グランジと考える、笑いと広告コミュニケーション

坂東宏樹氏(以下、坂東):それでは本日のイベントを始めさせていただきたいと思います。

まずタイムスケジュールです。今から1時間で「グランジと考える笑いと広告コミュニケーション」というテーマでトークセッションを行います。

その後20時から「IPPON COPY GRAND PRIX」ということで、参加者の方と一緒にその場でコピーを考えていただくというイベントをさせていただこうと思ってます。この中にも申し込みをいただいた方がいると思います。21時からは、グランジの五明さんが出しました書籍の販売を限定で行います。

五明拓弥氏(以下、五明):買っていただかないと、重い荷物を持って帰ることになります。

坂東:(笑)。

遠山:全員1冊は買えるくらいの分はある?

井上慶彦氏(以下、井上):ダンボール2箱分届きました(笑)。

五明:(笑)。よろしくお願いいたします。

坂東:では簡単に自己紹介をお願いいたします。

五明:よろしくお願いします。普段僕らは吉本で芸人をやっている、グランジというトリオです。

遠山:はい、3人組です。

五明:もうひとり、大(だい)というメンバーがいます。そいつが3人の中じゃ1番知名度はあるかなと思います。椿鬼奴さんの旦那です。僕らはその相方です。

(会場笑)

遠山:僕らは付属品です。僕らを認識していただいているか、お客さんに聞いてみます?

五明:そうですね。まずはやっぱり距離感が大切だと思うんですよ。2時間あるので、徐々に詰めていきましょう。

遠山:え、聞かなくていいの?

五明:いや、聞いてくださいよ。

遠山:僕ら3人組のこと、なんでもいいから見たことあるよという方はいらっしゃいます?

(会場挙手)

あ! でもまあ……。

五明:あ~。思いのほかいる。

遠山:逆に初めて知りましたという方?

(会場挙手)

ありがとうございます。

遠山:初めての方が最前列にいるというね。どういう気持ちですか?

(会場笑)

五明:勇気のある女性。はい。よろしくお願いします。

井上:その流れで僕も1個だけ質問していいですか? この中でグランジさんのファンだから来たという人はどれくらいいらっしゃいますか?

五明:あ~いらっしゃるんですか? 挙げづらいんじゃないですか?

遠山:ちょっと待って。今の質問のときに、自分の前のきれいな女性の方がク~って笑い方をされてた!

参加者の女性:(井上氏が)申し訳なさそうに聞かれたので(笑)。

五明:でも正直恥ずかしいことじゃないんですよ? だからみなさん、1回目は伏せてください。

遠山:周りの目が気になって上げられないかもしれないからね。

五明:「あ、こいつグランジのファンなんだ」とね。

遠山:みなさん、ちょっと目を瞑ってもらっていいですか?

五明:みなさん、すみません。お仕事でもあると思います。はい、今みんな目を瞑ってますから、「私、グランジが目的で見に来たよ」という方は正直に手を上げてください。

(会場挙手)

ありがとうございます。はい。

遠山:本当に1人の方がいてくれました。

井上:奥にあと2名くらいいらっしゃいます。

遠山:本当ですか!? 誰ですか? 堂々といきましょうよ! あれ? 

五明:やっぱ恥ずかしいんだよね~。あ、ありがとうございます! よかったよかった。

井上:あと、広告、コピーが好きでいらっしゃったという方はどれくらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

五明:どのくらいいらっしゃいます? あ~。

井上:じゃあその他の方は、なんとなく来たという方はどれくらいいらっしゃいます?

五明:確かに。

(会場挙手)

あ~。『ミレニアルズ』のファンだという方もけっこういらっしゃるんじゃないですか?

井上:ミレニアルズのファンはいますかね?

(会場挙手)

五明:ほら。

井上:あれは関係者なんです。

坂東:全員関係者。

五明:お客さんだと思ってたら、けっこう関係者いたんですね(笑)。

遠山:なんとなくの方もすごくないですか。ここ23階っすよ。普通なんとなく23階に来ます!?

(会場笑)

五明:よく来れましたね。お忙しい中ありがとうございます。

五明氏は東京コピーライターズクラブの新人賞受賞者

遠山:自己紹介ですよね。そうだそうだ(笑)。3人組の、五明くんです。

五明:私は五明です。ちょっとめずらしい名字で、漢数字の五に明治時代の明で、五明と申します。

遠山:自分で言うの恥ずかしいかもしれないけど、2016年度のTCC賞、東京コピーライターズクラブで新人賞を受賞して、さらに第45回フジサンケイグループ広告大賞・メディア部門ラジオ最優秀賞も! なんと賞金も100万円出たよね。100万円はどうしてますか? 

五明:あの~、俺には1円も入ってこない。

遠山:(笑)。そういうルールらしいです。賞を取られてるくらいの大先生です。

五明:いや、やめてくださいよ。ありがたいですよね。で、この人が。

遠山:(スライドを指して)あ、これ僕です。

五明:宣材写真を撮るときにちょっと太ってたんですよ。今ダイエット企画でシュッとしてるんだよね。

遠山:そうです。今日も5キロ走ってきました。

五明:そんなグランジです。よろしくお願いします。

遠山:いや、もっとなんかあるだろ(笑)。もうちょっとなんか言ってよ。

五明:この人は東京FMで『SCHOOL OF LOCK!』という、月曜から金曜まで(ラジオ番組でパーソナリティーをしている)。

遠山:そうです。今日もこのあと生放送で。

五明:21時から何時まで?

遠山:月~金で22時から0時の2時間。

五明:中高生に向けた(番組)。

遠山:僕はもう9年やらせてもらってます。

五明:遠山校長として9年やってますよ。

井上:校長ですよね。

遠山:そうです。校長先生と言わせてもらってます。知ってくださってるんですか?

井上:もちろんです。遠山校長知ってますよ。

遠山:え! さっき初めて会ったとき、ぜんぜんそんな感じなかったじゃないですか!

井上:いや、距離を取っとこうかなと思ったんです。

遠山:いや、いいっすよ! 

五明:さっきウィキペディアで調べたんじゃないですか? 

(会場笑)

井上:いやいや、知ってます!

坂東:僕も知ってはいました。

井上:ちなみに遠山校長を知ってるという人は? 

(会場挙手)

五明:あ! グランジより知ってる!

遠山:かもしれないね。ありがとうございます。

井上:この世代は知ってると思いますよ。

遠山:本当ですか。嬉しい。

五明:……のわりには、もっと拍手とかあってよかったよね(笑)。

遠山:そうね。「あれ、校長じゃない?」みたいなザワザワも一切なかったね。

井上:やっぱりラジオの声の感じだけでは(わからない)。

遠山:あ~そうか。声だけの感じでは、顔は一切わからない。

井上:顔は正直ちょっとよくわからない部分があった。

遠山:(笑)。そんな遠山と申します。今日はよろしくお願いします。

五明:お願いしまーす。

新車の原付2台分の稼ぎになったお笑いのDVD

坂東:まずはお2人というか、3人のネタを見ていただいたほうがいいかなと思っております。

五明:普段コントとかをやっています。前にDVDを出したんですよ。1万枚売らないと吉本を解雇にするという企画で、僕らはDVDを出しました。なんとか解雇は免れたんですよね。

遠山:あれもよくある宣伝の1つです。「〇〇を達成できなかったらクビ」みたいなものの一種です。2013年から半年間にかけて1万枚売り切らなかったら解雇する、クビになるというのをやらせていただきました。

五明:こちらのDVDはAmazonで2000円で販売しております。

坂東:安い!

遠山:今ネットとかでも買えるんだよね。

五明:今日、私はネットの中古を覗いてみました。

遠山:いくらで買えますか?

五明:びっくりしました。1円で売ってます。

(会場笑)

遠山:みなさん、よかったら。

五明:送料が350円くらいかかるんですけど。おもしろいのでぜひ見てみてください。

遠山:たぶん2014年度では、吉本のライブのDVD売上でCOWCOWさんとかチュートリアルさんとか、いろんなDVDを出されてる方の中で、一応1位は取らせていただいたというね。

坂東:すごいですね。

五明:本当ですよ(笑)。

井上:どれくらいお金が入ってくるものなんですか?

五明:え~っと。

遠山:言ってあげてくださいよ。みんなケチケチ。

五明:確かに吉本ではお金をそんなにもらえないんじゃないかと言ってますけど、そんなことはないです。1万2000枚くらい売れたのかな。

井上:1位ですもんね。

五明:だから売上は1枚2000円なので、純利益は2400万円。1人あたり入ってきたのが……値段を言うとちょっといやらしくなっちゃうので、新車の原付を2台買えるくらいです。

(会場笑)

遠山:僕らからしたら「え、こんなもらっていいんですか!?」と。

五明:そうそう。びっくりしました。

遠山:原付1台分くらいだと思ってた。

井上:お1人あたりでそれ?

五明:そうです。

遠山:めちゃめちゃテンション上がりましたよ。

井上:さっきのグランプリの値段と同じくらい?

五明:新車の原付でいいランクのでもまあ20万なので、そんないかないですね。

(会場笑)

坂東:言ってしまった(笑)。

五明:そんなもんですね。

遠山:それ以外の分は会社だったりとかに。僕らがDVDを売り上げて1万2000枚達成した直後のこと。吉本の本社は、もともと学校だったとところを使ってるんですよ。

五明:小学校の廃校。

遠山:中庭があって、僕らがDVDを売り上げたあとくらいに芝生がすごくきれいになってた。

五明:なってた!

遠山:あれ、たぶん僕らのお金です。

五明:その年のクリスマスからだよね。3メートル、4メートルのクリスマスツリーが立つようになったんですよ! たぶんあれはDVDの売上じゃないかな~と。

井上:クリスマスを華やかに(笑)。

五明:会社のために働いております。

「どうしてもやりたい!」ことへのこだわり

坂東:ちなみに今日は……あとから言うのもあれなんですけど、メディアの方が入っていらっしゃるのですべて記事化されます。

五明:え? あー!

遠山:ちょっと後出しジャンケンずるくないですか? 早めに言っといてほしいな。

(会場笑)

坂東:NGがあればのちほどお聞きします。

五明:いや、大丈夫です。大丈夫です。書いてください。

坂東:じゃあどのネタを見ましょう?

五明:いろんなのがあるんですよ。

遠山:6年くらい前、DVDを売ってるときにYouTubeチャンネルを立ち上げたんです。それ以降なんにもしてないことに気づいて、なにかやろうと思ってこの間、この中の10本目をあげたんですよ。

五明:『THE ヤクザ』という10本目をね。それYouTubeで見れるもんね。

遠山:でも『THE ヤクザ』は5分もないから、パッと終わるからいいのはいいかもしれない。

五明:メディアは「ヤクザ」というのはコンプライアンス的にいいんですか? 大丈夫ですか(笑)。

遠山:THEが付くとキャラクターっぽい感じがあるので大丈夫(笑)。

坂東:じゃあこの10番を流しますね。

遠山:すばらしいですね~。

五明:そうなんですよ。僕は髪が長かったんですよね。

遠山:確かにね(笑)。あの長髪の人が五明くんです。

五明:髪が長かったんですよね~。

遠山:ちょっとだけ飛んだコントを見せてしまったなというのは、途中で思っちゃいました。

五明:本当、特殊中の特殊ですから。

遠山:(笑)。

五明:今までコントやった中で1番お金かかりましたからね。

遠山:あの飴細工のビール瓶も、リハーサル用のやつとかも全部発注した。

五明:あれ、1本1万円するんですよ。

坂東:まじですか(笑)。

井上:なかなかいいお値段するんですね(笑)。

遠山:さらにあのままやると、会場に飴細工が散らばっちゃうんですよ。お客さんにも飛んでいってしまうという危険性もあり、「できません」と言われたんですけど。どうしてもビール瓶で頭殴りたいとなって、「わかりました。じゃあ折衷案で」ということでガラスの部屋を作ってくれた。あれも20万くらい。

五明:20、30万ですね。

井上:窮屈感すごかったですよね。ギューギューになってました。

五明:パンパンでしたね(笑)。普段はこんなことやらないです。

遠山:おもしろいですよね。僕好きなんですよ。自分でYouTubeにあげて、自分でもう20回くらい(見てる)。

五明:大好きだね。

遠山:何回見てもくだらなくて笑っちゃう。大好きです。すみません。

ピース又吉も推す、五明氏の著書『全米は、泣かない。』

坂東:次ですが、これが先ほど言いました、五明さんの著書『全米は、泣かない。』。イベント後、会場にて発売します。

全米は、泣かない。

五明:よろしくお願いします。定価1620円なんですけど、今日は特別に1600円で! 

東山:もうちょっとがんばらないんですか(笑)。

五明:勉強させてもらおうかなと思います。

坂東:これはお買い得です。

遠山:でもこれすごい。表紙だけ見ても、名だたる方の(名前がある)。

五明:みなさまの名前が。同業の方ですよね?

井上:超有名人ばっかりですね。

五明:又吉さんは僕の1個上の吉本の先輩です。

坂東:ちなみにサインをいただいたりとかは?

五明:いや~もう書かせてください。お願いします。

坂東:お! これはお買い得です。1600円で買えるということですね。

遠山:みなさんご存知なんですよね? 例えば篠原さんとはどういう方なのかというのは、みなさんはもう? あれ、そんなに? あ、そうか。なんとなく来られる方もいるから、説明したほうがいいんじゃない? 対談をいっぱいされてるという。

五明:そうです。広告賞があるのを、そもそも知らなかったんです。僕がラジオCMを作って、賞を取ったらなんかよさそうじゃないですか(笑)。

坂東:そうですね(笑)。

五明:超バカな感じです(笑)。仕事増えないかなと。「どうやって作るんですか?」というのを、いろんな人に聞きに行く対談集です。

広告の方で、澤本さんと篠原さんと谷山さん、尾形さん、福部さん。関根忠郎さんという方は、映画惹句師(えいがじゃっくし)。

井上:書かれてますね。

五明:映画のキャッチコピーを書かれる日本でただ1人の方です。もう80歳くらいの方です。あと先輩で芥川賞作家のピース又吉さん。(これら)の方々にいろいろと(聞いたので)、広告というよりはなにかものを作ったり、そういう人はとても勉強になるんじゃないかなと。

井上:クリエイティブというものに携わる全員が読める本という感じですね。

五明:そうですね。1620円なんですけど、今日はもう1600円で勉強させてもらいますので!

遠山:そんなお得感がないんだよね。

五明:千五(1500円)!

遠山:もうちょい! まだいける!

五明:それは待ってよ。俺が自腹切るんだから(笑)。

遠山:1600円で(笑)。

五明:お願いします。

コピーライターの仕事を盗る厄介者

坂東:ちょっと我々の紹介も簡単にさせていただきます。

井上:ここで働いているコピーライターの井上と申します。よろしくお願いします。

遠山:お願いします。入社されてるのは2017年なんですか。

井上:そうですね。おととしくらいに入ったばかりです。

遠山:今、おいくつなんですか? 

井上:僕は今34ですね。

遠山:総合代理店で働いてらっしゃってて、こちらに来られたと。

井上:3社目でマッキャンに来て、今働いているという感じです。

五明:(スライドを指して)あの写真は合成ですか?

井上:合成じゃないです。スイスに本当に行って撮ったやつ。カメラも、カメラマンの友達のやつを機材だけ借りてポーズつけてるだけなんで、カメラはぜんぜん撮れないんですけど、本当にガチで行ったやつです。

遠山:お仕事かなにかで行かれてるんですか?

井上:いえ、プライベートです。

五明:プライベートかい。

遠山:いや、いいじゃないですか(笑)。

坂東:坂東です。僕も3社目で、去年マッキャンに入社しました。コピーライターです。大阪出身で、お気に入り芸人はコロチキのナダルとゆりやんさんと、グランジです。

遠山:取って付けたようだなぁ、おい!

(会場笑)

遠山:正直、坂東さんは僕らのことをどこで知ったんですか? 

坂東:やっぱりTCCの賞を取られたときに知りました。

五明:へ~、ああ、そうなんだ~。

遠山:そしたら五明のおかげだよ。

五明:そうだね。

坂東:僕らの仕事を盗る厄介者として見てます。

井上:本当そう。本当に怖いなと思って。

五明:「本当そう」って、ちっちゃい声でやめくださいよ。「本当そう」ってなんですか。今から楽しくやろうよ(笑)。

(会場笑)

五明:楽しいことやりたいじゃないですか。逆に、僕らのコントライブに出てくださいよ。だったら五分五分じゃないですか。

井上:ええ!?(笑)。いやいや、それはハードルが高すぎる。

遠山:別にビール瓶で頭殴るだけですから。

井上:殴るのでいいんですか?(笑)。

遠山:それは僕らが殴りますよ。

井上:ちなみにあれは痛いんですか?

遠山:痛いです。やっぱ当たりどころとかがあります。

井上:ある程度硬さはちゃんとあるんですね。

五明:ちゃんとあります。

井上:ちょっと1回試してから、やらせていただきます。

坂東:1万円かかりますよ(笑)。

五明:よろしくお願いします。