収入の伸びが幸福度に比例しなくても稼ぎ続ける人

佐別当隆志氏(以下、佐別当):去年、実は僕もクラウドファンディングで1億7千4百万集めたんですけど。不動産投資型に特化した、不動産を担保にしたクラウドファンディングなので、リターンは利子なんですね。年間6.5パーセント利子を返します。

プロジェクトとしては、渋谷区代々木上原に保育園付きのシェアハウスとゲストハウスを作るというので、土地さえ見つかれば保育園は補助金が出て、民泊とシェアハウスの部分は銀行が貸してくれるんですけど、土地がどうしても買えないと。

銀行は事業がうまくいくかどうかわからないので貸してくれないというので、クラウドファンディングで募集をしたら、11日間で1億7千万とか集まって。

家入一真氏(以下、家入):あっという間に集まりましたよね。

佐別当:まあひぃひぃ言いながら集めましたけど(笑)。でも、個人の声でそれだけのお金が短時間で集まるというのは、改めてP2Pのクラウドファンディングという仕組みがすごいなと感じて。

最近も家入さん、北海道の件で、こういうときこそみんなクラウドファンディングで寄付しようよ、みたいなことを呟かれたと思うんですけれども。人の善意がお金を通じて直接届くみたいな、なんかそういう社会が近づいてきているんじゃないかなと感じますね。

お二人に質問したいんですけれども、データとして「先進国の労働生産性」というのが、戦後から右肩上がりに何倍、何十倍と上がってきているという。実際にデータとして証明されているものがあって。あと、収入の伸びが幸福度に比例しないと。

年収600万から700万くらい稼ぐと、それ以上、1千万とか2千万とかは一定して幸福度は上がらないって昔からデータで証明されていて。

下手したら5千万円、1億円稼いだ人たちは、500~600万円、700万円以上稼いだとしても幸せにならないことがわかっているにもかかわらず、また稼ごうみたいな。そういう稼ぐ人がまた稼ぐみたいなおかしなループが回ってきてるんじゃないかなと思うんですけど。

何のためにお金を稼ぐのか?

佐別当:お二人はそこから抜け出してきている気もしていて、お聞きしたいのが「なんのために稼ぐのか」「なんで金稼ぎをしてるのか」という、このところを教えてほしいなと思っていまして、永田さんから聞かせてもらっていいですか。

永田暁彦氏(以下、永田):そうですね。「収入が1千万以上になっても幸福度が上がりませんよ」と言われても、1千万もらうまではふざけんなと思うと思うんですよ。それがすごく大切だと思っていて。さっき家入さんの話を聞いてて思ったのが、過去の自分を救いたいというようなものはないですか?

家入:たぶんね、そこに行き着くんですよね。

永田:確かに収入とか個人資産が増えても幸福度は変わらないというのは事実だと思っているんですけど、それをどう社会に全員を納得させていくかって難しいなと思っていて。僕はお金の使い方って、世の中がマーケティングによって支配されていて、マーケティングの根元を殺すというのが大切なんじゃないかなと思っていて。それで、最近そういうアプローチを始めています。

佐別当:「マーケティングの根元を殺す」と言うとどういうことなんですか。

永田:それこそリアルテックファンドって、日本の超先端技術に投資するファンドなんですけど、日本の大企業30社が出資してるんですね。ソフトバンクとか電通とかJTとか清水建設とかなんですけど、「なんのためにお金を使うんですか?」と。

「10億円を20億円にしてうれしいんですか」という気がずっとしていて。10億円をゼロにする代わりに、「見たことないものを持ってきてやる」と。「ドラえもんがやってくる」と。だって、「どこでもドア」があったらうれしいじゃないですか。「その代わり、お金ゼロになります」みたいな。

そういうことでお金を集めたんですけど。今まで、お金を払う理由って「お金が増えます」「おしゃれなお召し物が」とか。

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