「beの肩書き」の意外な活用法

兼松佳宏氏(以下、兼松):Tokyo Work Design Weekの1日目の最後ということで、昼からずっと聞いていた方は、参考までにどれくらいいます?

(会場挙手)

ごくろうさまです。これが最後ですので、よろしくお願いします。TWDWには2年に1回くらい出させていただいていて、去年も「beの肩書き」の話をさせていただきました。

それをきっかけに、今日もお越しいただいているみたむら(さやか)さんが、今日のゲストの佐渡島さんが主宰されているコルクラボでワークをやっていただいたり、組織づくりのためのbeの肩書きワークショップのご相談をいただいたり。こうしてお話をさせていただくことで、どんどん広がりを感じています。

1年前がスタートだとして、今日はこの1年どういうふうに考えが深まってきたのかを振り返る絶好のタイミングだと思っています。

改めて、2人のゲストについてご紹介します。まず中村君はツクルバという会社のCCOをやられていて、ツクルバでは社内のSlackでbeの肩書きを表示できたり、名刺の裏面に入れることができたりするんです。

そのエピソードが興味深くて、グリーンズの学校で「beの肩書き探求クラス」を開いたときにゲストにお呼びし、そのインタビューが『beの肩書き』の本に掲載されています。

新卒じゃなく中途で入っていただいた方にも、beの肩書きを考えてもらうようなワークショップをやってるんですよね?

中村真広氏(以下、中村):ワークショップをやっています。

兼松:そういうふうにbeの肩書きを使っていただけるんだ、というのは僕の想像の斜め上を行く展開で。今日はそのあたりをお話しいただけたらと思っています。そしてもうひとかたの佐渡島庸平さんは、実は今日がはじめましてなんですが、こちらの著書『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE』を5月くらいに出されて。

WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜 (NewsPicks Book)

佐渡島庸平氏(以下、佐渡島):5月前半です。

佐渡島氏の「be」は編集者・探検家・経営者

兼松:その中で、自分の肩書きじゃなくて、beの肩書きで自己紹介するおもしろいやり方があるんだ、と紹介していただいて。たぶん他のメディアでインタビューを受けていらっしゃる時にも、そのことをご紹介いただいて。僕はエゴサーチが大好きなので、「beの肩書き」で調べていた時に「なんか佐渡島さんが言ってくれてる! でも、肩書きの「き」がない!」とか思いながら(笑)。

(会場笑)

そのへんの揺らぎに「ウー!」って思いながらも、すごく嬉しかったんです。どんなふうに興味を持っていただけたのか、改めてお聞きしたいなと、今回お願いさせていただきました。

あとで詳しい自己紹介と、beの肩書きを考えるために大切にしたい3つのキーワードについてお話しさせていただきたいです。さっそくですが、先ほどのミニワークで、佐渡島さんと中村さんがどんなものを選んだのか。まず、佐渡島さんから聞かせていただいてもいいですか?

佐渡島:基本的には、僕は編集者という仕事自体が天職だなと思っているので。自分の趣向や行動パターンを象徴する肩書きというのは編集者ですね。

その次の自分の中の幸福感を象徴していそうな肩書きなんですけども。社会を作って、職業というものがあって、働くという状態自体が、動物から人間を見たら、すごく不自然な状態だなと僕は考えていて。

beにしてもdoにしても、肩書きがないといけないっていう。そういうのがそもそも不自然だと思っていて。なんにもないほうが幸せだなと思ってるんですね。

兼松:いいですね! 「なし」と書かれてるんですけど、そういうことだったんですね。

佐渡島:そうです。それで、自分の好奇心を象徴していそうな肩書きというのは「探検家」ですね。僕は就活する時に、出版社とNHKエンタープライズを受けたんです。NHKエンタープライズは、NHKの特別番組で世界中の秘境に行って、ずっとドキュメンタリーを撮ったりしているので(笑)。

それで自分の表現方法を象徴しそうな肩書きというのは、これはもう編集だなと。もう一つ、自分の使命や天命を象徴していそうな肩書きというのは、この中になかったんですが、経営者かなと。

兼松:「経営者」がそこに入るんですね。

佐渡島:かなと思ってます。コンテンツ好きでありながら、会社経営に対してすごく興味を持っている人が少ないなと思うので。その2つを掛けあわせた価値というものを発揮したいなと思います。

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