仕事が楽しければプライベートと分ける必要がない
木村和貴氏(以下、木村):次のテーマは仕事とプライベートということで、これもたぶん、みなさん的にはかなり興味があることではないかと思います。よくオンとオフで語られたり、あとは本当に定時で上がって趣味を楽しみたいとか。そのへんについておうかがいしたいと思いますが、先に中郡さんから、仕事とプライベートというとどうでしょうか?
中郡暖菜氏(以下、中郡):私はまったく分けないタイプなので、プライベートと仕事は一緒ですね。
木村:仕事を楽しんでやっているというところですかね。
中郡:好きなことなので楽しいですね。
井上一鷹氏(以下、井上):趣味は何ですか?
中郡:本を読むこと。
井上:ほう。ある意味、僕より上ですね(笑)。
中郡:仕事とプライベートを、まったく分けていません。
井上:それで例えば、「月〜金」と「土日」のようなことも、ぜんぜん意識はしていないんですか?
中郡:意識しませんね。「土日で混んでいるから外に出たくない」というのはありますが。
木村:そういう時間で分けているわけでもなく、過ごしているということなんですね。
中郡:まったく分けていません。
木村:へえ、すごい。井上さんどうですか?
アイデアを出すために休息をとる「攻めの休み」
井上:僕も中郡さんほどではありませんが、ほぼそれに近くて、本当に恥ずかしながら趣味がないので、プライベートという感覚の時間があまりないですよね。
もう少し言うと、オンとオフという考え方をやめたほうがいいと、僕は勝手に思っていて。これもまた『ホンマでっか!?TV』みたいな話をするのですが、脳の活動に関して研究をしている人は、脳にオンとオフはないといいます。全部オンなんですよ。
論理思考をするというのは、仕事も生き方も……いわゆる集中のような論理系の思考と、直感系のアイデアを出すための思考と、大局観的にざっと見て「このへんが正しい」という思考。
この3つの脳のモードがあって、これは全部活動としてはオンなんですよ。寝ているときでも、レム睡眠と言われる夢を見ているような時間帯は、むしろ直感が活性化しているんですね。
ですから、リラックスしてソファで寝ているような状態は、実はアイデアを出すためだけで考えたら、そっちのほうが脳の活動としてはポジティブなんですよ。
そういうと、いわゆる昔からオンと言われていた論理思考をする、仕事にガーッと向き合うようなモードだけで仕事ができるわけないので、直感系の思考のために、土日に無理やり休みまくる。でも、それは「攻めのための休み」なんですよね。
わりと、そのように考えていて。僕は会社自体、テレワークは別に容認されていないけど勝手にやっているので、どの時間に会社に行くかは、もう会議だけで決まっていて、あとは自分がやりたいところで仕事をするようにはしていますね。
中郡:今後は、そういう会社がすごく増えると思います。私はフリーランスで編集長をしながら本を作ったりアパレルをやったりイベントをやったり。どれが軸かというよりも、全部をミックスさせるのが案外一番よかったりします。
ミックスすることで自分が楽しかったり、みんなに喜んでもらえたり、クライアントさんに喜んでもらえたりすることがすごく多いので、会社や仕事という縦割りのタスクで考えるのではなくて、どれだけ自分らしさをそこで出せるのかという、自分が「お願い」と言えばやってくれる人をどれだけ作れるかといったことが大事ですね。
仕事の垣根を越え、人とのつながりを作っていく
井上:それは超大事ですね。諦めてもらって任せる力というのは、超大事ですね。
中郡:自分だからミックスできる、人と人とのつながりや、仕事と仕事の組み合わせなど、それをどれだけ作っていけるかということが、大事だと思います。