「世界標準のマネージドサービス」を日本で事業展開するために

後藤和貴氏(以下、後藤):みなさん、こんにちは。アイレット株式会社の後藤と申します。今日は、『Rackspace・KDDI・アイレットの強みを活かし、「世界標準のマネージドサービス」を日本へ』というタイトルでお話ししたいと思います。

最初に、実は昨日・今日とアイレットのブースのミニセッションで少しだけお話を差し上げたんですけれども、Rackspaceを知っている方が少なかったこともありまして(笑)。Rackspaceを知っている、知っていたという方はどのくらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

ありがとうございます。Rackspaceの事業がホスティングであることをご存知の方はどのくらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

もしかしたら正しい理解をされている方が多いかもしれませんね。今日は、Rackspaceがどのように我々と組んで日本で事業展開していくかの入り口の部分と、Rackspaceのサービスについてもご紹介していきたいと思います。

私を知らない方もいらっしゃると思いますので、改めまして自己紹介をさせていただきます。アイレット株式会社で、主に事業開発やパートナーアライアンスを担当する部門の部長をやっております後藤と申します。よろしくお願いします。

アイレット株式会社で「cloudpack」事業の立ち上げに参画

この写真は本人ですけれども、4年前に撮ったものなので、ちょっと違いますがご了承ください(笑)。9年前、アイレットという会社で「cloudpack」という事業を立ち上げるために参画しました。もともとはエンジニアとして活動している最中にクラウドと出会って、AWSが楽しくなって、それを事業化していきたいということで、cloudpack事業を立ち上げました。

アイレットでcloudpackの事業を始めてから、だいたい年間約2倍くらいの成長を続けてきています。そして今、人数では400名を超えるような企業規模になってきています。中小やスタートアップ、ベンチャーを超えて、そこそこのサイズになってきているかなと思っています。

お客様の数が増えていることもありまして、ロケーションとしては東京以外にも大阪、名古屋にもオフィスを構えています。最近東京では、さらにお客様と一緒にアジャイル開発のスタイルができるような場所をきちんと作っていくということで、新しくスクラムオフィスを虎ノ門周辺に作りました。お客様と一緒になって開発していくスタイルも取れるようになってきています。

インフラだけではなく、アプリケーション開発等々もやっていることによって、お客様の環境をクラウドにおいてバリデーションしていく。そんなことをお手伝いさせていただいています。

我々は7年前にスタートしてから、APN(AWS パートナーネットワーク)のプレミアコンサルティングパートナーとして、名前を連ねさせていただいております。あと、APNのConsulting Partner of the Yearを4年連続で受けさせていただいております。

今日はRackspaceの話なので、スライドで一枚だけcloudpackの説明を差し上げたいと思います。もともとスタートしたころから受け入れられているサービスは、AWSの監視、運用、保守というサービスに分けられています。

どちらかと言うと、クラウドをビジネスの本番環境として使っていただくために、クラウドの機能だけではなく、安心して使っていただくための、例えば、監視とかバックアップみたいなものをサービスの中に取り入れて、それをお客様にご提供しています。

cloudpackがAWSと日本企業の間に入るメリット

次に請求代行というサービスがありますが、名前でお分かりのとおり、我々がAWSとお客様の間に入って、合理的にお客様の代わりに支払いをするようなモデルになっています。例えば日本企業の方々の場合、Amazonで通販を利用されたことがある方はわかると思うんですけれども、同じようにAWSもメールアドレスとパスワードとクレジットカードの登録さえすれば使えます。

これがクラウドの良いところでもあり、日本の古い企業の場合につらいところでもあるのが、例えばドルベースで課金されるところがあります。あとは使った分しか支払わなくていいので、本来は合理的な価格設定なんですけれども、実は月末になるまでいくらになるかわからない、といったこともあります。

さらには、もともとはドルベースの単価なので、日本円の為替レートが毎月変わるようなことがあります。毎月請求するスタイルの場合に困るという会社の経営者さんもいらっしゃいます。

なので、我々が間に入って、紙で請求書を毎月発行しているので安心できるというお客様がいらっしゃいます。さらにはAWSの料金も運用保守の料金も、まるっと固定で請求してくれたほうが都合がいいというお客様もいらっしゃいます。

例えばサーバー1台付きで5万円といったスタイルで、その中にEC2のインスタンスもあるサイズのものは、利用料金も入ってます、運用保守の機能も入っていますということで受け入れられているものも存在しています。サーバープランというものです。

こうしたものを組み合わせて、お客様のインフラ環境をサポートしているのが我々です。スタートしてから、今では約1,200社以上のお客様がいらっしゃいます。

あとは、ここに年間2,500本とあります。使ったことがある方はわかると思いますけれども、お客様のプロジェクトが増えていくとアカウントを分けていくケースが多いんです。今はAWSのアカウントが年間2,500本ずつ増えていくようなスピード感になってきています。

Rackspace・KDDI・アイレットの戦略的提携の背景

アイレットという名前は、9年前はまったく知られてもいなかったし、クラウドが安全かどうかお客様にも不安がありましたので、我々は会社として第三者の監査を受けさせていただいています。

例を挙げると、PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)です。クレジットカード業界業界の持つセキュリティのガイドラインみたいなもの、あとはAmazonのグローバルなデータセンターなどを展開している会社が持つ、透明性を高めるためのドキュメント、もしくはSOC 2(セキュリティ・可用性・機密性・プライバシーに関するレポート)というものがあります。これも我々は数年前から持っています。

お客様がきちんと社内で運営されている、データの取り扱いや運用のアクセスの仕方といったもののドキュメントもありますし、それを支える技術もあります。それを証明するために、こういった認証を取得しています。

アイレットでは、4月の頭にこういったプレスリリースを出させていただきました。今日のタイトルにも近い名前ですけれども、KDDI、アイレット、Rackspaceクラウド事業に係る戦略的提携に向けた基本合意。その3社で日本で事業展開していくための基本的な合意をし、今ディスカッションを始めています、という内容です。

先ほどご存知の方もいらっしゃいましたけれども、念のため、内部から見たらRackspaceはどう見えるんだろうというところをご紹介します。我々と同じく、北米でAPNのプレミアコンサルティングパートナーとして名前を連ねています。

中にはAWSのブログやサイトで特集されるというか、こういった機能を持っているということで記事化されたりとか。あとは我々と同じですけれども、インフラだけではなくて、その上のアプリケーションのレイヤーのお手伝いとか、マイグレーションの業務の請負もされています。

顧客満足度の高さで知られている「Rackspace」

ただ、RackspaceがAWSとは違う世界でも有名になっている理由の1つとして注目すべきなのは、顧客満足度志向の経営の仕方です。専門用語で言うとNPS(Net Promoter Score)というものがありますけれども、そこを一番重視して会社の中に組み入れて、その結果、成果を上げている会社の1つとして有名になってきています。

Rackspaceがいるホスティングという業界の中では、平均が30点くらいですね。Rackspaceは58点という数字を叩き出しています。利用されたお客様が「ほかの人に勧めたい」と、はっきりアンケートで回答している会社。評価につながっている会社として名前が売れています。

そういった会社が実際どんなことをしているか? まず我々と一緒に考えている背景をご紹介したいと思います。我々アイレットは9年間くらいやってきていますけれども、いま日本のクラウド市場は、ますます需要が大きくなってきています。

プライベートクラウドの需要ですけれども、非常に大きなパイになってきています。パブリッククラウドも、昨年政府が発表して、クラウドを使うのは当たり前という後押しが出てきた昨今です。市場の可能性としては、2022年で約3兆5,000億円になる見通しということで、ますますクラウドを利用される方が増えてくるだろうことがわかります。

そんな中、いろいろな業務が増えてきていますけれども、こういった環境なのでどうしても課題が出てきます。こちらはGartnerが出しているレポートから抜粋したところです。

モード1と言われているもの、ほかの用語で言うとSoR(System of Records)と言われているもの。基幹業務系と言ったものを抱えている人たちが持つ悩み。あとは、情報系というかサービス系、SoE(Systems of Engagement)と言われているもの。Gartnerのレポートではモード2と言っていて、それぞれがチャレンジはしているんですけれども、どう進めていくかが課題になっています。

我々の経験でも、実際にレポートのような状態になっているんじゃないのかなと考えています。大企業の中でもさまざまな用途でパブリッククラウドやプライベートクラウドを使い分ける、もしくはそれぞれの部門が勝手に進めているケースがあると思っています。用途が進んで、クラウドを使うことはいいことなんですけれども、それがバラバラにある状態で、かつこれまではそれぞれが得意なベンダーを通して利用していました。

ここではCIer(クラウド・インテグレーター)と表現していますけれども、例えばAWSで言えば我々のような、クラウドに特化したSIerがそこを得意とする。さらにプライベートクラウド、データセンターで言うと、やはりそこの得意なベンダーに依頼して使っているということです。改めて見ると非常にコストが良くないというか、最適化できていない。