日本のオルチャンメイク流行りは、日本独自で進行している
久保友香氏(以下、久保):続いて、もーちぃさんにもお話をお聞きしたいのですが。もーちぃさんは、私の中では「オルチャンメイク・ファッションのリーダー」という感じなんですが、そもそもオルチャンメイクを知らないという方もいらっしゃるかもしれませんから、そこから教えていただけますか。
もーちぃ氏(以下、もーちぃ):はい。ありがとうございます。まず、オルチャンとは何かというところからお話ししたいと思います。オルチャンメイクという言葉をこれまで何回か紹介させてもらっているのですが、オルチャンというのは韓国語なんですね。
オルチャンというのは、韓国語でも造語といいますか、若者が使っている言葉です。オルグルという、もともとは「顔」という意味の単語と、チャンという「最高」や「いい」という状態を表す言葉を合わせた言葉で、オルチャンという言葉が生まれました。
かわいい子であったり、顔がいい状態を表す言葉で、2003年くらいのときに韓国で流行った言葉なんですね。もともとはカッコイイ男の子を指す言葉で流行ったものでした。それが、今の2019年の日本でめちゃめちゃ流行っているということなんですよね。
久保:オルチャンメイクの定義のようのものは、何を以って言うのでしょうか。変化するんですよね。それ自体もね。
もーちぃ:オルチャンメイクというのが、もともとは2003年の頃にオルチャンといわれていた女の子たちがしているメイクのことを指しているんですが、今、オルチャンメイクという言葉を韓国で言ったら、「え、なにそれ? めちゃめちゃ前の話だけど何言ってんの?」と言うことになっちゃうくらいで。
「今、それが日本で流行っているんだよ」という話を韓国の友だちに言うと「マジ?」と言うような。「超ヤバイね。怖いね」と(笑)、そのくらいの話なんですが、それくらい時代遅れのメイクであって、日本独自で進行しているものという感じです。
オルチャンメイクよりもナチュラルメイクのほうが時間がかかる
久保:韓国ではもう流行っていない?
もーちぃ:オルチャンメイクというのがそうなんですよね。実はもう、韓国では流行っていないものなんです。日本の女の子たちが「韓国っぽい」とイメージしているメイクかなって思います。
日本のファッション雑誌『Ray』について先ほどもお話が出ていましたが、いわゆる赤文字系ですよね。モテ系の女の子たちが読む雑誌の。(スライドを指して)これはモテメイク特集を参考にしてやった私なんですが、両方ともメイクですね。
久保:わかりやすい。
もーちぃ:右が2017年のオルチャンメイク特集を読んでやったメイクですね。ちょっとパッと見ただけでもかなり雰囲気が違うと思いますが、1個1個見ていくと、全体的に見ても、左はナチュラルに見せていこうよという気持ちが出ている感じ。
久保:本当はナチュラルではない感じ。
もーちぃ:そう。これは、どっちの方がメイク時間がかかっていると思いますか? 右の方が時間がかかっているだろうと思いますが、実は左の方が時間がかかるんですよね。