社員が会社の理念を話す機会を作るための仕掛け

ほかにやったことの1つ目はこの点字名刺。これは狙ってというよりも結果としてですが、我々全社員の名刺に点字が入っています。点字名刺というのは、だいたいは社名と名前と電話番号なんですよね。目が見えない方は電話しかしないので。

私、1万枚以上名刺交換をしていますが、誰1人として、点字を読めた人がいなかったので、実用的なことをやってもしょうがないなということで、2015年に名刺のデザインを変えたときに、点字が入るスペースを作って、ここに経営理念である「日本のみらいの為に挑戦する人を増やす」とそのときから入れはじめたんですね。

それでずっとやってきましたが、あるときに気づいたのが、社員が名刺交換すると、「あ、点字ですね。何て書いてあるんですか?」……ひっくり返すとうちの理念が書いてあり、実は「日本のみらいの為に挑戦する人を増やす」という理念が書いてあります。うちは「日本を元気にする」ということを目指しているんですよねと、社員一人ひとりが理念について誰かと話をする機会があるんですよね。

これがけっこう大切で、自分で口にして理念をしゃべる経験は、なかなか作れないですが、この名刺によって自然とその言葉が残ってくるんですよね。

あとは、社内のいろんなところにポスターを貼り付けること。会議室名も行動指針の名前になっています。あと人事評価なんですけど、人事評価はみらいイズムの中の5つの軸から定性評価を作って評価するようにしています。

あとは週報。毎週金曜日にその週の振り返ってもらっていますけど、必ず週の振り返りをするときにはみらいイズムの5つのキーワードに沿って振り返りをやってもらっています。それに対して上司は、振り返り内容に合わせたフィードバックをする。それによって行動指針というのが浸透していくようなかたちです。

あとは表彰の際も「みらいイズム賞」ということで、行動指針を実践した人を表彰しています。あとは「サンクス」。「Talknote」という社内SNSツールを使ってますけど、その中の「これをしてくれてありがとう」という機能があって、そのときに行動指針を選択して、例えばチームワークについて、「こういったことをやってくれてありがとう」というかたちで、お互いに表彰し合っています。

社員の退職=卒業

こういったいろいろな施策を通じて、理念やビジョン、行動指針が当たり前のように日常に溢れているような状況を作るようにしています。

あとは出口のところで、卒業生を送り出す。うちの会社のビジョンは、日本のみらいの為に挑戦する人を増やす、いろいろなライフステージに合わせて挑戦を繰り返していく。つまり、転職や独立などを世の中にどんどん広めていきましょうという会社なんですね。そうすると、「ずっとうちの会社にいてください」というのはうちの価値観に合わないんですよ。

うちは卒業していってもぜんぜんかまわないんですね。我々のところにいる間には、一緒にこの挑戦をしよう(と言っている)。ただ卒業したとしても、持続的な関係を持ちながら、それぞれがそれぞれの挑戦を支え合う関係になっているのがいいんじゃないかなと思ってます。

今年は新卒が4人入社しました。今回新卒を面接するときにも彼らに言ったのは、「みらいワークスに入社して、その後みらいワークスを辞めてから何をやりたい?」。 

それがない人はみらいワークスに来るべきじゃないと思ったんですね。それをちゃんと聞いてから入ってもらいました。それぞれ、その後のステップを考えながら来てもらっています。

ですので、こういったところまでを含めて、理念、ビジョン、行動指針、これを一貫して経営にインストールしていく。それが大事なんじゃないかなと思いますし、どこかでちょっと矛盾が生じていると、言葉の力だったり、伝える力が弱まってきてしまうと思うんですね。

だからこそ、常に何か意思決定するときには、「これは理念、ビジョンに照らし合わせてどうなんだろう?」「行動指針、みらいイズムと合わせてどうなんだろう?」、そういう会話ができるような会社にしてきています。