無意識の行動ログを可視化

大和田誠氏(以下、大和田):ありがとうございます。「All About」の紹介に入らせていただきます。「All About」は2001年からサービスを開始し、月間で2,100万ユニークユーザーに使っていただいている総合情報サイトです。

右側のサイト構造は後ほどご紹介しますが、先ほどあった(エアコン需要が発生しうる)「捕捉すべきターゲット」に対してのテーマの網羅性ですね。そことマッチングがあったのが、組むべきパートナーとしてよかった点の一つと評価いただいていると。そのへんはいかがでしょうか?

清水孝志氏(以下、清水):ライフイベントでいうと、やはり結婚や出産なども多かったり、あとは住宅購入ですね。みなさんの人生の中ではターニングポイントでの購入なので、そこできちんと選んでいただきたい。日頃からのエンゲージメント、つながりをつくることが大切かなと思っています。

大和田:あともう一つ。これはコンテンツを作るにあたって、メディア側からいろいろ提案ができる点です。

ユーザーの行動ログを見れるというのが、実はコンテンツの提案をする上でメディアの強みになっています。例えばこういうふうに、最下層に18万本の記事を格納しております。

ここが先ほどのお見せしたライフステージと合わさって、ユーザーが回遊する仕組みがサイトとしてしっかり構築できています。

僕らはユーザーがサイトを回遊した履歴を「無意識の行動ログ」と呼ばせていただいていまして、恣意的な調査ではなかなか見えない部分、ユーザーのインサイトが見られるので、生活者視点でのいろいろなご提案につなげられます。そこはメディアならではの強みだと考えています。

閑散期でもエンゲージメントを取れる仕掛け

大和田:「Air Letter」のサイトコンテンツのご紹介です。細かくはご紹介ができないんですが、サイトが真ん中にあり、後ろにあるコンテンツを制作させていただきました。

現在までで56本の記事コンテンツを作成しています。そこの要素に関しては、エアコンという部分でまず季節要因があり、あとは環境要因ですね。この二つに、先ほどあった生活者が自分事化するための興味関心だったり、課題や需要だったりを掛け合わせて、コンテンツを作らせていただきました。

通年でこういう取り組みをさせていただいてはいるんですが、そもそもエアコンの需要って本当に突発的な山型になっています。これ、Googleトレンドにおける「エアコン」というキーワードの検索数の曲線なんですが、6〜7月がボーンと上がっています。

コンテンツとして需要期はおさえなければいけないところです。2〜3月も、花粉やPM2.5など、そもそも選ぶ以前に空気に関心を持つタイミングですね。そこに対しても需要期を置かせていただきました。

ただ、需要期だけを囲っていることになってしまうので、閑散期に関しても通年でなにか接点が持てるようなコンテンツ配信を実施しました。

続いて、「Air Letter」のコンテンツ構造です。生活者目線での興味関心をしっかりと捉えるコンテンツと、先ほど清水さんにご紹介いただいたブランドベネフィットの部分を掛け合わせたコンテンツ、この二つでユーザーがエンゲージメントを取れるような状態を作らせていただいております。

清水:どうしてもメーカーサイドは、右側をいっぱい言いたがる傾向にあります。私自身もそうですが、その部分が押しつけにならないように、生活者の目線に寄せていくためにはどうしたほうがいいのかなというところが、今回の肝であったりするかなと思っています。

男性はエアコンのスペックを見ているだけ

大和田:施策を通して成し遂げられたことなんですが、一部事例も含めてご紹介します。その前に、もともとのブランドサイトについて言及させていただきます。

ブランドサイトの役割って、商品の顔になる部分、ブランドの顔になる部分です。商品名での検索流入など、エアコンのサイトでは比較的男性が多い状態だったということですね。

清水:先ほど5対5と話しましたが、ほかの商品に比べると、エアコンは男性の流入がすごく多かったです。おそらくただスペックを見ているだけというところがあります。

実際に比較しているとは思いますが、先ほどの「健康な空気と暮らそう」というブランドメッセージ、「空気の質があるんですよ」というのはきちんと伝えられていないと感じました。

大和田:それでいいのかもしれないですけれども、裏を返すと商品情報を調べている層が限定されてしまっていて。そこで今回の「Air Letter」をブランドサイトに置かせていただくことになりました。

施策実施後、エアコンサイトへの流入を増やすことができました。かつ先ほどお話をさせていただいていた、価値観を持ってもらいたい女性の流入を提供できたという状態ですね。

清水:とくに出産に着目したというお話をさせていただきましたが、お子さんに対する投資がけっこう多いというデータも出ていました。そこも含めて、これだけの女性に流入してもらい、見ていただいたのはすごくよかったなとは思っています。

エンゲージメントが高かった二つの記事とは

大和田:新しい接点を作れたということですね。どういったコンテンツの中身で、どういう結果だったのかを紹介をさせていただきます。まず、ブランドのベネフィットに対して、エンゲージメントの取れたコンテンツを少しご紹介をさせていただきます。上位のコンテンツですね。

一つ目が左側ですね。これはゴールデンウィークぐらいのタイミングで上げさせていただいた記事です。「旅行から帰ってきたら部屋がなんだか臭い……?」ということで、「家のニオイの正体&対処法」というコンテンツをあてました。この導入が、そのあとの「『ナノイーX』で、気持ちよく『ただいま!』しよう」というベネフィットにしっかり結びつきました。

もう一つが、二番目の「とことんリラックスできる休日の過ごし方」。これは睡眠に関係するコンテンツを作らせていただきました。睡眠環境を整える「おやすみナビ」です。こちらも「Eolia」のベネフィットに結びついて、ほかの平均的なスコアと比較して2.5倍とか3倍のブランドエンゲージメントが取れたという結果になっています。

次に、集客だったり反響が良かったコンテンツのご紹介です。これは実は戦略的にやったという、価値観の変化に対して訴求したコンテンツですね。

子どもの誕生が価値観の変化が起こるタイミングだと、ある程度事前に仮説を持っていた部分もありますが、産後、生活環境が変わっていく。室内環境にも興味を持ってもらって、子育てするには室内環境はきれいな空気がいいということですね。このへんは記事の読了率も非常によかった。いい結果だったと捉えています。

「お金に厳しい人はカビにも厳しい」

大和田:この記事を少し深掘って見ていきます。実はこのメディア側と「Air Letter」側はもちろんつながっていて、「All About」から集客のサポートもさせていただきました。

そこで、 「All About」の18万本の記事からこのサイトに流入をさせる際に、記事タイトルや記事本文内のキーワードを抽出し、共起ネットワークを作りました。こうすると、「もともとこの記事に入ってくる前に、どういうモーメントだったのか」が分析できます。

いくつかそこから抽出できたモーメントのご紹介です。一つ目は、産後の女性ですね。子どもが生まれて堅実に将来を見て、お金に対して興味を持つというのが結果に大きく反映されていました。

二つ目ですね。子どもが生まれて、お母さん同士のコミュニケーションに課題感や悩みを持つということです。そういった記事を読んでいらっしゃる方だったり、産後の女性の身体に対する情報収集であったり、子どもが泣いて眠れないみたいな睡眠に関する悩みを持っている。こういった記事を読んでいる方が、産後の記事に流入してきた。清水さん、このへんはいかがでしょうか?

清水:実施してからいろいろ見ていくと、意外なキーワードがけっこう見つかりました。そこからまた深掘っていこうかとはお話をさせていただいています。お客様の志向が多様化している証拠なのだと思いますが、「いろいろ思っているんだな」と感じられましたね。

大和田:お金の記事や製品の記事などを作らせていただいたのが、きっかけになっていると思います。

このあとの話にも続きますが、カビに対する対策記事も少し深掘っていきます。この記事自体は、カビの対策から抑制を「ナノイーX」の抑制効果に紐づけてご紹介をしています。健康管理と体調管理に関心が強い方が流入してきている。

あとは、引き続きマネーの関心層。お金に厳しい方はカビにも厳しいのかもしれませんが、そういった方々がカビにも関心を持って見にきてくれていました。

大和田:ほかにもいろいろレポートの内容はあるんですが、今日はご紹介ができないので、最後にまとめのところです。

オウンドメディアって、企業さん側で立ち上げられるケースが非常に多いと思います。その中でエンゲージメントを作っていく。メディアと組むことによって、ユーザーの行動ログが分析できたり、モーメントの把握ができたりする。そのあたりでマーケティングの成果が上がるというところを実感いただけたかなと思うのですが。

清水:このコンテンツに関しては、モーメントを捉えて記事を作っているんですが、当然その記事に反応される方は、年間でぜんぜん違う時期に反応されている。恒常的に情報を伝えるように作ったというのも肝なのかなとは思っています。

大和田:ということで「Air Letter」のご紹介でした。2019年度からさらに取り組みの強化として、通年で継続をします。さらにこういったメディアとの取り組みの強化として、エンゲージメント施策の拡大をさせていただきました。

「Air Letter」からセカンドステップということで、より生活者に近い場所での施策を行います。