日本のものづくり技術が生んだ、高性能な衛星

田中邦裕氏:みなさん、こんにちは。本日はTellus SPACE xData Fes.にお越しいただきまして、ありがとうございます。私、田中からは「Tellus バージョン1.0」について、お話をさせていただければと思います。

私は今年で41歳になるのですが、もともと高専に通ってロボットを作っていました。ものづくりに憧れて、小学校の時から「将来はロボコンに出たい」、そして「ものづくりに関わりたい」と思っており、高専に入学しました。

しかし、この30年ほど、日本のものづくりは非常に厳しい状況にあると思っています。とはいえ、日本のものづくりの質は非常に高い。世界屈指の性能を持った衛星がたくさん打ち上げられています。厳しい状況のなかでもこのようにたくさんのものが開発され、世の中では使われているという状況があります。

先ほどの(衛星の)ビデオでも、さまざまな利用例がありました。例えば宇宙から農作物の生育状況がわかったり、災害の予測、また災害後の現状把握。こういったことも、いろいろとできるようになっています。

とても良い衛星がたくさん作られていることから、それを活用している例も少なくありません。ここからは、その素晴らしい衛星であったり、たくさんのものづくりから得られたデータを、もっとたくさんの人に使ってもらうためのTellusについて、みなさんにご紹介させていただきたいと思います。

もっとも開発が必要なのは「ユーザー」「顧客」「開発者」

ではプレゼンのほうに移りたいと思います。Tellusは、先ほどご紹介がありましたように、大地の女神をモチーフに名付けさせていただきました。

宇宙からはたくさんのデータが読み取れます。その中で、どのようなデータをどのように組み合わせ、どのようなことができるのか。そこにはたくさんの可能性があります。これまでは一部の方がそれをやっていました。しかしこれからは、誰でも簡単に使え、そして使う人がたくさん増えることによって、よりたくさんのビジネスが作られる。このような世界を作り上げたいと思っています。

まずはじめにみなさんにお伝えしたいのは、「開発」というキーワードです。これまで衛星が開発されたり、それを解析するITシステムが開発されたりと、たくさんの開発がされてきました。ただ、今一番重要な開発は、ユーザー開発、顧客開発、そして開発者開発です。開発できる人を増やして、使う人を増やし、それが実際の世の中を変えていく。

最近は「イノベーション」というキーワードを、どこに行っても聞かされます。イノベーションの意味は技術革新だと捉えられがちですけれども、実際には新しく出てきた技術であるとか、既存の素晴らしいものを組み合わせて社会に変革を起こすこと、これこそがイノベーションというものです。

完成してから納品するのではなく、ユーザーを含めてみんなで開発する

開発者を作り、事例を作り、そして社会を変えるようなビジネスを作る。こういった開発が、実はTellusで一番重要なポイントでした。これまで国のプロジェクトというと、システムを開発してそれを納品するという開発が多かったです。何かを作って納品する、その時点でその製品は完成してしまっているというものです。

ただ、みなさまのスマートフォンは買った時からどんどんバージョンアップがなされています。今のものづくりというのは、実際に製造して納品した段階で完成するのではなく、完成する前からユーザーが使い始めます。ですので、Tellusにおいて一番重要なのは、システムを開発したプロジェクトではなくて、システムが動き出すことによってユーザーが開発され、実際に開発者がどんどん増えていくという状況を作ることでした。

これまで宇宙のデータというと、非常に特殊なものだと思われていました。私自身もこのプロジェクトに関わるまで、衛星の情報を活用するというのは特殊なことだと思っていました。

しかし、宇宙から見た地球の情報をもとに毎日天気予報を見て、台風の情報を見ているように、私たちはさまざまな宇宙の情報をもとに生活をしています。それに気づかされました。Tellusの開発において大切なことの1つ目は、そもそも宇宙のデータを「使える」ということではなくて、それが「ある」ということがもう前提になっている。この状況を作りたかったということです。

今でもJAXAなど、いろんなところから宇宙のデータを買うことはできます。しかしそのデータを使うことが、開発者の中で前提にはなっていません。例えばGoogleマップですと、開発者の中ではマッシュアップをしてGoogleマップを活用するというのは、もう当たり前になっています。Tellusを通じ、日本の衛星が蓄積していったデータを使うことが前提になっている状況にしていきたいと思っています。

衛星データを組み合わせて起こすイノベーション

すごく高い衛星情報を買い、3ヶ月や6ヶ月もの時間と膨大な開発費をかけて、なにかものを作ったけれども、結局なんの情報も出てこなかった。そうなると、購入したお金も、開発した期間も、すべて無駄になってしまう。逆に言うと、無駄にしないためには慎重にものごとを進めないといけない。それが、これまでの宇宙データ活用だったと私は考えています。

すごいスピードで開発をして失敗したとしても、そのコストがほとんどかかってない状態。強いて言うなら、自分の時間だけが無駄になる。それだけだったら自分の判断で失敗できますし、どんどんチャレンジができる。そういったことを意味しています。

技術を持った人がすぐに試せて、失敗したとしても何回もやり直すことができ、アジャイルなかたちで結果を出せる。100回、200回とチャレンジし、すごいデータが出てきた時点で、それが公開されてビジネスに繋がれば、新たなユーザー開発になるだろうと私は考えています。

そして、イノベーションです。すでに日本のものづくりで得られたたくさんのデータがありますし、たくさんのノウハウを持った人たちがいます。そういったデータやノウハウ、それにいろんな人たちが交じり合うことで、新たな価値創造がなされる。これが非常に重要なことだと考えています。

Tellusにおいては、さまざまな衛星によるデータを1つの画面の中で組み合わせ、そしてそれを活用することができます。また今後、それを複数の人で開発したり、開発したものを実際にマーケットプレイスで売るという機能を搭載する予定です。

単に一つひとつのデータがあるのではなくて、組み合わされ、いろんな人が融合することによって、今までなかったような価値を創る。これこそがイノベーションだと考えています。

無料で使えるから、プログラミングを学んだ小学生でも開発できる

では、実際にTellusを見てみましょう。ユーザー登録をしている場合は、このようにログイン画面から入ることができます。ここでTellus OSをクリックしますと、この後に Googleマップのようなオープンストリートマップの情報が出てきます。

ここで拡大・縮小したりしながら、GUI上で使うことができる。これがTellus OSです。今、東京タワーにフォーカスが当たりましたね。

ここまでは、今までにあったアプリケーションと大して変わりません。しかしながら、Tellusでは0.5メートルの高性能光学衛星から取られた情報を無料で使うことができる。これは非常に新しいことです。なので、これまでの分解能に対して、大幅に細かな情報が見られるようになります。これまでだと「ちょっと渋滞してるのかな」くらいにしかわからなかった道路が、台数までわかるようになったり、車種まである程度推測できるようになったりするかもしれません。

このように、日本が持つすごく高性能な情報は、これまでは一部の人に高額で活用されているのみでした。これが無償で使えるようになる。最近では、小学生でもプログラミングをする時代です。来年から小学生のプログラミング必修化も決まりました。もしかすると、小学生がTellusを使うことで、家の近くの公園の情報を可視化するかもしれない。どんな人がどんなことをするかはわからないですけれども、そのチャンスをこのように用意することができる。そういったことが言えます。

3つのレイヤーを持つデータ

これはSARと言われるマイクロ波を使って、地表面を計測したものです。これは日本の非常に得意とする部分です。このSAR画像も無料で、Tellus上で活用することができます。

ただ、SAR画像を見ただけでは、なんのことかよくわからないと思います。ただこれを組み合わせることによって、例えばそこに緑があるのか、もしくは農園の米は生育してるのか、タンパク質量がどれくらいあるのかといったことを、複数の衛星の画像を組み合わせることによって可視化することができます。

Tellusにおいては、これまで載ってこなかったような画像が無料で提供されます。これまでにもあった衛星データに加えて、地表面のデータも用意しています。

後ほど紹介させていただきたいのが、人流のデータです。

データには3つのレイヤーがあります。1つは地上で取れるデータ。これは「IoT」というキーワードで、最近非常に活性化しています。もう1つは、人が持っているスマホの中のデータ。位置情報とかでGoogleマップなどの渋滞情報予測に使われています。そして、もう1つのレイヤーが宇宙です。

地表面と人流と、宇宙からのデータ。この組み合わせを、Tellus OS上では一発で行うことができる。これは非常に重要なことです。これまではそのデータを集計するのも大変でしたし、買うのも大変でした。さらには、それを処理するためのコンピューティング環境を作ることも、すべてが大変だったわけです。しかし、Tellus上であればそれを一発で解決することができる。そういった設計になっています。

植生データの可視化から生み出される価値

これは実際に、植生データを可視化したものです。左側はALOSから出たデータを、普通にRGBで解析したものです。RGBですので、いわゆる普通の、みなさんが認識するような宇宙データです。ただ、異なる波長で取られたデータをもとに作った植生データが右側です。これによって、どこに植物が生えているのか、どれくらいの密度で生えているのか、こういったことがわかるようになります。

この2つを組み合わせることもできますし、先ほどのSARデータと組み合わせることもできます。また、人流データと組み合わせることもできるでしょう。そういったさまざまなデータを、クラウド上で無料で使うことができる。そういったプラットフォームです。

これが人流データです。実は、人流データの裏には降雨情報が入っています。どこに雨が降って、どう人が動くのかを推測したかったのですが、これは残念ながらまだできていません。

現状ですと、夜は東京の中心部に人が少なくて、周囲に移動したという人流情報でしかありませんけれども、おそらくこの人流データと降雨情報とSARデータを組み合わせて、新たななにかの気づきを作る人が出てくるだろうと思います。

そうすると、「週末にはこういうところが混んでるんだ」といった観光情報につながるかもしれません。また、最近ではインバウンドが非常に増えていますので、「これとこのデータをつなぎ合わせると、新たな観光地がここにできるんじゃないか」といったことが見えてくるかもしれません。

データだけでなく、開発環境まで提供する意味

「かもしれない」を私は連発しているわけですけれども、なにが起こるかわからないところがTellusのおもしろさです。これまで開発というと、すべて完成した状態でみなさんに提供されるというものでした。あくまでもTellusは、本日ローンチをして、これから本当の開発が始まります。

その開発も経済産業省だったりさくらインターネットだったりではなく、ここに参加した開発者の方々がこの上で開発をして、新たな気づきを生み出していく。こういったことにつながります。

加えて開発を、このTellus上でそのままできるような環境も用意しました。これまでは、実際に衛星情報をダウンロードしてきて、それを処理するための環境を用意して、ディープラーニングをするならGPUを搭載したサーバーも用意して、ライブラリをインストールする。このように非常に時間がかかりました。しかし、TellusではJupyter Notebook ベースでそのままプログラミングができるようになっています。

この右側の図は何かと言いますと、雪質を探査しようとして試しに作ったものです。デモブースで後ほど見ていただけますけれども、宇宙から見た情報を複数組み合わせることで、どこに雪が降っていて、加えてその雪がサラサラなのかカチカチなのかがわかるようになります。スキーをする人にとっては、何メートルの雪が降っているかだけではなく、雪質がどうなのかといったことが非常に重要な情報となります。

こういったものが、日本全国どこでも解析できるようになる。これは非常におもしろいことですし、それを簡単にWeb上で、Jupyter Notebookベースで、Pythonさえできれば作れる。最近は小学生でもPythonができますから、開発の敷居の下がり方は今までにないものだと私は考えています。

ユーザーを開発するためのオウンドメディア

このTellusというシステムを開発しただけではなく、ユーザーを開発していきたい、ユーザーをどんどん増やしていきたい。そういった話をしました。そのために実は、システム開発以外にもいろんなことを行ってきました。その1つがオウンドメディアです。

『宙畑(そらばたけ)』というオウンドメディアをTellusでは持っていますが、「宇宙データがもっと身近なものだと、国民のみなさんに知ってもらいたい」という趣旨から作りました。

Tellusと一緒に育てていった結果、去年の8月時点でユニークユーザーが7,400件だったのが、今ではすでに2万を超えるユーザー数になっています。ページビューに関しては2.5倍に成長しています。スマートニュースを見ていて、情報が出てくるようにもなってきました。宇宙というと、どうも遠い情報のように思えますが、それを情報発信していくような仕組みづくりをしてきました。

それに加えて、このデータを使って何ができるのかを開拓していきたいと思っています。実際には、船を解析するようなコンテストをしました。

衛星をもとに船を数えたり、海外では衛星データをもとに道路を判定したり、雨が降っているところや渋滞を予測したりと、たくさんのことをしています。

最近では、ディープラーニング・機械学習・AIが進歩してきた結果、画像を解析することで「人間が見てもわからないが、この画像を組み合わせるとこういうことがわかるんじゃないか」といったことがわかる世界がやってきてます。こうして競いながら、みんなに開発をしてもらう。こういった機会を設けています。実際に、投稿者数で200人以上、述べの投稿数で4,000件近くが、2回のコンテストで出てきています。

たくさんのユーザーを抱えたままローンチできることの強み

Pythonを使って解析するというのは、Pythonができるだけでできるというものではありません。ですのでPythonができた上で、それをどのように使うかを学ぶラーニングイベントも行いました。

会場のキャパに限界があったことから、165人に受講していただくことになりましたけれども、申し込みは1,000件以上来ていました。来年以降はeラーニングを始めたいと思ってますけれども、これはすごく関心が高い分野だと言えます。

もう1つお伝えしておきたいのは、普通こういったローンチイベントをすると、「これからユーザーを増やしますよ」ということになるわけですけれども、Tellusに関してはすでにユーザーがいて、実際に使える人が開発されています。これは、これまでの国のプロジェクトとは大きく違うところなんじゃないかなと私は考えています。

さらに、そこで開発されたものを、開発者が自由にほかの人に売ることができる。先ほどJupyter Notebookのデモの時に紹介しましたように、衛星画像を使ったパズルゲームといったものを開発し、試しに公開されています。このように、誰しもができるような状態にしていきたいと考えています。

すべては整っている。あとはチャレンジするだけ

最後にまとめです。

衛星の情報が公開されるということは、今までにもあったんじゃないかと思われるかもしれません。ただ今回は、これまで無料で公開されていなかったような、非常に高分解能・高性能なデータが公開されます。これは非常に重要なことです。加えて、先ほどの人流データであったりTwitterのデータといった、さまざまなデータをTellus上で無料で使うことができる。こういったことは非常に目新しいと思います。

もう1つは、それを解析するためのコンピューティング環境を提供するというところです。基本的には、たくさんのデータを高性能なコンピューターで解析すると、たくさんのアウトプットが出ます。実際に最近では、将棋においても囲碁においても、人間にコンピュータが勝つ、そういった時代がやってきました。ポイントとして、棋譜データをたくさん集める、いわゆるデータがたくさんあることが非常に重要です。あともう1つは、AIの非常に高性能なコンピューターがあるということが重要です。

Tellusにおいては、たくさんのデータが用意され、コンピューティングの環境が用意され、当然GPUも用意されています。それで出てきたものを商用利用することができます。我々はシステムを開発したのではなくて、衛星を活用する人の数を開発していく、衛星を使ってビジネスを作る人を作っていく。これがTellusの非常に重要なポイントです。以上で私からのご紹介とさせていただきます。ありがとうございました。

(会場拍手)

23社とのクロスデータアライアンス

司会者:続いて、さくらインターネット株式会社フェロー・京都造形芸術大学教授の小笠原治よりご挨拶申し上げます。

小笠原治氏:みなさん、こんにちは。さくらインターネットの小笠原です。

田中に続きまして、このTellusを支えていくユーザー開発のコアとなる「xData Alliance(クロスデータアライアンス)」について、ご紹介させていただきたいと思います。

まずTellusについて、これは田中からもありましたように、システムというよりは環境です。ユーザー・開発者、こういった方々を開発していくことを目指しています。中心となるアライアンス、つまり利用促進であったり、システムの開発に貢献していただける方々に集まっていただき、昨年21社のアライアンスでスタートさせていただきました。

経済産業省の事業であるTellusは、さくらインターネットでインフラの提供・システムの開発をさせていただいています。これらにxData Allianceというかたちで、パートナーさんたちから意見をいただいたり、実際に利用していただいたりすることで開発を進めております。

「21社」とお話ししましたが、今日はうれしいご報告ができます。今回、シスコさん及びシャープさんに参加を決定いただきまして、合計23社で今後のTellusの開発を一緒に進めていこうと思っています。こういったアライアンスの場では見慣れないロゴが並んでるかと思います。

メルカリが取り組む、衛星データ活用の研究開発

我々はTellusを環境だと思っていますので、ビジネス開発領域や競争促進、コンテスト、人材育成といったところに、いわゆるAIであったりデータ分析・解析に強い会社に入っていただいています。インフラ領域は、我々さくらインターネットが請け負っております。

ただ、こういったことを内向きにやるだけではなく、さまざまなスタートアップの方々にもご参加いただきたいと考えております。投資領域ということで、今までインターネット領域で投資を活発にされていたベンチャーキャピタルさんなどにも入っていただいています。

当然、データの利活用領域が一番多いです。ABEJAさんであったり、Ridge-iさんであったりと、実際にディープラーニングを活用されているような方々にも参加をいただいております。

こういう方々とどういった活動・取り組みをしているか、少しご紹介させてください。

意外に思われるかもしれませんが、メルカリには「R4D」という研究組織があります。こちらでは農業、とくに営農の分野に対して衛星データを利用し、営農による変化量や効果量を数値化する技術を研究中です。

これまで衛星データにはなかった物理量を見える化して、独自の営農指標やデータシェアリング、また信用スコアリングに活かしていく取り組みをしています。衛星や宇宙といった分野でメルカリのロゴを見かけることが、これからは増えていくんじゃないかと思いますので、ご期待いただければと思います。

地域経済の活性化を目指す「仮想地球プロジェクト」

また、こちらも少し変わったプロジェクトです。この「仮想地球プロジェクト」は、メタップスという会社の佐藤(航陽)代表が提唱・企画中のプロジェクトです。

衛星データを使ってもう1つの地球を作り、そこでの位置情報と、人間が本当にいる地球での位置情報を組み合わせて、現実世界で経済が発展していない場所のトークンをたくさん獲得できるようになります。仮想通貨と仮想地球、こういったものを活かして、地域経済の活性化などを検討されています。

「衛星データ」というと、難しく、堅いイメージがあるかと思います。ですが、こういったかたちで仮想地球を作ってしまうという取り組みや、それを仮想通貨に活かしていくための取り組みも行われています。

また、本日参加を発表させていただいたシャープさんですが、今「8Kラボ」と呼ばれる施設を運営されています。この中で培ってこられた「超解像」という技術。みなさんも、テレビを見ているときに、「粗い画像が綺麗に見える」という体験を、気づかないうちにされていると思います。

衛星のデータによる映像を、人間が目で見た時より、いかに綺麗に見せるか。航空写真であったり、綺麗な映像というのはすでにたくさんあるんですが、俯瞰的に撮れる衛星データを人間に綺麗に見せるというところに、ずっと8Kにチャレンジされてきたシャープさんならではの技術を活かした取り組みです。Tellus OS、先ほどのGISですが、そういったものを使いやすくする技術として、一緒に取り組んでいこうと思っています。

プレイヤーのいないプラットフォームにならないように

今日は時間の関係で3社しかご紹介ができませんでしたが、このようにシステムを作るだけではなく、実際の取り組みをはじめながら、本日衛星データプラットフォームとしてのTellusを開始させていただきました。

よくありがちなんですが、プラットフォームと呼んでいるだけで実際のプレイヤーがおらず、失敗に終わるプロジェクトというのはたくさんあります。我々はそういったことにならないよう、アライアンスパートナーさんたちと事業につながる取り組みをしていき、またオープンなプラットフォームとして、さまざまな開発者の方々にコンピューティングパワーを提供していきたいと思っています。

我々は、例えばCPUであれば2,000コア以上、GPUであれば 2ペタフロップス近く、メモリだけでも7テラバイト以上のコンピューティングリソースをご提供しつつ進めていきます。

ぜひ、これからもよろしくお願いしたいと思います。本日はありがとうございました。

(会場拍手)