「ノー」と言えないビジネスパーソンには何が起こるか

クリスチャン・モンセン氏(以下、クリス):次は、どうやったらお金が入ってくるのかを簡単に説明しますね。

どういうことかというと、「お金」と「市場」には流れがあるんですよ。なぜ説明したいかというと、僕は働いていた時、社長とかからめっちゃ認められたかったんですよ。認められるためにめっちゃ努力したりしてたんだけど、そうじゃなかったんだよね。

村山千代氏(以下、村山):見るべきところが?

クリス:そう。日本って、断れない仕事とかめっちゃあるでしょ? 「これ、お客さんだから断っちゃダメ」とか。断れなくなるのは本当に超注意なのよ。

村山:「ノー」と言えない。

クリス:そうそう。1回やっちゃったら、それがまた続いてしまって。フリーランスの人も要注意なんだよね。「断る」のはすごく大切。上司からの依頼を断るのも大切です。

村山:でも、認められるという意味では、断らない人に仕事が集中していきがちですよね。でも、それが認められることではないということですかね。

クリス:そう。断っていかないと、できる人からは認められないのよ。できる人は「あっ、こいつ断れないやつだ」ってわかるから、そういうイエスマンには仕事がいかないわけよ。

でも、仕事を選ぶプロは評価が上がっていくから。なぜかというと、上がる仕事をやっているから、上がらないことを断っているのよ。社会はそういうものなんですよ。

村山:チャットが盛り上がっています。

クリス:うん、いいね。

村山:「(怖くて)断れる勇気がない」。

クリス:だから、これを今すぐ変えなくてもいいから。3ヶ月かけて、3年かけてもいいから、ちょっとずつ断る力をつけていくのがすごく大切だと思います。

村山:「断ったら、ものすごくいじめを受けた」。これは悲しいですね。かたぴっぴさん。

クリス:真実と向き合うっていうのは、そういうところなんですよ。かたぴっぴさんのコメント、すごい。みんなちょっと見てくれないかな。この「断ったら、ものすごくいじめを受けた」。

すごい難しいことを言っているんだけど、いじめを受けたら、いじめをやっている人が間違っているという自信を持っていいの。いじめちゃダメなのよ。

いじめられたら「この人、間違っているな」って、そこの空気から離れることが大切なの。みんなそれ、「あっ、すいません」と言って、そこに残るのよ。人間的にそうなりやすいんだよね。だから、そういう人とは距離を置いておく。

『ほどよく距離を置きなさい』という良い本があって、そういうネガティブな人とは、ほどよい距離を置いておくのよ(と書いてあるんです)。だから、そういう人たちが「僕の周りにいるんだな」ってわかったら、自分のコミュニティの場所をシフトするのも考えていきましょう。

仕事を断る勇気を持つべし

村山:「断ったら次のチャンスがなくなる」。それも恐怖なのかもしれないですね。

クリス:でも、断ったら次のチャンスが入ってくるのよ。

村山:違う仕事が入ってくるんですよね。

クリス:断っていないから、ダメな仕事がいつも来ているわけでしょ? 「ノー」って言ったら、次の良い仕事が来るわけよ。良い仕事が来ようとしても、嫌なのを「ハイハイ」って引き受けているから(受けられなくなる)。

これは怖い、すごく深いのね。すごく簡単に言っていて、上から目線で超失礼な言い方していて、ごめんね。でも、これはすごく良い、深いことだから。俺もまだすごく勉強中だから、一緒にがんばっていこう。上から目線でごめんね。本当に僕も下手くそだから。

村山:でも、1回勇気を出すのが大事なのかもしれないですね。

クリス:小・中・大って分けて、いきなり大で怖いのをやって、いきなりやって急にクビになるみたいな、そういうリスクは避けよう。

論理的にやっていいからね。最初は嘘ついてもいいからね。断れないフリをする。本当は断りたいんだけど、「ああ、すいません」「はい、やりますね」って言う。

小から断る練習をして、自信がついたら今度は中をやる。今度は大を断る前に、プランBとかプランCを立てておくと、それで大失敗しても大丈夫。わかるかな?

村山:断り方も、最初は断るふりをして受けておいて、次は……。

クリス:そうそう、ゴマすりしてもいいんだよ。

村山:会社や人によっても、きっと違いますからね。

クリス:そうですよね。自分がやりたい仕事が今すぐ叶うわけじゃなくて、これが少しずつ変わっていくから。この問題を理解することがすごく大切なステップだと思います。本当にちょっとずつやっていく。

急に変化したら……やりたい人はやればいいと思うんだけど、それは自分のペースでやっていくのもすごく大切なことだと思います。

「お金は市場から入る」の真意

クリス:じゃあ、ちょっと進んでいきますね。どういうことかというと、お金がどこから入ってくるかということなんですよね。努力してお金が入ってくるかという。

たぶん、これ見ている人はそこまでいないと思うんだけど、僕は昭和生まれで。僕が20代で働いていた時は「努力するとお金が入ってくるんだよ」みたいな雰囲気だったのね。

でも本当は、お金は市場、マーケットプレイスから入ってきているの。そこからお金が会社に入ってきて、会社が社員にお金を流しているという感じで、A社・B社・C社が市場でコンペしているんだよね。

ものを買う人、ものを買う会社は、実際にそこまでこだわっていないのよ。人は良いものを買うの。99パーセントの場合は、あなたがどのぐらい努力したかって、そんなに考えてないと思うんですよ。

村山:「がんばったから買います」ということではないですもんね。

クリス:そうそう。学校じゃないんだよね。がんばったから、「100満点じゃなかったんだけど、努力しました」はちょっとビジネスじゃないんだよね。

次にいくと、「じゃあ、お金を欲しいときはどうすればいいんだろう?」ということで。会社の中からお金が入ってきているんですよね。社員が価値あるサービスを提供するわけですよ。

サービスかモノが大事ですよね。会社の価値が高いと収入が増えていくのが、普通の市場なんですよね。

これは、日本の経済が右肩上がりの時に「遅くまで残った社員のほうがサラリーが上がる」という不思議な時代があったんですけど、それは今は本当にないと思うんですよ。

お金の値段を上げるには、自分が会社に提供する価値を上げることなんですよ。じゃあどうやって価値を上げるか?

ということは、自分の価値が高くないといけないよね。会社に価値をあげるということですよね。どうやればいいんだ? 自分のサービスのクオリティを上げないといけない。スピードを上げないといけない。やっぱりビジネスには期限があるんですよ。

「僕、タクシードライバーの素人です。今日からタクシー運転します。クリスです」。乗る人は「青山から六本木ヒルズまでお願いします」。僕は「わかりました!」「ちょっとナビ入れていますね」って言って。

ナビの入れ方わからなくて「ああ、ごめんなさい」で5分かかって、「ちょっと待った。間違えちゃった。一方通行でした。ごめんなさい。ちょっとナビが古いんで。ああー!」とか言って、道が開けたときにポールに当たって、警察がピーピーとか後ろから来て、普通10分かかるのが、30分かかったらヤバいよね。

村山:「一生懸命だからお金払います」って、絶対ならないですね(笑)。

クリス:ならないですね。プロだったらサッと行ってくれると。もっとベテランだったら、個人タクシーでナビもいらないとか。サービスも良いし、良い車とかで来ると思うんですよね。

収入と経験の大きな結びつき

クリス:じゃあ普通の場合は、クオリティとスピードをどうやって上げるかなんですよ。経験を増やすということですよね。

じゃあ、経験をどうやって増やすのかは、さっきお話ししたと思うんですよ。収入を決めるのは、「市場が認める価値」なんですよね。気をつけないといけないんだよ。上司が認める価値もちょっと入っているんだけど、リアルに考えると、お金はどこから来るのかというのも考えないといけないんだよね。

「市場が認める価値というのはなんだ?」というと、自分の「クオリティ」と「スピード」なんですよ。ということは、自分の「経験」なんですよね。

得意で好きなことを選ぶと何が起こるかをお話ししたんですけど、経験がめっちゃ増えるんですよ。好きで得意だから、ずっと考えていて、ずっとやっていて。

だから、このグラフで言うとこの数年間でプロレベルにいくことができるんですよ。

村山:うんうん。

クリス:これが5年で終わらないんですよ。つらい、「石の上にも三年」というのが終わらない。これが10年、20年、30年ということになっていくと、相当のスキルを身につけることができるんですよね。

お金の増やし方はまた別なんですよ。それはちょっと違うことに入ってくるんですが、そのある程度のマーケットの市場は……市場以上のお金が欲しいときは、もうちょっと工夫しないといけないんだけど。

好きで得意な仕事だったら、この業界トップ10パーセントのレベルに入ると、良い収入をもらえる事実があると思うんですよね。

これは弁護士でもそうだし、個人タクシーもそうだし、Webデザイナーもそうだし。公務員とか軍隊はちょっと違うんですけれども。

なので、ポイントは「得意で好きなことをキャリアにして大丈夫」ということなんですよね。こうやったほうが、僕は個人的にはいいんじゃないかなって思うんですよね。別にやらなくてもいいんだけど、僕みたいな人はやっぱりやったほうが幸せになれるんじゃないかなって思います。

このコツなんですが、いま僕けっこういろんなことをお話しさせていただいたんですが、ポイントは時間をかけることなんですよ。さっきのグラフで見られるんだけど、10年、20年の話言っているんですよ。

村山:時間かかっていますもんね。

クリス:そうそう。時間がかかるものなんですよ。だから、これを1ヶ月で変えるとか、そういう感じにしないで。30歳でも35歳でも40歳でも、10年、20年はかかるんだから。だから、「いますぐ叶える」という「◯✕感覚」を外していかないといけないの。この道は深いんですよ。すごく深いんですよ。

だから、この時間をかけないというのが意外と危険で、Where are you headed? 「現実的に自分が進んでいる人生を続けると、どこにたどり着くのか?」を考えるのも必要なんですよね。

ごめんね、みんな好きで得意なことを仕事にしたいと思っているので、なかには初めて「好きなことを仕事をする」という話を聞いてた人もいたと思ったので、そこがメインメッセージになっちゃったんだけど。これはけっこう転職するときにできるだけ考えていただきたいポイントだと思うんですよね。

本当に自分が求めているゴールに到着するのか? 本当に自分のゴールを考えたことある? とりあえず、いっぱい紙に書いて、今度「これは1年以内に欲しいな」「3年以内」「5年以内」「10年以内」みたいな感じでやっていくと、自分のマイルストーンみたいのが作れるんですよね。

今度、「そのマイルストーンをやるためには何が必要なんだろう?」と、自分の言葉で論理的に紙に書いたり、日記にしてみましょう。だから、まず「本当に何をしたいか」を考えることがすごく大切になって。

転職しないといけないのかというわけではないんですよね。だから、社内でできる可能性もあるんですよ。社内でリーダーシップをとっていくというのもできるし、自分が変わっていくとほかの人も変わっていく可能性があるから。

だから、僕みたいな場合は本当に転職しないといけなかったんですが、中には「そこまで無理して転職しなくても大丈夫なんじゃない?」という場合もけっこうあると思うんですよ。

得意なことと好きなことがイコールではない場合

村山:「得意なことと好きなことって、必ずしもイコールじゃないですよね」「得意なことと好きなこと、どちらを優先すべきですか?」なんていう方もいらっしゃいます。

クリス:OK。じゃあ、ちょっとQ&Aタイムにいきましょう。

村山:まずみなさんね、本当にしたいことをぜひ考えてほしいというメッセージは伝わったと思いますので、ここから少しQ&Aのコーナーにさせてもらいます。

クリス:ちょっと簡単に答えられるやつが1つあって、あーこさんの「得意なことと好きなことって必ずしもイコールじゃないですよね」というのは、そうなんですよ。

必ずしもイコールじゃないんですよね。例えば、僕の場合はエクセルが得意なんですよ。でも、すごく得意なんだけど、大嫌いなんですよ。

村山:うんうん(笑)。

クリス:だから今、それを「好き」にするために、毎日1分はそういう怖いものに向き合っているんだけど。だから、好きと得意は必ずイコールということではないです。

村山:でも、例えば新入社員として入って、最初仕事を覚えられなくて、「苦しいな、得意じゃないな」と思う。でも、仕事を覚えていくと、それが自分の知識になって、好きに変わってきたりもしません?

クリス:変わってくる人も絶対いると思います。それは絶対いると思います。

村山:好きなものがわからない方がけっこういらっしゃって、なかなか仕事の中で好きなことを見つけるのって難しいかもしれないですよね。

クリス:僕のおすすめは、まず「自分が好きなことは何だろう?」って、かなり好きなことだけを2〜3週間とか1ヶ月、焦らないで日記に書きまくってもらいたい。

村山:それって、今仕事をしている中で自分が好きなことを書けばいいんですか? それとも趣味も全部含めて?

クリス:まず、好きなことを仕事にしたんだったら、仕事を考えないこと。すごく大切なの。最初は「好きなこと」をいっぱい考えるのね。今度、自分がちょっと「得意なこと」をいっぱい考えるの。

子どもの時、ちょっとお金をもらったことでもいいし、周りの人から「あっ、これ得意じゃない?」って褒められたことかもしれない。「ちょっとでも得意」でいいのね。

それでいきなり仕事って、たぶんすごくハードルが高いんですよ。今度、「ライフスタイル」を考えてみましょう。どういう生き方をしたいんだろう? どういう場所に住みたいんだろう? どういう通勤が自分の理想なんだろう? ここも遠慮なく紙に書いちゃっていい。紙に書いているだけだから。

仕事は考えないで、今度、理想のvacationとかを書いたあとに、自分の理想の働く環境、どういう場所で働きたいのかを考えるといいと思うんですよ。