キャンピングカーのような世界観?

河上純二氏(以下、河上):そう。で、俺ね、今日話したいなと思ってたことがあってさ。オダジと昔、新規事業のことでは、よくブレストを一緒に、喧々諤々やってた時期もあって。オダジってすごい厳しいのよね。

及川:そうですか(笑)。

河上:わりかしクールでシビアで、現実面も強いのよね。だから俺みたいなさ、チャラチャラした夢見心地な話してさ、「それって現実的にはさ」みたいな話をけっこう食らって。そんな話で、けっこういつも楽しくやってたときもあってね。なんだけど! その時からしばらく経って、スラッシュアジアで久しぶりにオダジに会って。オダジが連れてる、オダジが今すげえかわいがっている、若いやつらを紹介されたのよ。「すげー気に入ってるんですよね」と。

小田嶋Alex太輔氏(以下、小田嶋):(笑)。

河上:紹介されたやつが、見るからに、「えっ」、ビジネスマンとは1ミリも思えないような、ブチギレ系のさ、「確実にこの人たちってヒッピー島出身でしょ?」みたいなタイプを連れて話を始め……まぁ紹介されてね。もちろん名刺なんか持ってない。「名刺ないっす」みたいな。「いらないっす、そんなの」。トーンだけ。

よくよく話を聞いたら、今でもなんでオダジーがそれを推してるのか、正直、今日まで、はっきり言ってないんだけど、理解でききれてないんだよね。

及川真一朗氏(以下、及川):はいはい。

河上:俺のあの時、また何回かの理解で正しいのは、彼らが言ってる構想というかイメージは、居住区というか、自分の生活の拠点が移動していく世界になるっていう話なんだよね。

及川:ああ、なるほどね。

河上:簡単に言うと、キャンピングカーみたいな世界観で、自分の家がさ、要は移動して、町に……なんだろう、佇むときは町に接続していて、自分がふらっと動き出すときは家が移動する、みたいな感覚のプロジェクトだったと思うんだよ。だいたい合ってる? ちょっと合ってる?

小田嶋:いや、でも……うーん、難しいです。

河上:難しい(笑)。

(一同笑)

小田嶋:合ってるけど、合ってない。合ってるけど、合ってない(笑)。

河上:いや、そう。だから、説明が難しいのよ、要は。

小田嶋:いやいや、そうですそうです。

河上氏「公の場で言っちゃった(笑)」

河上:でね、自分たちでプロタイプの家みたいのを作っちゃってるんだけど。

及川:あっ、家を作るんですか?

河上:そう、なんか軽トラで引っ張れるだっけ、たしか。

及川:じゃあ、Airbnbみたいな話じゃなくてなんですね。

河上:そう、軽トラが引っ張る家みたいなの。

及川:本体が動くんだ。

河上:それが街のこういうコンセントみたいのにガチャンってハマったりする。

及川:ガチャンとハマるんですか(笑)。

河上:そう。たしかそういうイメージだったと思う。覚えている範囲だけど。

及川:すごい確かに前衛的な。ねぇ、おもしろい。

河上:それをね、オダジーがすげえかわいがってるんです。この世界観をかわいがってるんですよ。俺その時に「俺と一緒にやってたあの顔はなんだったんだろうな」と。

(一同笑)

俺にはやたらさ、「市場感が見えないですね」とか、「なんかそれで回収できる見込みが僕にはイメージできないんですよね」ってすげえ言ってくるのに、「こいつらにはイメージ湧いてるのかよ」と思って。俺、その時のオダジーにね、「なんだろうな」と思ったことがあって。

これはね、どこかでいつか言ってやろうと思ってたやつだったの。公の場で言っちゃった(笑)。

小田嶋:ぜんぜん。SAMPOという会社ですね。

河上:おもしろいよね。あいつら、もうすごいの。

小田嶋:S・A・M・P・OでSAMPOなんですけど、僕は実はそこの会社のChief Strategy Officerです。

河上:だったね。だったね。

小田嶋:もう本当に彼らの初期の初期です。まだファウンダーの子が、村上大陸くんって言うんですけど、彼が1人でやってた時から一緒に見てて。もうやばいっすよ、とにかくあいつは。

河上:やばいよ。知ってる。見てるから。

小田嶋:だいぶやばいです。

及川:だいぶやばい(笑)。

自分の未来が完璧に見えている子だった

小田嶋:だいぶやばいですよ。でも、パッと見、確かにキャンピングカーなんですよね。だけど、僕が初めて見た時、軽トラの荷台になんかもう手作り感満載の箱が乗ってるんですよ。全面人工芝で覆われていて。「何やってるんだろうなぁ」と思ったら、「これ、新しいインターネットなんです」って言ってて、「あっ、こいつやべーやつだな」って(笑)。

及川:やべえやつ(笑)。

小田嶋:話を聞いて、そんでもう聞けば聞くほど、ただやばいだけじゃなくて、当たるかどうかはさておき、自分の未来が完璧に見えている子だったんですよね。

河上:見えている。なるほどね。

小田嶋:なんでしょうね、初めて僕が「これは出資したほうがいい」というので連れてきた……初めてというか唯一なんですよ。今までは「これ出資したいと思ってるんだけど、どう?」とかっていうのはやったんですけど、「これは絶対やったほうがいい」と言って。

僕は残念ながらお金は持っていないので、それまでの信頼しか出せるものがないから、これでコケて「俺がダメだったね」という信頼はゼロになるかもしれないけど、「絶対こいつはやばいんで、お願いします」っていうので持っていった唯一の案件がそのSAMPOのやつで。

もう本当に……コンセプトは、言って、そんな遠くないです。

河上:でしょ。まぁまぁ押さえてるよね。よく理解度は高いほうだよ。1回か2回しか聞いてないのにさ。

小田嶋:遠くはないです。でも、ただのキャンピングカーとはやっぱり根本的に違っていて。

コンセプトは「持ち寄って暮らす家」

河上:でもさ、街と接続していくようなイメージがすごかったよね。

小田嶋:すごい「街と接続」という言い方は本当正しいですね。本当そこが。彼らの持ってるコンセプトとしては「持ち寄って暮らす家」なんですよ。

軽トラの荷台にぴったりはまる部屋なんですね。法的にサイズとしては荷物ぎりぎりに。これ以上でかくしたら違法ぎりぎりのサイズでピタッとはまるかたちになっていて、着脱式になってたりするんですけど。

コンセプトとしては、シェアハウスって今みんな、若い人たちはとくにけっこう使ってますけど、さっきおもしろい子から聞いたのが、自分の部屋って聖域なんですよね。僕、「なるほど、聖域って言い方、すごい正しいな」と思って。まさにその聖域である自分の部屋だけは、自分のものにしたいし、自分の好きなようにしたいって。それ以外は別にどうでもいいじゃんっていう。

けど、シェアハウスはやっぱりコンプリートされた建物の部屋の一部を借りるなので、聖域とはいえ好き勝手にはできないし、「ちょっとここの場所もいいな」とか「違うところ行きたいな」ってなったときには、そこから離れていかなきゃいけないので。

河上:そうだね。

小田嶋:でも、自分の聖域としての部屋って、そこはもう持ち運べて。

河上:それをこうやって持っていくんだよ?

小田嶋:軽トラに乗せる。

河上:想像するやついる?

及川:まったく(笑)。

小田嶋:そう。でも、彼らの発想ですごいおもしろいのは、シェアハウスっていう建物から出発して、ここから部屋を切り離して持ち運ぼう、じゃないんですよ。身体の延長線上に服があって、そのファッションとかの延長線上に自分の聖域の部屋があって。そういう生活をしている人が暮らしやすい拠点を別で作ろうという、そっちの順番でいっているので、出てくるアイデアがぜんぜん違うんですよね。

河上:ね、熱いでしょ?

及川:熱い。

河上:俺のときすげえ冷たいのに、彼らに対してはめちゃめちゃ熱い愛情が出てるわけよ。

小田嶋:(笑)。

東日暮里のとある倉庫にて

河上:でも、ちょっとさ、本当に2人さ、機会があったら、EDGEof行った機会のとき、小田嶋にさ、これ本当に彼らに会わせてもらいなよ。

及川:はい。ぜひ。

河上:人柄とこの話、ちょっとしてもらいなよ。

及川:はい。

河上:「おかしくね」っていうふうにさ、思うから。

小田嶋:SAMPOは金曜日に「GL SMITH」というイベントを毎週やっているので。

河上:あそこでね。

小田嶋:違う場所です。

河上:あっ、別の場所?

小田嶋:彼らの倉庫が、めちゃめちゃかっこいい倉庫があるんですよ。東日暮里のところなんですけど。

河上:東日暮里(笑)。

小田嶋:東日……ちょっと東日暮里に失礼かもしれないけど、「えっ、ここにこんなのあるの!?」みたいな、突然こう。けっこうオールドスクールな感じじゃないですか、あっちは。

及川:はいはい。

小田嶋:突然なんかね、めちゃくちゃファッショナブルなユニークな空間がバーンってあって、そこで毎週金曜日パーティをやってるので。

河上:もうEDGEofは出ていったの?

小田嶋:EDGEofの地下に住んでた時期がありました。

河上:住んでたじゃん。俺、見てたもん。

小田嶋:あれは工事中の時です。

河上:そうそう。見てたよ。すごく怖いよ。

小田嶋:そう、工事中の時、住んでたんですよ、あいつら。

磯村尚美氏(以下、磯村):工事中(笑)。

河上:なんだろうな。ちょっと精神状態がおかしな人が閉じ込められる部屋に……。

小田嶋:違う違う(笑)。

及川:言い過ぎた。ちょっとごめん。カットしてくれる? 

小田嶋:精神状態がおかしいから、住み着いたんです。

河上:あっ、そうか。

及川:(笑)。

さながら戦場のアーティスト

河上:だから、アーティスト。もうぎりぎりの戦場を歩いているアーティストの部屋みたいな感じなんです。絵がバーっと散乱していて、未来の絵みたいなのが。

小田嶋:懐かしい(笑)。

河上:書道家みたいな絵がバーっと散乱して、ライトが裸電球1個あるだけみたいな部屋なのよ。地下だから。そこに住んでるの。

及川:そんな、そんなぶっ飛んだ世界なんだ(笑)。

磯村:そこは茶室なんですか?

河上:今は茶室。

小田嶋:今は茶室です。

うちのビルの地下が、工事が動いていた時に、地下は本当最後まで、「ここどうしよう?」というぐらい、用途が決まらなかったんですよ。彼らを、僕は仲間なので、案内している時に、地下を見せて「ここどうするか決まってねえだよね」って言った時に、「えっ、使っていいっすか?」って言われて。

(一同笑)

河上:寝床にしちゃったんだよね。

小田嶋:「いつ追い出すかわからないけど、いいよ」って、まぁほかのファウンダーにちゃんと……まぁ、僕だけのものじゃないので、「ほかのファウンダーに聞いてみるね」と言って、2日後ぐらいのファウンダーミーティングのときにその話をしようと思ってたら、突然Facebookメッセージが来て、「イイ感じです!」というメッセージが来て。

うち、すぐ隣にニトリがあるんですよね。ニトリでいろいろ買ってきて、もうオフィスを作っちゃってたんですよ。地下に。「いやいやいや、俺、まだOKって言ってないよね」って。

(一同笑)

もう作っちゃってるから、もうそこからファウンダーの人に「こうこうこういう経緯で、地下を使っていいですかね?」みたいな。工事現場の人たちと仲良くなって照明を借りて。生活力半端ないなと思いました。

(一同笑)

河上:ちょっとね、この話、SAMPOの話をさせると……一気に全部これで終わらせようとしてるのかな。

小田嶋:違う違う(笑)。

河上:ワインも飲みましょうかね。飲んでください。

小田嶋:はい。SAMPOは1回話したほうがいいですよ、あいつら。

河上:うん、ちょっと会わせてあげてほしい。

及川:あ、ぜひぜひ。

小田嶋:はい。

河上:会ってごらん。

磯村:おいくつぐらいの方なんですか?

小田嶋:僕が知り合った時19歳で、今21歳ですかね。

及川:へえ。

河上:それでも危ないでしょ。

磯村:そうなんだ。危ない危ない。

河上:あれ危ない。でも、見る価値はあるからね。

及川:ぜひぜひ。

小田嶋氏が注目しているVRの会社とは

河上:そんなオダジーだけどさ、まぁ今、それで推してる企業、会社の話になったからさ。最近さ、なんか注目しているさ、せっかくだから業界とか領域とか企業とかさ、なにかある? なにか最近って。

小田嶋:どうだろうなぁ。

河上:まぁ、いろいろあるんだろうけど。

小田嶋:いっぱいありますけど、僕はいろいろ経緯があってVRは詳しいので、「おもしろいVRの会社だな」というのはいくつかあったりするし、あとはブロックチェーンとかAIとかは当然流れとしてはきてるので。

河上:まぁ、ビッグワード的になってるからね。

小田嶋:でも、その中でもなんかね、仲良くさせてもらっているからというのもあるんですけど、Empathさんっていう。

河上:Empathさん?

小田嶋:Empathというすげえ、まぁすごいおもしろい濃ゆいメンバーが集まってる会社。

河上:やばそうだな。

小田嶋:テクノロジーとしては、AIを使って人の声を分析するんですね。声の高さとか話すスピードだったりトーンとかから感情を分析できるんですよ。

それのすごいところは、話している言葉の内容じゃなくて、声のボリュームとかで検知するので、言語は関係ない。あと、複数がいる場の空気を読めるんですよね。

そこのEmpathさんのオフィスに、ちょっとパーティースペースみたいなところがあるんですけど、そこのライトが、スマホで色を変えられるライトってあるじゃないですか、「Hue」って。

河上:ああ、あるね、うんうん。

小田嶋:あれが入っていて、その彼らの技術につながっているんですね。そこでプレゼンやると、会場の空気で色が変わるというすごい残酷な。

(一同笑)

河上:やだ、それ。やだな。

及川:JJさんめちゃめちゃ怖いじゃないですか、それ(笑)。

河上:やだよ。みんな引いてるとライトが。

小田嶋:そう、さーってこう。

及川:(笑)。

小田嶋:すげえエグいんですけど。

河上:それ嫌だわ。

声のトーンから顧客の心理を分析

小田嶋:もうね、そこの会社の人たちは超ユニークな人が集まってて。もう文字どおり、世界中のピッチコンテストを荒らしていて、いろんな国で優勝しているんですよ。

河上:へえ。

小田嶋:あと、僕らはいろんなものと組み合わせるのが重要なんですよね。プロジェクトの種を置いて、1社でどうというよりは、これにいろんな人に参加してもらう。

河上:そうだね。

小田嶋:そのEmpathさんの技術って組み合わせしやすくて。結局マイクだけでいける。例えば今話をしてるのが「イベントってどうやって価値出すの?」みたいな。

そういうときに、イベント会場に来てる商談スペースにそれを入れておくと、「お客さんが話を聞いていてどう思ってたか」みたいなのが取れたりとか、そういう満足度の調査に実は使えるとか。

及川:へえ。

小田嶋:実際、彼らのたしかね……間違ってたら彼らに申し訳ないですけど、営業系のコールセンターに導入しているらしいんですよ。お客さんの声のトーンを分析、リアルタイムでできるので、「ちょっといらついてるな」とか「喜んでるな」みたいなのを見ながら営業電話ができるみたいなのをしたら、たしか20パーセントだったと思うんですけど、「営業効率上がりました!」みたいな実績があったりとか。

今すっごい伸びていて、そこなんかはすごいコラボしやすくて、おもしろいなっていうのは。

河上:日本のスタートアップ?

小田嶋:日本の会社です。

河上:へえ。もう技術者集団の方々、みんな?

小田嶋:技術者なのか……いや、僕が会ってるのは技術の人ではないですね。

河上:なるほどね。

小田嶋:だいぶイイ感じの人です。僕が好きなタイプの人です。

磯村:イイ感じ(笑)。

河上:イイ感じの人ね(笑)。

人によって内容が変わるAR看板

小田嶋:あとはね、Cynackという会社なんですけど、これはちょっと技術が飛んでるのでわかりにくいんですけど、ARってあるんですね。このスマホをちょっとかざして。

河上:拡張現実だね。

小田嶋:将来的に本当じゃあメガネとかにARの技術が入っていくと、例えばじゃあここに本当にお店だとします。外に看板が出てて、待ち行く人は全員ARメガネをかけているとすると、その看板を見た人に「今ハッピーアワーです」とか「今日はあと3人まで半額にしますよ」みたいなのを、リアルタイムで出したいじゃないですか。

でも、そういうのって、ARって立体でやらなきゃいけないので、大変なんですよ。それをじゃあWebページを更新するみたいに簡単にできるための基盤技術を作ってる。

河上:ああ、なるほどなるほど。

小田嶋:だいぶ未来のための基盤技術を作っているので、今それを見せられても「うーん」ってなっちゃうんですけど、相当先のことを考えないとわからないようなことをやってる、めちゃくちゃ若い集団なんですよ、そこ。まだ20歳とかかな。

河上:すごいね。

小田嶋:うん。彼らのやつも、もうポテンシャルがすごい。これもやっぱりいろいろ組みやすいので。

そうすると、じゃあ都市開発の中にその仕組みを入れておくと、今すぐは技術的障壁がいろいろありますけど、将来、本当にみんながARだなんだの世界にいったときに、看板ってたぶん人によって内容が変わるんですよ。スマホでWebサイトを見ると、その人がふだん、例えば不動産サイトを検索したあとに違うサイトに行くと、物件が出るじゃないですか。

河上:リタゲの発想やめてくれる(笑)。

小田嶋:でも、本当にあれと同じく、同じサイトだけど違う広告出るでしょ。あれが街なかで発生するわけですよ。隣で歩いてるけど、看板を見て、誰かが見たときには物件の情報かもしれないし、僕が見たら飲食店の情報かもしれない。同じ世界なのに。それが実現するときに必要となる基盤技術を作ってる会社です。

河上:なるほどね、おもしろいね。

小田嶋:うん。

河上:それを20歳のやつらがやってるの?

小田嶋:始めた時、たしか18〜19歳とか言ってた。

河上:すごいねぇ。

小田嶋:見た目、30ですね。

(一同笑)

河上:危険だね。

小田嶋:うん。もう自虐的に言ってたけど、あだ名が「おっさん」だそうです。

(一同笑)

河上:あだ名が「おっさん」(笑)。

小田嶋:めちゃくちゃいい子なんですけどね。めちゃくちゃいい子なんですけど、あだ名が「おっさん」。

7年後、女子高生は空を飛ぶ

河上:なんかおれちょうどね、だから先週かな、最近ぜんぜんそういうなんか、けっこう近未来の話に触れられる機会が減ってるなって、あんまりなかったんだけど、ちょうど2日連続でさ、そういう話に触れられる機会があって。

1つは、ちょうど水曜日かな、セガサミーグループさんが新しいオフィスを建てて、「TUNNEL TOKYO」っていうさ、シリコンバレーのVCとも即座につながれるという名目の下でスペース作って、オープンのところに呼んでもらったので行ったのよ。

そしたら、ドローンの千葉さんが出てきて、「7年後にはみんな空飛んでます」って話をわーってしてきて。そのエアの世界の話をされて、イラスト付きでね、「いろいろこうなるんです」みたいな。「女子高生がビルの上にいて、ドローンが迎えに来て、タクシーに乗って帰ります」みたいな話とか。

そういうのを描いていて、「7年後って描いてるんだ。すごい近いもんだな」なんて思いながら、久しぶりにそういう遠い未来をイメージしながら帰ったんだけど。

そしたら翌日もね、またおかげさまで、友人が研究機関みたいなのをやってる、大学のね、そこでその発表会のフォーラムがあったのよ。それにも呼んでもらえたから行っていたら、今度はモビリティの話をしてくれるパートがあってさ。

毎日が未来人?

トヨタを中心に発想してるさ、もう車を作って売る時代ではなくて、サービスが移動する時代になりますということで、話の……まぁ、俺が一般人的に噛み砕いた代表的なイメージ例は、俺が例えば今日はここから帰るときに飲みながら帰りたいなと思うと、近くにバーが車で近づいてきて、乗り込んでバーで飲みながら移動の車で帰っていくだったりとか。

このあとマラソンしたいなと急に思ったときに、モビリティのシューズショップが近づいてきて、そこで靴を買って、また着替えして、そこから走り出してみたいなことの、サービスがいつも移動しているのがモビリティの未来だという話を聞かされて、もうそれはすごいすぐ腹落ちして、そうなるだろうなというふうに思ったし、久しぶりにワクワクした1週間だったのよ。

だから、未来の話を聞くっていいなと思ってね。そう、俺も未来人でありたいなと思いました。いつも。

及川:未来人じゃないですか(笑)。

河上:毎日が未来人じゃない?

小田嶋:いや、もうついていけないですね。

(一同笑)

河上:ああ、もう先過ぎて?

小田嶋:エグいっす。もうおっさんなんですよ、結局。

及川:おっさん(笑)。

河上:まさかオダジーからそういう言葉出ると思わなかったな。