「創造する側」と「破壊する側」の信頼関係

鈴木寛氏(以下、鈴木):ありがとうございます。実は、どうやったら暴落をさらにpostpone(後回し)するかについては、いろんな知恵があります。それは経済・通貨・税制などですね。

例えば、国債での相続を特別扱いするだけで、国債への買いはずっと維持できます。それだけでpostponeできたりします。だけど、結果としてそれを相続したやつは壊れてしまいます。

今日『西郷どん』が最終日ですけど、録画して見てほしいと思います。あるいは来週の土曜日ですね。要するに、あの場合は武士階級が暴落するわけです。だけど、武士階級の中でも生き延びるやつと本当に没落するやつがいます。

今回の創造的破壊で、どこが武士階級になるのか。その武士階級の中で、創造する武士とそのまま自決する武士をよく見極めて、それを今回の創造的破壊に置き換えるとどういうことになるんだろうか? あの時は武力でしたが、今回は経済力なんですね。

みなさん、だいたい総論はわかってきていると思うけど、それをどうやって各論で突破していくか。もちろん政府が良好になるほうに進む人も絶対にいてほしい。半分はいてほしいです。

だけど、半分は創造する側です。(政府側も)そこと気脈を通じていることがものすごく重要で、そのためにこのG1カレッジはとても大事なインフラだと思うんです。

それこそ江戸城の無血開城だって、結局、西郷と勝が裏でちゃんと通じて信頼関係を築いていたからできたんです。これから君らは、いったん創造する側と破壊する側に分かれることになると思います。

ですが、人間と人間の信頼関係がちゃんとできていれば、この危機を破壊だけじゃない、創造的な破壊に持っていけると思います。そういう意味では、僕はG1カレッジが日本を救うと思っています。

日本の国債が暴落したら世界経済も一発で飛ぶので、日本を救うだけでなく、世界の経済システムをどうイノベートしていくかの鍵すら握っていると思うんです。

そろそろインタラクティブセッションにいきたいと思いますので、みなさん、どうぞ。じゃあ最初に手が挙がった方。

外国人の受け入れにどう対応していくか

質問者1:森さんが最初におしゃっていた人口構造で、日本の今後の未来を考える上で、そしてすべてのソリューションとして、僕は「外国人の受け入れ」があると思っています。最近もテレビで見ない日はないと思いますし、一昨日ぐらい前は特定技能の成立の話もありました。

今後、外国人受け入れに関してどのようなことを考えているかを4人の方に聞きたいです。なぜこの質問をしたかというと、僕はいまクロスボーダーという、世界で働く人の国境をなくすという会社をやっているんです。

もともと去年ドイツに留学していて、その時にシリアの難民の方と一緒に勉強して、「お前は本当にいいな」と言われました。「お前は日本に生まれて、大学生になれて、勝ちゲーだ」と。

「俺は生まれた場所を選べなかったから」という部分を聞いて、僕は「世界で一番平和で安全というブランドのある日本に来れる道をつくりたい」と思っています。

そんな中で「外国人が必要」と言っているけれど、受け入れ体制がぜんぜん整っていない会社もあります。いまだにいじめが残っていたり、それこそ技能実習生や特定技能制度など、日本を好きだったのに嫌いになって帰る子がいます。

あと、日本に来るインセンティブも下がっています。韓国では、例えば日本語学科が無料とか、留学に来たら必ず無料になったりします。日本という国がやっていないことを僕らが解決していきたいと思っていますが、今後、外国人の受け入れに対してどういった考えを政治的にしているかを聞きたいです。

鈴木:質問の人、もう1回手を挙げてくれる?

(会場挙手)

いっぱいいますね。これは全員に聞きたいので、3人ずつぐらい聞いていい? もう1回手を挙げてください。じゃあ……彼から。

外国人を受け入れることで意識が変化していく

質問者2:PoliPoliの伊藤です。政治と市民のコミュニティアプリのようなものを作っています。政治分野におけるITの活用で、なにができるかをおうかがいしたいです。

鈴木:はい。じゃあもう1人。

質問者3:ICUから来ました。パワーバランスの話がよく出ていましたが、やっぱり日本は日中間でどうしても挟まれてしまいます。

先ほど言っていた人権や途上国における支援といったソーシャルノームを日本から出していくために、どうやってその役割を作るのか。それについて意見を聞けたらうれしいです。

鈴木:はい、じゃあとりあえずこの3人で。今度は、森さんからいきましょうか。

森まさこ氏(以下、森):入管法の改正が徹夜で行われました。細野さんは「スローな意思決定」と言いましたが、本当にそのとおりなんです。この問題については、もっと早く始めるべきなのですが、一つひとつがスローなんです。そういう意味で、国会改革もしていかなければいけません。

人口減少の中で、先ほど言った生産年齢人口、つまり働き手が少なくなっていくので、やはり外国人の方には来ていただきたいですね。働き手や研修生だけではなく、観光客も4倍になっています。外国人留学生も増えていますので、これから多くの外国人の方と一緒に生活をしていくことは、避けて通れない課題です。

その中で、もちろん受け入れ体制が整っていないところもあります。一方で、たくさん来ていただいて、好きになってもらって、そのリターンでまた来ていただくという良いほうの効果もあるんです。

ですから、そこはマイナスの部分をなるべく少なくしていくために、政府ももっと巻きを入れて対策をしていかなければならないと思います。

地方の議員として1つ言うと、地方でもやっと外国人が少しずつ増えてきていますが、東京と比べると、さらに受け入れ体制がないことが問題です。ITも非常に遅れていますし、クレジットカードも使えないところが本当に多いのですが、そういうところもどんどん意識を変えていかなければならない。

しかし、入ってきたことによってまた意識が変わることもあるんです。そこにはもちろん摩擦が起きますが、そこを一つひとつ解消しながらがんばっていきたいと思います。

移民問題はヒューマニズムの観点だけでは捉えられない

鈴木:はい、じゃあ細野さん。

細野豪志氏(以下、細野):そうですね。1点目だけ簡潔に答えると、移民の問題はヒューマニズムだけでいくのも危険なところがあります。もちろんシリアからでもどこからでも、貧しい人が来てくれれば、その人にとってはいいことです。

一方で、現実に今回の政策で入ってきたときにはさまざまな問題も起こります。来てくれた人に対して中途半端に「じゃあ帰ってください」とは言えないので、壁のようなものは明確に作らざるを得ないだろうと思います。

ただ、ちゃんと入ってきた方については、人としてきっちり受け入れていく必要があります。私が特定技能1号に関して今回懸念しているのはこのあたりです。2号は、できるだけ限らせる方針ですね。「永住は認めません」というような議論がややあるんですよ。

そんなことでしか受け入れない国に、本当に外国人が来てくれるのかという問題はあるわけです。

難民に関してはちょっと別問題だけど、移民については……政府は「移民」とは言っていませんが、実質的に移民に近いものについては、私は壁をきちっと作った上で、ヒューマニズム以外の日本にとってメリットがあるかどうかで受け入れるのがいいと思います。

受け入れた場合については、彼らが努力をしたら、家族の帯同や永住などのさまざまな可能性について、もっと積極的に開く国にしていかないとまずいんじゃないかと思っています。今回は最初の議論で、両側からの攻撃があったので、こういうところへ落とさざるを得なかったが、やがてそういう議論になってくると思います。

日本の政治の世界はなぜかネットでは動かない

細野:最後の方の質問に関しては、やっぱり途上国の中には、中国のやり方に対する相当な反発もあるわけです。日本はこれまで比較的伴走型でやってきていて、人徳というか国徳というか、ある種の徳を積むべく努力をしてきた。

これからさらにやったほうがいいなと思うのは、特定の地方にさらにフォーカスをすることですね。中央政府だけじゃなく、場合によっては慎さんがやっているように、個人にフォーカスをする。

本当の意味で支援すべきところをしっかり見定めて、間接的に支援するようなことも、国としてはあるかもしれない。

(質問をしてくださった方は)たぶんそういう活動をしていかれるんだろうから、国だけじゃないところも含めて、そういうところにフォーカスをしていく。そして本当の意味で途上国の支援になることをできるか、ということじゃないかと思います。

ITに関しては行き詰まっています。いろいろやってみたけれど、なぜか日本でITは……まぁ、そこを使ってものすごくバズった政治家自体があんまりいない。お金を集めることが目的じゃないけれど、それでものすごくお金を集めた政治家もあんまり聞いたことがないんです。

だけど、これだけ世界中がネットで動かしているのに日本はなぜ動かないのか。この問いに対して、私はまだ解がないです。しばらく発信を控えめにしながら世の中の趨勢を見ている感じかな。そこはぜひディスカッションさせてもらえるといいなと思います。

鈴木:はい、ありがとうございます。では、慎さん。