ベストセラーの著者二人が登壇

横田大樹氏(以下、横田):みなさん、本日は足元の悪い中お集まりいただき、誠にありがとうございます。私はダイヤモンド社書籍編集部の横田大樹と申します。こちらの尾原さんの担当編集者です。北野さんは、私の部下が担当いたしまして、本日は司会を務めさせていただくことになりました。

それではさっそくですが、お二人に登壇していただきますので、よろしくお願いいたします。みなさん、拍手でお迎えください。

(会場拍手)

尾原和啓氏(以下、尾原):こんばんは。

横田:北野さんは真ん中においでください。

北野唯我氏(以下、北野):何か出るんですか?

尾原:いや、鳩が出るとかじゃないんですがね。よろしくお願いします。

尾原・北野:よろしくお願いします。

横田:一応こうしたタイトルのセミナーですので、もしかするとご紹介はしないかもしれませんが、念のために少しだけ、お二人についてご紹介をさせていただきます。真ん中に座っていらっしゃるこちらの方は、北野唯我さんです。当社で『転職の思考法』という本を出されまして、これがデビュー作だったのですが、いきなり12万部の大ヒット。

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

尾原:やばいですね〜。

横田:やばいですね。それで、すぐそのあとに日経新聞から出された『天才を殺す凡人』、通称『天殺(てんころ)』が、こちらも今6万部か、7万部?

北野:6万部です。

横田:6万部を突破しておりまして、今、ビジネス書の書き手としては、おそらく最注目の方といっても過言ではないと思います。そして、こちらの赤いマフラーの尾原さんですが。

尾原:はい。それだけ言うと、部数も言わなきゃいけない……。

(会場笑)

尾原:いいです、言ってください(笑)。

『ITビジネスの原理』などロングセラーのビジネス書の著者・尾原氏

横田:こちらの尾原さんは、私、個人的にも大変親しくさせていただいており、ダイヤモンド社から『どこでも誰とでも働ける』という働き方についての本を出されました。デビュー作の『ITビジネスの原理』や、そのあとに幻冬舎から出された『モチベーション革命』など、それらのトータル部数は10万部を軽く超えます。そういった……。

どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから"の仕事と転職のルール

尾原:どうしてそんな言い方をするんですか?

(会場笑)

尾原:普通に言えば、この『どこでも誰とでも働ける』に関しては、電子(書籍)を含め2.5万部ですね。おかげさまで『モチベーション革命』につきましては、Kindle Unlimitedということではありますが、去年いちばんダウンロードされた本というようなことにならせていただいております。小手先の技で売っている男でございます。

(会場笑)

横田:でも、『ITビジネスの原理』はすごいですよね。

ITビジネスの原理

尾原:はい?

横田:『ITビジネスの原理』は非常に堅い本なのですが。

尾原:そうですね。おかげさまでロングセラーになっています。もう5年前の本なのですが、2016年がKindleのビジネス書で年間6位。そして2017年が8位と、ずーっとビジネス書で年間トップ50に入り続けるという、ありがたい本でございます。

北野:どうやってKindleで売るんですか?

尾原:はい? いや、それって……。

北野:あっ、違いますよね? それは裏側で聞く話でしたね、すいません(笑)。

(会場笑)

尾原:まぁ、興味はありますよね。今日は出版関係の方もいらっしゃっていると思いますので、あとで興味がある方にはいくらでもお話します。はい。

世代による転職についての意識の差

横田:今日は、本当はこういったテーマ(「入社したときから転職のことを考えよう」)で、もちろん考えていたのですが……。

尾原:「本当は」じゃなくて、このテーマでしょ?

横田:いや、ただ会場の方を見ると……。

尾原:そうなんですよね。

横田:思いのほか年齢層が高いというのが、先入りさせていただいたときの感想でしたので。

では、ズバリお聞きしますが、今、就職活動中である、または20代前半ぐらいで、転職についてもリアルに考えているという方は、手を挙げていただけると大変ありがたいのですが。

(会場挙手)

尾原:よかった、よかった。あっ、意外と。

横田:半分ぐらいはいらっしゃるのかと。

尾原:年頃が上の方のオーラが強いので、見えにくくなっていますが。

(会場笑)

人数的には3割ぐらいはいらっしゃるということですね。はい。よかった。

横田:では、とりあえず当初のテーマであるこちらからお願いしたいと思います。最近はやはり、尾原さんがもうずっと語ってきたことなのですが、入るときから転職のことを考えている人は、むしろ言われるまでもなくいると思うんですよね。ただ一方で、私はもう40歳を超えているのですが、40歳より上の人間にはその感覚があまりない。

尾原:はい、はい。

10年前と今でキャリアの前提はどう変わったか?

横田:そういったところがあります。こうした若者といいますか、その心理や本当に思っていることをテーマに、お二人によるぶっちゃけたお話を聞かせてもらえると、もしかしたらおもしろいのではないかと思いました。

北野:尾原さんに聞きたいのは……。

尾原:僕に聞きたいこと?

北野:20年ぐらい、いろんな会社で働いてきましたよね。

尾原:そうですね、はい。

北野:「10年前と今は何が違うんですか?」という質問です。

尾原:あぁ〜、はい、はい。

北野:前提として、最近出た調査によると、就職活動中の学生さんに「転職も考えてますか?」といった質問をしたところ、7割が「転職も考慮して就職しています」と答えていました。

尾原:おぉ〜。

北野:7割が転職も考慮して新卒で就職するなんて、20年前であればおそらく考えられないような感覚ですよね。

尾原:そうですね、はい。

北野:20年前なんて、僕はもう本当に、小学生といったレベルでしたので、尾原さんがずっと見てこられた時代についてお伺いしたい。10年前と今では、キャリアの前提として何が違うのでしょうか。

ビジネスの世界では、相手に合わせた対応が重要

尾原:それは、本当にいい質問ですね。そう言いますのも、僕は今48歳で、大学院まで出ているので、学生のときから金は稼いでいたのですが、いわゆるどこかの会社に所属するということになってからの24年間で、その間に14回会社が変わっているという、人間のクズなんです。

北野:やばいですね、14は。

尾原:ただ、おっしゃる通りで、例えばわかりやすい話をすると、僕が新卒1年目でマッキンゼーという会社に入って、いちばん最初に言われたことは「お前、お客さんの前に出せないときがあるから」ということ。

北野:ははは(笑)。はい。

尾原:それはやっぱり、マッキンゼーという会社は、3ヶ月のプロジェクトで、5人で5,000万円もお客様に請求するお仕事ですから、お客様からすれば、「お前の顔はタクシーメーターの高級版だ」と。お前が1秒しゃべるごとに、課金がチリーンチリーンと、1,000円、2,000円とかかっているから、お前の1秒が1,000円以上の価値としてお客様にデリバリーできるようになるまでは、お客様の前には出せないと言われていたんですね。

実際に、お客様の前に出るときも、青色のレジメンタルのネクタイじゃなきゃいけないなど。

北野:へぇ〜。それはマッキンゼーカラーということですか?

尾原:いや、マッキンゼーカラーではありません。マッキンゼーは、中ではフリーなんですよ。ですが、結局、価値はお客様が決めるものですから。そうするとやっぱり、クライアント様がそういった保守的な会社であれば、当然そこに合わせて話すことが大事にもなります。