2019年、ビジネスメディアはどう移り変わっていくか
川原崎晋裕氏(以下、川原崎):みなさん、こんばんは。ログミー株式会社の川原崎晋裕と申します。本日、モデレーターを務めさせていただきますので、よろしくお願いします。
今回は、「2018年を振り返る ビジネスメディアの栄枯盛衰と、2019年の潮流」ということで、非常にマニアックなテーマにもかかわらず、これだけ多くのみなさまにお集まりいただき、本当にありがとうございます。
今日お話をさせていただくうえで、みなさまのロールというか、属性をお聞きしたいと思います。編集ライターとかコンテンツまわりをやられている方は?
(会場挙手)
川原崎:けっこういらっしゃいますね。マーケティングやマネタイズあたりの仕事をされている方は?
(会場挙手)
川原崎:なるほど。他のみなさんは? 広報やメディアの方はけっこういらっしゃるんですかね。
(会場挙手)
川原崎:そうでもないですね(笑)。では、時間もないのでさっそく今日のトークテーマで、「メディア×ブランド」「メディア×コンテンツ」「メディア×マネタイズ」の3つを順番にお話しできればと思っています。
朝日新聞社・ハフポストを経由し、フォーブスへ
川原崎:さっそく自己紹介です。ご登壇者のお二人に、簡単に5分くらいでお話しいただければと思います。
林亜季(以下、林):林と申します、よろしくお願いいたします。私自身は、2009年に朝日新聞社に記者として入社しました。途中で新規事業の部署にいたりしたんですけれど、丸8年、朝日新聞にいました。
そのあとに、ハフポスト日本版に移りまして、マネタイズを主に担うというか、スポンサードコンテンツの制作を統括する立場でした。そして去年からフォーブスジャパンにまいりました。どうぞよろしくお願いいたします。
(会場拍手)
フォーブスをご紹介させていただきます。今の体制になって今年で5年目になります。雑誌のイメージが強いかと思います。
成功のヒントはフォーブスにありと書いてあるように、有名な経営者や起業家の方、投資家の方をたくさんご紹介させていただいております。ビジネスだけというよりは、人物の記事も多かったり、ライフスタイル系の記事として、車や時計、ファッションもいろいろ扱っております。
1年で15倍に成長したWeb版フォーブス
林:私はWebを担当していて、統括する立場です。
こんな感じでサイトを作っております。媒体資料に載っているグラフなんですけれども、実績としてはこれぐらいの数字です。
川原崎:めちゃめちゃ伸びてますね!
林:伸びてる風ですけどね(笑)。
川原崎:1年半で15倍は相当ですからね。
林:そうですね。今年は大きくしていかなくちゃいけない年で、もっと大きいメディアを目指しております。(スライドを指して)こちらが、我々が日々コンテンツを作ったり雑誌を作ったりするなかで心がけていることです。
みんなが心に置いていることが、この4つですね。
「POSITIVE & LOOK FORWARD」「COOL & INNOVATIVE」「GLOBAL & LOCAL」「BUSINESS & LIFESTYLE」の記事を出していくということでございます。
ブランドボイスというのが、Webの広告の主な商品なんですけれども、簡単にいうと記事一本からサイトを作っていくまでのスポンサードコンテンツを扱っているところになり、ブランドボイススタジオも私が管轄しております。
ブランドボイスにはこういった特徴がございます。今回のイベントにお声がけいただいたのは、たぶんこれがあったからじゃないかなと思っています。
今年の初めに出させていただいたのが、「2019を読む」というネットの記事で、「メディアの #2019を読む」という記事を書かせていただきました。そのなかで、「メディアの人」「メディアビジネス」「コンテンツ」という3つの切り口を挙げさせていただきました。
ミレニアル世代向けインスピレーションメディア「AMP」
川原崎:林さん、ありがとうございます。次は木村さんお願いします。
木村和貴(以下、木村):AMPで共同編集長を務めております、木村和貴と申します。僕は編集長という肩書でやっているものの、バックグラウンドは完全にマーケティングとかデジタル畑出身です。
最初はインターネット広告代理店に入って、デジタルマーケティングみたいなことをやってきた人間なんですが、スタートアップやイノベーションみたいなところに非常に興味があって、ビジネスの勉強をしたり情報を収集しているうちに、自分でメディアを作りたいなと思って立ち上げたのが、こういうメディアになります。
AMPと書いて「アンプ」と読みます。現在、700万PVで次の6月で2年経つというタイミングです。先ほどフォーブスが1年半で15倍といわれていましたが、こちらは1年半前から比べると15倍ではなく100万倍ぐらい伸びてるような状態になります。
川原崎:なるほど(笑)。
木村:AMPがどういったメディアかというと、ミレニアル世代向けビジネスインスピレーションメディアとうたっています。ここに我々の思いがかなり詰まっています。ターゲットがミレニアル世代ということで、1980年以降に生まれた方々が対象になっています。
あらゆるビジネスメディアのトップラインが35〜44歳あたりになっていて、人口分布をみてもそうなってしまうのは仕方がないような感じもするのですが、我々はあえて25~34歳という若い世代の読者をどうとるかにこだわってやってきています。
進化するテクノロジーの力を、メディアはまだ活かせていない
木村:2019年のビジネスメディアの潮流はなんですか、というお題が出てきたので、(スライドを指して)こんなものを作ってきました。
完全に個人的な意見・思いとして作ったのですが、「メディア×テクノロジー」ということについて、AIだったりブロックチェーンだったり、いろんなテクノロジーが増えていき、現在あらゆるサービスでいろいろとテクノロジーの導入があると思うんですけど、実はメディアには全然テクノロジーが入ってないなと。
「アナリティクスで分析してるだけじゃん」みたいな部分がすごく多いと思うんです。ここにもテクノロジーが入ることで、すごく可能性は広がっていくんじゃないかなというのが1つです。
もう1つは、「メディア×教育」のところです。ビジネスメディアは、意外なチョイスというわけではないですけれど、そこからの学びはすごくたくさんあるのかなと思っています。
メディアが単純に一記事として出すと、それまでの価値になってしまうと思いますが、「教育につながるんだ」「そこで成長して自分たちにとって、どんどんプラスになっていくんだ」という教育的な側面を見せていくと、また違った価値を生んでいくんじゃないかなと思いました。
川原崎:ありがとうございます。お二人のお題に関しては後ほど詳しくお話を聞いていきたいと思います。林さんの記事、めちゃくちゃいい記事なので、ぜひ読んでみてください。
最後に私の自己紹介をしますと、ログミーという会社の代表をしておりまして、全文書き起こしメディアを展開しています。サイゾーというメディアがありまして、以前はそのWebメディア事業の責任者をやっておりました。その後、ログミーを立ち上げて、いまやっているというかたちです。よろしくおねがいします。
マネタイズで勝てるのは、ブランドが確立されたメディア
川原崎:それではさっそく、3つのトークテーマのうちの1つ目「ブランド」についてお話をさせていただこうと思います。
特にビジネスメディアについては、ブランドの価値が非常に強くなってきているなと感じています。キュレーションメディアの問題だったり、フェイクニュースみたいなもので、情報の発信者の信頼性がすごく重視されるようになっていますよね。
また、企業がブランドコントロールしていく上で、どのメディアを選ぶのかというところが非常に重要になってきていて、昨年度はとても大きな動きが起こっていたのかなと。
要は、ブランドの強いメディアが、マネタイズでも勝てるようになってきていますし、ユーザーの信頼も集めてきているというところですね。このあたりについて、お二方にも聞いていきたいと思います。林さん、フォーブスにとってブランドとは何ですか?