独創が生まれる環境づくり
神谷憲司氏(以下、神谷):マイミッションを最初に決めるときって、みんな何を答えていいのかわからないんです。それを1on1で対話しながら引き出していって、その人の価値観というのを一つひとつ言語化していく。
これによって、その人の価値観がちゃんと見える化するし、心理的な安全の輪というものが確保されているので、ほかの仲間に伝えていきながら、その人の価値観が認められていく状態が作られていくんだろうなと思っています。
例えば「働く人の不安をなくす」って言ってる子がいるんですけど、言い換えると「世の中に保健室みたいな場所がなくなってるよね」みたいなことを言ってるわけですよね。働いていると、ちょっと労働時間が長いと産業医面談みたいなことになって、大ごとになってしまう。
でも、欲しいのはその中間の、ちょっと疲れたときに昼寝できるような場所だったりするときに、世の中にもうちょっと保健室みたいなところが増やせないか、みたいなことを言い始めてるんですよ。
それって、新しいサービスの卵になりそうな気配がするんですよね。……っていうのがぽつぽつと出始めているのが、非常におもしろいなと思っています。
自分の価値観に気付いて発信することで、それを周囲が知っていくっていう状態ができるのかなと。それで今生まれているのが、安心してやりたいことのできる、独創が生まれる環境ができてきているように感じています。
そもそも事業を生み出せる環境はつくれているのか?
「僕はこういう価値観だから、こういうのをやりたいんだ。会社のミッションとも合ってるよね、一緒にやろうよ」みたいな、作りたいものだったり実現したいものを、はっきりと言い合えることが言える状態に、どんどん今近づいていっています。
それによって、まだ事業みたいなところまでいかないんですけど、プロジェクトがどんどん勝手に生まれています。
ちょっとまとめていくと、事業から考えるっていうのではなくて、そもそも事業を生み出す環境がちゃんと生み出せるような環境にあるかっていう、その環境づくりから考えていくのが非常に重要なんじゃないかなと思っています。
それに何が必要かというと、まず判断の軸としてのミッション。その次にコアバリュー。これで関係性がガラッと変わっていくので、心理的な安全性というのが担保されていく。最後にマイミッションです。
ここ(コアバリュー)までだと、会社が求めてることに共感はしながら、わりと会社に言われるがままやっているかたちになるんですが、マイミッションをしっかりと固めることによって、独創環境を創ることができます。
なので、それぞれやりたいことが会社の大きなミッションという判断軸のもとのでいろいろ実現されていく。そこをコミュニケーションできるような、安全な場が確保されてることが、新規事業創造の温床になるんじゃないかなと思っています。