャレンジだなと。
青野:そうですね。
大槻:最近もアメリカでそんなニュースがありましたよね。
山田:そうそう。経団連的なやつでしたっけ。
青野:そうです。アメリカの経団連に位置する業界団体の経営者の集まりが、「株主第一主義を改めます」ということを言い始めたってね。非常に画期的だと思いますけれども。
大槻:なるほど。ありがとうございます。
サイボウズ株式会社
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