死に際のあり方

河上純二氏(以下、河上):宴もたけなわなんだけど、わりかし時間がグイグイいってるって知ってる?

下城伸也氏(以下、下城):早いっ。

及川真一朗氏(以下、及川):あら、本当だ!

河上:24時間テレビに切り替える?

(一同笑)

下城:楽しすぎですね。

河上:それは冗談なんだけど。せっかく時間軸で話をしてきたからさ。10年後までは聞いて、2人ともドロップアウトの話になっちゃってさ。48歳でドロップアウトみたいな感じになっちゃってるけど、1回ちょっと感覚を取り戻して。

あと100年時代とか言われているけどさ。死に間際と言ったらおかしいけど、後半戦のイメージみたいなさ。最後はどう? 自分としては、ちょうど下城さんの爪痕の話が出てきたから、ちょっとキザに話してもらってもいいと思うんだけど、死に間際っていうのかな。最後のところってどんなふうでありたい?

下城:死に間際のことはまったく考えたことなかったですね。

河上:前も話したかもしれないけど、俺は幸か不幸か、45歳まで友だち、親友、親族、家族でほとんど死んだ人がいないの。

下城:ええー!

河上:事故死も病死もね。だから、お葬式にほとんど行ったことがないのよ。だから、死というのをほとんど感じたことがなかった。まったくと言っていいほど。それが45歳を超えて今47歳で。1月で48歳になるんだけど、この2年ちょっとの間で友だちが3人亡くなったのね。それも前日まで元気で、朝起きたら亡くなっていたという人だけで3人現れた。

奥さんが朝起きたら気付いたみたいな。あんまり話すと誰かわかっちゃうけど、俺よりぜんぜん健康的で、スポーツをバキバキやってますという感じで。変な話がスポーツ団体の責任者ですみたいな人で。もちろん病気を持っていたわけじゃないよ。朝起きたら亡くなっていた。

原因もよくわからないんだけどというのが現れたから、それで俺も初めてちょっと待てよと。同世代だから、俺ももしかしたらこうやってしゃべってて明日起きたらあれ? みたいな話がありうる。

初めて現実に亡くなる。時間の限りがあるんだということ。そのためにどう自分なりに思い出のアルバムを作るの? と考えたら、思考回路がわりと急に変わった部分があってね。まだ終活はしないけど。

ただ、いずれもう亡くなったときでも「よかったな」と思えるように、できるだけしていかないとって思うようにはなっちゃったんだよね。まだ30代だから、だいぶ先だと思うけど、どういうふうに結末を迎えたいみたいなのがあったら聞いてみたいんだよね。

「感動した」というシチュエーションを残したい

下城:結末をどういうふうに迎えたいかというよりかは、やはり、なにを残していきたいかを先に考えていたので。自分の死に際というよりも。

河上:なにを残したい?

下城:けっこう考えた結果、1つ出てくるとすれば、人間として感動したというシチュエーションを残したいんですよね。人工知能とかはシンギュラリティに向かっていってという話になるんですけど、リスクテイクできるのが人間のいいところだなと思っていまして。リスクを取ってチャレンジしたことで感動できる。涙できるようなことが、人間にはできると思うんですよね。それが人をモチベートすることに繋がっていると思いまして。人として、そういうシーンを残したいんですよね。

僕スポーツをやっていたんで、オリンピックですごく頑張っている選手を見ると泣いちゃうんですよ。唄っている人を見ても泣きますし。和田アキ子さんが唄っているの見て泣くんで。

河上:『あの鐘を(鳴らすのはあなた)』だよね。

下城:氷川きよしさんとかも歌っていると泣いちゃうんで。

河上:よくわからないけども。

(一同笑)

下城:その人がリスクテイクしてきた人生の背景とかが出てきて、それを感じると泣いちゃったりするんですよね。そういうシーンを人類に残していきたいですね。

河上:なるほど。そういうサービスを残していきたい。サービスを作って置いていきたいという意味合い?

下城:そのサービスで残していきたいものを撮りたい。残したい。

河上:人類にそういうサービスを残していきたいってことだよね。自分のようにしたいってことでもないかな。

下城:自分がみなさんの感動できるシーンを残してあげたい。

河上:感動を提供する人として終わりたいってことね。和田アキ子であり、フローレンス・ジョイナーであり。

下城:はいはい。ジョイナー、懐かしいですね。

河上:マットビアン・・・・・・。

下城:ちょっとそこはわからないですね(笑)。

河上:なるほど。感動を提供する。じゃあ、本当にプレーヤーとしてということでもあるのかな?

下城:ああ、プレーヤーのほうじゃないかもしれないですね。会社として考えたらですけど。

チャレンジ中に死ぬかもしれない

河上:仕組みを残すってことでもあるかもしれない。

下城:そうですね。会社サービスでいうと「仕組みを残そう」かもしれないです。個人のほうではプレーヤーかもしれないですね。僕自身がチャレンジをずっとし続けたいので。死に際はチャレンジ中に死ぬかもしれないですね(笑)。

及川:ギリギリまでチャレンジしたいっていうのはありますよね。僕もけっこうありますよ。

河上:及川さんて、いつからそんなにアグレッシブだったの? 別に変なことを暴露するわけじゃないけど、昔けっこう音楽をバキバキやっていて、ビジネスマンというイメージはあまりなかったんだよね。

下城:ええー!

河上:それが久しぶりに会ったら、バキバキのビジネスマンになってたんですよね。

下城:ミュージシャンから。

河上:彼も変な話が隷属企業なのね。俺が説明するのもあれだけど、前はコールセンターを事業でやっているときに。

下城:へえー!

及川:その前はWeb制作会社でしたね。期間も7年間くらいあって。

河上:仕事なんて半分ぐらいしかやっていなくて、あとは音楽が……。

及川:僕もけっこう24時間仕事しましたね。

河上:量が多かった。

及川:レストランもやって、いつも「レーコー」って(笑)。

河上:あんまりいい思い出じゃない。

(一同笑)

下城:そういうお付き合いなんですね。ああ、そうかそうか。そういうことですね。

河上:あまりいい思い出はないな。

下城:今だいぶ見えましたね。

及川:溜池山王から歩いていって(笑)。

人生100年時代を生きる落着きのないおじさん

河上:そうそうそうそう。及ちゃんは最後の締めくくりみたいな理想的なイメージはあるの?

及川:僕はさっき言ったチャレンジしながらというのが、やはりありますよね。今これがチャレンジかどうかわからないですけど、37歳で50年後には87歳ですからね。

河上:50年ある。

及川:そういった意味ではけっこう可能性としてはあるので、どれだけチャレンジできるのかなと思います。チャレンジの回数を増やしたいというのはありますよね。できることがいろいろあると思うんですけど、けっこうギリギリまで・・・・・・。

河上:ギリギリまでやりたいと。65歳とかでもまだまだなんか模索しているような。

及川:僕ってたぶん、なにもしないのは3日までで。なにかこう、そろそろ動こうみたいになっちゃう可能性がありそうで、正月とか途中で耐えられなくなっちゃうんですよね(笑)。

下城:おっしゃっていることわかりますよ。

及川:2日目には外に出たいみたいになっちゃうので。

河上:そうだよね。もちろん健康である前提ではあるから、お互い健康は大事にするんだけどね。健康であったとしたら、たぶん昔は67歳の方とかは隠居という空気感で。

周りもそうだから、必然的にそういう生活スタイルになるんだけど、もう100年時代って言われていてさ。俺たちが67歳とかになったときには、わりかし「落ち着きのないおじさん」みたいな状況だったりする可能性は十分あるじゃない。

だから、そういうアクティブと言ったらいいのかわかんないけど、まだ67歳なんだけど、仲間がいれば、健康であれば、新しいスポーツを考えましたみたいなさ。おじいちゃんだけで始めたら、すごく大ヒットしましたみたいなことが起こったりとかさ。

第2のゲートボールじゃないけど、友だちがイスラエルにいてみたいなさ。そういう人が67歳で。今はあまり考えにくいけど、今後だったらぜんぜんありえそうじゃない。

下城:ありえそうですよね。

河上:エストニアに友だちのおじいちゃんがいてみたいなね。トークン回してますみたいな。

及川:筋力は衰えますけどね。その部分もITがいろいろ補うというのは十分考えられるんじゃないですかね。SNSとかもシニア向けのSNSができたりとか十分ありえるんじゃないですかね。

河上:そこに向かっていきましょうよ。

及川:ええ、そうですね。そういうところへ。

河上:おじいちゃんコミュニティを。

下城:そうですね。

河上:今からは早いでしょ。

下城:やりましょう。

(一同笑)

河上:宴もたけなわですけれども、これで1時間以上やってるよ。

下城:早いですね。

及川:本当だ。

下城:おもしろいですね。

河上:どうだろう? 2回目があるかどうかは、今のところわからないですけど。

下城:僕は知りません。

及川:(笑)。

河上:もしこれで終わっちゃったら、すべて下城さんのせいですよ。

(一同笑)

下城:僕のせい!? いやぁ、ちょっとディープな話をしちゃったかな。ちょっとお詫びを......。

河上:でも、いい話ができましたね。

及川:そうですね。

下城:ありがとうございます。

河上:ということで、今日はアマテラス株式会社の下城社長にいらっしゃっていただきました。ありがとうございました。

下城:ありがとうございました。

(一同拍手)

河上:じゃあ、次回がまたあれば最高ですね。ということで、ありがとうございました。