譲れない思いを1分で語る「Talk Your Will」

河原あず氏(以下、河原):続きましてエントリーナンバー7番。ニシダテさん、前のほうによろしくお願いします。拍手でお迎えください。

(会場拍手)

ニシダテさんは羊一さんとは旧知の仲とうかがったんですが。

ニシダテ氏(以下、ニシダテ):はい。いつもお世話になっています。

河原:どんなことをやられているんですか?

ニシダテ:さっき話題にあがった、『Talk Your Will』というイベントの運営メンバーとして関わらせてもらっています。ハードル上がります? 大丈夫ですか?

伊藤羊一氏(以下、伊藤):ハードルは上がるよね。

(会場笑)

ニシダテ:そうだと思っていました。はい。

河原:どうです? 新しい趣向のこういうイベントを見て。

ニシダテ:なんか、イベント名自体は何回も聞いたなって、イベントページ見るたびに思ってて、まさか自分がここに立つと思っていなかったので、昨日からずっと原稿が頭から飛んでは入れて、飛んでは入れてという状態だし、足が震えてどうしようかなという感じなので、温かく見守ってください。

河原:はい、よろしくお願いします。それでは1分間のプレゼンテーションです。1分であたりまえを疑え! ニシダテさんのプレゼンです。用意スタート!

フィードバックをもらうことで自分の「あたりまえ」に気付ける

ニシダテ:自分の中にあるあたりまえって、とても根深いものだと思いませんか? 僕はいろんな場所に行って、たくさんの人に出会い、学ぶ中で、仕事は自分で選択することでいくらでも楽しくできる、そう考えるようになりました。

しかし、先日、「自分がこの活動はとにかく楽しんでやりたいから本業にしたくない」と発言し、それって思考の固まってしまった人と同じ考え方だよとフィードバックをいただきました。

自分にとって、これはあたりまえだと思ってなかったことが、他人のフィードバックをもらうことであたりまえと気付けて、こういった繋がりって大切だと思っています。僕は、そういった繋がりをもっと作って広めていける、そんな人を目指しています。ぜひ、応援してください。

(会場拍手)

河原:はい。それではいかがでしょうか。

伊藤:確かにさ、自分がなんか意見を持ってて、他人からフィードバック受けると、ああ、そうかと思う。そうかそうか、凝り固まっていた。でも一方で、自分の意見って持たなきゃいけないじゃないですか。

そこって本当に難しいですよね。それで今、ニシダテさんの話を聞きながら、あ、そうか、俺の意見持たなきゃいけないけど、フィードバックも受ける、俺どうすりゃいいんだって、ちょっと今、モヤモヤしながら。

(会場笑)

河原:羊一さんの何かをえぐったみたいです。

(会場笑)

伊藤:そのとおりだわと思ってね。

ニシダテ:ぜひ考えてみます。

河原:はい、ありがとうございます。

(会場拍手)

人と比べることで、自分が辛くなるような思考に陥ってしまう

澤円氏(以下、澤):非常によかったと思うんですけど、ただ、もしかしたら自分でやたらめったら、自分の中のハードルを上げていたんじゃないかな、という気がして。というのも、(ご自分が)イベントの運営として関わっていますから、聞いている数でいうと数百人分の1分間スピーチを聞いてきている。

ということは、自分はもっとうまくやらなきゃいけないんじゃないか、とか思ってたんだとしたら、そういうことを思う必要はぜんぜんないです。わざわざ自分が辛くなるような思考に陥るって、自分が不幸になるだけなんで。

別に、それに縛られててぜんぜんダメだったというつもりはないですよ。次にやるときはもっと気楽にやりなさい、というだけの話なんですけど。

ただ、その中であってもいい声の出し方もしていましたし、随所にいろいろな人からちゃんと学んで、もしくは盗んで、そのエッセンスというのを取り入れていたんだろうなというのが、ちゃんとバレていますんで、安心してください。

(会場笑、拍手)

河原:ありがとうございます。はい、あゆみさん。

藤本あゆみ氏(以下、藤本):やはり緊張が伝わってきて、初々しい感じが(笑)。さっき澤さんがおっしゃったとおり、(他の人のスピーチを)見てしまったからこそのモヤモヤ感というのがリアルに出ていたな、というのがありまして、1個アドバイスすると、マイクが遠かったんですよ。

河原:あ、そうね。

藤本:こういうふうにしゃべっているから、本当に声が大きいんだったらいいんだけれども、そんなに大きくないので、だったら、マイクにちゃんと音を乗せるだけでもものすごくよく聞こえるので、ぜひ気をつけてみてください。

河原:はい、ありがとうございます。

(会場拍手)

プレゼン時のマイクの持ち方

河原:確かに僕も、いろんな方とイベントをやる中で、マイクを使うことって、ふだんはカラオケくらいしかないじゃないですか。なかなかマイク使ってしゃべるって経験ないですよね。

伊藤:あのね、1つアドバイスしておくと、僕、マイクをあごにつけちゃいます。

河原:僕も一緒。

伊藤:つけてあったら震えもしないし。

河原:これね、リリー・フランキー流っていうんですよ。リリー・フランキーさんがこうやれって言ってたんですよ。

伊藤:間違ってもこうやって持たないことね(歌手みたいにマイクを持つ)。こうするとね、BOφWYの氷室みたいになっちゃう。

(会場笑)

かっこつけてんなと言われちゃうんで、ここにつけちゃう。

藤本:私、反対です。まっすぐ。私、放送部だったので。

伊藤:そうなんですか。こうなっちゃうじゃないですか。(手が震える動作)

藤本:なので、それを(震えないように)練習する。

河原:なるほど。

伊藤:僕、震えちゃうんだよ。やはりこうやって押さえる。これでだいたい大丈夫です。

河原:僕もステージで最初に教わったのはこれでした。(あごにマイクを付ける動作)。あまり付けて近づけすぎると声がこもるので、ちょっと外すという感じですけど。まさかのマイクの使い方講座。

(会場笑)

ありがとうございました。それでは続いてのプレゼンターいきましょう。ナツミさんです。よろしくお願いします。

(会場拍手)

母親のあたりまえ3K「家事・子育て・会社」をやめる

ナツミ氏(以下、ナツミ):ちょっとつけて練習してみます。こんにちは。(マイクをあごにつける)。

河原:声の通りがぜんぜん違う。簡単な紹介をお願いします。

ナツミ:日本ヒューレット・パッカードという会社でマーケティングをやっておりまして、12月にYahoo!アカデミアの合宿に参加させていただいて、羊一さんにお世話になりました。

河原:HPとMicrosoft。なるほど。

(会場笑)

ナツミ:パートナーです。

河原:そうですか。OSですもんね。そんな感じですね。それでは、ナツミさん、準備はよろしいでしょうか。1分であたりまえを疑え! ナツミさんのプレゼンテーションです。用意スタート!

ナツミ:私は、母親のあたりまえ3Kをやめます。3Kとは、家事、子育て、会社。全部を100点にするっていうのは無理です。仕事をして保育園に迎えに行って、料理作って、寝かしつけして、また仕事を再開する。そして自分のやりたいことはできない。

そんな母親の3Kを3Aにアップデートしたいと思ってコミュニティを作りました。3Aとは、合わせて100点、ありのまま、そして、遊べるということ。今、コミュニティメンバーは120人になっています。中には、週5で飲みに行っている人や。

(会場笑)

ずっと子育てをシェアしている人もいます。そんなみんなでスキルとか経験とかをシェアして、母親をアップデートしていきます。よろしくお願いします。

(会場拍手)

母親の3Aは「合わせて100点・ありのまま・遊べる」

河原:すごくわかりやすかったですね。羊一さん、いかがですか。

伊藤:ありがとうございました。そのコミュニティ自体は知っていたんですけれども、コミュニティがどういう意図で作られたのかというのは、初めて聞きました。ありがとうございます。僕は普段、プレゼンで「こうあったらもっといいよ」というようなアドバイスはあんまりしないんですけど、1つだけ。

せっかくキーワードを言ってもらったので惜しかったなと思うのは、3Aまではよかったんですけど、「ありのまま」、「遊べる」はメモったんだけど、最初の1つを忘れちゃったんですよ。だから、最後にもう1回コミュニティのキーワードを言ってくれたら。

ナツミ:最後にということですか。「合わせて100点」……。

伊藤:合わせて100点。覚えられなかった!

(会場笑)

なるほどね。ありがとうございました。

河原:はい、ありがとうございます。

(会場拍手)

他の人に話したくなるプレゼンを意識する

:3Kというのと3Aというので、これは、パワーワードとして非常にわかりやすいなっていう。さっきも言いましたけど、1分の話題をグッと詰め込んだというのは、すごく効率がいいし覚えやすいし、あと言いたくなる。

今おっしゃったとおりで、最初の「合わせて100点」がちょっと長めなので、繰り返して言うと完全に染み込んだかなという感じがありますね。そうすると、何が起きるかと言うと、ここにいる人たちがこの話を持って帰ってくれます。

持って帰って、「今日おもしろい話聞いちゃった」と他の人に言って、あっという間にコミュニティが広がることになるので。これだけの人数が広めてくれるって、指数関数的に広がっていきますからね。

せっかくしゃべるんだったら、会場にいる人たちが聞くだけじゃなくて、出ていったあとにその人たちが言いふらすというところまでイメージをして話をすると、これはぜんぜん受け取り方が違ってきますので、やってみるといいんじゃないかなと思います。でも、3Aってすごくいいコミュニティであり、キーワードだなと思います。ありがとうございます。

河原:ありがとうございます。

(会場拍手)

けっこうこれ、高次元なアドバイスですよね。会場の外、持ち帰って言いたくなるって、さすがプレゼンの神。はい、ありがとうございます。あゆみさん。

テンポや韻を踏む工夫で、もっと持ち帰りたくなるプレゼンに

藤本:マーケティングですよね。だとすると、言葉尻を揃えてあげる。短くするだけではなくて、テンポだったり、言葉尻で韻を踏んであげるようになるともっといいですね。マーケティングのプロだったらそれができるはずなので。

河原:ラッパーみたいな感じで。「父への尊敬、母への敬意」みたいな。これで笑う人は世代がバレますから。

(会場笑)

藤本:みたいな感じでね(笑)。そうなると、持って帰る人が増えるんじゃないかなと。すごく落ち着いていらっしゃったので、私たちもすごく落ち着いて聞けたなと思います。お疲れ様でした。

ナツミ:ありがとうございます。

河原:はい。大きな拍手をお願いします。

(会場拍手)

すごくペースがいいですね。みんなオンタイムでガンガンいってるのと、あとね、みなさんお気づきかわかんないですけど、審査員の1コメントがだいたい1分なんですよ。これもやはり羊一さん、計算どおり。

伊藤:これはもう必死ですよ。本当に。

(会場笑)

河原:ですよね。はい。ありがとうございます。さすが、『1分で話せ』好評発売中。

(会場笑)

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言語学こじらせ系OLが登壇

河原:それでは、第1部最後のプレゼンテーションです。チヒロさん、よろしくお願いします。拍手でお迎えください。

(会場拍手)

簡単な自己紹介をお願いします。

チヒロ氏(以下、チヒロ):ひと言でいうと、言語学こじらせ系OLです。

河原:言語学こじらせ系OL。けっこうパワーワードですね。

(会場笑)

チヒロ:最盛期のころは、フィリピンに行ってタガログ語で論文を書いていたりします。

河原:最盛期がタガログ語。

チヒロ:でも、今はせいぜい沖縄旅行に行って、ガノ交替という言語現象に萌えるくらい……。

河原:ガノ交替ってなんですか。

(会場笑)

チヒロ:生物と微生物が主語になった場合に、「ガ」と「ノ」が入れ替わる。

河原:『君の名は。』みたいなやつ?

チヒロ:そうですね。

河原:ノリで言ったんですけど。なるほど。そういう感じなんですね。ということで、1分間のプレゼン……なるほどって言うけど羊一さん、「ガノ交替」わかってます?

(会場笑)

伊藤:考えています。

河原:考えています。はい、大丈夫そうですね。それでは1分間のプレゼンテーションです。1分であたりまえを疑え! チヒロさんのプレゼンテーション、用意スタート!

言語のあたりまえを疑うことで、多様性の価値を伝えたい

チヒロ:今日は言語の3つのあたりまえを疑うことで、多様性の価値についてお伝えしたいと思っています。1つ目、言語は減らない、変わらない。これは嘘です。今、世界にある7,000の言語のうち、100年後には9割が消失してしまうと言われています。

2つ目のあたりまえ。言語の減少なんて私には関係ない。違います。言語の減少を見ると、生物多様性の減少というのは明確に相関関係があります。だから、……するってぇと。

(会場笑)

食糧危機が加速する。すると、自分たちにしわ寄せが来ます。3つ目。みんなが同じ言語を話せば、世界は平和でしょ? 違います。世界の動植物、8割がまだ研究されていません。でも……。

河原:すいません! 終了です。ありがとうございました。

(会場拍手)

はい。羊一さんいかがですか。

伊藤:いや、これ、途中で終わっちゃったから、今、続きが聞きたくてしょうがない。

(会場笑)

河原:狙いだとしたら相当くせ者ですよ。

(会場笑)

伊藤:2つまでよくわかったんで、そのとおりだなと思うんで勉強するわ。ありがとうございます。

河原:はい、ありがとうございます。

:会場の6割5分くらいの人たちはですね、「……するってぇと」にかなりハマっていました。

(会場笑)

河原:これ、でも、そのワンワードが言語の多様性の素晴らしさを物語っていますよね。

:凝縮していますよね。それまでのおっとりとした語り口から、いきなり江戸っ子ですよ。

(会場笑)

河原:べらんめえ口調。

:それで、僕とあゆみさんは完全に崩壊しました。

(会場笑)

澤氏のプレゼンバトルに感化されて登壇

河原:ありがとうございます。はい、あゆみさん。するってぇといかがですか?

藤本:(笑)。それしかもうコメントがない。

(会場笑)

やはり最後まで聞いてみたかったなというのはあるので、プレゼンとしてはもうちょっとまとまっているといいなっていうのと、始めの1個目が出なかったので、ちょっと焦ったなという感じがしちゃって、落ち着いて最後の方までしゃべれたらもっと良かったのかなと思っています。

河原:ありがとうございます。

チヒロ:ありがとうございました。

(会場拍手)

河原:おいくつなんですか?

チヒロ:私、24です。社会人3年目。

河原:今回はどういう経緯で登壇しようと思ったんですか?

チヒロ:私、澤さんのプレゼンバトルを観覧しまして、登壇したというクチです。

伊藤:クチですねぇ。

河原:なるほど。でもやはり、パブリックイメージで見ると、こういう方が前に出てきてしゃべるという印象はないじゃないですか。だけど、それを堂々と自分のキャラクターで貫き通すって、本当やっぱり、萌えますね。

伊藤:確信犯かなとかって思いますもんね。

河原:かなりロックを感じたと。はい。それではチヒロさんに大きな拍手をお願いします。

(会場拍手)