コミュニティマーケティングのプロフェッショナル
SUPERIDOL氏(以下、SUPERIDOL):さっそく自己紹介をやっていきましょうか。
小島英揮氏(以下、小島):そうですね。
SUPERIDOL:SUPERIDOLでございます。「WeWork Ark Hills South」という日本最初のWeWork拠点のメンバーを、去年の2月のオープンからずっとやらせていただいています。
例えば、大阪にあるWeWork Namba SkyoメンバーのHUGO BOSSさんがイベントをやりたいなといったときに、どうすればブランドのイメージをきちんと伝えながらイベントが盛り上がるか、一緒に考えてつくっていったりしています。
ほかにもWeWorkのメンバーだけではなく、WeWork Japan自体のイベントを一緒にやらせていただいたりもしています。スライドの真ん中上下に出ている写真のうち、上のほうが大阪の拠点がオープンした際、下のほうが福岡の拠点をオープンした際のパーティのものです。
また、東京の日本橋で働く人たちがまちづくりをしている「日本橋フレンド」という団体があるのですが、そこの活動をしていたりしています。その他にも、最近ではesports、いわゆるゲームの競技シーンの写真や映像を撮っています。
イベントをつくったり盛り上げたりしながら、どういうコンテンツに落としこむと、コミュニティやファン、そのシーンのみなさんが盛り上がってくれるのかをコンテンツづくりの立場から考えていくような活動をさせていただいています。よろしくお願いします。
(会場拍手)
小島:みなさん、こんばんは。
会場:こんばんは。
小島:反応があってよかったです(笑)。小島と申します。最近、自分の職業を「パラレルマーケター」と呼んでいます。パラレルは「複数」「同時並行に」ということですよね。僕は、複数の会社でマーケティングの仕事をしていて、本業があって副業という正副の「副」業じゃなく、本当に「複」数をやっているので、パラレルマーケターと呼んでいます。
この『ビジネスも人生もグロースさせる コミュニティマーケティング』(日本実業出版社)という本を出しまして、それで今日は呼ばれているんじゃないかなと思っています。
AdobeやAmazon、それから今携わっている会社でもいくつかやっているマーケティング手法の一つに「コミュニティを通じて、いろんなファンとかお客様を開拓する」というのがあります。それを僕は「コミュニティマーケティング」とずっと呼んでたんですけれども、最近このワードを僕以外の人もけっこう使うようになってきた。みなさんも関心があるところなんじゃないかなと思います。この話が今日できればいいなと思ってまいりました。どうぞよろしくお願いします。
(会場拍手)
大企業に勤めていると五感がなくなる
SUPERIDOL:では、さっそく次のスライドをめくっていただいて。まず、「なぜ今コミュニティが注目されているのか?」というお話です。
小島:本当に(コミュニティって)注目されているんですかね? 注目している人はどれぐらいいますか? これ、あんまり(手が)挙がらないと今日の話は終わっちゃいそうなんですが。
(会場挙手)
よかったです。
SUPERIDOL:これは小島さんから教えていただいた記事で、ちょうど先週ぐらいにアスキーさんに上がっていましたね。
小島:そうですね。けっこうバズっていたので読んだ方もいると思います。読まれた方いますかね。ちょっとスクリーンショットがないのであれなんですけれども。
「大企業に勤めていると五感を使わなくなるよ」という話が書いてあって。社内と競合しか見ないと、“二感”しかなくなる。つまりものすごく世界が小さくなって、ものさしが小さくなっちゃいますよということです。いろんな変化に対応できない。今日はオープンイノベーションや新規事業の話がけっこう多いと思うんですけれども、そもそもそんな(イノベーションをおこす)レベルにいけない、既存の枠でしかものが見えなくなるので、大企業だとけっこう難しいよねという話がこれです。
読んだとか見た覚えがある人います?
(会場挙手)
けっこういらっしゃいますね。で、「このままだと、企業の中にいるといろいろものが見えないので、外とつながる軸が必要ですよね」ということに、コミュニティというのが重要性を増しているんじゃないかなと思っています。
「外との接点をどうつくるか?」という話だと思うんですけれども、お客さんの視点というのは社内にいてもわからないんですよね。お客様と会う場が必要だとか、お客さんと会話する場が必要だと。グループインタビューとかいろんなものがあると思うんですけれども、実際にお客様が使っている場に行くのが一番いいんじゃないかということです。
新規事業をやろうと思ったら、なおのこと外の新しいアイデアを(取り入れる必要がある)。イノベーションは既存のアイデアの組み合わせでできるという話がありましたけど、社内にはアイデアの数が足りないのでイノベーションが起きないわけですね。そうしたら外と接点を持つしかないので、媒体としてのコミュニティが必要なのではないかなと思います。