古民家を改装した京都の新オフィス

村上勝俊氏(以下、村上):ここからは対談とさせていただきたいと思います。マネーフォワードは今月から京都にお邪魔させていただくのですけれども、先に京都に拠点を構えていらっしゃる会社さまや、京都で創業されている株式会社はてなさま等をお招きして、「我々が京都でやっていく時に、どうやって活動していけばいいのかな?」みたいなところを、各社さまの経験などを元にお話しいただきたいなと思って、この場を設けさせていただきました。今日は、よろしくお願いいたします。

一同:よろしくお願いします。

村上:最初に、簡単に自己紹介をお願いできればと思います。会社名とお名前、あとは京都ご出身なのか、またはそれ以外のところから来ているのかあたりも、教えていただければと思います。順番に、よろしくお願いいたします。

小林幸司氏(以下、小林):Sansan株式会社の小林です。京都には、個人としては4年半ぐらい前に小さなオフィスへ入っております。10平米ぐらいに2~3人ぐらいしかいないんですけど、10月に京都の古民家を借りて中を改装しています。常駐は2人であとはインターンというかたちなんですけど、そこで勉強会をしたり、東京から人が来て学習をしたりする場を作っております。半年くらい、新オフィスになってから経ちました。

私はそこで機械学習や画像処理などをやっていまして、我々の名刺の画像関連とか、セキュリティに関することをやっています。私自身としては、出身は奈良です。大学は大阪で、働き出して京都にきました。転職のときに子どもが生まれたばかりで、職場を近くで探したいなと思ったら、Sansanから「京都に出そう」と聞き「じゃあそこで仕事をやろうかな」という思ったのが4年半ぐらい前のことです。なので、京都歴は11年ぐらいという感じですね。よろしくお願いします。

村上:はい、よろしくお願いします。ありがとうございます。

(会場拍手)

京都生まれのはてなと、京都に開発拠点を作るリブセンス

大西康裕氏(以下、大西):こんにちは。株式会社はてなの大西と申します。はてなは、「はてなブログ」や「はてなブックマーク」といったサービスを提供しているユーザーさん向けのWeb企業です。最近はもっといろいろやっているんですけれども、この京都で2001年に創業しまして、いつまでも「ITベンチャー」を名乗っています。自分では「老舗ベンチャー」と言っています(笑)。

(会場笑)

大西:はてなは2001年に京都のリサーチパークさんの中で創業して、一度拠点を東京に移したのですが、2008年にまた「京都に開発拠点を移そう」ということで戻ってきました。私も創業からずっと京都にいますので、京都・東京、また京都と……合わせて、もう14年ぐらい京都にいます。出身は三重県です。創業者の近藤(淳也氏)は京都大学出身です。

今は東京拠点・京都拠点の両方があるのですが、「京都で創業した」という意味では、他の会社さんとは違うところもあるかもしれないですけども、それを含めていろいろとお話をさせていただければと思います。よろしくお願いします。

(会場拍手)

谷村琢也氏(以下、谷村):株式会社リブセンスの谷村と申します。リブセンスは「マッハバイト」というアルバイトの求人サイトや、企業情報の口コミがわかる「転職会議」というWebメディアサービスを展開している会社になります。その中で、企業さまと求職者の方々のマッチングが非常に重要であるということで機械学習を多用しております。その開発拠点として、京都にオフィスを作らせていただいている状況になります。

私自身の出身は九州なのですが、大学時代は京都で過ごしまして、東京に就職してしばらく働いていました。京都にもその名残と言いますか、思いがありまして、こちらにオフィスを作らせていただいているという感じです。今、京都オフィスは正社員が1名で、ほかはアルバイトという体制です。私自身はまだ東京におりまして、たまに京都に単身で来ているようなかたちですね。今日はこういう靴を脱ぐタイプのオフィス環境だとは想定しておらず、5本指の靴下で来てしまいまして……。

村上:私も一緒ですね(笑)。

(会場笑)

谷村:さすが、マネーフォワードさんだという感じですね。よろしくお願いします。

(会場拍手)

運命的に出会った古民家の有効活用としてのオフィス

村上:それでは、私からいろいろ質問をさせていただきながら、お話を進めてさせていければ思います。私も先ほど発表しましたが、「どうやって京都拠点に決まったのか?」「どういう経緯があって、今もやっぱり京都なのか?」を教えていただきたいと思います。

まずSansanのオフィスは、なぜ「京都にあらためて作ろうかな」と思ったのでしょうか?

小林:初めは、4年半前に私が「京都でやりたい」と言い出したのがきっかけです。3ヶ月くらい単身赴任して、京都の小さなオフィスにいました。そこから4年経って、あるとき知り合いの知り合いの知り合いみたいなところから物件の情報を聞きまして。どこにも情報などが載っていない古民家で、「これを使わない手はない!」と。なので、先に物件があって、「それをどう有効活用しようか?」「どう使おうか?」みたいな感じでした。

今はインターンが1人いるんですけど、彼もそこで面接しました。あとはこういう場所があるから、こういうことができるのか、みたいなことを考えました。ものすごくいい物件を見つけることができたので、そこがすごくよかったと思っています。

村上:ちなみに、今は何名ぐらいオフィスにいらっしゃって、今後はどれぐらい増やしていきたいとか、そういった考えはあるんですか?

小林:前のオフィスには11人ぐらいいて、今の常駐者は2人です。インターンが1人いて、彼は週2回。おそらく4月から、東京から1人引っ越してきます。まだ、正確には決まっていないんです。「京都採用」というかたちではなくて、「京都で働くという選択肢もあるよ」ぐらいの話を簡単にしていて。「京都で仕事をやりたいからSansanにくる」わけではないです。

オフィスですが、和室がオープンスペースで、執務室は台所のスペースを改造して使ってます。そのスペースは4人が限界くらいの大きさですね。

村上:台所スペースに4人がいるってことですよね。

小林:そうですね。それぞれのスペースの使い方を考える会議もしているという感じです。

村上:ありがとうございます。ぜひ、また遊びに行かせてください。よろしくお願いします。

文化と技術が融合する京都は「ものづくり」の環境にふさわしい

村上:それでは、はてなさんもお願いできますか?

大西:そうですね。2008年に東京から京都に開発拠点を移したときの話をします。いったんは、全社で東京に引っ越してしまったんですね。それで2008年に開発拠点とビジネス拠点を分けて、東京はビジネス拠点、京都は開発拠点にしようとして、当時東京にいた開発エンジニアは、全員京都に引っ越しました。

村上:意思決定がすごいですね(笑)。

大西:はい。そのときに「なんで京都を選んだか?」というと、大きく2つあって。1つは「京都」という環境が、我々のようにサービスをじっくり作る「ものづくり」の環境にすごく適していることです。古くからの文化もあって、その文化と技術が上手く融合していたのは、産官学連携も進んでいることからわかりますし。ちゃらちゃらとソーシャルゲームを作らずに、じっくりものを作るというところですね。

(会場笑)

大西:そういう感じだと思いました。もう1つは、人材面ですね。今日のマネーフォワードさんの発表にもありましたけど、京大をはじめとして、優秀な学生さんがたくさんいることがあります。

はてなは2008年に開発拠点を移してから、学生さんを招いた長期インターンを始めたり、その翌年から新卒採用を始めたりしています。新卒だけではなく、中途の方も採用していました。東京とはタイプの異なる優秀な人材とたくさん出会って、そこで開発拠点を大きくしたところはありました。

実際に、それはすごくうまくいったなと思っていまして。今の中途と新卒の割合が、本当に50パーセントずつぐらいです。新卒の方にもうまく活躍していただいていますし、新卒の方もバイトやインターンを経験して、はてなのことを、すでによくわかってから入ってきたということです。

ミスマッチを事前に防げる「まかないランチ」の効果

大西:弊社には「まかないランチ」という制度があるのですが、まかないランチのあるアットホームな職場に、4週間というけっこう長い間学生さんが毎日オフィスにいて、社員と一緒にご飯を食べて開発も一緒にして、濃密な時間を過ごしていただきます。そうすると、会社のことと学生さんのことがお互いによくわかるので、就職したあとも認識などに間違いがなくなり、お互いわかった上で活躍していただける。そういう場所が提供できたのかなと思っています。

村上:はてなさんのオフィスにおうかがいさせていただいて、まかないもいただいたのですが、すごくおいしくて。弊社のCISOである市川(貴志氏)と一緒に行って、「これ、うちもやりたいな」って(笑)。「京都(の拠点で)は、もう絶対にやろう」と、そのぐらいいいオフィスでした。今は、海外の方とかもいらっしゃるんですか?

大西:海外の人間はほとんどいないので、今は日本人のみのオフィスですね。

村上:はてなさんのインターンも、関西エリアではかなり有名で。「インターンはどこに行くの?」と聞いたら、「とりあえず、はてなさんは受けた」とか。これは、これからもずっと続けていきたいなという感じですか?

大西:そうですね。2008年から11年続けてきて、すっかり会社の文化の1つになってきたし、ご好評いただいているので、ぜひ続けたいと思っています。

村上:ありがとうございます。