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グローバルコーチング本多喜久雄氏×ランサーズ秋好陽介氏対談(全2記事)

2019.04.01

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ランサーズ秋好氏「社長の器で会社の器が決まる」 経営者の支援をするコーチングの価値を説く

提供:株式会社グローバルコーチング

近年、組織マネジメントにおいて「コーチング」の存在がクローズアップされてきています。対話を通して、意識や行動のレベルを上げ、目標達成や自己実現を支援するプロセスとして注目されていますが、コーチングのプロたちはどのような信念を持ってコーチングしているのでしょうか? 経営者に特化したコーチングを展開する株式会社グローバルコーチング代表取締役CEOの本多喜久雄氏が、これまでコーチングしてきた経営者と対談しました。本記事ではランサーズ株式会社代表取締役社長 CEO秋好陽介氏と、グローバルコーチングの強みについて語り合います。

秋好氏が経験した3段階の進化

――グローバルコーチングは経営者の「意識の変化」を掲げていますが、秋好さんのようにリーダーが進化することが組織にどういう影響を及ぼすのでしょうか?

秋好陽介氏(以下、秋好):組織に影響を与えることは間違いないですよね。僕の変化は3段階ぐらいありました。

最初の第1段階。僕はもともと、すごくいいサービスを作りたい普通のエンジニアです。エンジニアが社長をやっているということは、基本は「いいもの作ろうよ」というプロダクトが中心の世界観があります。

変化の第2段階は、会社の規模が30人ぐらいのときです。メンバーの期待が価値観としてわからなかった時がありました。。ただただ、いいプロダクトを作るために会社をやっているから、例えばプロダクトを作る以外の人事評価にそれほど興味がなかったんですよね。

でも、それじゃいけないと気づき、自分のあり方を変えたんです。「人間・秋好」をいったん脇に置く感覚ですね。社長として、リーダーとしての人格で、考えて話せるようになりました。

第3段階は、社員150人ぐらいのときで、「リーダー人格」だけでは限界があり、自分らしいリーダーシップを果たすためにあえて「人間・秋好」とリーダー・秋好が混ざり合った状態ですね。単純にリーダーとして振る舞うだけではなく、自分らしいリーダーシップのあり方を獲得した状態です。

いまは自分らしくありたいですね。相手を意識しているけど、究極、人間・秋好を含有したリーダーとして歩みたいなと思っています。

そうなると、やっぱり周りの反応はぜんぜん違いますよ。一番変わるのは、採用する人の幅が広がりますね。これは、一番いいことだと思っています。

第1段階では、いいプログラムやいいサービスを作るのが好きな人のみを採用してしまう。同質でやりやすいが、会社を大きくすることができないんですね。第2段階だと、イエスマンとも違うんですが、上位下達的なやり方に依存したり、ボトムアップ・自発的な人が活躍しにくくなる。

いまの第3段階だと、自発的な人がだんだん増えてくる感じがありますね。僕以外に「ランサーズをこう変えてやる!」と言っている人がたくさんいる。いままでは、そんなことを言うのは役員ぐらいでしたが、より本気の人がものすごく増えています。新卒でも中途でもそういう人がいる。社長が変わることで会社も変わります。

本多喜久雄氏(以下、本多):いやー、あっきん(秋好氏)は社員が4人の頃からよくやりましたよ(笑)。「自分を捨てる」みたいな進化をして、スタッフも育ってきた。

秋好:回り回って、今がかなり楽しいですけどね。「自分ドリブン」で生きています。

本多:すばらしいです。

いまが一番、憂鬱な時間は多い

秋好:楽しいけど、つらいこともたくさんありますよね。コーチングと関係ない話なんですけど、がんばれば、がんばるだけ憂鬱度は増しますね。これは不思議です。

本多:なるほど。

秋好:第1段階が一番ストレスがないですよ。好きなようにやっていた。いまのほうが社員もたくさんいて、お金もたくさんあって、ビジネスの規模も拡大して、認知度もあって、状況はいいはずなのに。いまが一番、憂鬱な時間は多いですよね。つらいです。

本多:ああ、そうなんだ。

秋好:朝5時に悪夢で起こされる回数は、今が一番多いですね。会社の規模が大きくなって、成長スピードが上がってきた。物体と速度が大きくなっているから、摩擦熱がすごいですよね。まぁ、それはそれで楽しいからいいんですけど。

本多:「次のステップはいつかな?」と思ってるんだ。

秋好:そうですね。

本多:またその次の、その先にいくんだろうと思っています。

秋好:また悪夢で、毎日もっとうなされるかもしれない。

(一同笑)

本多:そうかもしれないですね。本当に大きな内面の変化と外面の変化がありましたよね。外面で言うと、人数は拡大して、事業規模も拡大した。外部資本も入った。住んでいるところも変わった。オフィスも変わった。優秀な人が入ってきている。外側は本当に明確に変わっているよね。あと、付き合う人も変わったじゃないですか。

秋好:変わった。やっている仕事もパブリックになりましたし。

本多:外側は変わっていったよね。

秋好:変わりましたね。会う人は変わったな。

本多:でも、内面の成長は意図的・意識的にやっていたように見えていますけどね。いや、本当に偉い。いろんな困難と向き合ってきたと思います。

成長企業の秘書は本当に大変

――内面の変化が著しいとおっしゃっていましたが、グローバルコーチングで、そのケアのようなことはやっているのでしょうか?

本多:世の中の一般的なコーチがやることではないかもしれないですが、家族や奥さん、パートナーには努めて会うようにしています。

秋好:僕のアシスタントにも会ってくれていますもんね。さすがに、コーチ全員がそれぐらい濃くはやれないと思います。

――秘書の方と会われるのはなぜでしょうか?

本多:秘書とコーチは、やっぱりチームだよね。経営者を支えるチームです。「俺たちは『チームあっきん』だ」と、チーム感を出す。実際、事務連絡上でもやりとりが必要になりますよね。

僕もあっきんも経営者だから、コーチングの日程が変わったときなどに気軽に会話ができるのは、実務上も大事だと思っているので、そのために関係性を作る。また、同じ職種があまりないから、秘書はけっこう孤独になりやすいとも思っていて。

秋好:大変ですよね。

本多:日常的にそばにいる秘書の安定性や心の健全性も、社長にとって大事だなと思うので、彼女たちの安全・安心のためにも、一緒の立場の誰かがいることがいいなと思って。

秋好:秘書コミュニティ、作ってくださいよ。

本多:あっ、いいね。

秋好:いや、けっこういいと思いますね。秘書の仲間は本当にいないので。とくに成長企業の秘書はかなり大変なんですよね。

共に語れる仲間との思い出は残すべき

――お二人の関係を見ていると、コーチングという関係を超えた存在のように思えます。

本多:そうですね、それはいい話だね。一緒に成長していくパートナーがいることは大事ですよね。この6年を振り返ったときに、慈しみを持てるパートナーという存在かもしれないです。

秋好:思い出を共有するのは大事ですからね。

本多:そうですね。

秋好:社員に思い出の大事さを伝えると、「何を言ってるんですか?」と言われるんですけど、会社経営をしていて何が楽しいかというと、資金調達することでも、上場することでもないんですよ。成し遂げたことを同じ目線で共に語れる仲間は、ものすごく価値があると思っているんです。

だから、記念日は絶対に飲みに行ったほうがいい。また、一緒に語れる仲間はすごく大事だと思いますね。

本多:そうですね。

秋好:だから、昔の写真も大事なんですよね。かつて、某経営者の方にアドバイスされたのは「今の写真を撮った方が良い」でした。資金調達の相談をしに行ったのに、「写真撮れ」と。

なぜなら、思い出が大事だから。「会社が小さいときは写真がないでしょ。ある?」「いや、思い出が大事だから。お金なんていうのは、なんとかなるじゃないですか」「思い出こそが大事だから、撮っておきなさい」と。いまは身に沁みて、そう思いますね。喜久雄さんとも2人で、出会った頃の写真を撮っておけばよかったですね。

本多:確かにそうですね。

秋好:思い出が、というと陳腐に聞こえるかもしれないですけど、共通体験することで、最初の頃との差分がわかりますよね。思い出というか起点があると、どう成長したかを振り返れるし、そういう機会があるのはいいかもしれないですね。

本多:そういえば、最初の導入時のアンケートは残っていますよ。

秋好:確かに貴重ですね。

コーチングとは“器”のバージョンアップ支援

――今日はありがとうございました。最後に、秋好さんにとって、グローバルコーチングによる経営コーチングとは何かということをお聞かせください。

秋好:まず、経営コーチングは、世間では経営を教えてもらえると思われている。いまだにこの誤解があるんですよね。喜久雄さんは、たぶんSWOT分析を知らないですよね。知っているかもしれないけど(笑)。

本多:(笑)。

秋好:そういうものではないです。究極、社長の器が会社の器なんですよね。もちろん、役員なども関係するとは思うんですが、小さい会社だと、ほぼ社長で器が決まります。言い切ってもいい。

だから、その社長自らが器のバージョンアップをしないと、一時的にはうまくいっても、中長期的には絶対うまくいかないので、社長というOSをバージョンアップする。

バージョンアップするのも、自分でやるのは非常に時間がかかる。グローバルコーチングの中にいろんな会社のバージョンアップをやってきたノウハウがあると思うので、そこを借りる感じですよね。バージョンアップのアウトソーシングみたいな。

自分でやってもいいんですけど、バグを潰してバージョンアップしていくのは本当に大変です。だから、経営者の器のバージョンアップ支援だと考えると、いいと思いますね。うまくいっているときはいらないかもしれないけれど、危機的な状況の少し手前ぐらいで。

本多:あっきんは、コーチングの使い方が上手だなと思います。「ここだ」「一段上がらなきゃ」というときに使う。

僕らも、ずっとコーチをつけていてほしいとは思っていないんですよ。関係性は続いているんですけど、「ここだ」というときに、3ヶ月や半年、コーチングを入れる。そしてまた数年など休止する。それでいいと思っているんですね。半年やると関係性ができるし、どういうものがコーチングかがわかるので、そのあとは必要に応じて続けていく。

秋好:コーチングは成長企業の企業価値を上げていると思いますよ。企業価値というのは、お金という意味じゃなくて、社会的な価値ですね。間違いなく上げていると思う。だって、経営者の器をバージョンアップするんですから。一度はやったほうがいい。

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