2024.11.25
「能動的サイバー防御」時代の幕開け 重要インフラ企業が知るべき法的課題と脅威インテリジェンス活用戦略
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ピョートル・フェリクス・グジバチ氏(以下、ピョートル):いろいろ振り返りながら聞いていたんです。英語か、教育か、働き方か、生き方か、経営改革か、とか。……うーん。僕は、どうでもいいと思うんですよね。結局、何が根本的な問題なのかのを考え、選択肢を増やせば自分の生き残る機会が増えるはずですよね。だから選択肢が多い方がいいですよね。
それでどんな選択肢を、何のために増やしていくかというのは個々人の課題で、要は結局、何のために生きたいのか、その生きている間に何をもたらしたいのか、何を得たいのかということによって、選択肢を選ぶべきだと思うんですよね。
その中で、簡単にいうとホワイトカラーワーカーのみなさんの仕事は、自分の仕事をなくすことですよね? 要は無駄な手間をなくしていく、問題を解決していく、インサイトを得る。そうすると、できるだけ、ひたすら情報収集をしなければならないというのが事実ですよね? AIに任せている部分もあるんですけれども、できるだけ早くその情報やファクトに関しての人の感情とか、人の意見を求めてまとめなきゃならないんですね。
そうするともちろん英語を話せた方がいいというのもあるんですね。それでもちろん、自由に働けて、自分の時間があった方がいいということになります。それで、学習できる機会ができるだけあった方がいいというのもあるんですね。
ピョートル:結局、自分の価値観が決まってくるんですね。自分の価値観って結局、何を選ぶかの優先順位です。自由という価値観を重視したい方は、結局ヒエラルキーが決まった企業に入らないはずです。独立するんですよね。
例えば家族を重視したい方は、ひたすら朝から晩までは働かないですよね。逆にできるだけ、もしかしたらちょっと自由がなくなってもいいんだけど、もう5時に帰らせてくださいという制度の中で生きるんです。
まとめると、何が大事かというと、まずは自己認識ですね。自分がどんな人間で、何を世界にもたらして、何を世界から得たいのか。それを自己開示していく。自分らしく生きるために、ひたすら周りの人たちに「自分はこういう人だから、これを大切にしているんだ」というのをコミュニケーションすれば、たぶん誰も文句を言わないですよ。
(現状は)ただ知らないだけです。「あ、そうか。お子さんが二人いたんだよね。じゃあ、いいよ。好きなように、自由にフレキシブルタイムで」でいいんです。「ああそうか。土日は必ずサーフィンをやっているんだよね。じゃあ、土日の仕事はもうやめよう。もう帰っていいよ」というの、自分のことをわかってくれれば、ほとんどの上司がそう言ってくれるんです。
その次に自分が自己実現したいことを表現して、結局やりこなす。やりこなせば周りの人たちが「成功者だ」「ロールモデルだ」と認識をして、ガンガン周りについてきてくれるから、なんだろうともういいですよ。僕はすごく大歓迎なんですけど、英語という話は後付けにした方がいいかな。
白川寧々氏(以下、白川):だって(著書のテーマを)英語にしたほとんどの理由は、「英語じゃないと売れない」って言われたからなんだもん。
(会場笑)
ピョートル:何の本ですか?
白川:本当はアントレプレナーシップについて書きたかった。本当に人を自由にするのは言語じゃなくて考え方だけど、でもできればその言語で思考してちょうだいって(いう内容です)。だけど「アントレプレナーシップ」っていう言葉では売れないんですよ。ね? でも、日本ではそれが事実なんだって。だから「じゃあ英語で!」みたいな。
でも英語にするといいこともあって、ここに来ている人たちは(属性が)めちゃくちゃバラバラじゃないですか。これが教育なんて言ってみるともう、本当にスーツを着たおじさんとかしか来ないから(笑)。しかもなんか、スーツを着た丸の内のおじさんだけじゃなくて、教員とか、教育委員会とか、校長とかばっかりみたいな。だからなんだって! 前、どこかの地方でイベントをやった時にそう言われたの。
だけど英語については、日本人は全員が英語の被害者であり加害者です。あと日本は、教育とか社会とかを見た時に、「明らかに悪いもの」ってないんですよ。道はきれいだし、教育だって「個性を殺す」とかいろいろ文句を言われているけど、ワールドエコノミックフォーラムとかで「日本の『掃除』の文化は素晴らしい」とか、「日本の教育はおいしい」とか、「日本、すごいね」みたいなビデオが普通に流されています。
でも明らかに客観的にも主観的にもよくないのが、「英語教育」だよね。「なんでそんなにお金かけているのに、到達度はそれぐらいなの?」みたいなところがあるので、ひっくり返すと一番わかりやすかったのが英語だった。「日本の教育が個性を殺すという証拠は?」「ごめん、ありません」「日本の英語教育は悪いです」「証拠は?」「いっぱいあります!」っていうのが切り口だったから、私はできれば「英語の人」として認識されたくないなってすごく思っています。
白川:あと、もう1個。せっかくみなさんに来てもらったのですが、「英語で自由になる」って、けっこう感覚的、身体的なものなんですよ。もうめちゃくちゃペラペラって人はいます? もう英語はネイティブですっていう人?
(来場者を指しながら)あなたはそうでしょ? (先の質問で)通勤が嫌かって聞いたじゃないですか。ほかに通勤が嫌な人はいます? 「満員電車が嫌です」みたいな。満員電車が嫌いな人? みんな嫌いじゃないですか? そういう時に、「満員電車が大嫌いだ」って言っても、あんまりすっきりしなくない? 「まあ、みんな嫌いだし」みたいな。
ピョートル:途中ですみません。言いたいんですけど、東京駅周辺とか大きい駅だと、だいたい8時50分とか9時50分になると、もう日本の「おもてなし」がなくなるの……。
(会場笑)
今日もサラリーマンに押されて、おばあちゃんに押されてしまいました。もうみんな走るんですよね。満員電車もあるんですけれども、やっぱり9時とか10時までに出社しないと遅刻だというルールも、破ったほうがいいと思うんです。
白川:破りましょう。
ピョートル:すごく新鮮な気付きなんですけど。
白川:「おもてなし」がなくなるのね(笑)。そういう時に、英語で愚痴を言うとすっきりしますよ。
ピョートル:そろそろたぶんね、質疑応答の時間ですよ(笑)。後ろで、必死にこう紙を(出していますね)。
白川:ごめんごめん。どうぞどうぞ。
ピョートル:三人ぐらいです。どうぞ。
質問者1:白川さんがおっしゃっている「自由にさせたい」の「自由」の定義を知りたいです。
白川:みなさんは「自由」ってどう思う? (質問者に対して)ご自身はどう思いますか?
質問者1:……そこが悩みなんですよね。
白川:私はけっこう単純で、自分の「これがやりたい」という生き方を選んで、社会に……この国だとたいてい「おじさん」ですが、それに逆らっても「ダンボールボックスに直行」にならない自由。嫌なことに嫌と言っても、ちゃんといい生活ができる自由。そうじゃないと、自由と言わないと思う。これを、Meaningful Choice(意義ある選択肢)といいます。例えば、「ダンボールボックスかアパートか選べ」というのは意味のある選択肢じゃないです。「銀行員か奴隷か選べ」というのも選択肢じゃないです。「銀行員か、弁護士か、起業家か、アーティストか……ちゃんと、どれでも生活できる前提でどれにしようかな?」というのが選択肢のある状態です。
質問者1:選択肢を広げることが自由であり、そのツールになるのが、今のところ、とりあえず英語だという考えですか?
白川:そうですね。日本に生まれ育った場合、普通の社畜にならないために一番手っ取り早いのは使い物になる英語力ですから。
質問者1:それは自分が選択したものじゃないから?
白川:だって(質問者の方は)銀行員じゃないじゃないですか。だけど、やりたくない仕事(銀行員)をやるか、生活できないか、という選択を迫られたら、やりたくない仕事を選びますよね?それは選択肢とは言わないです。我慢しないと生きる望みを絶たれてしまうみたいなことって、そんなの嫌じゃないですか。
だから「ちゃんとした選択肢」が増えないといけないと思っていて、そのためにはたぶん、言語だけじゃなくて自分を自由にしなきゃいけないというのがあります。それって今のままだと、あまり与えられていないなと思うことが多いです。だから経済的自由が必要で、ちゃんとした経済的手段が伴わないものは、あまり自由とは言わないと私は思っています。
ピョートル:ちょっとコメントしていいですか? 「自由」という言葉は使わなくていいんじゃない? 僕は共産主義で生まれて、その次に行き過ぎた共産主義から、行き過ぎた資本主義に国が移行したんですね。(そこでは)いきなり「自由になったんだ!」と言っているんですよね。でも事実としては、田舎なもので50人しかいない村でして、誰も高校には行っていない。みんな隣の町の工場に行って、働いているんですね。その工場は海外、外資の企業が買収して撤退させられ、9割の人たちが仕事を失った。
食い物は買えないし、服も買えないのに、「あなたたちは自由なんだよ」と言われるんですね。それは馬鹿げた話です。「自由」は結局、選択肢の数ですね。しかもただ選択肢の数が多いだけでは、「自由である」とは言えないです。変な話ですけど、給料が高くて何でも買えるけど、自由に結婚できないということで、お見合い結婚で「この人と結婚しなさい」と言われたら、「自由」であると思わないですよね? 自分が大切にしている選択肢を自分で選び取れるというのが「自由」じゃないかな?
白川:冷戦時代のプロパガンダ的な「自由」が嫌なのね。私の場合は世代が違うので、完全に、「嫌なことに嫌と言う自由」ですね。嫌と言ってもその結果、面倒くさいことにならない。(私は)もう会社勤めじゃないけど、会社で嫌なことあったらすぐ「辞めます!」ということを言える人間が、日本にどれぐらいいますか? みなさんの中で、どれぐらいいますか? 最近は昔よりよくなったと思うけど、1970年代、1980年代、1990年代だったら、「会社を辞めてどうするの? ラーメン屋でも開くの?」「失敗したらダンボールボックスですか?」みたいな脅しをちらつかされていたんですよ。
ピョートル:「脱サラ」ですよ。
白川:そう、脱サラ。バブルだったからよかったのかもね。私の言う「自由」というのは、コンセクエンス(結果)を背負い込まなくても、「自分は大丈夫」と安心できる自由だと思う。納得した? ありがとう。もう一人ぐらい! (ピョートル氏に対して)「自由」という言葉に嫌な思い出しかないですよね?
ピョートル:好きじゃないです。
白川:ごめん(笑)。嫌だよね。
ピョートル:「自由の女神」も好きじゃないです。
質問者2:講演ありがとうございました。質問です。英語を学んで、いろんな情報を集めることが大事だという話だったんですが、情報は集めるだけではダメじゃないですか。自分でアウトプットしないといけません。集めた自分だけのものじゃなくて、みんなに発信するということがけっこう大事だと思うんです。今まで生きてきて、勉強する方法やインプットの仕方はわかるんですけど、アウトプットの仕方は習ってこなくて……。
ピョートル:(私から)最初に答えていいですか? 簡単にいうと、どんな業界どんな分野も、よく見るとパターン、トレンド、サイクルがあるはずですよね。ファッションであれば、今流行っているファッションは……。すみません。失礼な質問ですが今、何歳ですか?
質問者2:22歳です。
ピョートル:22歳で今、流行っているのは何ですか? 今のトレンドは何ですか?
質問者2:トレンド? ……何だろう? タピオカです。
白川:それ、言うと思った!
(会場笑)
ピョートル:ファッションの分野を見ると、前にもあったはずですよね。サイクルで戻っているんですね。そのトレンドのパターンもあると思うんです。それを具現化、言語化することによって、例えば「今のファッションはこれなんです」とか、ファッション雑誌を見て、テレビを見て、タレントを見て、「これなんですよ」とか、「今こういうトレンドで、ちょうどサイクルの中のこれで、こういうパターンがありますよ」と言えるはずですよね。
その三つじゃなくてもいいですけれど、フレームを作って、そのフレームを通じて人にわかりやすく伝えるということですね。ただ学んだだけで、具現化や言語化をしないのであれば、それは時間の無駄だったかもしれないです。
白川:自分がすごく好きなことってあるじゃないですか。それを人に語るのって、好きじゃないですか? 語っているとまたそれによって「ああ、こういう話だな」みたいになって、教えることで学ぶのはガチですよ。私が起業した、間接的だけども直接的なきっかけは、会社員の時にブログを書いていたことなんですよ。自分の考え方についてぐだぐだ言ったらTwitterの人が喜ぶことを発見したんです。
そうしていたら、MBAに入った時に「毎日もっと書きなさい」と言われて、毎日「こういうことがあってさ、みんなどう思う?」みたいなことを書いていました。そうすると、自分の考えが恐ろしいほどすっきり整理されました。自分が本当に何をしたかったのかということが、だんだん見えてきたのね。
だからブログをやってみるといいです。人に伝えることや、人におもしろいと思ってもらうことを前提に自分の知っていることをアウトプットすることは、本当に日本人は得意。「才能の無駄遣い」と言われている「ニコニコ動画」とかね。伝えたい思いがあるから、そこにクリエイティビティーが生きたりするのね。
それを前提にして勉強すると、「だって、ファンが待っているんだもん」みたいにすごく続くよ(笑)。残念ながら最近、筆不精になっちゃったんだけど、そういうのがいいかもしれないです。一緒に作りますか?
白川:タピオカについては、絶対タピオカと言うと思った(笑)。タピオカは流行りすぎだよね! もうダメ? え? 締めの一言? 締めの一言……。共産圏は大変だったんだね(笑)。「うちの親も、似たような反応をするかもしれない」と思った。だけど私が言いたいのは、好きなように生きてコンセクエンスを背負い込まないぐらい強くなれば、今、社会が沈んでいるように見えても個人的には何も困ることはないということです。
みんなが自由に思えるようになったら、もっと幸せになれるんじゃないかなと思います。「英語の人」じゃないので、何語でやっても構わないです。「中国語でやりました」みたいな報告が欲しいです。あるいは「プログラミング言語でやりました」みたいな報告も欲しいです。一番聞きたい報告は、「これで嫌なことに嫌と言えるようになりました」みたいなやつかなと思います。ありがとうございました。
(会場拍手)
ピョートル:今日はいっぱい耳が痛い話をされて、少し耳のマッサージをした方がいいかと思います。どうでしょう? 愛のムチですか? 僕は愛のムチだと思うんですけどね。率直に言うと、この世界に東京よりいい所ってあんまりないんですよね。もちろん綺麗な場所とか自然(が豊かな場所)とかはいっぱいあるんですけど、ホワイトカラーワーカーで、例えば脱サラしたくて、独立してちゃんと仕事したいのであれば、ここは本当に天国ですよね。
考えてみてくださいね。(このイベントを開いているような)こういう綺麗な場所もあるんですよね。安全ですよね。ここがいきなり爆発するというのもあまりない。しかもアメリカは、シリコンバレーからワシントンまで飛行機で6時間かかるんですよね。ここはまあ、(アメリカで言えば)ウォールストリートに近いですよね。
大手町はウォールストリートで、シリコンバレー(にあたる場所)まで何分かかりますか? 渋谷とか代官山とか恵比寿といった、スタートアップがあるところまで30分もかからないですね。ラスベガス……じゃなくてロサンジェルス(にあたる場所の)、ファッションAPセンターの原宿まで、だいたい30分で行けるはずですね。みんな行かないだけですよね? その橋渡しをしないというのは、みなさんの問題です。霞が関まで行けるし恵比寿、原宿、渋谷、大手町から勝手に行けるんですね。
ピョートル:次にこういうイベントに行く時は、自分がサラリーマンだからってスーツを着なくてもいいんじゃないですか? 好きなTシャツを着て、「俺はスタートアップの人だ」と真似してもいいかもしれないですね。ファッショニスタでもいい。(こういうイベントも)だいたいみんな日曜日で、こういう月曜日の夜には開催しないけど、したほうがいいと思いますね。
車でだいたい2時間走ればスキーもできるし、ダイビングもできるという場所で、ここは最高ですよ。僕はGoogleに「シリコンバレーに異動してくれ」と言われたから辞めたんです。率直に言うと意味がないんですよ。あそこに行って全部の差を、インサイダーのレイヤーを乗り越えるエネルギーがもったいないんですよね。やりたいことがあれば、ここでやった方がいいんです。経済的にも優れている。
例えば独立してスタートアップを起こしたいのであれば、お金を持っている企業と個人はもう待っているんですよ。アイディアだけがあれば、やれる。英語の話に戻ると、そのためには日本発だけどグローバルな考え方で、国際的にいろんな人たちに早く届けるようなものであればいいと思うんですよね。以上です。
(会場拍手)
白川:超賛成! だって最近、日本を離れたくないもん(笑)。「日本人のルール」で生きなくていいという選択肢があるのなら、日本に住みたいとみんな思うんじゃない?
OK。ありがとうございました。
(会場拍手)
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