肺がん予防“以外”で医者が禁煙を勧める理由

Why Smoking Makes It Harder to Heal


病院で診察を受ける度に、断つことを勧められる喫煙。もちろん肺がんのリスクを考えてのアドバイスでもありますが、実はそれだけが理由ではないのです。今回のYouTubeのサイエンス系動画「SciShow」では、たばこが傷の修復に与える悪影響について解説します。

スピーカー

体の傷を修復するメカニズム

たばこを吸ったことがある人なら、怪我をしたり手術を受けたりする度に「禁煙するように」と言われた経験があるでしょう。

健康に多大な害を与えることから、単に禁煙を奨励されただけと考えてしまいがちですが、医師が禁煙を指示する理由は、肺がん予防だけではないのです。

たばこには傷の回復を遅らせる作用があるのです。この悪影響は70年代終わり頃から知られており、解明されてきたそのメカニズムは多岐に渡ります。

傷は回復するにあたり、4つの段階を踏みます。まず、血餅(かさぶた)が形成され止血が行われます。

次に起こるのは炎症反応です。炎症反応が起こることにより、体は感染症を防ぎ、傷の回復に備えます。

さらに、新たな組織が損傷部を埋めるように形成され、傷はふさがり、新しい皮膚が損傷部を覆います。

最終的には、損傷部は丈夫かつ柔軟に変化します。

たばこは、こういった段階すべての過程に干渉してしまいます。

血中の酸素濃度を下げ、ダメージを大きくする酵素を生成する

奇妙なことに、たばこを吸うとかさぶたができ易くなります。一見、よいことに見えますが、実はそうではありません。できる血餅の成分が異なるため、免疫システムが稼働して傷の修復に備える第二の段階が長くかかってしまうのです。これは、決してよいこととは言えませんね。

第二から第四段階で起こる問題は、たばこが体内を行き来して酸素濃度を下げてしまう点です。喫煙で体内に吸収されるニコチン、一酸化炭素、シアン化水素は、すべて細胞内の酸素濃度を下げることが示唆されています。

酸素は、傷の修復に重要な役割を果たします。免疫システムが外部からの侵入者と戦ったり、免疫細胞を必要な場所に送り込むには、酸素が不可欠です。また、コラーゲンは傷を塞ぐ組織を形成し、第三・第四段階において損傷部を補強する役割を果たすたんぱく質ですが、酸素はこのコラーゲンの形成にも欠かせません。

たばこが修復期の二つの段階に与える悪影響は、酸素濃度の低下だけに留まりません。例えば、ニコチンは、組織のダメージを大きくする酵素を生成します。

怪我や手術の後に医師から禁煙するよう言われるのはなぜか、皆さんはこれでおわかりでしょう。喫煙は、体の回復するにあたっての悪い条件が多すぎるのです。

非喫煙者と同じ回復力に戻すには、何ヶ月もかかってしまう

しかも、指示を受けて即禁煙したとしても、体の回復力は、非喫煙者と同等にはすぐに戻りません。

もちろん、禁煙すること自体は有益です。感染症を防ぎ、傷の回復の準備を整える免疫反応にとっては、とくに有効です。しかし、第三・第四段階の、傷口を塞ぎ補強する力は、喫煙による悪影響が元に戻るまで何か月もかかることが分かっています。

つまり、皆さんが怪我をしたり、手術を受けて医師から禁煙を申し渡された場合は、絶対に言いつけを守らなければなりません。さらに、その他の健康上のリスクを減らし、良い効果をフルに得たいのであれば、即時禁煙をおすすめしますよ。

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SciShow

Hank Green(ハンク・グリーン)たちがサイエンスに関する話題をわかりやすく解説するYouTubeチャンネル。

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