佐藤ノアチャンネルのふたりが登壇

矢澤孝明氏(以下、矢澤):(焼きのり氏を指して)ふだん顔を出していないので、顔を隠させていただいてはおります。

(会場拍手)

焼きのり氏(以下、焼きのり):こんにちは。

矢澤:こんにちは。

佐藤ノア氏(以下、佐藤):こんにちは。

矢澤:どちらが焼のりさんかは明白だと思います(笑)。

焼きのり:こっち。こっちですよ。

矢澤:こっちが焼きのりさんですね。では、まず佐藤ノアさんから自己紹介をお願いできればと思います。

佐藤:佐藤ノアです。(スライドを指して)なんて書いてある? いろいろSNSをやっております。よろしくお願いします。

(会場拍手)

矢澤:じゃあ、焼きのりさんお願いします。

焼きのり:はい、焼きのりです。

(会場笑)

きっと「変な人だな」と思われていると思うんですが、まあお気になさらず。あと、ちょっと私は足が短くて。(椅子を指して)けっこうグラグラしているんですが、どうにかなりませんか(笑)。

佐藤:大丈夫だよ。

矢澤:大丈夫でしょう。

佐藤:浅めに座ればいいじゃん(笑)。

焼きのり:うん……あ、ばっちり。

佐藤:がんばって。

矢澤:大丈夫ですか?

佐藤:はい、大丈夫です。

焼きのり:よろしくお願いします。

佐藤ノア氏がもっとも好きなSNSとは

矢澤:はい、よろしくお願いします。こんなかたちで……あ、すみません。(顔を隠しているので)焼きのりさんこんなかたちですので。ちょっとゆるくお話しさせていただければと思うので、お付き合いいただければと思います。よろしくお願いいたします。

佐藤:お願いします。

焼きのり:お願いします。

矢澤:では本日のタイトルですね。佐藤ノアに聞く「ファンを動かす企業タイアップ動画の作り方」というところでお話しさせていただければと思います。まず1つ目ですね。SNSのカリスマと呼ばれるノアさん。一番好きなSNSはなんでしょうか。

佐藤:だれが、だれが呼んでいるんですか、SNSのカリスマなんて(笑)。

矢澤:(笑)。みなさん呼んでいます。

佐藤:ありがとうございます。SNSは、やっているものは全部好きですね。今やっていないものはあんまり興味ないんですけど、一番好きなSNSは今やっているもの全部。

今だったら、YouTube、Twitter、Instagram、TikTok、あとWeiboとかですね。それらは全部好きでやっています。

矢澤:日本に留まらずに。Weiboは中国のSNSなんですけど、そういったところでも佐藤ノアさんは活躍されているんですね。

佐藤:はい。Weiboに関しては中国の会社と業務提携していて、私のSNS、TwitterやInstagramに載せた写真を翻訳していただいてそれで載せていただく感じで。あとはけっこうbilibili動画もやってます。

bilibili動画にYouTubeの中国翻訳をつけていただいて載せたりしているので、それでけっこう中国の方に知っていただいて、最近は中国からの観光客の方に街で話しかけられるようになりました。

矢澤:そうですよね。本当そのまま、なんというかYouTubeの動画を転載するようなかたちで載せてますよね。

佐藤:そうですね。

矢澤:それでもやはり中国のファンはついてくるんですね。

佐藤:はい。

矢澤:そういったところでも活躍されていると。

佐藤:はい、そんな感じです。でも全部好きです。

矢澤:(笑)。まあ、「一番好きな」というところはないというか、全部がんばっているというのが現状ですね。

佐藤:うん。まんべんなくフォロワー数を同じくらいにすることをけっこう目標にしていて。新しいSNSがどんどん増えてくるじゃないですか。今だったらTikTokはけっこう新しく伸びているなと感じています。今はTikTokのフォロワーを強化するために、毎日投稿とかもしていますね。

ファンは3年で離れていくもの

矢澤:ちょっと次のところにもつながるんですけど、SNSの運用で意識していることについて。先ほどTikTokのお話もあったんですけど、今も楽屋というか会議室でTikTokの撮影をされていましたが、なにか意識していることはありますか?

佐藤:そうですね、やっぱりファンってどんどん移り変わっていくものなので、私は3年周期くらいだと思っているんです。中学3年間、高校3年間、大学4年間でけっこう環境が変わるのでファンを辞めやすいというか、離れてしまう機会が増えてしまうんです。

私は「ファンって3年で離れちゃうな」と感じているので、新しい媒体が出たらどんどんそれに食いついて、中高生のファンを取り入れて、ファンを入れ替えていきます。今のファン層は大学生から社会人、あとは高校生の女の子が多いですね。

中学生とかもどんどん取り入れていくために、今はTikTokに毎日投稿をしています。WEGOとコラボして中高生限定イベントをして、「1,000円でチェキが1枚撮れます」とか。お買い上げ1,000円で1枚撮れるので、お金などを回すというよりは、PR的なイベントに力を入れたりしています。

もう1つは、さっきも言ったんですけど、SNSのフォロワー数を均等に揃えるということで、「私まだ終わっていませんよ」感を企業さんにちゃんと見せることもやっています。

ユーザーを楽しませながら誘導している

矢澤:そうですね、TikTokの話がありましたが、さっきも会議室の中で……みなさんも見ていただければわかると思うんですけど、インスタですね。インスタのストーリーでちょっと動画を上げて、それに対してTwitterも上手く活用して、Twitterのユーザーもまたインスタに促すような動きもされていて。

佐藤:そうそう。今焼きのりがこんな感じじゃないですか。だからここだけ撮って、焼きのりの顔をインスタストーリーに載せました。

「顔公開しました」と言ったら、みんな「え、マジで?」となるじゃないですか。そこでTwitterでつぶやいて、他の媒体から誘導するような感じにしています。

それでインスタストーリーで「Twitterから来た人バカ~」みたいな感じで載せたりして(笑)。でも楽しめるように、「それでもこれを機にフォローしてくださいね」みたいなことを言って。楽しませながら誘導していくというのはけっこうやっていますね。

あと私はYouTubeではコスメをやらせていただいているのですが、コスメの質問が他の媒体できたら絶対に答えないんですよ。「YouTubeで毎日メイクの動画を出しているので、そっちを見てください」と。

他の媒体では出さないことで、そっちを見てもらうというか。だから絶対に見なきゃいけない環境にしています。そんな感じでけっこう使い分けはしていますね。

矢澤:こうやっていろいろお話を聞くと、かなり細かいところまで気を遣って運用をされていますよね。やはり1つのプラットフォームだけで運用するよりは、本当につながりを持ってやっていただいているのがすごくわかると思うので、みなさんもぜひ見ていただければ。

矢澤:今回、とくにストーリーを見ていただくとそういった意味合いがわかると思うので、ぜひ。まだ時間も間に合いますしね。24時間。

佐藤:すぐに見てください。24時間しかないので。

矢澤:24時間以内なら大丈夫。

佐藤:家に帰ってからだと見ないので、すぐに見てください(笑)。

ふたりのほうが企業案件をやりやすい

矢澤:(笑)。はい。では次にいかせていただきます。続きましては佐藤ノアチャンネルで大事にしていることや他のチャンネルとの違いですね。こちらは焼きのりさんにちょっと聞きたいと思うんですけれど。

焼きのり:はい、そうですね。やっぱり他のSNSだとノアさんは単品なんですけど、ここで私が入ることによって、掛け合いを……。今はまだ空気感に飲まれていて、ぜんぜん掛け合いができていないんですけど。

佐藤:そうだね。ちょっといつもよりしゃべってない。

焼きのり:いつもよりちょっと静かなんですけど。

佐藤:うん。控えめ。

焼きのり:ここでポップに会話をさせていただくことによって、また違うノアさんの一面を見せるところが、他のチャンネルとは違うところかなと思います。

佐藤:あと今回はちょっと企業案件のお話じゃないですか。(2人だと)企業案件をやるときに、すごくやりやすいんですよ。例えば私が「メイクのことをすごく知っています」(焼きのりが)「知りません」みたいな立ち位置で、2人で分けてできるんですね。

あと2つの商品があったら、(お互いに)「私はこっち使ってます」「私はこっち使ってます」というふうにできるんですよ。2つの目線から物事を見られるので、すごく企業案件のときに役に立っているなあと思います。

それに、コスメに限りますけど、まず私が使わせていただいて正直な感想を言うんですよ。「なんかこんな感じかも」みたいな。そこで「じゃあこれはどんな感じですか?」という質問をどんどん投げかけてくれる。

視聴者目線で質問をどんどん投げかけてくれるので、視聴者のみなさんからすごく「いいね」と言われます。

矢澤:そうですね。僕も営業をしていて、ノアさんのチャンネルを提案するときは紹介の仕方に幅があるんですよ。クライアントさんが求めているものに対して、「ではこのかたちがいいんじゃないですか」という提案はすごく響きやすいので、たぶん受注率がすごく高いんじゃないかなと思っています。

佐藤:私もそう思う(笑)。

広告っぽく見せない仕掛け

矢澤:(笑)。掛け合いが非常に大事になってきているので、ちょっと一例なんですけど、「こんな感じです」というのを見ていただければ。

(動画を流す)

佐藤(動画):Here we go! サングラス買いました。

佐藤:新しいやつですね。これは7月のお気に入り紹介かな。

佐藤(動画):MARC JACOBSですね。夏の風物詩。佐藤ノア、サングラスなくし名人。

焼きのり(動画):あれだよ、知ってた? 紫外線予防で国がサングラスかけろっていうの推奨してるんだって。

佐藤ノア(動画):え、でもオーストラリアとかみんなサングラスかけてるもんね。

焼きのり(動画):みんなかけたほうがいいじゃんって思ったけど、会社にサングラスかけて私来るのちょっとなあと思って(笑)。

佐藤(動画):おもしろい、おもしろいよ。でも紫外線って目から入ってくるから。

(動画終了)

矢澤:こういったかたちです。焼きのりさんも、今はたぶん緊張しているんですよ(笑)。緊張しているので口数が少ないんですけど。

佐藤:そうそう。本当はだんだん入ってくるんですよ。

矢澤:はい。なんというか、佐藤ノアさんに出演していただいているかたちなので、どちらかというとやらされるような感じが強くなりやすいんですけど、焼きのりさんがいることによって、単純に2人で会話をしているようになる。

そこを撮影して、編集の方が上手くカットして、自然なかたちで動画ができていることがすごく強みなんじゃないかなと、僕たちは思っておりますね。

佐藤:うん。友達と喋っているのを公開しているような感じなので、企業案件であってもあんまり企業企業しすぎないというか。だから見やすいのかなと感じます。今の動画も、洗顔機の企業案件動画なんですよ。

「お気に入り」と言っているんですけれど、そう。というので、企業案件はけっこうやりやすいかなという感じはしています。

矢澤:はい。焼きのりさん、まだ緊張気味ですね?

焼きのり:そうですね。

(会場笑)

温まっていただけると。

佐藤:おもしろいんだけどな。

矢澤:もう少し焼きのりさんが温まるのをお待ちいただければ。

佐藤:詰まってるんだよね、顔が。

焼きのり:がんばっていきたいと思いますので。

佐藤:がんばってください。

焼きのり:お手柔らかに。

佐藤:はい。

焼きのり:お願いします。

伸びた理由は視聴者へのレスポンスの速さ

矢澤:はい、では続いていきましょう。動画は運営開始から今2年、3年目くらいに突入していると思うんですけど、チャンネル登録35万人と、かなり急成長を遂げたチャンネルですよね。

ここまで伸びた要因はどこにあるのかなと思っているのですが、カンペを見ている焼きのりさん、なにかありますでしょうか。

焼きのり:そうですね。2年というところで、視聴者さんが求めているコンテンツをずっと出し続けられていることが、最大の要因かなと思っていて。でも私たちも最初にやり始めたときはメイクとかの動画はまったく上げておらず、なんか神社に行ったりとか。

佐藤:うん。なんかマシュマロ食べたりとかしてた。

焼きのり:そういう、ちょっと今はもう非公開になっているものもあるんですよ。

佐藤:ウケる(笑)。

焼きのり:そこからメイク動画を上げて、みんなが「おもしろいぞ」と言ってくれたところからですね。最初は私もぜんぜんしゃべっておらず、ノアさんが単体でしゃべっていたときもあったのですが、そういうところから軌道修正をしていって。そうやって求められる動画を出し続けているから伸びたのかなあと思います。

佐藤:あと、コメント欄に書かれたことなどをすぐに実践します。最初のほうはもうちょっともごもごしゃべっていたんですけど、「もっとはっきりしゃべってほしい」みたいなことを言われて、次の動画から「佐藤ノアです!」としゃべったり。

ちょっと極端な例なんですけど、本当にそういうところ。あとは「この企画をやってほしい」を絶対に叶えてあげるとか。「この企画をやってほしい」と言われて「いいね」がそれにちょっと多くついていたら、すぐにやっちゃうとか。

そういうのを企画してくれて、すぐに移せていますね。視聴者からのコメントへのレスポンスの速さみたいなのは、たぶんあると思います。

矢澤:そうですね。僕も傍から見ていて思うのは、そういったところですね。あとは単純に2人が楽しんでいるので、そういったものも視聴者さんは見たいのかなと。

InstagramとYouTubeでキャラクターのギャップが生まれる

矢澤:佐藤ノアさんがどれだけ楽しんで、このYouTubeというプラットフォームでやっているかを見たいのかな、というところを叶えてあげられているところも大きな要因なんでしょうか。

佐藤:私、インスタとかに人と一緒にいる写真をあんまり載せないんです。けっこう単体が多いんですけど、それでしゃべっているイメージがたぶんなかったんですよ。けっこう冷たい人みたいな感じで。

あとは過激なツイートをよくするんですよ。人の悪口をよく言うんですけど、それで冷たい人みたいなイメージがあって。でもYouTubeで焼きのりがいてくれることで「あ、意外としゃべったら明るいじゃん」みたいなところを見せられている感じはするので、他の媒体とはちょっと違うかなと。

矢澤:はい。焼きのりさん、そんな感じですね。

焼きのり:はい、ありがとうございます。

(会場笑)