現在25歳、2019年に起業するなら何を選ぶか?

司会:本イベントを主催しているbillage OSAKA(ビレッジ オオサカ)はコワーキングスペース、レンタルオフィス、イベントスペースを併設した大阪のインキュベーション施設として、起業家やスタートアップ企業に対して、起業や資金調達のサポート、コミュニティ形成の支援などを目的に数多くのイベントを開催してきました。

今回のイベントは関西を拠点とする若手起業家を対象としたピッチコンテストですが、起業家の方々の事業プレゼンに移る前に「今U-25で起業するなら何をする?」というテーマで先輩起業家の皆さんによるトークセッションを行いたいと思います。

では、ここからのモデレーターは、スマートラウンドの冨田阿里さんにお願いしてます。冨田さん、宜しくお願いいたします。

冨田阿里氏(以下、冨田):よろしくお願いします。スマートラウンドというスタートアップでCOOをしております冨田です。ではさっそく自己紹介から入っていきます。亀山さんから順番にお願いします。

亀山敬司氏(以下、亀山):DMMの亀山です。よろしくお願いします。

(会場拍手)

そんな感じです。はい! 

冨田:手短か(笑)。

(会場笑)

田中邦裕氏(以下、田中):田中と申します。さくらインターネットの代表をしています。という感じで、どうぞ!

冨田:あはは(笑)。

鶴岡裕太氏(以下、鶴岡):BASE株式会社の鶴岡です。よろしくお願いいたします。

(会場拍手)

冨田:よろしくお願いします。ではさっそくですが、今回は「今自分が25歳以下で、これから起業するなら何をするか」っていうセッションなんですよ。知ってました? 亀山さん?

亀山:はい、さっき聞きました。

冨田:そうでしたね(笑)。皆さん、それを聞きたくて来てるんじゃないかなと思うので。亀山さんが今25歳でこれから起業するならどうしますか?

亀山:なにせ3分前に言われたばかりなので(笑)。えーっと。中国人をいっぱい雇ってiPhoneショップの前で列に並んで、買ったものを中国で売るようなビジネスをやります。

(会場笑)

冨田:堅い(笑)。とりあえず堅い(笑)。

亀山:だって俺にはテクノロジーもなんもないしね。AIとかITの時代だと思うんだけど、俺からエンジニアを取り上げたら、まったく無力なただのオヤジなので。……あ、今25歳だったらか。

冨田:そう、25歳。若いです。

亀山:25歳でも、もともと知識がないのでITっぽいことはできません! ……ということで、腕と度胸で稼ぎます。

(会場笑)

露店から始まった亀山氏のビジネス人生

鶴岡:亀山さんは何歳から商売を始めましたか?

亀山:商売は19歳くらいかな? 今の六本木のロアビル(六本木共同ビル)前あたりで露店を始めた。

鶴岡:あ、ロアビル前だったんですか。

亀山:ロアビルのもうちょっと交差点寄りかな。昔花屋さんがあったんだけどね。

田中:何を売ってらっしゃったんですか?

亀山:アクセサリーをね。なんか適当な、(Dr.スランプの)アラレちゃんとかガッちゃんとかが描かれたやつとか。

鶴岡:仕入れてきて?

亀山:自分で描いていた。あと、コインを曲げて指輪にしたりしてね。

鶴岡:へ~!

亀山:そうそう。ネックレスとか。昔はダイム(10セントコイン)のが売れたのよ。めずらしくて。

鶴岡:すごく売れたんですか?

亀山:まあ、酔っ払い相手にふっかけながら売ってたんで(笑)。

鶴岡:あ、夜にやってたんですね(笑)。

亀山:夜だね、六本木は。そのあと原宿は昼やってたかな。

鶴岡:そうなんですね。

亀山:そういう人生だったんですよ。今ここでエラそうなこと言ってますけど(笑)。

冨田:それが今は、こんな大きな六本木のビルで会社を経営しているって。

亀山:昔は警察に怒られては「すみません」って、泣きながら仕事をしてたという感じですね。

田中:謝ればなんとかなるんですね。

亀山:なんとかね。あれはただの道路交通法違反だから。

(一同笑)

駐車違反とほとんど一緒なので、たいした罪じゃないのよ。

鶴岡:謝るだけでいいんですか?

亀山:謝ったら、まぁだいたいは……。「どけろ」って言われてどけたら、誰もなにも言わない。「すみません!」って謝って、また別のところに行ってやるわけよ(笑)。

田中:自転車の2人乗りみたいなもんですね。

亀山:まあそんな感じかな。だから捕まったことはないけどね(笑)。

「お金を集めてVCを始める」という選択

冨田:ありがとうございました。続いて田中さんにお願いしたいんですが……。

亀山:はい、俺のは参考にならないと思いますが。(田中氏に向かって)じゃあ、もうちょっと参考になる話を。

田中:最近U-25の人を見てて、めっちゃ儲けていそうだなというのはベンチャーキャピタルなんですよね~。

亀山:ベンチャーキャピタル。

田中:若いっていうだけでお金集まるじゃないですか。……って言ったら怒られますよね。

(会場笑)

田中:この間、すごくしょんぼりした事件があって。そのときもこういう会に呼ばれたんですよね。「若手の経営者ということで来ていただいたんですけれども、田中さんはもう40歳になられたということで、ちょっとそうではないんですがお越しいただきました」って。「どういう司会や!?」と思ってですね(笑)。

40代になったらもう若者じゃないということでですね。……なんの話をしてたんでしたっけ? あ、そうだ、「お金を集めてベンチャーキャピタルする」というのはけっこう儲かるなぁと、本当にシンプルに思います。

鶴岡:どういうところに投資するんですか?

田中:とにかく伸びるところ!

(会場笑)

鶴岡:それがわかっていたらいいんですけど(笑)。

田中:ただ、「絶対伸びるところ」にほとんど払わないでしょ、みんな。

鶴岡:ちなみに、例えばどこですか?

田中:AR、VRとかMRとかって絶対来そうじゃないですか。あとeスポーツも来そうだし。

亀山:AR“もどき”とかいっぱいあるんじゃないの?

田中:そうなんです。それで言うと、だいたいの人は伸びるところと勘違いしてもどきを掴むということはよくあるんです。

亀山:そこの目利きが難しいんだろ? この会場にはもどきがいっぱいいるかもしれない。わかんないけどね。

(会場笑)

本物がいそう? 顔見てどう?

田中:いや、たぶん全員いけるんちゃいますかねぇ。

亀山:けっこう緩いんだね、それ(笑)。

田中:僕、絶対失敗しそうですね(笑)。

亀山:たぶん儲からないVCになると思うよ。

田中:やっぱり最近思うのは、事業よりも社長の顔を見てたらわかるなぁと思って。

一同:へ~。

田中:だって、嘘つきそうな顔の社長っているじゃないですか。

亀山:そうだろ。この会場にもいる? こいつは信用ならんみたいな顔はいる?

田中:いや、なかなか言いにくい(笑)。

(会場笑)

なんかね~、自慢してくる人はダメです。虚勢を張ってくるとかね。素直な人が好きです。

冨田:では25歳に戻ったら、ベンチャーキャピタルをやる?

田中:そうですね。もしくは、僕はサーバーが好きなので……サーバーが好きって気持ち悪いってよく言われるんですけれども。でも「やってる事業が好き」っていうのはいいじゃないですか。僕はサーバーが好きだからサーバー屋やってるっていう、すごくシンプルな人間なので。もう1回25歳に戻っても、サーバーを今どきのかたちで提供するかなぁと思いますね。

冨田:いいですね。

亀山:VCも儲からないんじゃない? 今からは。

鶴岡:大変そうですよね。もうDMMに買ってもらうしかないですよ。

(会場笑)

田中:逆にDMMさんに買ってもらったら、もうすべてあるじゃないですか?

鶴岡:確かに。DMMとめちゃくちゃ深くつながってるVCをやるっていう。

田中:あ、それね!

亀山:避難場所としてね。駆け込み寺VCみたいな。

WeWorkのIPOニュースから学べること

亀山:ちょうど旬なネタで、今日WeWorkのIPOについてのニュースが出てたんだけど、見た人は手を挙げてみて。

(会場挙手)

お、けっこうみんな知ってるね。報道によるとなんでも、WeWorkがIPOで5兆円くらいの評価で公募予定だったのが、2兆円くらいしかつかなかったみたいで。ここにソフトバンクが1兆円くらい入れてたらしいんだよね。

2兆円で上場するとどうなるかだけど、ソフトバンク投資の1兆円が5,000億円くらいになるってことだから。孫(正義)さんが含み益があると思っていた5,000億円が、実は含み損の5,000億円になっちゃったみたいな。ざっくり言えばこんな感じ。

つまり証券会社が上場させるときに、公募価格をいくらにするかっていう。それが最近は厳しくなってきたわけ。昔みたいに「赤字だけど、未来のある会社の株価だから」とみんなが思ってたのが、今回は半分以下の数字になったという話で。

孫さんはまだいいのよ。早い段階から入れて、最後にまた入れたりとかしてたから。でも、土壇場で4兆円くらいの評価で金を入れた人間なんていうのはね。上場した段階で赤字ということは、今まで「孫さん、僕らも乗っけてくださいよ」と言って、あとでお金を入れた人がひどい目にあいそうだという話。

鶴岡:だから、起業するのが一番よくないですか?

亀山:そういった意味では、今までは起業が(お金を)集めやすい時代だった。でも、いつまでもそんなにうまい話はないからという、流れが変わった出来事だね。

鶴岡:確かに(笑)。

亀山:正直言って、今までが美味しかったのよ。

2021年あたりからIPOが難しくなっていく可能性

亀山:これからの時代、そういう状態になるとどうなるかというと、スタートアップにお金が集まりにくくなる。最近は上場ゴールも多いわけよ。上場したあとは株価が下がる会社も多いし。

そして今回みたいに、上場する段階で「はじめから損だよ」っていう話が出たということは、それだけバブってるんだよね、今。とくにAラウンド、Bラウンドがね。シードくらいならなんとか逃げ切るかもしれないけどね。

鶴岡:しかも別に、直近ではIPOがいっぱいあるわけでもないですよね。今年IT銘柄がいくつ出たんだって話ですよね。M&Aも大きいのはそんなにないですし。

亀山:そうだね。あと監査法人も足りないとか。

鶴岡:リアルなところだと。

田中:それが最近は、監査法人が少しずつ仕事を欲しがり始めたらしくて。

亀山:あら、そうなの?

田中:だから、それはヤバイんじゃないかと思ってて。

亀山:そうなんだ。じゃあもっとヤバイかもね。

田中:おまけにVCも最近シャビー(さもしく)になってきて。半年……まあ3ヶ月くらいかな、けっこうお金を出さないケースも見かけるようになったんですよね。だから来年以降、とくに2021年くらいからは、ちょっとIPOが厳しくなるんじゃないかな。

鶴岡:そこのマーケットが閉まっちゃうと……夢がない……。