チャンネル登録者数133万人の人気YouTuberが登壇
泊大輔氏(以下、泊):私は株式会社毎日放送に新卒で入社しまして、8年くらい勤めさせていただいた後、女性メディアのC Channelに2016年に入社しました。今年の5月からBitStarに入らせていただいておりまして、今はメディア制作という部署で、企業のYouTubeチャンネルの立ち上げや運営を担当させていただいています。
少しだけ弊社の説明をさせていただきますと、弊社は広告とプロダクションとメディアという主に3つの事業をやらせていただいています。BitStarは最初に広告のところから始まっていまして、今はユーチューバーさん・インフルエンサーさんたちと企業を結びつける広告代理店みたいな事業をやっていまして、こちらが事業の主軸となっています。
プロダクション事業では、ユーチューバーさん・インフルエンサーさんを支援する事務所事業をやっていまして、私が担当させていただいているメディア制作では、企業様のYouTubeチャンネルの運営やVチューバー事業などもやっているかたちです。
こういったセミナーの機会を通じてみなさんと交流を深めていったり、知識を共有させていただいたりする機会を増やしていければと思います。
では、第一部の「愛されるチャンネル・伸びる動画の作り方」を始めさせていただきたいと思います。ほりえさんと丸本さんに入っていただきますので、拍手でお迎えください。
(会場拍手)
では、よろしくお願いします。まず登壇者の紹介から始めさせていただきます。「さんこいち」でご存じの方もいらっしゃるかと思いますけれども、チャンネル登録者数133万人を誇る人気ユーチューバーのほりえりくさんです。
ほりえりく氏(以下、ほりえ):はい、今日はよろしくお願いします。
(会場拍手)
人生初のセミナー登場に緊張気味
泊:先ほどちょっと話させていただいたんですけれども、「さんこいち」という超人気のYouTubeのグループは、ほりえりくさん・やっぴさん・古川優香さんでやっていただいています。今回のセミナーに向けまして一言いただいてもいいですか?
丸本貴司氏(以下、丸本):ほりえ自体がセミナーに出るのは初めてで。
ほりえ:そうなんですよ。初めてなので、お手柔らかによろしくお願いします。
(会場拍手)
泊:続きまして、丸本さんのご紹介をさせていただきたいと思います。インフルエンサーの総合商社、株式会社ケテルの代表取締役をされています。よろしくお願いします。
丸本:よろしくお願いします。
(会場拍手)
丸本:僕はもともとWEGOというアパレルで働いていて。今全国に160店舗くらいあるんですけれど、そこのメディアを使ってフィールドプロモーションをやったり、ほりえをはじめいろんなインフルエンサーと仕事をしてきているので、そこの知見を活かしたインフルエンサーマーケティングなどの仕事をしています。
若年層に関していうと、WEGOの認知度がすごく高いんですよ。今日はたぶん代理店、クライアント、企業の方々などに来ていただいていると思うので、もし若年層のことでなにかありましたらお声がけしていただければ。よろしくお願いします。
泊:よろしくお願いします。
(会場拍手)
ほりえ氏「Z世代は、ブランドではなく“本質”に価値を置く」
泊:ではさっそく本題に入っていきますので、お二人ともおかけになって答えていただけたらと思います。本日のテーマは「Z世代に刺さる動画と愛されるチャンネルの作り方」です。
まずZ世代というのは、1990年代後半から2000年に生まれていて世界で20億人くらいと言われている世代で、生まれた時からスマホがあるので「デジタルネイティブ」とも呼ばれています。企業によるYouTubeやSNSをすごく使っているため、マーケティングの対象として大変注目を浴びていて。
Z世代の特徴はデジタルネイティブであったり、プライバシー保護の意識が高いところであったり、音楽をオンラインで聴いたり、そういったところが挙げられます。丸本さん、Z世代の特徴について教えていただいてもよろしいですか?
丸本:そうですね、(スライドを指して)ここに書いてある通りだと思います。音楽とかもそうだと思うんですけど、モノに固執するよりも、所有欲がすごく減っている感じですね。
僕は今年40歳なんですけれど、僕らの夢といえば「お金持ちになりたい」とか、そういうわかりやすい人が多かったんです。だけど、ほりえの世代あたりではあんまりそういうのを聞かなくなったというか。ガツガツする部分が変わってきたのかな、という気はします。
ほりえ:確かに、自分の仕事にプライドを持ったり、やっていることが楽しければOKみたいな感じの人が出てきましたね。
泊:体験にお金をかける人、例えばインスタグラムなどですが、そういう人が増えてきているのかな、という印象です。Z世代のど真ん中にいらっしゃるほりえさんですが、自分がZ世代という意識はありますか?
ほりえ:そうですね、確かに「ブランドではなく本質に価値基準を置く」というのはあります。それこそ服だったらGUCCIさんとかそういうところじゃなくて、さっき出ていたWEGOさんなどのかわいいものであれば、「別にGUCCIじゃなくてもいいんじゃね?」みたいな感じは友達とかでも多いですね。
泊:ではテーマを進めさせていただきます。ここからは、Z世代を代表する人気動画クリエイターであるほりえりくさんに、さんこいちでのYouTubeの制作の経験などを深くお聞きできたらなと思います。
読者モデルからYouTuberに
泊:まず1つ目の質問なんですけど、現在のチャンネル登録は133万人までいかれていますが、そもそも動画投稿を始めたきっかけはどういったところにあったんでしょうか?
ほりえ:もともと、YouTubeを始める前は3人で読者モデルとして活動していて。丸本さんとはその時にお会いして読者モデルの事務所をやっていたんですけど、読者モデルが落ち目というよりは、あの……。
丸本:そうですね。Twitterで人気のあるモデルたちが、TwitterからインスタやYouTubeなどにどんどん変わっていっていた時期でしたね。
ほりえ:はい。その時期に、けっこう早くから「YouTubeをやり始めよう」と言っていて。
丸本:何年前?
ほりえ:それが2年前ですね。
丸本:まだ2年前か。その当時はインフルエンサーと呼ばれる子たちで、「Twitterやっても伸びない」「ツイキャスやっても伸びない」「インスタもいまいちフォロワー数が伸びない」というので悩んでいた人が多くて。
Twitterユーザーは、長尺動画を消費するのに慣れていない
丸本:そこからそのまま落ちていった人たちがいっぱいいたんですけど、ほりえはその中でもYouTubeを選んでやり始めて。(チャンネル登録者数が)100万人までいくのにはもちろん時間はかかっているけど、最初に始めた時はどういったかたちで伸びていった?
ほりえ:もともと3人ともTwitterのフォロワーは10万人以上いたんですけど、最初は全然伸びてなくて。「なんでなんだろう?」と悩んでいたら、やっぱりYouTubeはYouTubeに合ったコンテンツで勝負しなきゃダメなんだなということに気づいて、YouTubeに合った、人の意欲になるようなものを投稿するようになってからちょっと伸びるようになりました。
丸本:最近の人たちにも多いんですけど、インスタやTwitterのフォロワー数が多いからといって、そういう人たちがYouTubeを始めても必ずしも伸びるわけではなくて。「なんでだろう?」と思っていたんですけど、Twitterやインスタはすごく短い尺の情報を得るのが好きな人や慣れている人向けなんですよ。
YouTubeには10分以上の動画が出てきているし、少なくとも3分は動画があるので、そこを消費するのに慣れていない人たちは最初は見るけどすぐに離れていくことが多いのかな、とは思います。
YouTubeも徐々にテレビに近づいていく
泊:では続いての質問ですが、一言でいうとさんこいちチャンネルというのはどういったチャンネルですか?
ほりえ:今でこそ多くなってきたんですけど、僕たちが始めた時に男女のチャンネルはカップル以外になかったんですよ。しかも、トリオはさらにいなくて。
(さんこいちチャンネルは)男女の友情をちゃんと見えるようにしたチャンネルなんですけど、その時でいうと目新しい3人組のグループ、今で言うと日常生活をいかにおもしろくできるか? が僕たちのテーマですね。
泊:当時は「ユーチューバーって1人でやるものだ」という感じがありましたね。3人でやろうというのは、戦略的に考えた部分もあったんですか?
ほりえ:読者モデルをやっている時からそうだったんですけど、ネットも徐々にテレビのほうに近づいていったなと思っていて。例えば芸人さんがソロから始まり、そこからコンビになり、さらにトリオになることがありますよね。
結局はYouTubeもそこに行きつく時代が絶対に来るなと思ったので、トリオでやったほうが企画の幅も広がるし色々なことを試せるんじゃないかと思って3人で始めました。
キャラ次第で爆薬みたいなおもしろさが生まれる
丸本:「さんこいち」自体の、男のほりえ、女の古川優香、おかまのやっぴというキャラづけは、最初から狙って?
ほりえ:もともと、やっぴはけっこう男っぽさを出していたんですけど、途中からそういう爆薬みたいなおもしろいやつが欲しいなと思って。古川も最初は女の子らしいキャラクターを演じていたんですけど、それじゃあおもしろくないということで、もっと顔に落書きをさせて、おもしろくするようにしました。
丸本:キャラクター設定は、もともとあるものをちょっと膨らませて。
ほりえ:そうですね。今はあんまりやっていないんですけど、それこそ、志村けんさんのバカ殿みたいな感じのキャラクターがあるじゃないですか。そういうのもいいなと思って。
料理をする時は僕が「ほりえおばさん」というキャラクターをやって、美容を説明する時はやっぴが「やっぴ先生」、古川が恋愛する時には「古川十三郎」という、ちょっと顔に落書きしておもしろいほうに持っていこうというのはけっこう考えていました。
丸本:キャラが大事という。
ほりえ:キャラは大事だと思います。