働き方改革は、時間管理から価値創造の支援へ

金泉:ちなみにAmazonの社内は、どちらかというと、さっきのTencent型と日本型と、あるいはそのどちらでもないという話もあるかもしれませんが、その辺りについてはどうでしょうか。

石橋:1つのエピソードとしては、まだ今から7年くらい前に、この会場のようなスペースで社員全員でのミーティングというのがありました。そのときに、社員からマネージメントに向けていろいろな声を挙げるというようなことがありました。その時には勤務時間のあり方や、その管理などについて多くの要望が出たりしたんですよ。

それに対して、社長のチャンは、「そうした勤務管理はもうしませんよ」と応じました。

それで、次の日から、「1日1時間、会社で仕事をすれば出勤日とみなします」、さらに「月間で合計して、営業日×8時間、働けばいいですよ」というように、社員の勤務体系が完全フレックス制に変わりました。

さらにそれが進化して、今では「1日1時間、オフィスではなく自宅で仕事をする形でも出勤日とみなします」となっています。先ほど、お話にありましたが、日本人のマインドセットとしては、働き方改革は時間管理にフォーカスされる傾向にありますが、その時に、価値創造につながる支援という意味での働き方改革に向かっているなと強く感じましたね。

金泉:それは、国によって違いがあったりする感じなんですか。

石橋:そういうわけではないですが、例えば、Amazonの社員はWork from Home(自宅勤務)ができるのですが、それを可能にするにはテクノロジーが必要です。ビデオチャットが簡単にできる仕組みを開発したり、あるいは、その社員がすぐに連絡に対応できる状況かがわかるようなコミュニケーションシステムなどがグローバル規模でかなり整っていますね。

金泉:おもしろいですね。じゃあ、次は富岡さん、ぜひ、これからの働き方をおうかがいしたいと思います。

海外では1日10万円のイベントでも集客できる理由

富岡:これからの働き方。ちょっと、偉そうに言えるほどわかんないんですけど、僕らが思っているのは、人のつながりがより大事になってくるのかなということです。

当たり前のことといえば当たり前なんですけど、よくリモートワークだとか、オンライン会議だとか言われてきましたし、どんどん増えてると思うんですね。でもそういう時だからこそ、人のリアルなつながりって大事になってくるなと思っていて。今回、一度オンラインで事前打ち合わせやったんですけど。

金泉:やりましたね。

富岡:ぜんぜん話が進まなかったんですけれども(笑)。さっき直前で数分だけ顔合わせして、その時のほうがなんか、話が進んだなっていう。

金泉:そうでしたね。

富岡:あとはたぶん今回、スポンサーシップをWeWorkさんにやっていただいたんですけども、けっこうシェアオフィスとか、コラボレーションスペースみたいなのが、どんどん伸びてるなと思うんですよね。

本来であれば、みんな家でやればいいじゃんって話だと思うんですけど、むしろいろんな人が集う場が伸びてきてることからも、そういうものが求められてるのかなと思いますし。あと名刺でよく言われるのは、シリコンバレーなどに行くと、「もう名刺交換しないよ」って言われるんですよ。

実際、確かに世界中見てもみなさんけっこう名刺交換してないんですよ。シリコンバレーなんか本当しないなと思うんですよね。でも、みんな人と会ってないかというとぜんぜんそうじゃなくて、そのへんは万治さんが一番詳しいと思うんですけど、前に聞いたときも、1日10万円とかのイベントに、わざわざお金払ってでもみんな来るっていう。

セッションの内容はネットを見れば全部出てるのに、なんでそんな空間じゃないとだめなのか。それはやっぱりリアルなつながりっていうのが大事だよね、ということを以前お話しされているのを聞いて、やっぱりそういうのが大事になってくるんだなというのをすごく感じています。

金泉:このセッションのあとの懇親会ですね。

富岡:そうですね、まさに。

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