2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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川原崎晋裕氏(以下、川原崎):みなさん、こんばんは。ログミー株式会社の川原崎晋裕と申します。本日、モデレーターを務めさせていただきますので、よろしくお願いします。
今回は、「2018年を振り返る ビジネスメディアの栄枯盛衰と、2019年の潮流」ということで、非常にマニアックなテーマにもかかわらず、これだけ多くのみなさまにお集まりいただき、本当にありがとうございます。
今日お話をさせていただくうえで、みなさまのロールというか、属性をお聞きしたいと思います。編集ライターとかコンテンツまわりをやられている方は?
(会場挙手)
川原崎:けっこういらっしゃいますね。マーケティングやマネタイズあたりの仕事をされている方は?
(会場挙手)
川原崎:なるほど。他のみなさんは? 広報やメディアの方はけっこういらっしゃるんですかね。
(会場挙手)
川原崎:そうでもないですね(笑)。では、時間もないのでさっそく今日のトークテーマで、「メディア×ブランド」「メディア×コンテンツ」「メディア×マネタイズ」の3つを順番にお話しできればと思っています。
川原崎:さっそく自己紹介です。ご登壇者のお二人に、簡単に5分くらいでお話しいただければと思います。
林亜季(以下、林):林と申します、よろしくお願いいたします。私自身は、2009年に朝日新聞社に記者として入社しました。途中で新規事業の部署にいたりしたんですけれど、丸8年、朝日新聞にいました。
そのあとに、ハフポスト日本版に移りまして、マネタイズを主に担うというか、スポンサードコンテンツの制作を統括する立場でした。そして去年からフォーブスジャパンにまいりました。どうぞよろしくお願いいたします。
(会場拍手)
フォーブスをご紹介させていただきます。今の体制になって今年で5年目になります。雑誌のイメージが強いかと思います。
成功のヒントはフォーブスにありと書いてあるように、有名な経営者や起業家の方、投資家の方をたくさんご紹介させていただいております。ビジネスだけというよりは、人物の記事も多かったり、ライフスタイル系の記事として、車や時計、ファッションもいろいろ扱っております。
林:私はWebを担当していて、統括する立場です。
こんな感じでサイトを作っております。媒体資料に載っているグラフなんですけれども、実績としてはこれぐらいの数字です。
川原崎:めちゃめちゃ伸びてますね!
林:伸びてる風ですけどね(笑)。
川原崎:1年半で15倍は相当ですからね。
林:そうですね。今年は大きくしていかなくちゃいけない年で、もっと大きいメディアを目指しております。(スライドを指して)こちらが、我々が日々コンテンツを作ったり雑誌を作ったりするなかで心がけていることです。
みんなが心に置いていることが、この4つですね。
「POSITIVE & LOOK FORWARD」「COOL & INNOVATIVE」「GLOBAL & LOCAL」「BUSINESS & LIFESTYLE」の記事を出していくということでございます。
ブランドボイスというのが、Webの広告の主な商品なんですけれども、簡単にいうと記事一本からサイトを作っていくまでのスポンサードコンテンツを扱っているところになり、ブランドボイススタジオも私が管轄しております。
ブランドボイスにはこういった特徴がございます。今回のイベントにお声がけいただいたのは、たぶんこれがあったからじゃないかなと思っています。
今年の初めに出させていただいたのが、「2019を読む」というネットの記事で、「メディアの #2019を読む」という記事を書かせていただきました。そのなかで、「メディアの人」「メディアビジネス」「コンテンツ」という3つの切り口を挙げさせていただきました。
川原崎:林さん、ありがとうございます。次は木村さんお願いします。
木村和貴(以下、木村):AMPで共同編集長を務めております、木村和貴と申します。僕は編集長という肩書でやっているものの、バックグラウンドは完全にマーケティングとかデジタル畑出身です。
最初はインターネット広告代理店に入って、デジタルマーケティングみたいなことをやってきた人間なんですが、スタートアップやイノベーションみたいなところに非常に興味があって、ビジネスの勉強をしたり情報を収集しているうちに、自分でメディアを作りたいなと思って立ち上げたのが、こういうメディアになります。
AMPと書いて「アンプ」と読みます。現在、700万PVで次の6月で2年経つというタイミングです。先ほどフォーブスが1年半で15倍といわれていましたが、こちらは1年半前から比べると15倍ではなく100万倍ぐらい伸びてるような状態になります。
川原崎:なるほど(笑)。
木村:AMPがどういったメディアかというと、ミレニアル世代向けビジネスインスピレーションメディアとうたっています。ここに我々の思いがかなり詰まっています。ターゲットがミレニアル世代ということで、1980年以降に生まれた方々が対象になっています。
あらゆるビジネスメディアのトップラインが35〜44歳あたりになっていて、人口分布をみてもそうなってしまうのは仕方がないような感じもするのですが、我々はあえて25~34歳という若い世代の読者をどうとるかにこだわってやってきています。
木村:2019年のビジネスメディアの潮流はなんですか、というお題が出てきたので、(スライドを指して)こんなものを作ってきました。
完全に個人的な意見・思いとして作ったのですが、「メディア×テクノロジー」ということについて、AIだったりブロックチェーンだったり、いろんなテクノロジーが増えていき、現在あらゆるサービスでいろいろとテクノロジーの導入があると思うんですけど、実はメディアには全然テクノロジーが入ってないなと。
「アナリティクスで分析してるだけじゃん」みたいな部分がすごく多いと思うんです。ここにもテクノロジーが入ることで、すごく可能性は広がっていくんじゃないかなというのが1つです。
もう1つは、「メディア×教育」のところです。ビジネスメディアは、意外なチョイスというわけではないですけれど、そこからの学びはすごくたくさんあるのかなと思っています。
メディアが単純に一記事として出すと、それまでの価値になってしまうと思いますが、「教育につながるんだ」「そこで成長して自分たちにとって、どんどんプラスになっていくんだ」という教育的な側面を見せていくと、また違った価値を生んでいくんじゃないかなと思いました。
川原崎:ありがとうございます。お二人のお題に関しては後ほど詳しくお話を聞いていきたいと思います。林さんの記事、めちゃくちゃいい記事なので、ぜひ読んでみてください。
最後に私の自己紹介をしますと、ログミーという会社の代表をしておりまして、全文書き起こしメディアを展開しています。サイゾーというメディアがありまして、以前はそのWebメディア事業の責任者をやっておりました。その後、ログミーを立ち上げて、いまやっているというかたちです。よろしくおねがいします。
川原崎:それではさっそく、3つのトークテーマのうちの1つ目「ブランド」についてお話をさせていただこうと思います。
特にビジネスメディアについては、ブランドの価値が非常に強くなってきているなと感じています。キュレーションメディアの問題だったり、フェイクニュースみたいなもので、情報の発信者の信頼性がすごく重視されるようになっていますよね。
また、企業がブランドコントロールしていく上で、どのメディアを選ぶのかというところが非常に重要になってきていて、昨年度はとても大きな動きが起こっていたのかなと。
要は、ブランドの強いメディアが、マネタイズでも勝てるようになってきていますし、ユーザーの信頼も集めてきているというところですね。このあたりについて、お二方にも聞いていきたいと思います。林さん、フォーブスにとってブランドとは何ですか?
林:フォーブス自体はアメリカのフォーブスで、その日本版ですが、非常にブランドを大事にしているメディアです。ある意味で、ブランドを棄損されたらビジネスもメディアもやっていけないくらいなので、ブランドコントロールに取り組んでいます。
フォーブスとしては、先ほども出させていただきましたが、コアバリューのところにかなり力を入れており、そこは外さないようにしています。例えば、「POSITIVE & LOOK FORWARD」というものがあります。
ジャパンとしては、例えばゴシップは扱わないなど、やらないことははっきりしているんですよ。あとは、バッシングをしないとかですね。やらないことがはっきりしているので、そこでブランドを担保している部分があります。ただ、ゴシップは数字がとれますけど(笑)。
川原崎:そうですね(笑)。
林:そこは非常に苦しいところではあるんですけど、そのブランドを守りながらやっていくことによって、読者の方々やクライアント様に評価いただいています。
川原崎:ステートメントのようなものを示されていましたけど、メディア側の矜持というか、体制としてそういうものを持っていらっしゃって、逆に、このメディアにはブランドがあるかどうかを判断するのはユーザー側だと思うんですよね。
そうなった時に、ブランドがある状態とない状態の違いといいますか、そこはどういったことが基準になってくるのか、すごく興味がありますね。「これはうちのブランドを下げる記事だ」というのを、ユーザーや御社がどう思うのかということですね。
林:1つのコンテンツでいうと、その記事がどういう意図で書かれているのかというところがありまして。書かれる立場になると、書き手はどういう思いで書いたのかがよくわかるらしいです。
本当にこの人の人生をめちゃくちゃにしようと思って書いているのか、批判しているけれど愛があって、本当にこの人に立ち直ってほしいと思って書いているのかで全然違ってくると思うんですね。
そういうところで、なぜこの記事を出すのかをみんながある程度納得していないと、ブランドは成り立たないかなと。フォーブスとしては、ネガティブな記事であっても、そこに必ずフォーブスらしい目線があったり、この企業にもっと飛躍してほしいと思って書いている部分があって、ちゃんと文説のところに入れるようにはしていますね。
とにかく数字がほしいから書くといった考えだと、ブランドとかは全く考えないで書いてしまうと思います。
川原崎:それはユーザーから見透かされますよね。
林:そうですね。
川原崎:ありがとうございます。マーケティングなどをやっている木村さんは、ブランドについてはいかがでしょうか。
木村:ブランディング的な話の前のところでいうと、フォーブスさんと一緒で、僕らもゴシップネタなど、下世話な記事などは一切やらないというのは決めています。AMPのサイトを見ていただくとわかるんですけど、アドネットワークのバナー広告などは、いまはやっていないんですよ。
広告を入れると、PVを稼ぐほどお金が入ってくるので、PVを追いかけてしまう。でも、僕らは入れていないので、ドカッとゴシップネタをやってPVをとろうという発想がそもそもないんです。
ですので、そういう下世話なものをやらないという意思決定がしっかりできるところと、それに伴ってそういう媒体のカラーというのが、いまはしっかりできています。
ブランディングという言葉でいくと、出発地点が大きく2つあるかなと思っています。読者向けか、取材対象者、あるいはそこに広告を出したいと思うクライアント向けかによって大きく異なると思っています。読者向けだと、実は媒体のブランドはそこまで重要ではなくなるのかなと。
川原崎:なるほど。
木村:ちょっと真逆の意見になってしまうんですけど、例えば、ロンドンのフィナンシャルタイムズというピンク色の新聞がありますよね。あれを読んでいる人はとても所得が高い人たち、賢い人たちなんですけど、あれを持って歩いている、あれをカフェで読んでいるのは、その人たちのステータスなんですよね。
あれこそがブランドかなと思っています。それを読んでいる自分がどう見られるかだと思うんです。日本でも日経を読んでいたり、難しそうな本をカバーをかけずに読んでいたり。
川原崎:グッチのバッグを持っているのと一緒ですよね。自己表現の1つであるというか。
木村:そうです。そこがいま、すごく変わってきていて、スマホで記事を読むようになった。つまり、いま、目の前でスマホを触っている人が、何の記事を読んでいるのか、どのメディアブランドの記事を読んでいるのかがわからない。そこよりも読者が求めているのは、本質的にいい記事かどうかというところなんです。なので、そこに向き合おうというところで、僕らはそういった強い思いがあります。
一方で、出発地点が取材対象者やクライアントの時は、ブランドがすごく大事だと思っています。例えば、取材対象者がこのメディアに取り上げられたらうれしいとか、ここには取り上げてほしくないというのは絶対にあります。
そして、取材に協力してくれるとか、掲載NGとかも変わってくると思うんですね。もちろん、それがクライアントになるとさらに出てくると思うので、そういった意味では、載せたいと思わせるようなブランドをどう作るかという議論が生まれると思います。
AMPとしては、先に読者と向き合って、フリーな状態で本質を突き詰める。その姿が結果的にブランドになっている。このように、後付けでブランドが付いてくるのが理想かなと思っています。
川原崎:なるほど。ある意味ではマーケティングは、広告文脈で使われる言葉になっています。ブランドがあるかどうかは、ユーザーにはちょっと関係ないかもしれないというか……。
この点はお聞きしたいことがありまして、私もネットメディアの業界に10年以上いるんですけど、やっぱり雑誌の力はすごかったなと思っています。
何が違うんだろうと考えた時に、新しい流行を生み出しているかどうかだと思ったんですよね。例えばファッション誌で新たな流行が生まれたり、トレンドが生まれたり、ファッションが生まれたり。それは、Webの世界ではほとんど存在しないんですよ。
一時期、MERYさんがそういうものを作り出そうとしていました。ネット上でただ情報が流通するだけではなくて、それがリアルの世界に染み込んでいって、人の服装を変えたり、生活様式を変えたりするのが、メディア本来の力だったのかなと思っているんですね。
個人的には、リアルに影響力が少ないのがWebメディアの弱いところだと思っています。そのあたりはどう思われますか?
林:フォーブス自体は、もともとが雑誌なので、雑誌の世界観でいうと、素敵な流行やトレンドを生み出したいという思いはあります。
5年間通してやってきたのが、スタートアップを応援するということです。5年前は、そんなに起業家についていわれていなかったと思います。WeWorkさんも日本にはまだなかったですし。
そういう中で、フォーブスみたいに名前は知っているかなという雑誌が、まだ売り上げも億に達していないようなスタートアップを一生懸命応援するような記事を出していくということを、ずっとやってきました。
例えば、今年どれだけの会社が資金調達をしたのかといった記事を見ていると、5年前よりもどんどんその額が上がってきている。リスクマネーが集まってきたり、本当に優秀な人が自分のキャリアを捨てて、スタートアップをやるようになってきています。
そういう状況になっているということが、フォーブスにとってはうれしいですし、そのトレンドを意識して作ってきたところです。
川原崎:それで実際に世界を変えるエコノミクスを作れますもんね。
林:そうですね。そのなかのちょっとした役割を担えればと思ってやっています。
川原崎:なるほど。木村さん、そのあたりはいかがですか?
木村:影響力の部分でいくと、そこは弱いなと思うんですけど……我々の場合だと、最初がけっこうアーリーアダプターになるんですよ。
「いま、まさに来る」というものより、「もうちょっとしてから来る」というか、先端のほうを追いかけているので……どちらかというと、我々が取り上げた瞬間に、それが流行るというよりも、それが流行っていく過程におけるプレイヤー、仲間を増やしていくまでの、最初の情報出しみたいなところもあるんですよね。
川原崎:それは、インスピレーションみたいなものですか?
木村:そうですね。例えば、我々がいま、どんなスタートアップを積極的に扱うか……デジタルテクノロジーやバイオテクノロジーの企業を積極的に取り上げようとか、もしくは社会的なSDGsとかソーシャル系のスタートアップを取り上げようとかですね。
どこを増やしていくかによって、どこが盛り上がっているのか、AMPはどこに注目しているのかなど、その周辺の人はうっすら感づいているので、そこを掘ってみようという感じで、その流れを流行らせる仲間がどんどん増えていく。そこが初動なのかなと思っていますね。
川原崎:なるほど。そこを意識されてるということですね。ありがとうございます。まだ聞きたいことはすごくたくさんあるのですが、次のテーマに移らせていただきます。
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