日本のお産は本当に遅れているのか?

河原あず氏(以下、河原):それでは、3人目のプレゼンターです。イリコマさんです。よろしくお願いします。

(会場拍手)

イリコマ氏(以下、イリコマ):イリコマと申します。浜松の方で無痛分娩コンサルティング業というのを起業しまして、今、三期目です。ただ、半分以上東京にいますので、原宿ほど近くはないんですけれども、その辺で仕事をしたり。

河原:なるほど。うなぎを食べたくなったら浜松に帰って(笑)。

イリコマ:明後日帰ります。

河原:なるほど(笑)。そういうことですね。いいな。それではイリコマさんの……。

イリコマ:ちなみに、羊一さんの教え子にあたります。

河原:あ、そうなんですか。(伊藤さんの)目がキラーンとしました。「教え子よ」。

伊藤羊一氏(以下、伊藤):厳しくなるよね。

(会場笑)

河原:そこで滑ったら、師匠の立場がっていう、プレッシャーを過度に与えてもしょうがないので、大丈夫ですか? それでは、1分間のプレゼンテーションいきたいと思います。用意スタート!

イリコマ:日本の医療は本当に遅れているのか、何を根拠にそんなことを言っているのか、お産の業界で考えたいと思います。論点は3つ。アクセス、安全性、そしてコスト。まずアクセス。海外では、家から遠い巨大分娩センターでベルトコンベア作業のようなお産をします。それでいいんですか?

2つめ。安全性。どの国にもダメな医者がいます。ただ選ぶのが日本人は下手かもしれない。しかし、日本の周産期死亡率は世界で一番低いんです。3つめ。コスト。アメリカでお産をすると、日本の3倍かかります。でも、日本ではお産のあとにお金が返ってくるというオマケ付き。これらの論点から言って、本当に日本のお産は遅れているのか。みなさん、自分の頭で考えろ! そして、メディアを疑え! そして、行動に責任を持て! これがジャパンウェイだ!

(会場拍手)

ピッチで「時間が足りなくて説明できない」はNGワード

河原:すごくライブ感が。羊一さん、教え子はいかがでしたか?

伊藤:たぶん僕の授業受けたの2年前くらいだと思うんですけど、そういうこともあってちょっと落とそうと思っていたんですけど……成長したねぇ。

(会場笑)

イリコマ:本当にがんばりました。

伊藤:本当だね。言葉に力がこもっていて、すごくよかったです。

澤円氏(以下、澤):声がいいですよね。聞きやすくて。1分しかないのに、3つのポイントをちゃんと全部説明しきるというのと、それぞれがきちんとロジックも一貫性があって、この1分というものをちゃんと明確でありつつ、すごくわかりやすく効率的に使っていたというところ。

「時間が足りなくて、これ説明できないんですけど」という言い訳する人が、すごく多いんですが、あれ大嫌いなんですよ。ピッチコンテストでそれを言ったとたんに僕、だいたい点数減点しちゃうんですよ。

河原:なるほど。

:その時間をプロデュースできない、という自己紹介をしたんだったら、あんたなんかに点をあげないよという気持ちなんだけど、1分をああやって完全に使い切るのも本当に素晴らしいなと思いました。ありがとうございました。

(会場拍手)

フィードバックは「グッド」と「もっと」

河原:ありがとうございました。本日、プレゼンの神が絶賛ですよ。どうしましょう。あゆみさん。

藤本あゆみ氏(以下、藤本):2人が大絶賛だったので、ちょっとだけ苦言を(笑)。せっかくそこまで自信たっぷりにできるんだったら、携帯を見ないほうがいいと思ったんです。携帯持っていると、みんな携帯に目がいっちゃうんですよ。

せっかくいい声出せていいジェスチャーなのに、この携帯がみんな気になっちゃって。しかも1回チラッと見ましたよね。あそこを見ないで、携帯を持たないでやりきったら、もっとすごくよかったと思います。

河原:なるほど。深い。

イリコマ:ストップウォッチを見ていたんです。体がいつも覚えろ、っていう。

藤本:あずさんを信じてやるか、それこそ準備して準備して1分を叩き込むというほうがいいと思います。お疲れ様でした。

伊藤:ちなみに、藤本さんのフィードバックについてポイント。要するに、改善点って「こうすると良くない」というと聞いている人は嫌になっちゃうじゃないですか。藤本さんなんて言ったかわかります? 「こうするともっとよくなる」って言ったのね。

フィードバックは“グッドもっと”。グッドポイントを言ったあと、こうするともっと良くなるよと言うと、「そうだね」って思うじゃないですか。この会の流れとは関係ないですが、本当に素晴らしいなと思って。

河原:いやいや、でもすごく重要なことですよね。みなさんぜひ、フィードバックはグッドもっと。それではイリコマさんに大きな拍手をお願いします。

(会場拍手)

「人前で話すのが苦手」という自分の思い込みを疑う

河原:みんな同志みたいに盛り上がっています。ちょっとほっこりしています。それでは次のプレゼンターです。拍手でお迎えください。オグラさん、よろしくお願いします。

(会場拍手)

なんか、かっこいい体でいらっしゃる。簡単な自己紹介を。

オグラ氏(以下、オグラ):渋谷の某IT企業で事業企画をしているオグラと申します。よろしくお願いいたします。

河原:今回はどういうきっかけでこのイベントを。

オグラ:1月の『Talk Your Will』を拝見させていただいて、ちょっとあっち(ステージ)に立ってみたいなと思って。

河原:これ、羊一さん、一番好きなパターンじゃないですか?

(会場笑)

こっち側にいきたいと思ってくれるオーディエンス。なるほど。楽しみにしております。それでは1分間のプレゼンテーション、合図とともにスタートしていただきます。よろしいでしょうか? 用意スタート!

オグラ:今日、この会場の中にもいるかもしれません、同じような考え方を持っている人が。自分は人前で話すのが苦手。それで誰かに影響を与えたり、世の中を変えるなんて、そんなとんでもないことは自分にはできない。私も少なからずそういう考えの持ち主でした。

でも、みなさんも考えてみてください。それ、誰かに言われたことありますか? 私はないです。自分で勝手に自分はそういう人間だって決めつけて、それを鵜呑みにして、あたりまえに過ごしてきました。だから、私は今日、そのあたりまえを疑いたくてここに立ってしゃべろうと思いました。

あたりまえを疑うことで、ほんのちょっとですけど勇気が持てましたし、もしこの勇気が連鎖して、誰かの一歩に繋がれば、その一歩一歩が世の中でどんどん変わっていける力になるんじゃないかなって、そう今は思っています。ご清聴ありがとうございます。

(会場拍手)

プレゼンは場数を踏むことも大切

河原:はい。ということで、なんだかぜんぜん芸風が違う(笑)。

(会場笑)

スポンジみたいにすごく浸透する感じがしました。羊一さん、いかがですか?

伊藤:いやぁ、さっきから最高としか言ってないんですけど、本当によかったですね。

河原:最&高!

伊藤:おっしゃるとおりで、結局、僕も澤さんも、プレゼンに関して偉そうなこといつも言ってますけど(笑)。これね、単なる場数なんですよ、場数。澤さんも僕も年間に300回近くしゃべっているからそれっぽく見えるの。こうやって立ってみると、やってみてこんなもんだっていう感じでしょ?

オグラ:楽しかったです。

伊藤:ね! そうなんですよ。楽しんでいただいて、本当に今日いらっしゃってる方もそうなんだと思って、次があるときには出ていただけたらと思います。ありがとうございます。

(会場拍手)

:社名出しちゃいけないの?

オグラ:あ、大丈夫です。

人前で話すことは全人類が苦手なもの

:というのは、僕が顧問やっている会社だったので。こうやってやる(人差し指を指す動作)会社です。

僕が創業当時からずっと顧問やってるんで、入社当時からずっと知っている人なんですよね。それはともかくとして、なにがいいって、まず、プレゼンテーションというか、人前で話すパブリック・スピーキングね。これって、日本人はすごく苦手だとかシャイだとか言うんですけど、全世界どこにいってもアンケートで一番怖いものってパブリック・スピーキングなんですよ。

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