「セルフマネジメント」は変化が激しい時代に必要不可欠

丸山裕貴氏(以下、丸山):みなさん、こんにちは。Eightのメディア、BNL(Business Network Lab)の丸山です。今、知るべき最先端の情報やアイデアなどを伝えるのが私の仕事です。

今日はその中でも、今、もっともみなさんにご紹介したい人をお呼びしました。ジェレミー・ハンターという方です。

みなさんもご存知の、経営学者であるピーター・ドラッカー。彼がアメリカに大学院を設立しまして、ジェレミーはそこで16年以上にわたってセルフマネジメントを専門に教えています。

そういったわけで、今日はこのようなテーマを設定しています。「集団によるイノベーションは、一人ひとりが自身と向き合う『セルフマネジメント』から始まる」。

今、この2日間で「イノベーション」をテーマにしたいろんなセッションが行われていますが、私はこの「セルフマネジメント」というものが、イノベーションの根本に据えるべきものではないかと考えています。「変化が激しい時代にあって、セルフマネジメントは必要不可欠だ」と、ジェレミーは言います。それにもかかわらず、私たちはそのことを学校で学んでいない。ジェレミーはそれを大学院で教えています。

今日はジェレミーに、その導入編として、ライブ講義をお願いしています。そのあと、『WIRED』編集長の松島さんと、オムスビ代表の羽渕さんにご登壇いただき、一緒にディスカッションをする予定です。では、さっそくジェレミーを壇上にお呼びしましょう。拍手でお迎えください。

(会場拍手)

ジェレミー・ハンター氏(以下、ジェレミー): みなさん、こんにちは。本日お話しすることは、セルフマネジメントにおいて「みなさんがすぐに理解できるテーマは何か?」ということで「Yelling-Shacho(怒鳴る社長)」というのを考えてきました。

みなさん、「Yelling-Shacho(怒鳴る社長)」見たことありませんか?

(会場笑)

「Yelling-Bucho(怒鳴る部長)」や「Yelling-Kacho(怒鳴る課長)」、あるいは「Yelling-Otousan(怒鳴るお父さん)」とか(笑)。怒鳴る人。

今の日本に「いいところは何もない」と答えた社長

ジェレミー:(スライドの写真に写っている)この人が誰かは分かりませんが、数年前、日本人の卒業生が「Yelling-Shacho(怒鳴る社長)」と名高い上司と一緒に私を訪ねてきたことがありました。卒業生の彼から「どんなことをしている企業なのか」という話を聞いているときに、その社長にこういう質問をしました。「今の日本のいいところってなんですか??」

すると彼は5分くらい床を見つめてから、顔をパッとあげてこう言ったんです。「何もないです」。

(会場笑)

おそらく会場にいるみなさんの中にも、密かにそう思っている方がたくさんいるんじゃないかと思います。

話していくうちに、ものすごいプレッシャーが彼にかかっていることが明らかになってきました。強い責任感からくるものでもありましたが、同じくらい強い恐怖もあって、彼の可能性を見つける力は、その恐怖に飲み込まれていました。ですから、その時会った彼は、とても暗い世界にいたんですね。

彼が可能性を見つけられないために、その企業は新しい物事を取り入れることができずにいて、行き詰まりを感じていた、ということが私を訪ねる理由の1つでもあったようです。彼らは「変わらなくちゃいけない」と分かってはいましたが、何を変えればいいのか、どう変えればいいのか、それにどこに向かえばいいのかさえ分からない状態でした。

話をしたあとで、卒業生に上司(社長)とはどんな感じなのか聞いてみると、「チーム全体が怖がっています。上司の反応がだいたい怖くて、直面している問題ではなく、どうしたら上司が感情的にならないかばかり話しています。話をうやむやにして怒らせないようにしているから、誰も解決困難なことを話さない。だから変わらないんです」と言うんです。

原因の張本人である社長はというと、どうしてこんなことになっているのかさっぱり分からない上に、自分はうまくやっていると思っていて、しかもいざ会ってみるとそんなに悪い人じゃないんです。でも、彼自身が無意識にとっている反応で、会社が変わっていくのを阻む環境を作ってしまっていました。

人は自分が経験したことをもとに行動し、結果を得ている

ジェレミー:ここでピーター・ドラッカーのコアアイデアの1つ、「まず自分自身をマネジメントすることができなければ、他者をマネジメントすることなどできない」です。丸山さんもおっしゃっていましたが、学校でも教えてくれない「自分自身をマネジメントする」ことをどうやって学ぶのでしょうか。

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