採用はフィーリング

青野慶久氏(以下、青野):おもしろいです。ありがとうございます。残り20分くらいとなってまいりました。あといくつか拾えればと思います。次は人を招き入れる、採用するといったあたりの質問もいくつか来てます。

「そういう組織に新たに人を入れていくとき、何を見ればいいんでしょうか?」「ティール組織だとか、みなさんの組織の中ではどこを見ておられるんでしょうか?」というご質問があります。いかがでしょうか? 

塚越さんは50倍の倍率の中から厳選されると。

塚越寛氏(以下、塚越):正直言ってわかりませんよね。

青野:わからないですか(笑)。

塚越:20分や30分面接したってそんなのわかるわけがないので、私はいつも面接するときにその方に申し訳ないと謝ってるんです。だけどまあフィーリング、相性はあるんですよね。みなさんだって、自分の女房を選ぶとか旦那を選ぶときにはそういうフィーリングでやってると思うんですよね。相性ですね。

相性って大事だと思うんですよ。相性があるからこれだけたくさんの人口がいてもみんなちゃんとカップルを作ってらっしゃる。相性というのは何かと理屈っぽく言う人は血液型だとかいろいろ言う人もいます。種の保存からいって、そういうのも満更でもないと思うんですよ。

組織が逃れられない「2:6:2の法則」

塚越:先ほどもちょっと控え室で話してた、種の保存というのはすごく大事だと私は思うの。人間という種が保存されるためには何が必要か。動物の世界だったら力の強い動物同士が争って種の保存をしていきますよね。ただ人間はそうはいかない。じゃあ頭がいいかといったらそうでもないと。

種の保存のためには、例の2:6:2の法則がとても大事だと思うんです。どんな優秀な人を集めても2割は優秀で、6割が普通で、2割がダメになる。このダメな2割を取り除いても、また残ってる人たちが2:6:2に分かれるという法則ですね。

これはやっぱり法則でしょうね。そうでしょ? というのが種の保存上必要なんですよね。そうしないと差がわからない。差がわかるのが大事なことで、そういう意味では平等にしようという社会主義はダメなんですね。種の保存の原理が効かない。

ということで、私は人を大事にするからお前は社会主義者かというとそうではない。私はやはりある種の競争がなけりゃダメで、種の保存が効かないと思ってるわけね。

種の保存上2:6:2という、つまり優秀な人がいて普通の人がいてダメな人がいるけど、この2割を除外するとまた残ってる人が分かれるんだから。除外することを考えずに2:6:2の法則でその比率を持ったまま、全体のレベルを上げりゃいいと思うんですよね。それが教育なんだと思うわけです。

青野:なるほど。そうすると入れるときはフィーリングだけで見て、この人一番下の2だぞと思っても切り捨てることなく……。

塚越:最後の面接に残ってくるのはだいたいレベルが揃ってますね。とくに優秀なのには嫌味を言うんですよ。「あんたうちに来なくてもこっちの会社行け」とかたまに言うわけ。

「今まで面接で失敗したことはありますか?」 岡田氏「ない」

青野:そうですか。おもしろい。岡田さんは採用するときにどういうところを見られるんですか?

岡田武史氏(以下、岡田):うちも人気があるんですよ。1人の執行役員の募集に960名来た。

青野:すごい!(笑)。

岡田:そんなもん選べるわけないやろうと。僕も(塚越氏と)一緒ですわ。30分なんて面接したってわからんと。ある……名前言っちゃっていいかな。ビズリーチで執行役員を1人募集したら900何十名来ちゃった。「お前らで絞ってこい。最後10名くらいになったら面接しよう」と。

ビズリーチの執行役員のやつと、やる前に「岡田さん今まで面接で失敗したことありますか?」「ない!」「じゃあもう岡田さんの直感で全部!」となった。僕面接って10分くらいしかせぇへんわけ。「岡田さん、もうちょっとなんか聞いてくださいよ!」と言われるんだけど、「聞いたってわからんもん」と言ってる。

「岡田さんが今まで失敗したことがないと言うならそれで」と。いや、失敗したことがないというのは、俺はヘボなこいつが来ても必要だからうちに来た。これは失敗じゃなくて、こいつはなんかの縁があってうちに来た。それはこいつが必要なんだと思ってる。

優秀な選手を上から順番に選んでも、いいチームにはならない

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