2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
Why You Can't Really Sweat Out Toxins(全1記事)
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インターネットを使う人であれば、おかしな噂についての記事を読んだ経験があることでしょう。例えば、「体には毒素が溜まるので、何かを使って排出する必要がある」と謳う類のものです。
毒素を排出するために、ある人はジュースクレンズのためにジュースを愛飲し、またある人はサウナで汗を流して、毛穴から毒素を排出しようとします。
もし、みなさんがこのようなことを好んで実行しているのだとしたら、ここで悪いニュースです。ジュースクレンズにデトックス効果はありません。さらに、実は発汗にもあまりデトックス効果は期待できないのです。
しかしありがたいことに、私たちが持って生まれた内臓には、毒素を排出する高い能力があります。
厳密な定義では、毒素とは生体によって産生された有害物質を指します。しかし毒素という言葉は、一般的に由来を無視した体に悪いもの全般といった、あいまいな使われ方をしています。
たしかに人体はさまざまな有害物質を排出する必要があり、薬品やアルコール、農薬など、処理するべきものの枚挙には暇がありません。
また、人体は体内でも大量の毒素を産生するため、毒素の排出は不可欠です。日々生きていくための代謝の副産物がそれで、たんぱく質の分解により生成されるアンモニアや尿素、200万個もの赤血球がたえずリサイクルされる過程から生成されるビリルビン、呼気に含まれる二酸化炭素などが挙げられます。
通常範囲内の濃度であれば害はありませんが、蓄積されればやはり問題となります。その観点からすれば「体内毒素を排出するべき説」は、正しいのかもしれません。ただ、いずれにせよ身体が毒素を排出するのは、発汗によってではないのです。
有害物質の排出でカギになるのは肝臓と腎臓で、この二つの臓器がほとんどの役割を担います。たとえば肝臓は精力的にデトックスを行い、アンモニアなどの代謝による有害な老廃物を化学反応により解毒し、毒性の少ない尿素などに変換します。
他にも、肝臓には強力で多機能な酵素が多々あり、それらが化学薬品などの他の成分も解毒してくれます。赤血球から生成されるビリルビンは、肝臓の働きにより胆汁へと変換され、やがて便として排泄されます。ちなみに大便の茶色は、ビリルビンが由来です。
残りの老廃物は、血流に乗って腎臓に運ばれます。腎臓の働きもまた目覚ましく、血液を濾過する体内フィルターのような役割を果たします。体内に取り込まれたもののうち、栄養素などの必要な成分は再吸収し、不要なものは尿として排泄します。尿素をはじめ、肝臓で分解された老廃物や、ホルモンや薬品のような微量の成分、その他さまざまな微量の毒素までも濾過して排出します。
また、血中のミネラルや水分、電解質などの成分量を健康な状態に保ちます。このようなバランスが崩れると、命に関わることもあるのです。このように肝臓と腎臓は、体内の「毒素」をうまくコントロールしているのです。
汗が体内の不要なものを排出するという考えは、ひょっとすると顕微鏡レベルでは、汗腺の構造と能力が腎臓に似ていることからきているのかもしれません。汗と尿には、尿の方がはるかに濃度が高いという点を除き、共通点がたくさんあります。
汗の含有成分は、主に塩分やミネラル、代謝による老廃物で、これに加えてごく微量の重金属や薬物、BPA(注:ビスフェノールA)、農薬なども含まれます。しかしここでいう汗に含まれる「ごく微量」の毒素とは、たとえ排出されたとしても健康上の利益にはなりえないほどのわずかな量です。たまに汗が臭う時がありますが、それは別に汗がヒロイックな働きをしてくれているからではないのです。
汗の主な働きは、体を冷やすことです。また、原因不明ですが、緊張している時にも汗をかきます。皮膚が腎臓のような働きをすることは、一定条件下でたしかにあり、通常であれば尿として排泄されるものが、汗で排出されることがたまにあります。一定条件とは、腎臓の病気やコレラなどの病です。皮膚が腎臓のような働きをはじめたなら、ひょっとして大きな病気が隠れているのかもしれません。
つまり通常の場合であれば、汗には肝臓や腎臓ほど毒素を排出する高い機能はありません。発汗デトックスセラピーセットの売り手は、自覚の有無は別として、恐怖を盾にモノを売りつけようとしているだけなのです。サウナやホットヨガといったその他の発汗を促す物には、健康上の利益はたしかにありますが、それは毒素を排出することではありません。肝臓と腎臓が健康であれば、それだけで十分なのです。
さて、内臓器官が健康かどうかは別問題で、あいにくSciShowがお手伝いできることではありません。みなさんはしっかり病院で健康診断を受けてくださいね。また、予防ケアは全ての人にとって大切ですが、成長による変化が著しい幼児やティーンエイジャーにとっても、非常に大切なのです。
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