一歩を踏み出すために必要なのは「最悪のシナリオ」
イノーバ代表が語る起業のきっかけ

“いいね!”が変えるにっぽんの将来 #5/5

SOCIAL INNOVATION FORUM
に開催

2018年9月7日~17日にかけて、日本財団「SOCIAL INNOVATION FORUM」と、渋谷区で開催した複合カンファレンスイベント「DIVE DIVERSITY SUMMIT SHIBUYA」が連携し、都市回遊型イベント「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA」が開催されました。本パートでは「“いいね!”が変えるにっぽんの将来」と題し、ファンベースをテーマにしたトークセッションを行いました。本パートでは、起業家やアイドルが大きな夢をかなえる最初の一歩を踏み出せた理由を語りました。

最悪のシナリオ「プランZ」を用意して挑戦する

宗像淳氏(以下、宗像):だんだん締めに入っていくんですけど、今日は「ファーストペンギンだけじゃなくて、セカンドペンギン、サードペンギンも大事だよね」という話や「やっぱりスキルを見つけよう」という話をしていたわけなのですけれど、とはいえ「一歩踏み出すのってけっこう大変じゃないの?」という話があると思います。

まず私のほうの小さな一歩で、「起業した」という話をちょっと紹介させていただきます。震災にあった時に、僕の実家は福島なので、地震の被災はそんなに大したことがなかったんですね。みんな元気だったんですけれど、すごく心配しましたし、東京でも激揺れしたじゃないですか。だから、その時「生きているって奇跡みたいだな」と思って、「起業したい」と思ったんですよ。

ただ、起業するってけっこうリスクもあるし、何より奥さんがすごく反対するかなということもあって。僕がやった小さな一歩は2つあるんですね。1つは自分の中の気持ちを整理するために、ある本を読んでいたら、「プランZを作れ」と書いてあったんですよね。プランZって何かというと、通常は何か計画を立てる時に、まずプランAというものを立てるらしいですね。

「これはうまくいく、こうなったらいいな」というのがプランA。だめだった時のバックアップがプランBなんですね。じゃあプランZって何かというと、本当にありとあらゆることがうまくいかなくて、「最後の最後、これしかない」というのをプランZと呼ぶらしいです。

その本を読んで、自分のプランZが何だろうといったら、まず今住んでる家を解約して、奥さんの実家に転がり込むというのがまず第1で、あとは英語はちょっと得意だったので、英語の塾とかで教えられるんじゃないか、という。

雇ってもらってもいいし、自分で教えてもいい。そうしたら何とかなるんじゃないかと思えて、自分の中で一歩を踏み出せたことがあります。なので、プランZという発想ですね。

転職活動と起業の準備を両方やってみる

宗像:あともう1つは、奥さんには内緒なんですけど。いきなり辞めて起業したりすると奥さんもびっくりするので、転職活動も並行してやりました。転職活動と起業の準備を並行して、一応お休みが1ヶ月あったので「もし転職先も見つかれば、いざという時はもう1回転職活動ができるから、いったん両方やってみるね」と。

一応転職活動もうまくいって、内定は出たんです。大変申し訳ないけど、行く気はサラサラないのに転職活動をしてました。「内定とれたけど、でも今回は起業するね」というようなことをしていました。けっこうひどいですね(笑)。

江守敦史氏(以下、江守):悪どいですね(笑)。

宗像:悪どいんですよね(笑)。しかも給料もバリバリ交渉してました。そういう意味だと何か行動を起こす時に、自分が障害だなと思っているものって、ちょっと角度を変えると実はそんなに障害じゃなかったり、小さな一歩を踏み出せたりするのかなと僕自身の経験の中で思っています。

すみません、ちょっと先走っちゃったんですけれど、古川さんの一歩ですね。こちらも教えていただこうと思います。

古川未鈴氏(以下、古川):私にとって一歩って、やっぱりアイドルだとは思うんですけど、もともと私は学生のころから転勤族でして。生まれは香川の高松なんですけれども、そこから名古屋やら大阪やら岡山やら千葉やら東京やらみたいな感じで。

2年に1回ぐらいは転校している学生時代だったので、いわゆるいじめというものにすごく合っていました。今だから別に笑って話せるんですけど、当時はすごくしんどいし「くそー!」とも思うし。

でも、私がけっこう弱気だったこともあって、何か言われた時に「うるさい、やめて!」の、この「やめて!」という一言が言えない子どもだったんです。

「ああ、そうだよね、ははは」みたいな感じで、ヘラヘラしながら受けている系のいじめだったんですけど。そういう人たちには、やっぱり頭の中ではムカつくし、何とかしてやりたいと思うけど。

でんぱ組.incの始まりは、秋葉原のメイド喫茶

古川:何もできない自分がいた時、テレビには、SPEEDさんとかモーニング娘。さんがいたんですね。テレビの中ですごくキラキラしていて、そういう人たちが活躍していて、私にとってはその世界がもう天国に見えていたんですね。

それで、もしかして私もテレビの中の世界に入れて、キラキラしたライブやステージに出られれば、今いじめていられる人たちを見返せるんじゃないかと思ったんですよ。「あいつ、がんばってるな」という。

私の中で、それがちょっとした復讐だったんです。そのために私はアイドルになろうと決めて、そこから、それこそハロプロのオーディションも受けましたし、AKBも受けたし、いろいろな映画のオーディションもすごくたくさん受けて。

でも、やればやるほど「あっ、私そんなに向いていないんだ」ということに気づき始めたんです。なぜかというと、もう全部書類落ちだし、何も成果がなくて、やればやるほど自分に自身がなくなっていくというか、そんな中で行き着いたのがプランZですね。プランZが秋葉原だったんです。

宗像:あっ、それがプランZなんですか?

古川:秋葉原のメイド喫茶で働いたら「何かちょっと表に出られるかもしれない」と思って。だからもう、言ったらアルバイトですよね。そこで秋葉原にパーンと飛び込んで、メイド喫茶で「ご主人様」と言いながら、アルバイトをしつつ。

お店も転々として「秋葉原ディアステージ」というお店に出会ったということで、私はそこで1つ何かを踏み出したかというと、たぶん声に出したのかなと思います。「私はユニットのアイドルをやりたいんだ!」ということを、とにかくいろいろな人に言ったんですよ。

もう私だけじゃできないから、この声が誰かに届いて「じゃあやってみよう!」となることを祈りつつ、とにかくやりたいことは口に出そうと思って、私はひたすら「アイドルになりたい!」ということを言い続けました。そうしたら、そのお店のアルバイトの子たちを合わせて最初にできたのがでんぱ組.incだったんです。

やりたいことを口に出すことが最初の一歩

古川:そこが本当にでんぱ組.incの始まりです。みんなアルバイトの子たちで結成したようなグループだったので、そこから私は本当にやりたいことがある時は、とにかく口に出してみようと思っていました。例えば「でんぱ組.incは武道館に立ちたいです!」というのを初めてファンのみなさんの前で公言した時があったんですね。それまでは目標とかって言うの超恥ずかしいじゃないですか。

目標が叶わなかった時は本当に申し訳ないし、なんて言っていいかわからないし。それでも「私たちはここでライブをしたいんだ!」ということを勇気を出して言ったら、ファンのみなさまは「がんばって!」と言ってくれたんですよ。

あの当時のでんぱ組.incだったら、「いやいや、そんなの無理だよ」と感じたはずなのに「俺たちも信じているよ!」と言ってくれたのがすごく励みになって。それから2年後に、でんぱ組.incは武道館に立てたんです。

私はその小さな一歩って、もしかしたら「やりたいことを言うことかな」と、けっこう思っているので、今でも実践しています。「これをやりたいな」と思ったら、口に出して言うようにしているし、それがTwitterでも「いいね!」を押せて、今やっぱり好きなことって、言った人がするとけっこう本人に通じたりする時代なので、何でもやりたいこと、好きなものを言ってみるというのが私の小さな一歩です(笑)。

宗像:そうですね。なるほど。すごい! みんなが頷いてたから納得感がすごい感じしますよね。

森歩氏(以下、森):すごい。

古川:実は私のアイドルって、最初はそういう「悔しい」「ムカつく」から始まったんですよね。もしかしたら、そういう気持ちが一番、人を強くするんじゃないかと私は思っているので。最初はみんなに夢や希望を与えたいとかじゃなくて、自分のためにアイドルになろうと思ったのが私のアイドルのきっかけです。

夢を口にし続けることで、自分自身が変わっていく

宗像:なるほどですね。ありがとうございます。いやあ、本当に声に出すって、でんぱ組ユニットを作るために、今まで何人の人に「アイドルになりたい」って言ったんですか? むっちゃ言いまくった?

古川:何人だろう。でも、けっこう言いました(笑)。それこそmixiとかでも言っていたし、Twitterに登録してからも言ってたし、いわゆるちょっと偉い人、それっぽい人を見つけたら「私、アイドルやりたいんです!」ってやたら言ったりとかしてて。

何かそれって、今考えたら営業してたんだなと思ったんですね。「あっ、これって営業だ」と思って。知らず知らずのうちに、今、私はそういうことをやってたんだなと思いました。

宗像:同じ人に何回も言うようなことをしてたんですか?

古川:でも、「もふくちゃん」という当時の女の子のプロデューサーがいて、その子にはずっと言ってました。

宗像:なんて言ってたんですか?

古川:「私はソロじゃなくてユニットがやりたいんだ」とか「アイドルの物販はこうあるべきだ」とか。「アイドルがお金を触るのはだめだから、運営の人が触ったほうがいいと思う」とか。そういうことを何かすごくいろいろ言っていました。

江守:とくに何か成し遂げたいことを人に言い続けていると、その人たちが動いてくれるというのもあるけど、自分が変わるじゃないですか。本気度が上がるし、言い続けていることで「これでやれなかったら格好悪いな」とか。やり切りたいという気持ちが高まってくるから、やっぱり言い続けるのってすごい大事ですよね。

古川:私もずっとアイドルになりたいなと言ってて。私、いまだにアイドルになりたいと思うんですよ。本当に。まだ私が思い描いていたアイドルではなくて、紅白も出たいし、「COUNT DOWN TV」も出たいし。

宗像:そういうのがいっぱいあるわけですね。

古川:そうなんですよ(笑)。まだこれだけアイドルをやっていても、たぶんやりたいことって尽きないんだな、というのはあって。だから私は「東京ドームでライブがしたい!」とかも言うし、「紅白に出たい!」とも言うし。もしかしたら誰かがどこかで聞いていてくれるかもしれないから、私は言います!

背中を押してくれた「つながりの力」

宗像:なるほど、わかりました。ありがとうございます。だいぶ盛り上がっておりますが、そろそろ時間なんですね。みなさんのお手元にフリップがあるので、締めるためにちょっと一言いただこうかなと思ってます。

今日参加されて会場に来ているみなさんとか、あるいは今日参加されたみなさんがTwitterとかブログとかやってくれるかもしれないので、ネットの向こうにいる人に届けたい言葉。

みんなに届けたい言葉だったり、あるいは今日聞いていて「ああ、何か良い言葉聞いたなあ」みたいなものを自由に書いてもらって、それを見せながら各自のコメントをいただくと。まず書きますのでちょっとお時間くださいね。本当にめちゃくちゃメモをとりまして、いいお話がいっぱいあったんですけど。

(フリップに記入中)

宗像:はい。まだ書きながらでけっこうですので、私のほうから置いておきますね。僕が書いたものは「つながりの力」です。今日のお題でもありますし、僕も起業する時にすごく後押しをしてくれたのが周りの友人でした。

それも、それまで友人じゃなかった人、起業の準備期間で知り合った人たちがいっぱいいたんですね。

僕も「友人の背中を押したいな」とか「応援したいな」と思いますし、押してもらったなと思いますので、僕は「つながりの力」ということにしています。はい、じゃあ大庭さんお願いします。

大庭啓太氏(以下、大庭):僕が一番好きな言葉なんですけれど「Enjoy who you are.」という英語で、「僕はありのままの自分を楽しむ」というふうにいつも日本語に訳しているんですけど。何が言いたいかというと、僕ら大学生ぐらいの年代っていろいろな選択肢が転がっていると思うんですね。

昔では考えられないぐらいたくさんの選択肢がある中で、自分のやりたいことを1つだけに絞ってそれを続けるということは、ちょっと時代遅れかなと僕は個人的に思っています。僕は3日坊主が大好きで、いろいろなことをやってみて、やったことを3日で止めちゃってもぜんぜんいいと思います。

3日坊主を続ける中で、自分の本当にやりたいことが見つかる。SNSをうまく活用しながら、それをかたちにできるのが今の時代の活動の仕方かなと思ったので、今回はこの言葉にしました。

好きなことややりたいことを口に出す大切さ

宗像:はい。ありがとうございました。じゃあ、未鈴さんお願いします。

古川:はい、ちょっと長いんですけど、じゃん! 「島バナナ食べたい、ホタテもわかめも」。「言うって大事」ということで、私はたぶん、今日ここに来なかったら、ホタテのこともわかめのことも島バナナのことも知らなかったと思うんですよ。

だから、そういう自分が好きなこととか、やりたいことを人に言うって大事だなと思いました。「だから私、興味持ったし」という。なので今日はいろいろなことを知ったし、興味が湧きましたという意味で、やっぱり「言う」って大事だなと思ったので、この言葉にしました。

宗像:そういう意味では、あそこにいられる主催のサジさんが古川さんに「ひょっとして出てくれますか?」と言ってみたのも大きな一歩ですよね。

古川:確かに。だから、このつながりがあって私は島バナナを知ったということですね。本当に。

宗像:実は、サジさんが個別に何回も何回も連絡くださって、直接会いに来てくださって、ものすごく打ち合わせをしてくれたんですね。なので、サジさんもそうですし、サジさんと一緒にやられていたチームのみなさんがすごくがんばってくださって、この場ができています。なので、ちょっと拍手をいただいてもいいですか?

古川:ありがとうございます。

(会場拍手)

宗像:じゃあ、森さん。

:はい。「自分が変わる」というところですかね。今日のお題は「いいね!が変えるにっぽんの将来」ということなんですけど、私には「日本の将来を変えよう」という気概はそんなにないというか、そこまで大きなことをすごく考えて動いているわけではないんですね。

だけど大庭君が言ったように、自分が知ったこととか興味があることを「じゃあ、自分だったらどうするか」「自分も現地に1回行ってみる」とか。

そういうふうにしていくことで、自分の意識が少しずつ変わっていく。そうすると、日々の選択のいろいろなことが変わっていくのかなというふうに思います。

今を犠牲にしたり我慢しても、未来は変わらない

:私の場合ですと、食べ物などを「どんなものを買うのか」という基準が値段ではなくなってきたというところです。そういうふうに、自分の意識や選択が少しずつ変わっていくとそれが伝播していって。「最終的に日本の将来が変わったらいいね」という、タイトルが反対になってますが(笑)。そういうふうになっていったらいいのかなと思っています。

宗像:ありがとうございます。じゃあ江守さん。

江守:トリってやりにくいですね(笑)。

(会場笑)

宗像:そうですね。期待値Maxですよ(笑)。

江守:はい。僕は「いまここ」という言葉です。これは僕がいつも言っている言葉で、「いまここ教の教祖」と言われるぐらい言っているんですけど。

1つは、やっぱりみなさんが一緒にこの場に来てくださっているから、今日のこの場ができていて。なので「いまここ」をすごく大事にしたいな、ありがたいと思いたいな、というのが1つ。

もう1つは、いつか幸せになるために今を犠牲にしたり、今我慢しようじゃなくて、今この瞬間にやりたいと思ったこと、興味を持ったこと、やるべきと思ったりしたことをしていかないと、未来って変わっていかないんじゃないかなと僕は思っています。

自分自身も今日の気づきを活かしていきたいですし、みなさんも今日何か気づきが得られたら、アクションに移ってもらうと、すごく良いんじゃないかと思いました。

宗像:はい。ありがとうございます。では対談は以上になります。

(会場拍手)

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