経済圏を伴う小さな社会はつくれるか?
「ポスト資本主義社会の具現化」を掲げる社会起業家の挑戦

Living Anywhere #3/5

LivingTech カンファレンス 2018
に開催

2018年11月21日、テクノロジーによる「暮らし」の変革を志す、第一線の経営者・クリエイターが集う「LivingTechカンファレンス2018」が開催されました。2020年から5年後の社会のあり方を考える「POST2020」をテーマに、10以上のセッションを実施。その中のセッション「Living Anywhere」では、COMMONS、Next Commons Lab林篤志氏、VUILD秋吉浩気氏、WOTA北川力氏、LIFULL井上高志氏が登壇しました。本パートでは、社会起業家である林氏の掲げるビジョンと活動内容を紹介します。

「ポスト資本主義社会の具現化」を掲げる

井上高志氏(以下、井上):では、林さんよろしくお願いします。

林篤志氏(以下、林):よろしくお願いします。Next Commons LabとCOMMONSという2つの会社をやっていて、「ポスト資本主義社会の具現化」というビジョンを掲げてスタートしたわけなんですけども。僕はソーシャルの社会課題の解決とか、ローカルの現場で仕事をしてきて、10年ぐらいいろいろやって、2015年ぐらいにちょっと燃え尽きたんですね(笑)。

「ちょっとこれ変わんねぇな、いくらやっても」と思いました。なので、いったんそこで、社会を変えることをあきらめたんですね。あきらめたんですけど、社会を変えるというアプローチ……今の社会は、国家と資本主義なわけですよ。

この巨大システムの上で、いろんなインフラの問題なども出てきているんだけども、ここに対して社会を変えていこうとか、課題を解決していこうとかやってきたわけなんですが、「それぶっちゃけやっても変わらなくない?」というのが、僕たちの考え方で。

だったら最新のテクノロジーを使って、社会そのものをゼロベースで作っていくというアプローチ、自律分散型のあり方があるんじゃないかなと考え始めたのが、ここ数年ぐらいの僕たちがやっていることに繋がっています。

もっと踏み込んでいくと、インフラもそうだし、あらゆるものがそうなんですけど。例えば、わかりやすくいうと国家なんですよね。今、国連に登録されている国家というのは、200ヶ国ぐらいあるんですけども、実は誰かが作ったものであって、われわれが作ろうと思えば作れるもので。国家の3条件というのが、臣民・領土・強制権と言われているんですけども、これって用意できそうだなと。

ブロックチェーンなどの技術を使って、新しい国家そのものを誰もが作っていけるような。自分たちが理想とする社会みたいなものをゼロベースで作っていける、そういう時代になればよいかなと思っています。ですから、水のインフラ、木材、鉄のセルフビルドみたいなパーソナルに向かっていく方向性なんですけども。むしろ国家そのものも誰もが作っていける、そういう時代になっていくと考えています。

今は日本のローカルで種みたいなものを撒いている状況で、自治体や起業家、企業さんを巻き込んで、全国各地に拠点を作っています。岩手県遠野市では、20人ぐらいの起業家に集団移住していただいて、そこで地域事業に使った新しいサービスであったり、インフラづくりに従事していただいている。

地元のホップを使って、新しいクラフトブルワリーでできた、こういうモバイルハウスのプロジェクトであったり。いろんなバックグラウンドを持っている人たちが集まってきているというのが、全国10ヶ所あって、北は弘前、南は宮崎でやっています。

これを100拠点ぐらい作っていこうかなという感じで、今動いているところです。現在は10拠点、そして29のプロジェクトが走っていて、65名の起業家をネットワークしているというのがNext Commons Labです。

人間が人間らしく営むこと自体に価値がある

:ですので、「ポスト資本主義社会の具現化」と言いながらも、地方創生のプロジェクトとして、事例として取り上げられることが現状は多いかなと思っています。一方で、COMMONSというプロジェクトをやっています。

経済圏を伴った、小さな社会を作れる仕組みを提供することを考えていて。僕たちは社会や国を作れるOSという表現をしていますけど、ひとつは通貨を発行できるということですね。ブロックチェーンを使って、法定通貨ではない共感ベースのトークンエコノミーを誰でもつくれる仕組みを提供しようとしています。

現状は導入先として、お声掛けいただいているのは、国内外の自治体さんのいわゆる地域通貨であったり、独自の経済圏を作りたいと思っていらっしゃる方であったり。おもしろいところだと宗教法人さんだったり、数百万人信者がいるような飛び地国家みたいなイメージですね。

また、東南アジアやアフリカの、国家システムや法定通貨があまり強くないような国からお声掛けをいただいたりしています。ソリューションとして、ウォレットや取引所、ダッシュボードがあり、実際は社会関係資本であったり、独自経済圏の動きをリアルタイムでビジュアライズできる状態になっていて。

もう1つは、その先にどんな未来を見ているかと言った時に、やっぱり人間が人間らしく生きていくための、インフラの話に繋がっていくんですけども。そんなに働かなくてもいいかもしれないし。

もっと人間が人間らしく営むこと自体に価値があって、つまり、もっとみんな好きなことをやればいいという、そういう時代がくるんじゃないかなと考えていて。食料であったり、エネルギーであったり、住空間であったり、こういったものが極めてコストゼロに近づいていくだろうと。

そういったインフラを、ちゃんと整備していくようなプラットフォームを作っていこうということで、これはわれわれだけでやるというよりかは、まさにWOTAさんであったり、VUILDさんと一緒に連携をしてやっていかなくてはいけないことなんですけども。それの実証実験として、年明けにリリースするんです。日本のある離島で。

井上:ある離島でというと、どのへんなんですか?(笑)

:ちょっと、これは……(笑)。

北川:(スライドを見て)瀬戸内海っぽいですね。

:これはまだ非公開なのですが(笑)。人口数十人ぐらいの島で。

井上:もしかして毒ガスとか作っていたところ?(笑)

:想像していただければということで(笑)。

秋吉:すごく有名なとこ? 

井上:いよいよ、林さんの独立国家ができるわけですね。

:いやいや、そういうことではないです(笑)。

(会場笑)

未来は手を伸ばせばすぐそこにある

:人口数十人で、平均年齢80歳ぐらいなんですけども。さっきからリープフロッグ現象の話が、けっこう出てきていますよね。10ヶ所くらいの日本の田舎で、プロジェクトをやっていて感じることは、未来ってすぐそこにあるんですよ。手を伸ばせばあるんです。だってWOTAあるじゃん。だけど、みんなは手を伸ばさないんですよ。VUILDがあるのに、なかなか導入しないんですよ。

それはやっぱり既存の産業や、いろんなしがらみとかがあるんだけど、手を伸ばしたくないという理由があるんですよね。それは致し方ないというか、徐々に変えていくしかないし、そこはNext Commons Labとかの役割でもあると思うんですけども。いかんせん遅いなと。

イマジネーションできる人であればいいと思うんですけど、なかなかイマジネーションできないことが問題なので。要はもう物理的に見せてしまおうと。これが未来ですよということを、国内でも見せられる拠点を作りたいという思いがあって。

この日本の離島、人口数十人の島で、自治経済圏であり、疑似国家のようなものを作れないかと考えています。数年かけて約300名の方に集団移住をしていただいて、島民300名の1つの自治国家モデルみたいなものをつくっていくプランを今準備しています。地域発電であったり、ここにあるようにWOTAが入っている。すみません、勝手に入れてしまいました。

北川:がんばります(笑)。

:そんな感じですね(笑)。

井上:今日、初めましてで会っているのに、(WOTAが)もう勝手に入っている(笑)。

:実は、さっきVUILDとかLIFULLのロゴをスライドの周りに散りばめてあったんですけど、さすがにちょっと(笑)。

秋吉浩気氏:いや、入れてくださいよ(笑)。

:いろんな人にプレーヤーとして絡んでいただいて、本当に新しい未来の国家モデルみたいなものを、国内外問わず作っていこうというプロジェクトをやっています。ですからブロックチェーンを使って、新しい経済圏とか、いわゆる自治国家モデルみたいなものを、テクノロジーレイヤーでもやっていきながら。われわれは、フィジカルに拠点を作っていくことが強みでもあるので、その両方向でやっていこうということを考えているチームです。以上です。

井上:はい。ありがとうございました。という感じでお三方の自己紹介です。このディスカッションをいったん終わらせて、その後Q&Aに入ってください、というオーダーを(運営から)いただいています。

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