人前で話すのが怖い気持ちを克服するために参加

河原あず氏(以下、河原):それではいよいよ、最後のプレゼンテーションとなります。これが終わったら審査時間で、休憩を取りながらまた審査結果を出すというかたちでやりたいと思います。それでは最後のプレゼンテーターです。ゴウヤさんお願いします。拍手でお願いします。

(会場拍手)

ゴウヤさん、ふだんはどういうことやられてるんですか?

ゴウヤ氏(以下、ゴウヤ):今日はこんな格好をしているんですけれども、ふだんは金融機関に勤めて、ベンチャー支援や新規事業開発をやっています。

河原:金融機関。

ゴウヤ:はい。社名はちらっと。

河原:ログミーさんが今メモってるんで、これは言えないやつですね。

ゴウヤ:そうです。某金融機関です。

河原:某金融機関。銀行とか証券会社だとか、なにかヒントがあれば。何色?

(会場笑)

赤色、青色、緑色とかありますね。

ゴウヤ:1番平和な色です。

河原:ピース。アドリブがうまいという印象です。はい、それでは1分間のプレゼンテーションを始めて大丈夫ですかね。そもそもなぜ今回のイベントに応募されたんですか?

ゴウヤ:応募したのは、僕自身がプレゼンテーションにすごくコンプレックスがあったんです。

河原:あ、そうなんですか?

ゴウヤ:そうなんですよ。人前で話すのが怖いと思っています。たぶんジェットコースターと同じです。いまだにやっぱり怖いところもあるんですけども、打席を踏まないとデッドボールかどうかもわからないなと。まあ三振してもいいなという感じでやって来ました。これまだ別に1分に入ってないですよね?

河原:大丈夫です。

(会場笑)

ゴウヤ:おおおおー。

河原:今、ハードルを下げるというプレゼンの前の高等テクニックを使いました。それではいきましょうか。「1分であたりまえを疑え」、ゴウヤさんのプレゼンテーションです。用意、スタート!

「1分でプレゼントをして、1分でプレゼンをする」ススメ

ゴウヤ:よろしくお願いします。僕が疑いたいのは、これです。みんながあたりまえだと思っている、「1分で話せ」ということを僕はあえて疑いたい。というのも、「1分で話す」、それだけであなたたちの人生はハッピーになるんでしょうか。

(会場笑)

僕がベンチャー企業を回ったときに、なんにもバックグラウンドもなく回りました。話す前に会えないんです。ここが問題なんですね。なので僕は今日みなさんに、どうやって会うかをお伝えしたいと思います。題して1分で送れ。ベンチャー企業の経営者、みんなFacebookでですね。「移転しました」とかいうんですよ。

「引っ越しました」というんで、そのウィッシュリストをちゃんと見て「これだ!」というものを1分で送る。そうすると「あ、ありがとうございます」と言ってもらえます。だから1分でプレゼントをして、1分でプレゼンする。そうするとみなさんはハッピーになれます。以上です。

(会場拍手)

河原:いやあ、まさかの本のタイトルいじりきました。羊一さんいかがでしたか。

1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術

伊藤羊一氏(以下、伊藤):いやいやよかった。最初は俺のことはディスられてんのかなと。

河原:みんなそう思ってましたよ。

伊藤:確かにね。1分で話す前にやることあるよね。おっしゃるとおりで、なかなか上手いなと思いました。ドキーッときた上で、「でもそれそれ、そうやそうや」と俺が言うのをもう予期してるから、そうすると観客も「そうやそうや」と思うという技を確信犯的にやってるとしたら、これはすげえなと思いましたね。ありがとうございます。

河原:ありがとうございます。

(会場拍手)

誰でもすぐに真似できる具体的なアクションを提案する

河原:はい、澤さん。

澤円氏(以下、澤):はい。もう横の人を「大丈夫かな」と疑い始めちゃってる。

(会場笑)

河原:仲良くしてくださいね(笑)。

:ええ。審査員を疑い始めちゃったら無理だよね。でも、確かにあの欲しいものリストというところに……ウィッシュリストって欲しいものリストですよね?

ゴウヤ:はい。

:欲しいものリストのプレゼントを贈るという具体的なアクションが説明されていて、それはいいなと。最初ちょっとわたわたっとしてて、大丈夫かなと不安に思ったんだけど、ちゃんと言いたいところまで言い切っていた。あと、さっきから繰り返し言っている、アクション。

「じゃあなにすればいいんだよ」というものがあると、なによりもみんな真似ができる。すごく難しいお題だったらダメなんだけれども、ウィッシュリストを見てピッと送るのは誰でもできることだし、今日から真似できることなので、それを提案するのは1分の中の提案としてはすごくクオリティの高いものかなと思いましたね。

ちなみに僕もちょこちょことそれをやっていて効果てきめんですので、みなさんもやってみてください。ありがとうございました。

河原:はい、ありがとうございます。

(会場拍手)

場の雰囲気やオーディエンスに合わせることを意識する

河原:あゆみさん。

藤本あゆみ氏(以下、藤本):私は、彼が私のPlug and Playの舞台で700人ぐらいを前にピッチをしているのを1回見てるんです(笑)。

河原:そうなんですか。

藤本:そう。「え、嘘でしょ?」 みたいな感じで見てました。やっぱり雰囲気が違うと、言い方とかしゃべり方とかをすごく変えてらっしゃるので、ちゃんとオーディエンスを見て話さなきゃいけないことを話しているなというのがありました。

なので、ちゃんとみなさんを見て回して、反応を受け止めて、ちゃんとそれを次につなげていくというのは、やっぱりさすがだなと思って見ておりました。お疲れさまでした。

河原:はい、ありがとうございました。

(会場拍手)

というわけで、20人のプレゼンテーションが今終了しました。すばらしいなと思うのは、(選ばれたプレゼンターのうち)1人もキャンセルなしでした。

:ねー。

河原:はい。これはやっぱり、本当にすばらしいなと思います。それでは、今から3人の審査員の方に個人賞を決めていただこうかなと思っております。20人のプレゼンテーターの中で、この人に賞をあげたいと思うお1人をピックアップいただいて、3人の中で被りがでたら上手いこと調整してください。

はい、それではみなさん大変長らくお待たせいたしました。間もなく審査結果の発表なんですが、その前に羊一さん。羊一さんと澤さんが、僕にさっき耳打ちされました。せっかくなので、プレゼンテーションのイロハなどをお二人からうかがおうかなと。こんな豪華なことをやって大丈夫なんですか?

(会場拍手)

伊藤:大丈夫です。

どうすれば自分の軸を見つけられるのか?

河原:大丈夫ですか。そうしたら改めまして、本日の主役はどっちが言うんだ、はい。本日の審査員を務めました、伊藤羊一さんよろしくお願いします。

(会場拍手)

伊藤:5分くらいでといっても、5分とかもうぜんぜん時間感覚がないので、長くなったらすみません。

河原:本と矛盾してません? 大丈夫ですか?

伊藤:矛盾してません、矛盾してません。結局、澤さんと僕がプレゼンのレクチャーをするとね、表現はいろいろだけれども、結局同じことを言っているんですよ。だから今日は、澤さんがプレゼンテーションについて話をされて、僕はプレゼンテーションする内容。

なにを想いとして持ってプレゼンテーションをするかというお話をしたいと思います。生きざまと言ったでしょ? 生きざまなんですよ。プレゼンは生きざまで、自分の生きざまをちゃんと出そうね、ということです。

且つ、未来に向けてこういうことをやっていこうよ、という話をするんです。プレゼンされた方はみんな、考えてそれを表現されたわけなんですけど、プレゼンを聞かれた方というのは想いってなかなか持てないんだよな。

「どうしたらこういう人たちのような想いを持てるんだろうな」と思われるかもしれません。それを「リード・ザ・セルフ」と言っていて。自分自身をリードしていくのです。

どうすればいいかというと、過去、現在、未来の自分、自分の軸を知るといい、と僕は言ってます。どういうことかというと、未来について話をしたいわけです。でもそれって、自分の今とぜんぜんつながってないと、プレゼンなんかピンとこないわけですよ。

だから、「未来をこうしたい!」というのは、必ず現在とつながってくる。現在の自分が大切にしたい想いというのと、つながっているはずなんです。「現在の自分が大切にしている想いってなんですか?」と考える。いきなり「あなたの人生で一番大事にしている想いはなんですか?」と言われると、答えられる人もいますけど、だいたいそんなこと問われたら、「いーやぁ……」みたいな感じになっちゃうわけです。

どうすればわかるかというと、自分の過去を振り返ることです。こんな人生を歩いてきたから、今自分はこんな大事な想いをしている。こんな大事な想いを持ってるから、その先に自分の未来があるんですと。だから、過去、現在、未来をしっかりと認識することが大事なんです。

過去・現在・未来を振り返る習慣が、自分のいきざまのストーリーになる

例えば自分はこういう経験をしたから、今こんなことを思ってて、未来をこうしたいというようなプレゼンになっていくわけですね。ぜひ、仕事しながらとか、日常生活を送りながら、自分の過去・現在・未来を常に振り返ることをやると、自分の生きざまがそのままの話になってくるということですね。

これをぜひおすすめします。僕自身がどうやっているかというと、毎日暇な時間、常に「自分の過去はこうだったよな」「だから現在こうだよ」「だから未来はこうしたいのかな」ということを行ったり来たりしてます。それを毎日毎日繰り返していると、習慣になってきます。

習慣になってくると、自分の軸がものすごく明確になってくると思っています。これは歯を磨くのと同じです。だから、今日こそプレゼンでなにしゃべろうじゃなくて、日常の習慣として歯を磨くのと同じように、「じゃあ今しゃべれ」と言われたら「はい、なんとかでかんとかで」とすぐしゃべれるわけです。

なんでかというと、毎日毎日、過去-現在-未来、過去-現在-未来と繰り返し、自分の人生を振り返ってるということですね。これをぜひやってみてください。そうすると、プレゼンでなに話そうと思わなくても、なんとなく今思ってることはこうだと生きざまが出せるようになります。

僕自身も20代から35歳ぐらいまでは、人前でこうやって話をすることがものすごく不得意だったんです。澤さんもあんまり得意じゃなかったという話を聞いたことがあります。得意じゃないからこそ、練習して考えてちゃんと人の心に訴えるようなプレゼンがたぶんできるようになるんじゃないかと思いますので、ぜひダメだと思わずにチャレンジしてみることをやってみるといいんじゃないかなと思います。

このプレゼンを聞いて、次、出てみたいなと思った方は、ぜひ次に会ったときはもう「はい!」と手を挙げて、チャレンジされることをおすすめします。ということで、私からはプレゼンの生きざまを出す、つまり「どうすれば自分のしゃべりたいことは出てくるんだっけ?」について、お話をしました。どうもありがとうございます。

(会場拍手)