2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
提供:ClipLine株式会社
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金海憲男氏(以下、金海):私はClipLine株式会社の金海と申します。担当はコンサルティングとカスタマーサクセスで、責任者をやらせていただいております。
カスタマーサクセスと申しますのは、名前のとおりなんですけれども、ClipLineを実際に導入いただいたお客様の課題を解決するですとか、財務成果を挙げていくですとか、そういったいろんな取り組みをあらゆるかたちで支援する部隊でございます。
このClipLineを作る前は、経営コンサルタントとしてお客様の課題解決、成長支援といったことに取り組んでおりました。
今日はその中からみなさんに、1つ2つでも、できれば3つ4つと多いほうがいいですけれども、なにかヒントになるものを持ち帰っていっていただければなと考えております。よろしくお願いいたします。
今日は13時から始まって、ここまでで2時間半ぐらい経ちました。聞いているばかりでは、さすがに疲れたんじゃないかと思っていました。そこで、ちょっとクイズから始めたいなと思っています。いきなりなんですけれども、この数字は何でしょうか。おわかりになる方いらっしゃいますか。声に出していただいてもけっこうですし、心の中で念じていただければ、私、感じ取れますので。どうですか?
……すばらしい! みなさん、正解です。これは、日本の総人口が1年間にどれだけ減ったかを表している数字です。
じゃあ、50万、こっちは何でしょうか? ……すばらしいですね。これも同じく人口減なんですけれども、15〜64歳のいわゆる生産年齢といわれる人口が減った数です。
総人口と書いてあるんですけれども、これはいわゆる外国人の方を含んでいます。含んでこれだけ減っているというのが今の実態だと、そういう話です。ちなみに、外国人の方は15万人ぐらい増えているんですけれども、それを加えても50万人も減っています。
50万人がどのぐらいの規模かというと、実は鳥取県の人口が55万人ぐらいということだそうです。なので、毎年鳥取県の全人口にかなり近いぐらいの人数の方が、働き手としてどんどんいなくなっている。これが今の状態です。
これを見ると市場がどんどん小さくなっていますね。こういう見方もあるんですけれども、実はそれよりももっと速いスピードで働き手がいなくなっている。これが今の世の中の状況です。
金海:みなさまご自身が肌身で感じていらっしゃることだと思うので、わざわざここで言うまでもないんですけれども、人がどんどん減っています。これ、未来はどうなるかというと、これより良くなることはなくて、ひたすら減り続けるというのがもう決まっている未来です。
まあ、考えてみればそうだねって話なんですけど、仮に明日ベビーブームが来て子どもがたくさん生まれても、その子どもたちが生産年齢に入るのって2035年以降なんですよね。なので、これはもう「人はいないものだ」と思って我々はビジネスを営んでいくしかない。これがまず出発点になります。
「人が減る分だけ仕事が楽になっているんだっけ?」というと、そうはなってませんというのが、ここの絵が表しているものです。
例えばサービス業でいえば、お客様からお代を頂戴する場面が必ずあると思うんですけれども、ひと昔前なら、新人が入って勉強したら、まず現金の取り扱いとせいぜいクレジットを覚えていればよかった。今はそれに、SuicaやPASMOみたいないわゆる電子マネーもありますし、スマホ決済も最近増えましたよね。LINE Pay、PayPay、楽天Pay。もうほとんど早口言葉みたいなんですけど、いろんなものを覚えないとレジに立てない。こういうのが今の世の中です。
やらなきゃいけないことが増えて、どんどん難しくなっている。でも現場はというと、幕間のCMでもありましたけど、人はどんどんいなくなっている。むしろ戦力としては、放っておけばダウンしちゃう。時間とともにこのギャップがどんどん開いていく「ワニの口」が存在している。
これが今サービス業が置かれている環境だと認識をしています。冒頭、いきなり暗いところからのスタートなんですけれども、これがまず前提条件になります。
金海:その中で成果を出していこうと思うと、私がよく使う図はこのぶった切り方なんですけれども。
乱暴に言うと、戦略を立てて、それを実行する。たまに、戦略も実行もうまくいかないんだけれども、運だけでなんとかなったケースはあるにはあるんですけれども、ここではいったん置いておいてということで。「戦略」と「実行」という立て方をさせていただきます。
「戦略」のところにつきましては、この前のセッションでいろいろお話もしていただきましたし、このあと楠木先生にもご登壇いただくので、大変おもしろい話も聞けるかなと思っています。そこで、私のほうからは右側の「実行」の部分について、このセッションで少しお話をさせていただきたいと思います。
「実行」と書いてあるんですけれども、今日このセッションのテーマである「ミドルマネジャー」というのは、まさにこの「実行」を担う人たちを指していると思います。このときに、とくに多店舗展開しているようなビジネスを考えると、この実行の部分が成否を分けるというのが、私の経験から感じているところです。なんでかというのは、これは後ほどお話をします。
今日のテーマとしては「実行を担うミドルマネージャーをどうサポートして成果を実現するか?」。こういうお題で少しお話をさせていただきたいと思います。そのミドルマネージャーのあり方・サポートのあり方の話の前に、少しサービス業の特性を一緒に考えたいなと思っています。
モノづくりの世界と比較してみたいと思います。モノづくりの世界で、例えば「昨日作った車と今日作った車で燃費が違う」とか「スマートフォンが製造ロットによって明るさが違う」とか「同じ服なんだけれども、作った日によって寸法が違います」、こんなのあまり見たことがないですよね。まずお目にかからない。言ってしまえば、あり得ないレベルだと思います。
でも一方、サービスの世界だとどうでしょうか。メニュー表を見てレストランで注文をしたと。出てきたのがなんかずいぶんメニューと違うなですとか。物を買ったときに「これって保証の範囲ですよ」と言ってたんだけれども、いざ物が壊れて持っていくと「いや、それは保証範囲外です」みたいな話がある。「どっちなんだ?」ってなりますよね。
「同じ看板なんだけれども、お店によって接客のルールがずいぶん違うよね」ですとか、こういうのはわりと「あるある」という感じが、みなさんもきっとあるかと思います。誰もが経験するレベルです。
金海:つまり何が言いたいかといいますと、サービス業というのは、ばらつくんだと。ばらつきが当たり前に存在する世界が、サービスの世界と言えるかと思います。
なんでそうなるかっていう話ですが、1つこういう特徴があるかなと思っています。
モノを作るというのは、形が当然あってモノがあるので、目で見える。サービスは、目に見えない、形がない。
かつ、次が重要なんですけれども、このサービスというのは、生産と消費が同時に行われるので検品できないんですね。「後工程でチェックします」ということができずに、つくった瞬間に消費される。そして消滅しちゃう。目に見えなくなっちゃう。この構造によって、サービスというのは宿命的にばらつくというのが特徴として言えるかと思います。
お越しのみなさんのなかには、サービス業の企業さんもたくさんおありかと思うんですけれども、当事者としてこんな経験があるかと思います。
新しいサービスを始めた。いろいろ考えて作って、マーケティングリサーチして、こんな施策つくりました。いざやってみたらあんまり売れないし、サービスの申し込みも少ない。現場へ行ってみると、ポスターも何も貼ってないし、店内告知されていなくて、そもそもお客さんはそんなサービスがあることすら伝わっていない。新しい商品を投入したんだけれども、突然すぎて現場が混乱しちゃってオペレーションができていないとか。
3つ目もよくあるんですけど、新しくなにかキャンペーンやりますと。「お店に来たらなにかもらえるよ」みたいな。やるんだけれども、コアなファンのほうが店員さんより先に知っちゃって、来て「これちょうだいよ」と言うんだけど、「そんなの知りません」って店員さんが言って、揉める。
こんな話がよくありまして、顧客満足度を高めようと思ってやった取り組みが不発に終わっちゃう。あるいは、逆に不満足を高めちゃう。こういうケースってよくあると思います。
金海:これはどういうことなのかというのを、漫画で表してみたいと思います。
あるサービス業界において、A社とB社があるとします。A社が画期的なサービスを考えた。今までサービスレベルよりはるかに高いところで「うちはこういうことやります」って言ってみました。
それを見て慌てたB社が「うちはじゃあもっと高いところを目指そう」と、線を引く。これはいわゆる本部の視点で行われる競争ということになるかと思います。
でも、じゃあ現場はどうなんだと。お店はついてくるんですかというと、実はA社でそのサービスレベルを超えられるのはわずかで、ほとんどはそれより下のところにいっちゃう。なかなかそこまで全部できません。なんならもっと下のお店もいて、全体の出来栄えの分布を取るとこんな感じになりますよと。
B社はというと、いや、もっと下で残念でした。とてもうまくいきませんでした。こんな話になると、分布としてはこんなかたちになりますね。
ここからが大事なんですけれども、お客様が見ているのはこの黒い線の比較ではなくて、この赤い線を見ている。お客様が体感するのは、お店行ってサービス受けて「なんじゃこりゃ」と思うのか「これいいな」と思うのかというのは、このお店のばらつきによって決まっていることになります。
さらにもっと大事な話というのは、我々の売上や利益はこの顧客が体験するサービスから得られることになるので、ここのばらつきをなんとかしないと、いくら戦略でいいことを考えても、絵に描いた餅になる。
むしろお客様の不満を煽ることになるということで、いかにばらつきを管理して目指す結果を出すか、ここが勝負を分けますよというのがサービス業の、ある意味「実行を成果につなげる」という観点から見たときに大事な視点ということになろうかと思います。
金海:「サービス業ってばらついて大変ですね、モノづくりはばらつかなくてうらやましいな」って話になるかというと、そんなことないです、というのがこのページです。いっぱい書いているんですけれども、要は製造業というのは、ばらつかないんじゃなくて、ばらつき方とずっと向き合ってきた歴史があると。こういう話です。
日本の歴史で言うと、1951年にデミング賞というのができるんですけれども、そこからもう70年が経って、そのばらつきに対しての取り組みは業界を挙げていろんな活動がなされています。つまりは、上に書いてあるんですけれども、モノづくりの世界は、ばらつきと無縁なんじゃなくて、ばらつきと正面から向き合ってきた結果が今なんです。こういう話です。
なので、私の立場からは、ぜひサービス業にもこういった「オペレーショナルエクセレンス」という考え方を持ち込みたいなと思って、日々いろんな企業様をご支援させていただいています。
実際にじゃあどういうことをやっていけばいいのかの前に、そのばらつきのところ、組織の構造からもう少し見てみたいと思います。冒頭で申し上げたとおり、今いろんな企業さんの新しい取り組みが動いています。私が見ていても10年前とは比べものにならないぐらい、いろんな施策がより短いスパンになってどんどんと出てくる。現場の負荷は相当上がっているというのが実感値です。
それに対して、実は組織の構造って驚くほど変わってないなというのが正直な実感です。どこの企業さんも多いと思うのですが、だいたいお店があって、スタッフさんがいます。その何店舗かを束ねるスーパーバイザーあるいはエリアマネージャーと呼ばれる方がいて、さらにそれを束ねるブロック長とか営業部長とかそんな名前の方がいて、それを束ねる営業本部長だとか執行役員の方がいらっしゃる。こんな構造になっているかなと思います。
だいたいどこの企業さんも、店長までは月に1回とか2ヶ月に1回、どこかに集めて直接話をします。そこに本部長が来て喝を入れる。「おい、がんばれ」と、こういう話をする。でも、実はここから下のスタッフさんへは、「店長、君に任せたぞ」、こういう話で終わっちゃうんですね。
金海:この構造を、拠点長の気持ちに立ってみるとどう見えるかというと、こんなかたちをしています。
本部のいろんなところからいろんなことを言われる。しかも同時じゃなくて、ばらばらに言われるんですね。「あれをやりなさい」「これもやりなさい」と。水曜日にこう言われたと思ったら、木曜日にぜんぜん違うことを言われる。土曜日に「やっぱりこれも」みたいな、こういう話がある。
これを全員に伝えなきゃいけない。例えばAさんは「今日風邪を引いて休んでいます」というと、「じゃあこれを明日伝えなきゃ」と忘れないようにしなきゃいけない。これなかなか大変な話なんですね。
つまり、この真ん中の挟まっている拠点長の人がどれだけ能力があるかで、このスタッフさんの動きが決まる。あるいは、逆に「現場で今こんなことになってますよ」と言って本部に情報を上げるにしても、この真ん中の人の能力で決まっちゃうというのが今の状況です。
これは、つまりここがいわば砂時計のくびれのところみたいになっているんですね。ここが太いと情報がどーんと落ちるんだけれども、細いとちょろちょろしかいきません。こんな話です。これ、つまりボトルネックという言い方をよくするんですけれども。
ただ、これって能力の問題ですかというと、構造的な問題ですよね。いろんなところから言われて、これを全員に伝えなきゃいけないのって、それは難しいよねと。こういう話なので、構造問題を能力アップで解決しようというのは歩留まりが悪いというのが私のスタンスです。
金海:もう1つ大事な視点があって、「ラストワンマイル」と名前をつけたんですけれども。
サービスにおいてお客様に体験していただくときに、結局サービスを提供しているのって現場で働くスタッフさんです。アルバイトの方だったり社員の方だったりすると思いますが、現場で働くスタッフさんがなにかを実行して、初めてお客様にサービスが伝わる。
でも、それをやってもらおうと思うと、このスタッフさんに店長が伝えるこの黄色い線、ここが最も重要なはずですよね。最も重要なはずのここが、本部から見れば「君に任せた。よろしくね」と、こうなっている。最も大事なことが最も不確かだと。「ここのラストワンマイルに対してどう向き合いますか」「ここをどう解決しますか」というのがとても大事な視点だと考えています。
ちなみに、ばらつきばらつきって言い方をしているんですけれども、必ずしもばらつきそのものが悪だと言っているわけではありません。捕捉をちょっとさせていただきます。
1つ目は、ばらつきの管理と言ってるのは、決して個性を否定するという意味ではないという点です。もちろんそのお店それぞれの特徴があって「それでうちは成り立っているんだ」って、そういう企業さんもたくさんおありだと思います。
ここで言っているのは、ただ、「うちは飲食店なんだけど、俺、絶対手は洗わねえぞ」みたいな。これは別に個性じゃないですよね。これはやっちゃいけない。「うちは、高校生を夜中にも働かせるぞ」みたいなこともやっちゃいけないですよね。
あるいは、なにかキャンペーンをやってますけど「うちの店はやらないぞ」みたいな。これも困りますよね。そういうのは個性じゃなくて、ばらつきというんです。こういう話です。
2つ目、これけっこう大事な視点なんですけれども、いいばらつきというのがあります。チェーン展開していれば、必ずどこかのお店がうまくやっている例が出てきます。うまくやってるところってどうやっているのか。その中でほかのお店でも再現可能なものを抽出して横展開していく。この発想がとても重要になってきます。
そういう意味では、いいばらつきをうまく利用するのも1つ大事な視点になってくるというところです。
金海:このあたりまでが構造の話、あるいは着眼点の話なんですけれども、じゃあ具体的にどうしていけばいいのかという話を、ここから少しさせていただきたいと思います。
先ほど申し上げたとおり、拠点長の目から見ればこういう砂時計のような形をしてますよと。この中でボトルネックを解消していこうと思うと、それには3パターンあると思っています。
1つ目は、この拠点長に武器を持たせてうまく情報を通りやすくしたい。
2つ目は、必ずしも拠点長を通さなくてもいいんじゃないかと。直接本部から現場へ流せるんだったらそれでいい。これは逆もまたしかりです。現場から本部へという流れも作れるなら、それでいい。
3つ目は、本部から現場じゃなくて、横の同士で学び合う。「隣の店はどうやっているの?」と。「隣のお店のスタッフさんはどうやってやっているの?」「いいスタッフさんってどういうふうにやってるの?」みたいなことを直接知る機会をつくる。こういうことも一つの考え方だなと思っています。
ここから先は、ClipLineを使って実際にこれをうまくやっている例をご紹介していきたいと思います。その前に、今日はずっとClipLineの話が出てるんですけれども、モノをお見せずにあんなことやこんなことできますなんて話をしているので、ここでClipLineってどういうことができるものなのかというのを、簡単に説明だけ先にさせていただきたいと思います。
金海:ClipLineというのは、我々は「クラウドOJTシステム」という呼び方で呼んでいます。
できることとしては、まず、「クリップ」と呼んでいるんですけれども、いわゆる動画マニュアル的な使い方です。動画を保存して、いつでも見られるようにします。
それだけじゃないですよというのがこの(2)(3)(4)のところでして、「To Do」と書いてあるのですが、これは宿題を出す機能です。宿題にもいろんなかたちがあります。後ほどご紹介します。その宿題を出す中で、(3)では自分で練習してお手本と比較するみたいなこともできます。
投稿してもらったものには、(4)のコメントをつける・レビューをつける、こういうことができますので、必ずしも隣でべったりくっついて全部一から十まで教えなくても、離れてもいても、コメントを返したり、いろいろカバーしたりと、こういうことができますよ。そんな機能です。
実際にちょっと映像を見ていただきながら、デモンストレーションの代わりとさせていただきたいと思います。
まずクリップと呼んでいる動画マニュアルです。クリップと名前をつけているのには理由がありまして、基本的に我々は「動画は短いほどいいです」ということをお話ししています。具体的には30秒〜1分ぐらいの動画がいいです。
そうすることで、見るほうの知りたいところをピンポイントに、「ここだけ見たいんだ」と、そこだけを見ることができます。そこだけをピンポイントに切り出しているので、何回見てもそんなに時間はかからない。こういう話ですね。
もう1つ、作るほうも実は楽です。短い動画にすると何がいいかというと、編集があまりいらないんですね。そうするとどんどん新しいものを足していくことができますので、つくるほうも簡単だよ。こういう話です。
金海:実際に使っているシーンをちょっと見てみたいと思います。ログインするとこんな感じで、自分の名前でタップして入ると、このクリップという動画マニュアルを見るコーナーが出てきます。検索もできますし、このカテゴリから探して、こんなふうに「再生する」というかたちで見ます。
いろんなものをこうやって、自分の必要なものを、必要な時に、必要なだけ見るというような、いわば辞書的な使い方ができるのがクリップと呼んでいるものになります。
もう1つ紹介しました「To Do」というのは、宿題を出すような機能ですよと申し上げました。
宿題というのは、3つ目に書いてあるんですけれども、「この動画を見てください」という宿題を出すことができます。見てくださいというのは、最後まで終わらないと見たことにならない、こんな仕掛けもあったりします。
それ以外に、「お手本と比較してみましょう」とか「投稿したものに対して、あなたの上司からレビューをもらいましょう」とか。これはOKをもらわないとだめ、NGだったらもう1回やり直し。そんな機能です。
「いいね!」というのは、ほかの人から、まさにFacebookみたいに「いいね!」をもらうことでこの宿題は終わりだよと。こんな条件をつけるようなこともできます。
その進捗を、お店のスタッフさんが何千人いても何万人いても、お店が何千店舗あっても、本部から確認して、「どこのエリアは進んでいるけれども、どこのエリアは進みが悪い」とか、「〇〇さんはここまでいけてる。ここからここは終わってないね」みたいなことが簡単にできる。そんな仕掛けになっています。
使い方のイメージなんですけれども、ある飲食店で実際にこれを練習してみようということで、まずはお手本を見ます。
(動画が流れる)
まあ、この謝罪がいいかどうかはちょっと置いておいてですね。これがこのお店のスタンダードだとしましょう。これを見たトーマス君、まだちょっと日本語がたどたどしい方なんですけれども、練習してみる。
(練習風景の動画が流れる)
これをまず自分で見ることができるんですね。そうすると……。
(2つの映像が同時再生される)
こんな感じに同時再生ができます。「なんか違うな。あれ、なんか俺のおかしいぞ」と、こう思うわけですね。思うと、わざわざお客様に対して不愉快な思いをさせたい店員さんなんていないので、ちょっと練習してみようかなと思う。
(練習風景が流れる)
練習の成果が出てかなりよくなりましたねと。眉毛のこのかたちが重要なんだと気づいたわけですよね。
(会場笑)
それを見て「これならいいんじゃないか」と。「よし、じゃあお手本ともう一回比較だ」。
(2つの映像が同時再生される)
「これならバッチリだ」ということで投稿する。こういうふうにできるわけですね。
金海:その投稿したものに対してリアクションもできますというのが、この評価するというところです。OK・NGと判定を返したり、コメントを文字で返してあげることができます。「すばらしいじゃないか」と、こんなことも返してあげられる。
そうすると、それがお店にいなくてもこのトーマス君には伝わって、どうなるかというと、「褒めてくれてる。やった!」と。こういう話で、「めでたしめでたし」みたいなことができますよというお話です。
もう1つの機能は、この投稿された動画を我々は「レポート」と呼んでいるのですが、レポートの公開範囲を変更することができます。店長しか見れないってこともできますし、お店にいるスタッフさん同士でみんなが見ることもできます。あるいは、お店をまたいで「隣の店のスタッフさんはどうやってる?」みたいなことを見ることもできます。
そこにコメントをこうやってつけられますので、お互いに取り組んだことに対して、みんなからフィードバックというか、コメントを返してあげる。そうやってみんなで育っていくみたいな、こんなことをやっていただくというのが使い方です。
先ほどティップネスの小宮さんからもお話しいただきましたけれども、お互いに売り方のノウハウみたいなことを共有し合って「それいいですね」みたいなことをやっていただいているというのが、このコメントの使い方です。
もう1つ最後にできることとしては、今投稿されたトーマス君の動画がすごくいいなとなったときに、「むしろこっちのほうがいいんじゃないか」ってケースがあるんですよね。本部で誰かが考えたやり方よりも現場で実際にやったやり方のほうがもっといい。
そういうときに、投稿されたレポート、まさにこれは先ほど野中先生がおっしゃられた「暗黙知が形式化された」ところなんですけれども、それを共有化していく。こういうことがクリップに変更するというかたちで実現できます。
例えば、このトーマス君は実は中国語が得意です。なので……。
(中国語バージョンのマニュアル映像が流れる)
彼のうまい接客技術を活かして中国語バージョンのクリップを作りました。今度はそれを店長の、店舗の店長が練習する。
(練習風景が流れる)
これが今度お手本になっていますので、これを見て「なんかうまくいかないなぁ」みたいな、こういうかたちでみんなこうやって学んでいくということを、機会として作っていくことができますというのが、ClipLineの機能のお話です。
ClipLine株式会社
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