カスタマイズしないと使えないと思っていたkintone
坂本果林氏:みなさんこんにちは、かりんこラボの坂本果林です。どうぞよろしくお願いします。私、去年のhiveでは、真ん中のあたりに座って聞いていました。
今年は背中をポンと押されまして、ステージに立つことになって今とても緊張しています。どうぞよろしくお願いいたします。
私は福岡出身です。一時期、料理人を目指していた時期もあったんですが、現在は東京でkintoneを使ったシステム開発、プラグイン開発を行っています。「kintoneで業務改善をやりたい」と思ってかりんこラボを開業しました。
そんな私なんですが、kintoneを使い始めたころの第一印象は「カスタマイズしないと使えないな」でした。
それで、ユーザーの方から言われたことをそのまま実現しようと思って一生懸命カスタマイズをしていたところ、師匠に怒られてしまいました。
こんなことを言われちゃったんですね。この師匠の絵は(今日この会場の)どこかにいらっしゃるキンスキ.comの松井さんが描かれた絵なんですが。絵だととっても優しい感じなんですが、実際はとっても怖くって。
そこで、すぐカスタマイズする、ということをやめてみました。そうするとなんか見えてきたことがありました。
なにもかもカスタマイズで解決しようとしなくていい
当時の私はkintoneの標準機能をあんまりよく理解していなくて。あと、お客さんから言われたことも、「それがなんのためのカスタマイズか」を深く追求しないまま、言われたまんまカスタマイズするということをやっていました。
これをやめてみたことで、なにもかもカスタマイズで解決しなくていいんだなということが見えてきました。大切だったのは、はじめから作り込まないで、使いながら一緒に改善していくということ。あとはkintoneの標準機能をうまく活かして、足りないところをカスタマイズで補完するということかなと思いました。
それではカスタマイズの例をお話ししたいと思います。こちらの会社ではkintoneで顧客管理を行っています。顧客管理の一部の情報が修正された時に、別システムのマスターメンテナンスも必要でした。
ただ、担当者が別の方だったので、連絡をしなきゃいけなかったんですが、連絡漏れで別システムのメンテナンスが行われないということが起きていました。
これを解決するには、まずシンプルに標準機能でやるんだったらアプリの条件通知になると思います。レコードの編集にチェックして、このように通知を飛ばすことができます。
ただこれだと、本当は一部の項目の変更通知だけが欲しいんですけれども、全部の情報が届いてしまうんですね。通知が多くなってしまうということが起きました。また、通知をクリックしてもどこが編集されたのか、というのがわかりにくいという問題があります。
そこで、必要な項目、通知を必要なものだけに絞り込むためのカスタマイズを行いました。対応が必要な項目が変更されたことを検知して変更履歴のURLをスペースのスレッドに宛先指定で投稿するというカスタマイズです。
特定の項目が変更された時に、こんな感じでスペーススレッドにコメントを投稿します。これは変更履歴のURLなのでこれをクリックすると変更履歴が確認できます。
大切なのは業務改善に寄り添ったカスタマイズを施すこと
ここがポイントなんですが、普通、詳細画面だと、どこを編集したかわかりにくいんですけど、これは変更履歴なのでちゃんとこうやってどこを変更されたのかが、確実にわかります。
別システムのメンテナンスが終わったら、この「いいね」で完了の合図にしました。
しばらく使っていると、別システムのメンテナンスが複数人の担当になりました。そうすると、さっきの「いいね」だけだと、誰が管理しているのかがわからない、という問題が起きました。
それで、スレッドに投稿するのをやめて、アプリに登録するようにしました。アプリではプロセス管理を使うことができます。
プロセス管理で、誰が担当しているのか、終わったかどうかというのを確実に管理できるようになりました。
今回は段階的に、使う人のペースに合わせて、カスタマイズを行いました。それと標準機能を活かすようなカスタマイズを心がけました。
今日お伝えしたかったことは、大切なのはすごいものをつくることではないということです。大切なのは、業務改善に寄り添ったカスタマイズをすることかなと思います。
最後にやってみたかったんですけど、hiveで配布です(笑)。先ほどの機能をプラグイン化しました。無料でダウンロードできますのでご興味ある方はこちらからダウンロードしてみてください。
どうもありがとうございました。
(会場拍手)