ピョートル氏が語る働き方の未来

及川真一郎氏(以下、及川):今日はゲストに、プロノイアグループのピョートルさんに来ていただきました。ピョートルさん、今日はありがとうございます。

ピョートル・フェリクス・グジバチ氏(以下、ピョートル):こんにちは。

及川:こんにちは。

ピョートル:よろしくお願いします。

及川:よろしくお願いします。本当にピョートルさんがここに来てくださって、お話ができるなんて僕は思ってもいませんでした。

ピョートル:ほんとうですか?

及川:すごくうれしいです(笑)。

(一同笑)

及川:ピョートルさんは野村證券さんのときに一度ご紹介をいただきましたが、あまりその辺についてはお話しできずにいたんです。こうしてこの場が作れたことを感謝しています。本当にありがとうございます。本当にうれしいです。

ピョートル:よろしくお願いします。

磯村尚美氏(以下、磯村):よろしくお願いします。

及川:このライブ配信は、こうした企業家さんがかなりたくさん見ておられまして、ピョートルさんが、実際に組織などについても本を出されていらっしゃいますが、おそらく今後、働き方や生き方のようなものが、もうすぐ変わっていくんじゃないかと思っています。そうしたところも含めて、ピョートルさんのお話を聞いていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

磯村:よろしくお願いします。

シリコンバレー行きを命じられ、Googleを退職

及川:ちなみに、僕の配信の方でピョートルさんをあまりご存じない方もおそらくいらっしゃるかもしれませんので。

ピョートル:了解。

及川:ピョートルさんは、これまでどういったご経歴なのか、当然Googleにいらっしゃったという話はあると思いますが、その後のことを簡単にお話を頂いてもよろしいですか?

ピョートル:もちろん。それでは簡単に。短くします。

日本に来たのは2000年です。ですから、もう18年間も経っているのですが、きっかけは千葉大学で研究行動経済学の研究をしにきたということ。その後はいろいろなことがありまして。例えば語学学校として知られているベルリッツの異文化間コミュニケーションやマネジメントのコンサルティング部門を立ちあげました。日本とアジアパシフィックをやったんですね。

その後でちょうど、金融業界が伸び伸びだった頃にモルガンスタンレーにスカウトされて、モルガンスタンレーの組織開発・人材育成、あとは経営者育成をやってから、さらに次はGoogleさんにスカウトされて、アジアパシフィックの人材育成と組織開発、あとはグローバルラーニングを使って授業はGoogleの人材育成戦略をやった後で、だいたい2015年ぐらいに「シリコンバレーに移ってくれ」と言われた。

グローバルな仕事だったので、本当は本社にいるべきだと言われたから、辞めたんですね。

及川:そういうことなんですか。

ピョートル:シリコンバレーに行きたくないということが、一つ目の理由です。半分は冗談なんですが、シリコンバレーはシリコンですよね。

(一同笑)

40歳でお客さんがいない会社を設立?

ピョートル:要は、すごくいい所ですし、成長する機会にもなったとは思いますが、ただ簡単に言うと、テクノロジー以外にはあんまり刺激がないんですよね。日本はとくに、東京という街は素晴らしい。ここは大手町ですよね。大手町の近くですが、金融業界、つまりウォールストリートがある。そこからもう少し、おそらく電車で20〜30分ほど移動すれば霞ヶ関、つまりワシントンがある。それから大体30分ぐらい移動すると渋谷や代官山にも行ける。つまりシリコンバレーですよね。

さらに原宿に行けばファッションセンターのエンターテイメントもあるし、アートもある。そこから2時間ぐらい車で走ればスキーもできるし、ダイビングもできてしまう町ですよ。これから東京という街は、世界の一つのエピセンターになるべきだと思ったからこそ、ここに残ることにしたんです。それが一つ目の理由。

ピョートル:あとはちょうど、40歳になったということ。男は40歳になると、ご存知のとおりスポーツカーなどを買ったり、馬鹿げたことをすることが多い。自分の腕を確かめる。要は独立することによって、自分が何を世界にもたらすことができるのかということを確認したかったんです。そこで辞めて、プロノイアグループを作った。パラノイアじゃなくて、プロノイアですね。

及川:プロノイア?

ピョートル:プロノイアはギリシャ語で「先見」という意味ですね。簡単にいうと、未来創造事業という考え方で、企業や民間、行政や教育機関までも掛け合わせて、新しい未来を作っていく。お客さんがいない会社ですね。おかしく聞こえますが、お客さんという言葉は社内で禁止なんです。

及川:そうなんですか。

アナログな仕事は、キャバクラに近い

ピョートル:強い禁止ではありませんが、あまり使わないんですね。なぜ使わないのかというと、簡単に言えば、平等関係を持つべきだと我々は思っているからです。パートナー企業と呼ぶんですね。そのパートナー企業と共に新しい未来を作っていくというのが一社目の会社で、あとはアナログなビジネスモデルですから。アナログな仕事というのは、キャバクラに近いじゃないですか。

お客さんが笑ってくれれば、カチカチンとお金が入るんですが、それだけじゃなくて、いかに我々の考え方や価値をロングテールで世界に、できるだけ多くの人たちへ届けていくのかというわけで、モティファイというワークフォーステクノロジーの会社を違うパートナーと一昨年も作ったんですね。それで例えば、働きがいの調査など、アートコミュニケーションや、マネジメント力を高めるソフトも出しています。

ちょうど今週、登記が更新されるんですが、新しい三社目の会社は、タイムリープという教育事業。子ども用の教育授業についての新しい考え方や、ニューエリートの考え方を子どもたちに持ってもらうための仕組みですね。その会社は実際に、21歳の起業家。女子大学生が社長をやっていて、今週ちょうど役員になるんですが。掛け合わせたコンサルテクノロジー教育と、情報配信も本やメディアを通じてやっています。すべての土台になっているのは「誰もが自己実現ができる世界が作りたい」ということですね。

及川:確かにね。なかなか今、日本にいる方といろいろと接していても、やっぱり自己実現の部分で悩んでいらっしゃる方が多いですよね。

ピョートル:多いと思います。

幸せとは、ギブ&テイクのバランスである

及川:ですよね。だから僕もやっぱりそこを感じてはいまして、日本の教育やそうしたところがネックになっている部分があるんですかね?

ピョートル:おそらく教育は一番大きいですね。やっぱり、人は別に文化を問わず、幸せに生きたいと思っている。幸せというのは、だいたいギブ&テイクのバランスだと勝手に言っているのですが、要は何かを世界にもたらしたいというギブと、世界、とくに仕事を通じて世界から何かを得たいというテイクの部分のバランスがあれば、幸せになれるはずですね。よっぽど不健康でなければ。

自分の仕事などを通じてお金を稼いで、世界的に社会的に貢献をすれば自己満足も高まるし、自信もつくんです。自己肯力感がつくんですよね。それは自己実現ですよね。自分にしかできないことをいかに実現させるかということなんですが、根本的に、日本の教育はまず、自己認識をする部分が弱いんですよね。

率直に言えば、子どもを見ていると、まだ小学校のお子さんたちは、がんばって笑ったり、自分がやりたいことをやっています。でも中学校に入る頃にはもう軍隊に近いかたちになってしまって、先生の言うことを聞くという教育ですね。もちろん昔の日本、昭和時代であればそれは意味があったと思うんですよ。メーカーの会社や、工場で働く人たちを育成していく仕組みでもあったのですから。