ビジネスパフォーマンスが上がる環境の作り方

木村和貴氏(以下、木村):これより「AMP(アンプ)」のイベントを開始したいと思います。ビジネスメディア「AMP(アンプ)」は、ミレニアル世代向けのビジネスインスピレーションメディアとうたっております。

1980年代以降に生まれたミレニアル世代向けに、先端のテクノロジーやビジネスモデル、カルチャーなどのテーマを扱っているメディアです。私が編集長をしております、木村和貴と申します。本日のファシリテーターは僕がさせていただきます。

本日ですが、Twitterの投稿は大歓迎です。トークセッション中も僕がスマホで確認して、「コメント出ているかな?」と見て、おもしろいものがあればセッション中に話題に出そうかなと思っておりますので、ぜひ投稿をお願いいたします。

本日は「ビジネスパフォーマンス向上のための環境づくり」というテーマで、すてきなゲストをお迎えして進めてまいります。背景にあるのは働き方改革です。みなさんも耳にタコができるぐらい聞いていると思いますが、どの会社さんも積極的な取り組みをされているのではないでしょうか。特に残業時間の削減や時短に関するテーマがすごく多いと思います。

一方で、働く人の目線に立つと、「時短はするけれど、パフォーマンスそのものが落ちちゃダメだよね。そこで詰められても……」みたいな意見もあるでしょう。時短をしていくなかで、どうやってパフォーマンスを上げていくかが課題です。会社が取り組む働き方改革は、組織として行われるようなことだと思います。

個人として自分のパフォーマンスを上げていく取り組みって、いろいろできるんじゃないかと思うんです。仕事のオペレーションに目がいきがちで、自分の働く環境を自分でつくれる範囲で変えていくことに、あまり気にせずにすごしている方も多いのかなと思っております。

そこで、ビジネスパフォーマンス向上環境づくりという領域で、いろんな活動をされているゲストをお呼びしました。今日はそのゲストとトークセッションを繰り広げていければなと思っています。

本日の登壇者は、JINS MEME(ジンズ・ミーム)事業部の井上さん、デロンギジャパンの宇佐美さん、そしてリプロの三木さんのお三方です。まずは自己紹介の方をしていただこうかなと思います。それでは井上さんからよろしくお願いします。

人の集中度合いを測るメガネ「JINS MEME」

井上一鷹(以下、井上):よろしくお願いいたします。ただいまご紹介に預かりましたジンズというメガネ屋でですね……ご存知の方もいらっしゃると思うんですが。

(三木、木村挙手)

井上:(笑)。僕は普通のメガネをかけているだけに見えると思うのですが、実は僕のスマートフォンと繋がっていて、いついかなるときに、僕がどれくらい集中して物事に取り組んでいるかを測るデバイスをつくっています。井上と申します。

こういうデバイスをつくるだけでも新しいことをやっているつもりなんですが、うちの会社はもうちょっと気張っていてですね。今、働き方改革の話を木村さんもされていました。どういう環境だったら生産性が上がるかとか、パフォーマンスが上がるかをJINS MEMEを通じて計測しています。

今まで、述べ1万人もの「誰がいつ集中しているか?」というデータを取ってきました。うちのデータサーバーには、それがたまっています。そして1年半前、「だとしたら、世界で一番集中できる場所をつくれるのって、俺らじゃね?」と気づいたんです。勘違いしたのかどうかわからないですけれど、そう思って今日の会場の「Think Lab」というワークスペースをつくりました。このJINS MEMEとThink Labの事業責任者をしております。

詳細の説明をすると長くなるので、簡単にまとめます。JINS MEMEはこの見た目で、目の動きと瞬きと姿勢のデータを取っています。ざっくりいうと、人って集中すると、まばたきがむちゃくちゃ減ります。例えば風除けをやっているアスリートでいうと、アルペンスキーヤーって、2分くらいのコースでは一回もまばたきをしないらしいんですよ。

一般的な人間は、1分間に20回くらいの瞬きをするんですけれど、これが集中状態になると、3回から4回くらいになります。それをやりすぎると、疲れすぎてドライアイになると言われていたりもします。これはメガネ屋として気になります。

だから、単にパフォーマンスを上げればいいというものではなくて、それとの付き合い方を考えないといけない。測ることの意味があるかなと思ってやっております。

余裕をもって作られた本社オフィスなのに、ぜんぜん集中できていなかった

井上:僕の自己紹介はどうでもいいんですけれど、もともとはコンサルティングファームで、働き方改革なんて言葉を口にしちゃいけないような労働環境におりました。

時間当たりのパフォーマンスではなく、お客さんがむちゃくちゃなお金を払ってくれているので、「お客さんの3倍は考えろ!」みたいな根性論でコンサルティングファームは成り立っていました。そんな世界ですごしてまいりました。

そこで、なんとなくメーカーの新規事業とかを外からサポートしていてもイノベーションは起こせないなと思っていました。僕はハードウェアのイノベーションをしたかったので、ジンズという会社に入ってみました。ジンズに入ったときは、売上規模で100億くらい、本社社員が50人以下くらいです。

意思決定のスピードが速くないとイノベーションは起こせないなと思って、この会社に入って、こんなことをやらせていただいています。ざっくりいうと、集中を測ること。測ることで分かったものをしっかり研究する。その研究結果を空間に落としていくことを仕事にしております。

うちの会社なんですが、この上の30階の1フロアで、1,000坪くらいあるんです。1,000坪を180人くらいで、むちゃくちゃ贅沢に使っているんですよ。通路だけで200坪もあるような、むちゃくちゃいいところなんです。そんなにお金をかけているのに、JINS MEMEで測ってみたら、僕らはぜんぜん集中していないことがわかって……。

木村:マジですか……。

(会場笑)

井上:そこで「なんでだろう? お金をかけているのにぜんぜん集中はできていないな」という話になって、調べていきました。

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