ワークフロー導入事例に学ぶ、業務効率化の方法

司会者:それではお時間になりましたので始めさせていただきます。本日は暑い中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。株式会社WorkVision主催、ワークフローシステム導入事例セミナーを始めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

それでは第一部ワタベウェディング様導入事例紹介と題しまして、ワタベウェディング株式会社システム統括部、赤坂様からお話しいただきます。よろしくお願いいたします。

赤坂弘樹氏(以下、赤坂):よろしくお願いします。本日はお忙しい中、ありがとうございます。ワタベウェディングシステム統括部の赤坂と申します。よろしくお願いします。私どもでは2年前にWorkVisionさんに選定させていただいて、今まで運用しております。

これからの選定や導入を検討されているみなさまにとって、少しでも参考になれたらと思ってまして、今回こういった機会を設けさせていただきました。

それでは私の自己紹介を先にしたいと思います。赤坂弘樹と申しまして、もうすぐ31歳になります。前職はエスクリという国内ブライダルに在籍しておりまして、その前は三井情報という会社にいました。私はシステム部門なんですけども、みなさんの中には総務の方もいらっしゃると思うんですね。私、大学生のときに夜間部でして、昼間に工学院大学の総務部で働いていました。

4年制大学のお堅い総務部で、4年間やらせていただきました。総務の立場と情報システム部の立場の両方で物を考えて、今運用しています。システム統括部の在籍なんですけど、総務のほうの意見を取り入れたりしながら、ワークフローの導入などを進めています。

ウェディングの枠を超えた幅広い事業を手掛ける

今回の講演内容は5つございます。ワークフローや会社の組織など、どういった業務をやっているのかも非常に重要になってくるので、まずはワタベウェディンググループがどんな会社なのかを細かくご説明したいと思います。

ワタベウェディング株式会社は、リゾート結婚式をメイン(の事業)にしている会社です。例えばハワイやグアム、最近だとベトナムなど、日本国内のお客様が海外で結婚式を挙げるご支援させていただいております。

昭和39年の設立ですので、創業50年以上の企業です。かなり前にM&Aをしておりまして、グループ会社に、目黒の結婚式場「目黒雅叙園」、そしてホテルやウェディング、レストランなどを運営しているメルパルク株式会社を迎え入れております。従業員数は単体で415名、連結だと1,974名がいます。2,000名くらいの会社です。パート・アルバイトさんを入れるともうちょっと多くなるかなと思います。

当社は国内にこれだけ拠点がございます。50以上を超える店舗やホテル、沖縄だとチャペルといったところに人がおりまして、その運営をしている会社です。

参加いただいているみなさまの中にも、もしかしたら利用されたことのある方がいらっしゃるかもしれないですが、私たちは海外展開も行っています。先ほどもお伝えしたようにハワイやグアム、ベトナム、シンガボール、アジア圏といったかたちで海外に拠点を展開しております。

また当社は、衣装とアルバムの内製化もしております。中国・ベトナムの工場で、現地にて衣装を製造しており、中国ではアルバムを製造しております。当社にて結婚式を挙げた方に衣装・アルバムを納品しております。

バラバラだった承認システム

本日のテーマは、ワタベウェディングが「AgileWorks」をどのような目的で、どのような経緯で(取り入れて)、どのような結果が残せたかのご紹介です。

ポイントは5つございます。「なぜ『AgileWorks』を導入したのか」「選定時に意識したポイント」「導入時に苦労したこと」、そして「導入の結果」「将来的な展開」。この5つで説明していこうかなと思っております。まず最初に、なぜ「AgileWorks」を導入したのか?

冒頭で、お話ししたように世界13カ国で42ヶ所、かつチャペルと接客サロンとドレスの工場を運営しております。さらにメルパルクは全国11拠点ございまして、目黒雅叙園は目黒にある拠点の1つだけではなくて、国内式として受託運営などもやっております。そうすると、拠点数が100を超えます。

当社には子会社数が30社以上あって運営をしているんですが、子会社と各国で承認システムがバラバラという課題がございました。言語も違いますし、入れているシステムもバラバラになっていた。2年前がそんな状況でした。

「どこがどうなっている?」 迷路のような状態

では、どれぐらいバラバラだったのかという話です。日本のワタベウェディングは当時、サイボウズ株式会社のGaroon(ガルーン)を使っておりまして、その承認・ワークフローを使って、起案と承認をしておりました。

日本のメルパルクに関しましては、シャチハタさんのシステムを使っていました。こちらで起案と承認をしています。目黒雅叙園はガルーンではなくて、「サイボウズ8」を使っていて、こちらも起案や承認などをしておりました。ハワイは、「G Suite」のアドオンを使っていました。Gmailもアドオンを使って起案や承認をしておりました。中国は紙で起案や承認しておりました。

こういったかたちで各国バラバラでした。なぜシステムを1つにしないのかという議論も過去にはあったみたいなんですが、なかなか統制が取れていなかったという経緯がありました。

これの何が問題なのかというと、グループ会社で横断のワークフローがないので、経営陣が統制を取りにくかったり、各システムを使って出向をしている上層部の方がいらっしゃったので、各システムを見て統制をとっていくのが、かなり困難だった。内部監査の者もいるんですが、内部監査をしていくのも各会社でバラバラなので、「どこがどうなっているんだ?」と迷路のような状況でした。

なので、メールとかワークフロー、ポータルサイトも含めて全部グループで統一しましょうという方針を2年前に立てて、導入をしていくという流れになりました。参考までに、当社ではメールは「Office365」を使っておりまして、「Exchange」で運用しております。ポータルサイトに関しましては、「Office365」の「SharePoint」を使っています。ワークフローはもちろん「AgileWorks」を使って運営しております。

費用や工数削減などを、上場企業として求められる内部統制レベルまで引き上げるのが目的で、こういったかたちで導入していこうということになりました。

3社で比較検討、決め手は課金方法

選定時に意識したポイントは、みなさまが気になるポイントなのかなと思っております。これから導入をご検討されてる方に関しましても、「AgileWorks」だけではなくてガルーンを入れてるよとか、シャチハタさんを入れてるよとか、この世の中にワークフローがいっぱいあると思うんですけど。なぜ「AgileWorks」なのかは気になるポイントと思いますので説明していきます。

選定当時、N社とS社と「AgileWorks」の3社でツールを検討をしていました。

まずは課金方法ですね。今回ご参加いただいている方も、製品を選定する立場や運営する立場の方だと思いますので、私自身の考えにも賛同いただけるかなと思うんですが、導入したシステムが経営方針や経営状態によって、すぐ切り変わってしまうという経験がありました。

そうなると悲しいので、課金方法は選定のポイントでかなり悩みました。今回は「AgileWorks」のセミナーなのでいいかなと思うんですけど、エイトレッドさんの製品で、「X-point」というものがあるんですが、1アカウントいくらという課金なんですよね。

私がエイトレッドさんを知ったときには「X-point」しかなくて、「1アカウントいくらだと、ちょっと高いな」と社内でけっこう議論になるわけですよ。でも、N社も1アカウントいくらという課金方式でした。当社はパート・アルバイトも含めて、すべてアカウントを払い出したかった。さっき言ったように2,000人以上のアカウントが存在するわけです。

「1アカウントいくらだと費用対効果が出ないな」と思っていました。「AgileWorks」ですと、同時セッション数課金です。日々ワークフローを見ている方も業務上はいらっしゃると思うんですが、全社員が見ているとは限らないですよね。なので、同時接続数はワークフローの中では、一応優れているのかなと思っております。

内部監査に対応できるシステムを求めていた

2つ目に内部監査対応です。N社とS社に関しましては、内部監査に耐えられるような上場企業に合うシステムではなかったんです。「AgileWorks」に関しましては、導入事例もある通り、一部上場企業さんが入れられています。上場を考えて、監査対応に適したシステムがないなかで、「AgileWorks」がデフォルトで設定がされているのは、私たち的には非常に助かりました。

内部監査員の方たちからも、「ほか企業さんも導入して運用をしているんだから、問題ないでしょう」というところは言えるかなと思っております。

3つ目に展開幅です。「AgileWorks」でいいなと思うのは、子会社という理念がございますので、会社を分けて運用できること。「X-point」もできなくはないんですが、ちょっと無理矢理だなと思っていました。この事例でいうと、N社もS社も無理やりな対応になってしまいます。グループ会社で展開していくというのが基本ついてくるので、「AgileWorks」のいいポイントかなと思っております。

ログインIDの管理上、「Office365」との連携も必須

次のスライドに進みまして、4つ目です。「Office365」との連携が可能かどうかというのも、当社では気にしていました。「SharePoint」で展開していくかたちになるので、サイボウズを利用している情報システム部や総務部だと、システムがいくつも分かれてしまって、ログインIDの管理がめんどうくさいなという方もいらっしゃると思います。

これもちょっと気にしまして、「Office365」とシングルサインオンができるとかですね。例えば「G Suite」とシングルサインオンできるのが、選定の基準になると思っております。これが「AgileWorks」で対応できると。じゃあ次にメンテナンス性ですね。よくありがちなのですが、N社がひどいシステムなんですけど、実はJavaScriptを各ルートのメンテナンスやフォームのメンテナンスで埋め込まなくちゃいけないと。そうしないと変えられないということです。

たしかに「AgileWorks」もJavaScriptを使えるんですが、普通に運用していれば、そんなに使うことはないかなと思っています。N社は普通の運用でJavaScriptをいじらないといけないものでした。他社さんでワークフローのシステムだと、私の経験上、メンテナンスをプログラミングで書くケースはけっこうありますが、「AgileWorks」にはありません。

私は情報システム部ですが、誰がいじってもわかるようなワークフローのルートになっていますので、非常に運用しやすいかなと思っています。けっこうありがちなのが、ワークフローのシステムに先任者がついて属人化してしまい、その人が辞めてしまうと(ルートが)わからなくなってしまうことだと思います。すっきりしているので、見ればわかるかなというレベルになっています。

「AgileWorks」は大企業での構築実績も豊富

一番最後にもっとも詳しくご説明しますのが、ほかのシステムについてですね。外部のシステムとの連携がほぼなかったことがありまして。あとは仕分け情報を会計システムに渡したりとかです。そういったものができないと、今後の拡張性が物足りないなと思っていました。

入れたら入れたでいいけど、次に経理の人が「こういうのができない」と言ったときに外部のシステムと連携できないというのはイケてないですよね。そこも選定のポイントになりました。よって、ワークフローシステムを「AgileWorks」に換えようと決めました。

あとはベンダーさんをどこに依頼するのかは社内でも議論になりました。導入実績が多いところ、外部システムと連携の実績があるところ、サポート体制がどうなのか、費用がどうなのか、という4つのポイントはみなさんが気になるかなと思っております。

私たちも当時2社さんを選定していました。もちろんWorkVisionさん、当時(の社名)は東芝さんだったんですけど、あともう1つはX社さんがありました。こういった表の通りになっているんですが、WorkVisionさんを選定させていただいた理由は構築実績が大企業もあったということです。

私たちも30社以上ワークフローを展開していかなくてはいけないので、大きい会社さんがいる経験豊富なツールのほうがいいと思っています。あと、画面がシステムと連携しているんですね。これが基幹システムと連携する際に仕分けがまったくわからないベンダーさんに頼むと、ちょっとわかんないなぁという話や懸念が出てきてしまいます。そこらへんの実績がある会社さんを求めていました。

長く付き合える、逃げないベンダーを

サポート体制に関しましても、WorkVisionさんは長い間お付き合いをしていまして、SEさんや営業さんと最後までお付き合いいただけるようなかたちです。ワークフローのシステムはどうしても、総務系や営業系の方たちとヒアリングしなくてはいけなくて。

プロジェクトを押すパターンもあるので、追加料金がかかると困るので、最後まで費用のやり取りもお付き合いいただける、逃げないベンダーさんを選びたいなと思っていました。あと、費用はお手軽な価格で出していただいております。

当時、私が選定をしていたんですけど、具体的な申請書を持ってこられたのはWorkVisionさんだけでした。これがどういうことなのかというと、パッと「「AgileWorks」でいいですよ」と言われても、「どういう申請書で当社展開するんですか?」ってすごく気になるところなんです。

導入前なんですけど、稟議を通したり、経営陣に導入を上申したりするときに、どうしても一例で「申請書をこういうふうにします」というのがほしかったわけですね。これを持ってこれたのは、WorkVisionさんだけでした。

(スライドを指して)WorkVisionさんだけでした(笑)。

(会場笑)

当時、持ってこられたのはWorkVisionさんだけ。本当のことです。

総務や内部監査室との調整に難航

導入時に苦労した点です。(会場には)総務の方もいらっしゃると思うんですが、当社では総務が各社にいたので、調整がやはり大変でした。システムではなくて、人と人の意見(を交換する)がなかなか大変で。

既存のサイボウズのワークフローのイメージもわかるんですけど、将来的な設計のイメージがあまりなかったりですね。あとは本社が京都にあるんですけど、会社設立以来グループ会社の展開なので、総務部との調整がすごく難航して、時間がかかってしまっていました。なんとか半年間でできていました。

あと内部監査室等ですね。調整も非常に大変です。監査室というと、上場していると監査法人がいるんですが、監査法人に聞かなければいけないとかの調整が難航します。実際、内部監査室に関しましては、こういった統合をすることによって1つのシステムで各会社の稟議や統制が取れる。非常に見やすいはずなんです。

ここがけっこう意見が大変で、あとから「こうしてくれないかな」と言ってくることの対応が大変だったかなと思っております。

あと3つ目なんですけれども、子会社もすべて統合しました。稟議書とか、各部署がシステムもバラバラ、もちろんフォームもバラバラだったんです。

これもすべて統合させてもらいました。項目もすべて統合して、経営陣がパッと見て同じ稟議が通ったらわかるようにしております。総務の方が内部監査の人によく言われるのは、「フォームがどうの」ということ。そう言われてしまうとスピード感がなくなってしまうんですが、こういうのも要件定義を決めていって、導入していきました。