インスタは潜在層に認知してもらえる媒体

高木紀和氏(以下、高木):じゃあ実際に、逆に取り入れた側といいますか、会社としてInstagramのマーケティングをやっていこうと思った理由や狙いといった部分をお聞かせいただけるでしょうか。

米本隆氏(以下、米本):大きく2つですね。1つ目は、先ほど鈴木さんからお話があったとおり、認知。あとは刈り取りのために打っていくところはあるんですけれども、大きく言えるところは、潜在層に対する認知に向けた媒体としては魅力的かなと思っています。

みなさん、通勤のときなどにニュースアプリをご覧になると思うんですけれども、ニュースアプリに広告とかが出てくる場合は、いろんな記事の中に出てきますよね。

記事がいろいろとあって、その中にインフィードとして入っていたり、あとは急に動画が半分ぐらい降りてきたり。画面の中にいろんな情報がある中の一部に広告が出てくることで、広告に目線が集中しない、視認性の悪いようなものになっているんです。

インスタは画面を独占するんですよね。動きとしても、上から下にスクロールしていく流れの中で、情報を1個1個認識して取っていく動作があるんです。そうなってくると印象にも残るんですけれど、想起性が高いかなと思っていまして。

例えばテレビCMとの違いでいうと、テレビCMはタレ流して、それに対して受け身で情報を取りますよね。それに対して、スマホでは情報を取りにいくという、どちらかというと能動的な状態の中で画面を占有しているところは、けっこうおいしい広告ではないかなと思っています。

なので、ここはデジガレさんといろいろとブラッシュアップしながら試しているところではありますが、そういった仮説があってスタートしているというのが1つ。

ブライダル媒体は競合ひしめくレッドオーシャン

米本:2つ目は、先ほどのお話にあったと思うんですけど、たぶんみなさん広告宣伝費のところにはかなり苦戦されているというか、課題になっていると思います。

当社も同様で、私も毎日のように詰められているのですが、ブライダル媒体は上からいくと、だいたい通常は『ゼクシィ』の紙面が認知獲得であって、検討するのが「ゼクネット」や会場ホームページなど。

その下に、認知の次にだいたい興味・関心があって、そのあとに比較・検討があると思います。比較・検討のところで口コミがあって、ようやく「フェア予約します」という段階になります。

ブライダル媒体だと、上の部分の認知獲得の母数がある程度決まってしまっているんですよね。それをみんなで取り合うことになってしまうんですよ。

実はインスタの場合、ブライダルを考えていない温度感の低いナシ婚層とか、パーティ層とか、そういったところも含むマーケットとしてはすごく大きいんです。かつ、ブライダルとして(ターゲットにしたい)20〜30代の女性がたくさんいるマーケットなので、我々としてはそこを取りにいくのが狙いとしてあります。

必然的にブライダル媒体でガチガチの競合をしているところに投資をするよりは、そのマーケットを取りにいくことによって、最終的に広告宣伝費を良化できればいいかなという狙いがあります。それが2つ目ですね。

高木:なるほど。ありがとうございます。そうだったんですね。大丈夫でした、今の話?(笑)。

米本:まぁ、あんまりしゃべりすぎるなと言われているので、気をつけてしゃべりたいと思います。

式場ではなくサービスを訴求する

高木:いわゆる『ゼクシィ』が一番強い領域だったのが、先ほどの第1章のファンベースで、どうしても広告が効かなくなっているところもありますよね。パイの限界のようなところがある中で、ナシ婚層・パーティ層を狙いにいく役割というか。

逆に、そのガチガチの結婚式を考えている層に対しては、今はInstagramマーケティングを使われていないんですか?

米本:使っていないですね。みなさんももしかしたらご覧になっているかもしれないんですけど、我々はどちらかというと、式場をアピールするようなインスタの広告は打っていないんです。もっとちょっと違った軸で打っていまして。

先ほどあったように、「アンバサダーより友達」とか、より身近な人のほうが腑に落ちやすいというか。やっぱり情報が氾濫していますので、その人にとって情報がより腑に落ちるようなものにするために、どういったコンテンツやサービスがあればいいのか。

そこで我々としては、インスタに対しては「式場」という軸じゃなくて、「サービス」という軸で打っていると。ちょっと曖昧かもしれません(笑)。

高木:サービスという軸?

米本:はい。サービスという軸で広告を打っています。

成約の母数を増やすことがInstagram広告の目的

高木:なるほど。わかりました。じゃあ逆に鈴木さんのほうにご質問させていただくと、(Instagramでは)刈り取り型の広告運用も当然できるわけですよね。

鈴木優実氏(以下、鈴木):はい。

高木:じゃあ、そこは各社さんの狙いによって使い分けていくべきという感じなんでしょうか。

鈴木:そうですね。例えば、Instagramでエスクリさんのことを知ったユーザーさんに対しては、Instagramで刈り取るようなこともできますし。

あと、Instagramをやっている理由としては、母数を増やしたい。刈り取りというか、コンバージョン、成約の母数を増やしたいという意図でやっていますね。『ゼクシィ』さん、『ハナユメ』さんなどの媒体だけではリーチしきれなかったユーザーさんへのリーチをけっこう意識してやらせていただいています。

高木:そうだったんですね。僕もいろんな会場さんやユーザーに話を聞いていくと、けっこう『ゼクシィ』に関して、「買ったけど見ない」「そもそも買ってないです」というような人たちも増えてきてはいるものの、まだまだやっぱり強い部分はあると思うんです。

(スライドを指して)例えば、先ほどのこのデータは肌感的にどうですか? 僕らがユーザーに取ってみたデータでいくと、20パーセントぐらいの人が(SNSを情報源としている)。もしかしたら式場をまだ検討していない人たちが、ちょっと憧れ層みたいなかたちで結婚式の情報を取りにきているのかな、なんていうふうにも思ったんですよ。

式場への来場のきっかけとしてSNSが徐々に増加

鈴木:それはたぶん米本さんの……。

米本:SNSのところですか?

高木:SNS、このバランス感はイメージ的にどうですか?

米本:そうですね。バランス感だと、たぶん式場にいらっしゃったとき、来場者の方々に「なにをきっかけにいらっしゃいましたか?」みたいなことを聞いていると思うんです。

我々もそういうものを取っていますけれども、実はその最初の取り方のところに、SNSは新興媒体だったので項目としてはないような状態だったんですよ。今は取っているんですけれども。

なので、SNSが上がってきた時に、なかなか定量的なデータとして気づけないような状況が続いていまして。その中で、実はデータとしてほかにも定性的なものにヒアリングデータを取っているんです。

そこを調べていったら、実は「SNSを見ました」「インスタがかわいかったので」というようなコメントが徐々に増えてきていて、肌感覚として実感してきたと。

話はちょっと変わってしまうんですけれども、実際、今までのアンケート手法というかヒアリング手法によっては意外と気づけない場合もあるのかなというのがその時にわかった、というのがありますね。