在庫管理・自動発注のIoTハードウェア「スマートマット」

長谷川秀樹氏(以下、長谷川):それでは次に林さん、お願いします。

林英俊氏(以下、林)スマートショッピングの林でございます。私はスマートショッピングという会社を運営しています。自己紹介がなかったので、ちょっと簡単に説明させていただきます。

7年ほどコンサルティングをやりつつ、起業前はAmazonで定期購入や、会員サービスの立ち上げなんかをやっておりました。そこから「消耗品の買い物ってもっと便利にならないかな」という問題意識を持ちつつ、会社を立ち上げて、スマートマットという商品を立ち上げたところでございます。

私は、お二方と比べて「渋い」サービスをしております。お客様のフロントで見るような派手なものではなく、裏側で在庫管理や発注を自動化するような「渋め」のところで戦っていますので、少しつまらないプレゼンになるかもしれません。

長谷川:大丈夫です。今日のお客様は渋いのでもなんでも大好きです。

:ありがとうございます。ご拝聴をよろしくお願いいたします。会社は五反田で、50人ほどでやっていまして、5年目のスタートアップです。(スライドを指しながら)何をやっているかと申しますと、これだけを見ても何もわからないかと思いつつ、実物を一応持ってきました。在庫専用の体重計、これがスマートマットというハードウェアになっています。

よく「棚に置いて使うの?」と言われるんですが、我々のコンセプトとしては、何でも置けるような汎用性がありつつ、電池で動いてどこにでも置ける、まったくケーブルも出ないかたちのIoTのハードウェアになっています。

現行プロダクトはWi-Fiで通信していて、SIM版は現在開発中です。そのハードウェアと、(スライドを指しながら)右側のクラウドソフトウェアがセットになっていまして、上に乗った商品の重さを計測して、残量がどのくらいあるのか、在庫の推移がどうなったのか、入出庫がどうなっているか、といった在庫管理のデータが見えるようになっています。

あとは、補充のアラートとして、ある一定の量まで減ったときに、「補充してくださいね」というアラートが優しく飛んだり、自動発注もメールやFAXの機能はデフォルトでついていまして、webとシステム連携すれば、それ以外のものでも繋がるような自動発注の仕組みまで持っております。

商品をマットの上に置くだけで自動で棚卸・発注ができる

長谷川:だいたいどこに置かれて、なんの商材を置くのが代表的な感じですか?

:床か棚に無造作に置かれていることが多いですね。

長谷川:小売業の?

:そうですね。(スライドを切り替えながら)業種は実は後ろにあるんですが、私が想像していたより広いですね。小売業のバックヤードでも使われてはいるんですけれども、病院やホテル、あとは最近は飲食、バーといったところにも使われています。基本的には、お客様に見えるところよりも、裏側の保管庫に置かれることが多いです。そういうロケーションで使われているサービスです。

長谷川:だとすると、A4ぐらいの大きさですから、積むとしても限界がある感じですかね。

:そうですね。縦に積んでいただく場合は、棚を用意していただいて、基本的には1SKU1ハードウェア(SKU=Stock Keeping Unit:最小管理単位)という構成で、縦に荒く積むことは避け、整理整頓してくださいというお話をさせていただいています。

もう少し仕組みを話しますと、在庫管理が非常に簡単になりまして、商品をマットに置くだけで、あとは商品を出し入れするだけで自動で棚卸・発注ができるようになります。

棚卸や発注が完全にゼロになって、届いたものをまた置けば補充されてということで、数えたり、発注のFAXを入れる手間がまったくなくなります。「置いて使うだけ」という使い方をしていただいています。

スマートマットは、消費や実在庫が「見える」デバイス

:データという文脈でよく注目されることがあるんですけれども、私はもともとAmazonで、消耗品の定期購入のサービス提供に関連する業務をずっとやっておりました。その時に感じていたことですが、定期購入ということで「シャンプーを何ヶ月に1回買うか」を最初に決めないといけないんですけど、自分がシャンプーを何ヶ月に1回購入しているか、ぜんぜんわかっていなかったんですね。

とりあえず、適当に「2ヶ月」とかを選ぶんです。さらに丁寧におすすめなども出てくるんですけれど、1人の人と4人家族の人とではぜんぜん違う周期で買っているのに、その間くらいの平均でおすすめしてくるので、当たらないんですね。それで、ドンピシャで消費ペースまでわかってくれて、小売りが自動で届けてくれたら良いのになって思っていました。

消費データという文脈でも評価されています。消耗品を買った後の消費活動データは全くわからず、「ブラックボックス」になっています。家だったら、どこかにストックしたり、移動させたりしますし、法人様でも建物の中で移動させることがあるんです。

けれども、そういう活動は自分自身でもわかってないし、さらに言えば売っている側、販売者側としては、もうまったく見えないので、いかんともしがたい。そこのデータがきっちり取れたらすごくおもしろいだろうなということで、カメラだったり、ITだったり、重量だったりで、実データを取れないかという話です。

スマートマットは、そこに対してど真ん中に入っていくもので、データの意味でいけば、消費や実在庫が「見える」ようなデバイスです。

月額500円で棚卸・自動発注・ユーザー側の在庫まで管理

長谷川:これは、1枚あたりいくらするんですか?

:月額500円のサービスモデルになっています。ボリュームによるんですけど、500円から1,000円で1枚お使いいただけます。

長谷川:わりといけそうな感じですね。

:ちょうど100枚で7万円なので、B to Bを中心に販売させていただいているんですけれども、アルバイトの方を1人雇うよりはぜんぜん安いです。100枚並べて、文句も言わず、有休もいらず、という感じですかね。

長谷川:あとは、置く人が違う商品を置かないかだけ注意しておいたら、オペレーションはうまくいく感じですかね?

:おっしゃる通りです。よくあるのが、シリアルナンバーだとわからないので、なんか苺のシールを貼るとか。そういう点だけ(工夫して)運用していただければという感じですかね。

先ほど申し上げたように、メリットとしてはリアルタイムの実在庫の棚卸や、それに基づく正確な自動発注ができること、売る側としては遠隔からお客様の在庫がどうなるかがわかることですね。

それに合わせて、配送などを効率化できるという目に見えるメリットと、あとは目には見えにくいですが、中長期的にはお客様の方でも、サプライチェーン全体のオペレーションを見直すことができます。バーコードで読み込んでいると、ミスも起こるので、そういったミスがなくなるなどといったことです。

オフィスのコピー用紙から、ビュッフェのカレーまで残量測定

:売る側としては、アメリカではけっこう流行っているんですけれども、「ベンダー・マネージド・インベントリー」と言って、販売者が自動補充するサービスを立ち上げたり、マーケティング上のデータとして使ったり、そういう価値向上のメリットも出てくるようなイメージです。

先ほどちょっと出ましたけれども、ビジネスモデルではハードウェアとソフトウェアがセットになって、サービスを提供するビジネスモデルです。プレミアムサポートというかたちで初期費用をいただき、月額利用料をいただくような、よくあるサブスクリプション型(SaaS)のモデルとさせていただいています。

対象の業界は、最初はかなり「オフィスのコピー用紙」を念頭において作ったんですけども、展示会等でお話を聞いて、お客様からいろいろ教えていただいたことがあります。この半年から1年、業種は問わず、どこにでも在庫はあるんだなということを実感しました。

会社名を「スマートショッピング」と付けてしまったので、(対象が)買い物ばっかりになっていたんですけど、なんて言えばいいんですかね……例えば、飲食のところにあるゴミ箱のようなものだったり、買い物に限らないかなと思います。

例えば、ランチのビュッフェの料理ですね。みなさん、ランチにカレーを食べに行っていて、カレーが売り切れていたらたぶん怒ると思うんですよ。そのあたりのぜんぜんPOSデータに現れないような、サプライチェーン全体のボトルネックで使えるようなサービスになり始めているというのが現状です。

長谷川:ちょっと質問していいですか? ビュッフェのカレーの例って、例えば土台、入れ物の下に置くようなイメージなんですか?

:まさにおっしゃる通りです。我々の重量センサーで量るときは、容器重量というパラメーターがデフォルトでありまして、例えば鍋だったり、ちょっと台があったりするものは、容器の重さとして最初に設定していただいて、それを差し引いた残量を計算するような仕組みになっています。

長谷川:熱や温度帯は、けっこう熱めでも大丈夫な感じなんですか?

:足のところはそこまで熱くないというのと、それでも心配な方はゴムのようなものを1枚噛ませていただいている感じですね。衝撃についても、心配な方に関しては(スマートマットは)運よくA3とA4でやっているので、けっこう、同じ規格の安いシートのようなものがあります。

防水機能も、下からの水には弱いんですけど、ちょうどぴったりサイズのジップロックがあるので、それに入れてくださいと(伝えています)。そんなことで対応していますね。